キシメジ
キシメジ(黄占地[1]、学名: Tricholoma equestre)は、ハラタケ目キシメジ科キシメジ属キシメジ亜属キシメジ節のキノコ。
キシメジ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Tricholoma equestre (L.) P. Kumm. | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
キシメジ (黄占地) |
形態 編集
子実体はハラタケ型で全体に黄色である。傘は黄色で粘性あり、成長すると水平になる程度まで開く。ひだは黄色で間隔は密。柄は短く、白色から淡い黄色。下部に褐色鱗片が多くある。肉は無臭で弱い苦味がある。
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傘は黄色。粘性があり腐植を付着させる
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傘は水平にまで開く
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ひだは黄色で密
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肉は白色
生態 編集
マツ属、コナラ属林などに発生する。他のキシメジ科の多くの種同様、樹木の根と外生菌根を形成し栄養や抗生物質のやり取りなどを行う共生関係にあると考えられている。子実体は林床から発生し、日本では秋から晩秋にかけてに多い。
人間との関係 編集
食用にされるが、下記の中毒事例を鑑み、連日にわたる常食および過食は注意した方がよい。苦味が強い場合には、数時間水にさらして利用する[1]
ヨーロッパでの中毒事故 編集
フランスなどで Tricholoma equestreを食べたことが原因で横紋筋融解症を引き起こし、重症者では死亡した事例が何件か報告されている[2]。患者の多くは主菜扱いで数日以上食べたと見られている。
日本や中国ではニセクロハツ(Russula subnigricans、ベニタケ科)摂取による横紋筋融解症が知られ、致死率50%-70%に達する。なお、日本ではキシメジおよび近縁種による症例の報告は知られていない。
類似種 編集
シモコシ(Tricholoma auratum)は全体的によく似るが、本種よりやや緑の混じった黄色である。秋から晩秋に砂地のマツ属林に発生する。 ニオイキシメジ(Tricholoma sulphureum)は石油系の悪臭がある。カラキシメジ(Tricholoma aestuans)はかじると辛みを感じる。数十秒は齧った方が良いという[3]。カキシメジ(Tricholoma ustale)は名前が似ているが、形態はあまり似ていない。
タマゴテングタケ(Amanita phalloides、テングタケ科)は傘の色が緑色を帯びた黄色(オリーブ色)で傘にはかすり模様が出る。ひだは白色み密、柄の根元には膜質のしっかりとしたツボを持つ。また柄の中ほどにはツバを持つが落失している可能性にも留意すること。タマゴタケモドキもツバやツボの特徴は同じだが、傘の色は黄色である。ひだは白色。
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参考:シモコシ
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参考:タマゴテングタケ幼菌
名前 編集
山形県では「キンタケ」といわれる[1]。
脚注 編集
- ^ a b c 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、161頁。ISBN 978-4-415-30997-2。
- ^ Gabija Laubner; Gabija Mikulevičienė (2016). “A series of cases of rhabdomyolysis after ingestion of Tricholoma equestre”. Acta Medica Lituanica (Vilnius University Press) 23 (3): 193-197. doi:10.6001%2Factamedica.v23i3.3385. PMC 5287993. PMID 28356809 .
- ^ 橋本貴美子, 森本繁雄「横紋筋融解性を有するきのこの毒性と分類」『科学研究費補助金研究成果報告書』研究期間 : 2013~2016課題番号 : 25560409、2016年。
KAKEN へのリンク 横紋筋融解性を有するきのこの毒性と分類