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ガニメデの優しい巨人

ジェイムズ・P・ホーガンによるSF小説

ガニメデの優しい巨人』(ガニメデのやさしいきょじん、原題:The Gentle Giants of Ganymede)は、ジェイムズ・P・ホーガンによるSF小説。『星を継ぐもの』の続編である。

目次

あらすじ編集

(前作『星を継ぐもの』にて)5万年前の太陽系の様相が現在とは大きく異なっていた事が明らかになった。現在の小惑星帯には惑星ミネルバが存在した事、月はもともとミネルバを巡っていた事、地球の動物がミネルバに運ばれ、その中の類人猿がミネルバで進化して人類となった事、やがて彼らはセリオスランビアの2大勢力に分かれて相争い、5万年前に何らかの理由でミネルバを破壊して小惑星に変えた事、その生き残りが月と共に地球にやってきて大地に降り立ち現生人類になった事。そして、彼らよりも遥かな昔に、ミネルバには地球とは全く異なる生態系があり、その頂点にガニメアンと呼ばれる、巨人というべき大柄な知的生命体が居た事。彼らは遥か昔にミネルバを去り何処かへ移住したと思われ、その移住船の1隻がガニメデに墜落し、今、ハントら人類の前に残骸を晒している。

だが、未解決の謎が残っていた。何故、地球の動物がミネルバに運ばれたのか、何故、月で発見されてルナリアンと呼ばれる様になった人類の祖先はミネルバを破壊するに至ったのか、月がミネルバから地球に移動するまでには相当の時間を要した筈で、月面の生き残りはどうやって生き長らえたのか、そして、ミネルバを喪ない太陽に向かって落下する月が地球に遭遇してその重力場に捕えられ、地球を巡る軌道に落ち着く確率は限りなくゼロに近い筈だ。

ガニメデでこれらの謎解きに取り組むハントやダンチェッカーらは未曽有の事態に遭遇する。太陽系外から突如飛来した正体不明の宇宙船がガニメデに接近し、コンタクトを求めてきた。シャピアロン号を名乗るその船の乗組員は、遥か昔に太陽系から姿を消したはずのガニメアンであった。彼らは2500万年[1]前にミネルバを覆いつつあった災難を回避する手段を求め、その実証実験を行うべく近傍の恒星イスカリスに赴いたが、その帰路に推進機関のトラブルで時空の狭間に迷い込み、今、2500万年[1]の時間を越えて漸く故郷に帰って来たのだという。

思わぬ邂逅を果たしたガニメアンと人類は交流を深め、後にはガニメアンの地球訪問も果たした。この間も双方の知識を持ち寄って、シャピアロン号がミネルバを離れた後に太陽系に起きた出来事を少しずつ明らかにしていくが、その中で発覚したとある事実がガニメアンらに重く圧し掛かる。ミネルバに残った同胞が災難を回避する別の手段を求めて地球の動物をミネルバに連れてきた事が明らかになったが、同時に地球原産の動物たちに深い業を背負わせてしまった事にも気づいた。そのうちの一種である類人猿から進化しルナリアンと呼ばれる様になった人類もその例外ではなく、以後の彼ら、そしてミネルバに過酷な運命を強いることになった。

ガニメアンは同胞が当時の類人猿をはじめとする地球原産の動物に対して行った仕打ち、そして彼らを置き去りにして太陽系を去り、ミネルバに残した動物・類人猿が背負わされた運命に押し潰されて滅びるに任せた所業を悔い、深い業を背負いつつもこれを克服して地球に帰還し不遇の時代を乗り越えて再び宇宙に飛び出すまでに進化した人類こそが太陽系を受け継ぐ資格を持つものと考え、薄弱な根拠を理由に地球・太陽系を離れ、同胞が移住したと思われる「巨人の星」を目指して飛び去る。

(以下『巨人たちの星』に続く)

日本語訳書編集

巨人たちの星シリーズ 東京創元社 創元SF文庫 翻訳:池央耿 カバー:加藤直之

漫画編集

星野之宣が『星を継ぐもの』のタイトルで『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』までを含めて漫画化している。

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  1. ^ a b 星野之宣によるコミック版では2500万年ではなく100万年としている。