カールスジュニア(Carl's Jr.)は、アメリカ合衆国ファーストフードチェーン。2014年に日本に再上陸した際には掲記のように「カールスジュニア」表記であるが、文献によっては「カールス・ジュニア[1]、「カールズ・ジュニア[2]、「カールズジュニア」表記もある。

Carl's Jr.
種類
完全子会社
業種 ファーストフード
設立 1941年
本社 フロリダ州デルレイビーチ
拠点数

1,062 (US domestic, 2021)
2,124 (global, 2021)

3,186 (Total)
主要人物
カール・カーチャー英語版, マーガレット・カーチャー英語版, アンドルー・パズダー
製品 ファーストフード
親会社 CKEレストランズ英語版
ウェブサイト CarlsJr.com
カールスジュニア店舗外観(テキサス州
カールスジュニア店内(シンガポール
カールスジュニア看板(グレンデール (カリフォルニア州)
商品

会社のスローガンは、"Eat like you mean it"。

概要 編集

1941年カール・カーチャー英語版と妻マーガレット・カーチャー英語版は所有していた自家用車を担保に311ドルを借り入れ、ロサンゼルスホットドッグの販売カートの営業を始めた。1945年にはカルフォルニア州アナハイムで「カールス・ドライブインバーベキュー」というレストランの経営を始める。1946年には「カールス・ドライブインバーベキュー」でもハンバーグを販売するようになった。マクドナルドの成功に刺激を受けたカール・カーチャーは1956年にアナハイムに小規模なハンバーガー店「カールスジュニア」をオープンする[2]。ほどなく、ブレアに2号店がオープンし、以後10年で24店舗を南カリフォルニアに展開した[2]

1966年にはノースカロライナにて法人化し、カール・カーチャー・エンタープライジズ(英語: Carl Karcher Enterprises、CKE)を設立。1968年からカールスジュニアは従来よりも大規模な店舗を展開する[2]。主なメニューは、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドポテト、モルトシェイクだった[2]1975年にはカリフォルニアに展開する店舗数は100を超した[2]

CKEは1981年株式を公開し、アメリカ全土へのフランチャイズ展開を行っている[2]テキサコとブランド提携も行っており、ガソリンスタンドと併設されていることも多い[2]

1980年代の半ばになって、新規にスタートしたフランチャイズを3つが全て失敗に終わり、カール・カーチャーが株主からインサイダー取引の容疑で訴訟を起こされる。この苦境を顧問弁護士であったアンドルー・パズダーが、メニューの刷新や効果的な広告宣伝によって立て直す[3]。パズダーが打った広告は、ファッションモデルパドマ・ラクシュミ英語版による扇情的、官能的な映像であった。当時、マクドナルドやバーガーキングといった大手チェーン店は子供市場をターゲットとしており、ハンバーガーの嗜好が高い18歳から34歳くらいの男性客への訴求が低かった。そこに目を付け、ハンバーガーを楽しむ男性客という新規マーケットの獲得に官能的な広告がヒットすることになった[3]

1997年に運営会社であるCKEレストランズ英語版ハーディーズ英語版を買収し、1999年からハーディーズにも星のマークのロゴを使用している。

2004年時点の店舗数は3400を超している[2]

現在[いつ?]はCKE Restaurantsが店舗展開している。アメリカ国内ではサブウェイ(33,000以上)、マクドナルド (32,000以上)[4][5] 、バーガーキング (11,500以上)[6]ウェンディーズ (6,700以上)[7]に次ぐ5番目の店舗数を持つ。

ハーディーズとの関係 編集

 
ハーディーズ
 
黄の地域がカールスジュニアの展開地域で、赤の地域がハーディーズの展開地域(オレンジでは両方のブランドが展開)

CKEレストランズがミシシッピ川より西はカールスジュニア、東はハーディーズとして運営しており、お星さまのロゴだけでなく、メニュー等もほぼ同じである。

海外展開 編集

アメリカ以外、世界37カ国におよそ700店を展開し、最大市場であるメキシコを始めとして、エクアドルカナダインドネシアパナマタイグアテマラインド米国領サモアバハマコロンビアホンジュラスドミニカ共和国ブラジルカナダプエルトリコマレーシアデンマークコスタリカニュージーランドオーストラリアシンガポールロシアベトナムトルコ中華人民共和国インドネシアカンボジア、そして日本にも展開されている。

日本での展開 編集

ファミリーレストラン事業等を運営する株式会社フレンドリーとの提携により1989年に大阪に進出して最大6店舗を構えていたが、フレンドリー側の都合により数年後に撤退。

2014年12月、石油製品販売大手のミツウロコグループホールディングスが日本国内の運営権を獲得し[8]、2016年3月4日に秋葉原地区(外神田)に1号店、同年10月6日に平塚市ららぽーと湘南平塚内に2号店をオープンさせた[9][10][11]。2017年4月28日に、自由が丘に3号店を出店。今後10年間で渋谷などにも出店を計画しているとされている[12]

2019年現在は、株式会社ミツウロコグループホールディングスの子会社であるカールスジュニアジャパン株式会社が運営を行う。2019年7月13日、7号店となる調布レストランがオープンし、2020年代には麻布十番お台場にもオープンした。

脚注 編集

  1. ^ ファストフードチェーンごとの「カロリー傾向の違い」が一目瞭然のインフォグラフィック”. WIRED.jp (2017年11月11日). 2017年11月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i アンドルー・F・スミス 著、小巻靖子 訳『ハンバーガーの歴史』(初版)ブルース・インターアクションズ〈P-Vine BOOKs〉、2011年3月1日、75-76頁。ISBN 978-4-86020-417-4 
  3. ^ a b ジュリー・ベネット. “セクシーなバーガー広告を断行したCKEレストランCEOに聞く”. フランチャイズタイムズ日本版. 2017年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月20日閲覧。
  4. ^ Hoovers.com. “CKE Restaurants, Inc.”. Hoovers.com. 2007年10月17日閲覧。
  5. ^ Hoovers.com. “McDonald's Corporation”. Hoovers.com. 2007年10月17日閲覧。
  6. ^ Hoovers.com. “Burger King Holdings, Inc.”. Hoovers.com. 2007年10月17日閲覧。
  7. ^ Hoovers.com. “Wendy's International, Inc.”. Hoovers.com. 2007年10月17日閲覧。
  8. ^ “ミツウロコ、米ハンバーガー店「カールス・ジュニア」運営”. 日本経済新聞. (2014年12月19日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ19HXR_Z11C14A2TI0000/ 2015年12月1日閲覧。 
  9. ^ アメリカ発ハンバーガー「カールスジュニア」東京1号店オープン日決定”. 女子旅プレス (2016年2月16日). 2016年2月16日閲覧。
  10. ^ 米ハンバーガーチェーン「カールスジュニア」、日本1号店が2016年3月アキバにオープン”. ねとらぼ (2015年12月1日). 2015年12月1日閲覧。
  11. ^ “プレミアムバーガー「カールスジュニア」湘南2号店オープン!太っ腹な記念キャンペーンも実施”. asoview!. (2016年10月3日). https://asoview-news.com/article/10624/ 2016年10月6日閲覧。 
  12. ^ “"セクシーバーガー"の実力は? 日本初の「カールス・ジュニア」を食べてきた”. マイナビニュース. (2016年3月4日). https://news.mynavi.jp/article/20160304-carlsjr/ 2016年3月9日閲覧。 

外部リンク 編集