カンサス (バンド)

カンサスKansas、カンザス)は、アメリカ合衆国出身のプログレッシブ・ロックバンド

カンサス
Kansas
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USA・サンティアゴ公演 (2017年7月)
基本情報
別名 ホワイト・クローヴァー・バンド (1969年 - 1973年)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カンザス州 トピカ
ジャンル アメリカン・プログレ・ハード
プログレッシブ・ロック
ハードロック
ポップロック
活動期間 1973年 - 1984年
1985年 - 現在
レーベル Kirshner/エピック・レコード
MCAレコード
Magna Carta Records
Inside Out Music
公式サイト KANSASBAND.com
メンバー リチャード・ウィリアムス (G)
フィル・イハート (Ds)
ビリー・グリアー (B)/Vo)
デヴィッド・ラグスデール (Vio/G)
ロニー・プラット (Vo/Key)
デヴィッド・マニオン (Key)
ザック・リビ (G)
旧メンバー スティーヴ・ウォルシュ (Vo/Key)
ロビー・スタインハート (Vio/Vo)
ケリー・リヴグレン (G/Key)
ほか 以下を参照
イエス
エマーソン・レイク&パーマー
フランク・ザッパ
ビートルズ

1970年代アメリカン・プログレ・ハードから誕生したグループの一つ。伝統的な流れを汲む王道のアメリカン・プログレを展開していたが、1980年代にはポップ化路線に移行。1990年代以降からは、往年のスタイルに原点回帰している。

目次

概要・略歴編集

オリジナル・ラインナップ期(1973年 - 1980年)編集

 
1976年のグループショット

[1] 1969年フランク・ザッパに触発されて、前身である「ホワイト・クローヴァー・バンド」が結成される。しばらくはメンバーチェンジを繰り返しながら、カンザス州を拠点に活動。1972年頃にフィル・イハートがイギリスに音楽留学へと行った際、全盛期のプログレッシブ・ロックを目の当たりにして衝撃を受け、同路線に転向。1973年にバンド名を「Kansas」と改名し活動を始める。

1974年に1stアルバム『Kansas』でメジャー・デビュー。翌年には2ndアルバム『Song for America』、3rdアルバム『Masque(仮面劇)』を発表した。これら3枚はいずれも最終的にゴールド・ディスクを獲得している。

1976年には『Leftoverture(永遠の序曲)』を発表。「Carry On Wayward Son(伝承)」のシングル・ヒットも生まれ、アルバムは同年中に100万枚、1995年までに400万枚を売る大ヒットとなった。

1977年発表の『Point Of Know Return(暗黒への曳航)』からは「Dust In The Wind(すべては風の中に)」が大ヒットし、アルバムそのものも同年中に100万枚、1995年までに400万枚に到達している。

また、ライブ活動も積極的に行っており、毎年のように100本以上のツアーをこなしている。1978年には1977〜78年の3本のツアーで収録した音源をもとに、LP2枚組のライブアルバム『Two for the show(偉大なる聴衆へ)』を発表。翌年に100万枚到達。

1979年には『Monolith(モノリスの謎)』、1980年には『Audio Visions』とコンスタントにアルバムを発表。同年1月に、初来日公演を開催。

スティーヴ・ウォルシュ脱退〜活動停止(1981年 - 1984年)編集

1981年、ソロとして活動することを決意したスティーヴ・ウォルシュがバンドからの脱退を表明する。バンドは新メンバーのオーディションを行い、新人のジョン・エレファンテがヴォーカル&ソングライターとして加入する。

新生カンサスとして1982年にアルバム『Vinyl Confessions』を発表。先行シングル「Play The Game Tonight」が17位まで上がり、久々のヒットとなる。

1983年の『Drastic Measures』はよりポップでコンパクトにまとめられたアルバムだったが、売上の面では成功しなかった。バンドの象徴的存在だったヴァイオリンのロビー・スタインハートと、ケリー・リヴグレンが脱退。翌年にバンドは、ベストアルバムの発売と同時に活動を停止する。

活動再開〜ウォルシュ再度の脱退(1985年 - 2014年)編集

1年後の1985年、スティーヴ・ウォルシュが復帰して、リチャード・ウィリアムス、フィル・イハートの3人が中心となり、ギタリストにスティーヴ・モーズを迎えるなど新たな編成で活動再開。翌年に復活アルバム『Power』を発表。以降はオリジナルメンバー以外、流動的なメンバー構成で活動を継続する。

2000年にはオリジナル・メンバー全員でのリユニオンも成し遂げ、14thアルバム『Somewhere to Elsewhere』を発表した。

 
スティーヴ・ウォルシュ在籍時代 (2008年)

