キムチ
キムチ(朝鮮語: 김치)は、白菜などの野菜と、塩・唐辛子、魚介塩辛、ニンニクなどを主に使用した漬物[2]。かつては朝鮮漬けとも呼ばれる。 単独で、あるいはつけ合せ(特に焼肉店)として食べられるほか、豚肉と一緒に炒めた「豚キムチ」などの材料や、チゲの具(キムチチゲ)としても用いられる。
キムチ | |
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各種表記 | |
ハングル: | 김치 |
漢字: | 沈菜 |
発音: | キムチ |
ローマ字: |
gimchi(2000年式) kimch'i(MR式) |
英語表記: | kimchi |
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 192 kJ (46 kcal) |
7.9 g | |
食物繊維 | 2.7 g |
0.3 g | |
2.8 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(2%) 18 μg |
チアミン (B1) |
(4%) 0.05 mg |
リボフラビン (B2) |
(12%) 0.14 mg |
ビタミンB6 |
(16%) 0.21 mg |
葉酸 (B9) |
(11%) 45 μg |
ビタミンB12 |
(0%) (0) μg |
ビタミンC |
(29%) 24 mg |
ビタミンD |
(0%) (0) μg |
ビタミンE |
(3%) 0.5 mg |
ビタミンK |
(60%) 63 μg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(58%) 870 mg |
カリウム |
(7%) 340 mg |
カルシウム |
(5%) 48 mg |
マグネシウム |
(5%) 17 mg |
リン |
(8%) 55 mg |
鉄分 |
(5%) 0.6 mg |
亜鉛 |
(3%) 0.3 mg |
マンガン |
(8%) 0.17 mg |
他の成分 | |
水分 | 85.8 g |
水溶性食物繊維 | 0.7 g |
不溶性食物繊維 | 2.0 g |
硝酸イオン | 0.1 g |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
概要編集
キムチは、もともとは朝鮮半島の厳寒期に備えた保存食であり、野菜を塩漬けしたものからはじまった。これに香辛料としてのニンニクやサンショウなどを加えるようになったのが、キムチの原型である。16世紀に日本から朝鮮半島に唐辛子が伝えられると、栽培や加工が容易な唐辛子がサンショウに代わって用いられるようになった。
唐辛子の強い刺激、野菜の甘味、乳酸発酵による酸味・うま味と塩辛さが複雑に混じり合った風味が特徴である。多くの場合は魚介類(もしくは魚醤や塩辛や塩アミなどの漬物)やニンニクなどを使用するため、濃厚な匂いと強い風味を持つ。
辛いものを食べて体を温めるという発想で理に適っているが、食べ過ぎると東洋医学での『火』(体内に熱がこもり、「怒」の病になりやすい)が起こりやすくなるとされている。そのため、韓国での鍼治療では『瀉血』がよく行われる。
朝鮮半島だけではなく、朝鮮民族が多く暮らす国・地域では、市場などでキムチを売っていることが多い。ソビエト連邦時代に沿海州から朝鮮系住民(高麗人)が移住したウズベキスタンでは、市場やレストランでもキムチ(シムシャとも呼ばれる)が見られる。
名称・表記編集
朝鮮語で「野菜を漬けたもの」の意である沈菜(침채、チムチェ)が語源[3][4]とする説や、沈漬(チムチ)、鹹菜(ハムチェ)を語源とする説など各種あり、定かではない。
英語表記については、kimuchi(日本語の読み)と表記したものと kimchi と表記したものが同時に使われていたが、東京で開かれた国際食品規格委員会 (CODEX) で日本が浅漬けを含む kimuchi をキムチの標準としようとしたことに対し、韓国は kimchi(朝鮮語音からマッキューン=ライシャワー式にて転写)であると主張し、1996年3月に国際食品規格委員会 (CODEX) のアジア部会にて当記述が認められた。一方、文化観光部2000年式では gimchi であり、英語圏においては例えばアメリカの韓国料理店では、kim chee 又は kimchee とメニューに書かれていることが多く、他にも Korean pickles、Fermented vegetable foodsという表記もされる[5]。アメリカの大型スーパーなどで販売されているキムチの表記は kimchi がほとんど[要出典]。
