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カーゴトラムドイツ語: CarGoTram)は、ドレスデン交通企業体(DVB)がドレスデン路面電車網で運行する路面貨物電車である。フォルクスワーゲン社の大型高級セダン「フェートン」の部品やコンポーネントを、ドレスデン市郊外にある同社パーツセンターから同市中心部にある同社ドレスデン工場に搬送するため2000年に建造され、2001年に運行を開始した[1]。建造費はフォルクスワーゲン社が出資した。

カーゴトラム
VW-Cargotram-Dresden.jpg
基本情報
製造所 Schalker Eisenhütte Maschinenfabrik
Maschinenfabrik GmbH
製造初年 2000年
主要諸元
編成 5両編成
軌間 1,450 mm
電気方式 直流600V
最高運転速度 50 km/h
編成重量 90 t
編成長 59,400
車体幅 2,200 mm
編成出力 20 × 45 kW = 900 kW
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目次

沿革編集

ザクセン州の州都ドレスデンの中心部に位置するフォルクスワーゲン社の自動車工場(通称「ガラスの工場」)へのコンポーネント搬送をどのように行うかは、工場建設の計画段階から問題になっていた。トラック輸送によって生じる騒音、交通渋滞、排気ガスで市内の生活環境が悪化することを防ぐため、コンポーネント搬送には路面電車を利用することが決定された。

2000年3月、カーゴトラム2編成がSchalker Eisenhütte社に発注された。1編成あたりの価格は6百5十万ドイツマルク(当時)であった。引退したタトラ社製路面電車の駆動系を再利用し、車体部分は新たに設計・建造した。

2000年11月16日、最初の車両がドレスデンのトラヘンベルゲで公開された。2001年1月3日にはドレスデン路面電車網での最初の試運転が行われた[2]

2016年3月にドレスデン工場での「フェートン」製造が休止され、カーゴトラムは無期限運休となった[3]

2017年3月、e-ゴルフ(EVバージョンのフォルクスワーゲン・ゴルフ)の部品搬送のためカーゴトラムの利用が再開された[4]。この際、e-ゴルフの部品搬送に活用されていることを示すシンボルイラストと、「Hier kommt elektrische Ladung(電気エネルギー到来)」の文字が外装に追加された。

運行編集

カーゴトラムの営業最高速度は50km/hで、5km離れたパーツセンターと工場を約25分かけて結ぶ。運行は基本的に1時間間隔で、必要な場合は40分間隔で運行された。1日の運行本数は基本的に7往復だった。

運行経路は複数使用された。主に使用されたのはフリードリッヒシュタット(Friedrichstadt)のロジスティクスセンターからポスト広場(Postplatz)とグリューナー通り(Grunaer Straße)を経てストラスブール広場(Straßburger Platz)に至り、工場に到着する経路であった。

車両・編成編集

折り返し運転が容易なように編成の両端に先頭車が配されている[5]。先頭車にはそれぞれシングルアーム式パンタグラフが装備され、通常進行方向前方のパンタグラフを使用する。すべての車軸が駆動軸である。連接構造は採用しておらず、ボギー車となっている。通常は先頭車2両で中間車3両を挟んだ編成で運行する。

最大積載量は次の通りである。

7,5 t (先頭車)
+ 15 t (中間車)
60 t (編成合計)

先頭車には2001から2005までの車両番号が振られ、中間車には2021から2027までの番号が振られる(先頭車2005と中間車2017は空き番号)。

脚注編集

  1. ^ 「ガラスの工場」に毎日420トンのパーツを運ぶカーゴトラム”. フォルクスワーゲン グループ ジャパン. 2017年1月17日閲覧。
  2. ^ Meldung Aktuelles in Kürze. In: Eisenbahn-Revue International, Heft 3/2001, ISSN 1421-2811, S. 106.
  3. ^ Dirk Hein: Wegen Phaeton-Aus: Verliert Dresden auch seine CarGoTram? Morgenpost, 16. November 2015, abgerufen am 18. Oktober 2016.
  4. ^ Hier kommt elektrische Ladung auf glaesernemanufaktur.de, abgerufen am 20. April 2017
  5. ^ ドレスデン市交通局の路面電車は終点でループ線を通って方向を変える為、運転席が前方のみ、乗降ドアも片側のみとなっているが、カーゴトラムは工場と倉庫を往復する運用の為ループ線を使用しない。この為ドレスデン市交通局の車両として唯一前後に運転席を設けた車両となっている。