2008年、未発表音源を大幅に加えた発売30周年記念盤の『Two for the show』をリリース。

2009年にはオーケストラと共演したライヴDVD『There's Know Place Like Home』をリリース。これには旧メンバーのケリー・リヴグレンと、スティーヴ・モーズがゲスト参加した。

2013年、旧メンバーが客演したオリジナル・ラインナップで、結成40周年記念ライブを開催[2]

2014年、中心メンバーのスティーヴ・ウォルシュが再度の脱退[3]

新体制〜以降(2014年 - 現在)編集

2014年、ウォルシュの後任に、ロニー・プラット(Vo)とデヴィッド・マニオン(Key)が加入[4]

2016年、16年ぶりの15thアルバム『The Prelude Implicit』をリリース[5]。ザック・リビ(G)が加入し、7人編成に移行する。またこの年、往年のアルバム『永遠の序曲』の発売40周年を記念し、同作品を完全再現したライヴ・ツアーを開催した[6]

2018年、5thアルバム『暗黒への曳航』の発売40周年を記念し、同作品を完全再現したライヴ・ツアー開催を発表[7]

音楽性とその影響編集

 
スティーヴ・ウォルシュ(Vo/Key) 2008年

曲作り・サウンドの傾向としてはロックンロール指向の強いスティーヴ・ウォルシュと、プログレッシブ・ロック指向が強いケリー・リヴグレンの2人が中心である。スティーヴとロビーのツイン・ヴォーカル、リチャードとケリーのツイン・ギター、ケリーとスティーヴのツイン・キーボード、そしてロビーのヴァイオリンを加えた斬新なメンバー構成で、デビュー当初から独自の音楽性を展開した。
プログレとしては「イエス」や「ジェネシス」といったシンフォニック・構築的なバンドの影響を受けており、それらの先逹との差別化として、ハードロック的でアグレッシヴなリズムセクションやバラエティに富んだヴォーカル、マルチなリード楽器による重層的なアンサンブルなどを武器とした。また当時世界的に隆盛していたハード・ロックを中心として、フォーク、ヘヴィ・ブルーズ、カントリー、ラテンなど、非常に雑多なアプローチを盛り込んだ、洗練されていながら泥臭いというアメリカン・ロックの両端が同居するサウンドも大きな特徴である。デビューが同年だったカナダの「ラッシュ」や、本国の後続である「ドリーム・シアター」「スポックス・ビアード」のように、変則的なリズムを自然に聴かせるアレンジも先進的であった。

アメリカにおけるプログレッシブ・ロック、ことにブリティッシュ・プログレの模倣ではない音楽性を確立したパイオニアとして、スティクスジャーニーボストンらと「アメリカン・プログレ・ハード」のバンドとして並び称され、後世に与えた影響は少なくない。例えば「伝承」をカバーしているイングヴェイ・マルムスティーンは『Two for the show』を聴いて大きな衝撃を受けたといい、「それまでアメリカのバンドではスティクスをよく聴いていたんだけど、カンサスを知ってからは僕の中でスティクスはかなり小さな存在になってしまったよ」と述べている。

その他にもドリーム・シアターが「伝承」を、サラ・ブライトマンスコーピオンズが「すべては風の中に」をカバーしている。

メンバー編集

現ラインナップ編集

  • リチャード・ウィリアムス Richard Williams - ギター (1973- )
  • フィル・イハート Phil Ehart - ドラムス (1973- ) 空軍所属の父の赴任に伴い日本での居住歴あり
  • ビリー・グリアー Billy Greer - ベース/ボーカル (1985- )
  • デヴィッド・ラグスデール David Ragsdale - ヴァイオリン/リズムギター (1991-1997, 2006- )
  • ロニー・プラット Ronnie Platt - ボーカル/キーボード (2014- )
  • デヴィッド・マニオン David Manion - キーボード (2014- )
  • ザック・リビ Zak Rizvi - ギター (2016- )

旧メンバー編集

  • スティーヴ・ウォルシュ Steve Walsh - ボーカル/キーボード (1973-1981, 1985-2014)
  • ロビー・スタインハート Robby Steinhardt - ヴァイオリン/ボーカル (1973-1983, 1997-2006)
  • ケリー・リヴグレン Kerry Livgren - リードギター/キーボード (1973-1983, 1990-1991, 1999-2000)
  • デイヴ・ホープ Dave Hope - ベース (1973-1983, 1990, 2000)
  • ジョン・エレファンテ John Elefante - ボーカル/キーボード (1981-1984)
  • スティーヴ・モーズ Steve Morse - リードギター (1985-1989, 1991)
  • グレッグ・ロバート Greg Robert - キーボード (1990-1997)

ディスコグラフィー編集

オリジナル・アルバム編集

邦題 原題 最高位[8] RIAA認定
1974年 カンサス・ファースト・アルバム Kansas 174位 50万枚
1975年 ソング・フォー・アメリカ Song For America 57位 50万枚
1975年 仮面劇 Masque 70位 50万枚
1976年 永遠の序曲 Leftoverture 5位 400万枚
1977年 暗黒への曳航 Point Of Know Return 4位 400万枚
1979年 モノリスの謎 Monolith 10位 100万枚
1980年 オーディオ・ヴィジョン Audio Visions 26位 50万枚
1982年 ビニール・コンフェッション Vinyl Confessions 16位
1983年 ドラスティック・メジャーズ Drastic Measures 41位
1986年 パワー Power 35位
1988年 イン・ザ・スピリット・オブ・シングス In The Spirit Of Things 114位
1995年 フリークス・オブ・ネイチャー Freaks Of Nature
1998年 オールウェイズ・ネヴァー・ザ・セイム Always Never The Same
2000年 サムホエア・トゥ・エルスホエア Somewhere To Elsewhere
2016年 暗黙の序曲 The Prelude Implicit 41位

ライヴ・アルバム編集

邦題 原題 最高位[8] RIAA認定
1978年 偉大なる聴衆へ Two For The Show 32位 100万枚
1992年 ライヴ・アット・ザ・ウイスキー Live At The Whisky
1998年 キング・ビスケット・ライヴ King Biscuit Flower Hour Presents
2001年 Dust in the Wind
2002年 ディヴァイス・ヴォイス・ドラム Device, Voice, Drum
2013年 There's Know Place Like Home
2017年 Leftoverture: Live and Beyond

コンピレーション・アルバム編集

邦題 原題 最高位[8] RIAA認定
1984 ベスト・オブ・カンサス The Best Of Kansas 154位 400万枚
1994 伝承 The Kansas Boxed Set
2002 アルティメイト・カンサス The Ultimate Kansas
2008 プレイリスト:ヴェリー・ベスト・オブ・カンサス Playlist: The Very Best of Kansas

シングル編集

原題 最高位
1974 Can I Tell You
1975 Bringing It Back
1975 Song For America
1976 It Takes A Woman's Love (To Make A Man)
1976 Carry On Wayward Son 11位
1977 What's On My Mind
1977 Point of Know Return 28位
1978 Dust in the Wind 6位
1978 Portrait (He Knew) 64位
1979 Lonely Wind 60位
1979 People Of The South Wind 23位
1979 Reason To Be 52位
1980 Hold On 40位
1980 Got To Rock On 76位
1982 Play The Game Tonight 17位
1982 Right Away 73位
1982 Chasing Shadows
1983 Fight Fire With Fire 58位
1983 Everybody's My Friend
1984 Perfect Lover
1986 All I Wanted 19位
1987 Power 84位
1987 Can't Cry Anymore
1988 Stand Beside Me
1995 Desperate Times
1995 Hope Once Again

来日公演編集

  • 1980年 Monolith・Tour(モノリス ツアー) 招聘元:ウドー音楽事務所
    • 1月11日(金) 大阪・大阪フェステバルホール
    • 1月13日(日) 福岡・九電記念体育館
    • 1月14日(月) 大阪・大阪フェステバルホール
    • 1月15日(火) 愛知・名古屋市公会堂
    • 1月16日(水) 東京・日本武道館
  • 1996年
    • 11月12日(火)川崎市・CLUB CITTA
  • 1999年
    • 3月14日    川崎市・CLUB CITTA
    • 3月15日    東京・新宿厚生年金会館
    • 12月31日   沖縄・米軍基地
  • 2001年 カンサス・グレイティスト・ヒッツ 「JAPAN TOUR 2001」
    • 1月16日(火) IMPホール 大阪
    • 1月17日(水) BOTTOM LINE 名古屋
    • 1月18日(木) 松本 Mウィング 長野 
    • 1月20日(土) 東京厚生年金会館 東京
    • 1月21日(日) 横浜ベイホール 横浜
    • 1月23日(火) Zepp Sendai 仙台
    • 1月24日(水) 八戸市公会堂 青森(中止)
    • 1月25日(木) Zepp Sapporo 札幌
  • 2011年
    • 8月26日(金)川崎市・CLUB CITTA
    • 8月28日(日)東京・日比谷野外大音楽堂(第2回プログレッシブ・ロック・フェス)

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集