歴史編集
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韓国では一般に、キムチの文献初出を13世紀初頭としている。唐の玄宗を題材とした長編詩で有名な李奎報(1168年 - 1241年)の詩集『東國李相國集』に収録されている「家圃六詠」という詩に「菁(かぶら)」という部分があるが、その中の「得醬尤宜三夏食 漬鹽堪備九冬支(醤漬けして夏に食べるのがよく、また塩漬けして冬支度に備える)」という意味である。なおこの記述の中に「キムチ」という名称は登場しない。また該当の食べ物は日本や中国の漬物と特に変わりがなく、唐辛子や塩辛、白菜を使用するといったキムチの大きな特徴はまだ見受けられない。また蕪とは大根と同じ根菜であり蕪の発酵を伴う漬物としては日本や中国には昔からあったが朝鮮半島にはなかった。塩もキムチの乳酸発酵で用いられる塩辛などではない。
16世紀、朝鮮半島に日本から唐辛子が伝来。その後朝鮮半島に唐辛子が普及し、1715年の『山林経済』にて、はじめて唐辛子という単語が現れる。19世紀の文献『閨閤叢書』(1809年)に出てくるキムチを見ると、粉の唐辛子ではなく千切りの唐辛子を少し入れる製造方法が記録として残っており(日本で「朝鮮漬け」として知られている漬物に似たもの)、19世紀前後に唐辛子が使用され始めたことが推測される。1827年の『林園十六志』に、はじめて現在の加工法に近い「薀菜」がみえる。
現在食べられている白菜は品種改良によって生み出した野菜であり、今の結球型の白菜が完成したのは18世紀以降とされる。よって塩辛、唐辛子と白菜を使ったキムチの登場は、どんなに早くても18世紀以降[4]と考えられている。
日本からの唐辛子の伝来編集
キムチに使われる唐辛子は南米原産で、アジアには自生していなかった。16世紀頃、ポルトガルなどのヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸の侵略を契機にヨーロッパに伝わり、さらにポルトガルと国交のあった日本にも伝わった。朝鮮半島には豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に朝鮮に持ち込まれた。
日本では防腐の目的で漬物の添加物として唐辛子が使用されるようになったが、朝鮮半島でも現地人の味覚に合っていたこともあって広く親しまれるようになった。また唐辛子を使用することになったこの頃にキムチという名称が定着したとされる。
製造法編集
韓国のキムチ編集
一般的な白菜キムチは以下のように漬ける。
- 白菜を1日ほど塩に漬ける。
- 水で洗って塩抜きし、葉に薬念をまぶして壺に本漬けする。
- 本漬けで4、5日ほど発酵させると完成である。乳酸発酵を伴うため、ガスが発生する。そのため、完全な密閉容器にキムチを詰めて室温で保管していると、数日で破裂する恐れがある。
北朝鮮のキムチ編集
朝鮮民主主義人民共和国のキムチは、韓国とほぼ同様であるが、酸味が抑えられ、比較的甘みがある。[要出典]
日本とキムチ編集
昭和後期に入る頃までは、その辛さやニンニクの臭みが日本人の味覚に合わなかったことから、存在は知られていてもあまりなじみのないものであり、キムチという名称も一般的ではなく「朝鮮漬」と呼ばれることが多かった。一部では珍味とされた。
しかし1975年に桃屋から発売された「桃屋 キムチの素」が人気を呼び、また1980年代後半に激辛ブームが起こると消費量が増加、ブームが沈静化した後も一定の販売数を保ち、一般のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで手に入るようになった。一般のスーパーでは日本国産のキムチが売られていたが、1990年代から急速に消費量が増え、韓国から輸入されたキムチも流通し始めた。社団法人・食品需給研究センターによると、キムチは2004年に日本国内で浅漬けに次いで2番目に多く消費された漬物とされている[6]。
だが、日本の韓国からのキムチ輸入量は2005年をピークに減少を始め、現在では日本国内で流通するキムチの主流は日本産になっている。これには韓国側が輸入した中国産白菜のキムチから寄生虫が発見された事件が大きく起因しており、2005年から2006年の間に日本のキムチ輸入量は46.4%減少している[7]。東京都では人に寄生する有鉤嚢虫(脳や眼に寄生した場合は重篤な症状を示す寄生虫)の感染源として輸入キムチを原因のひとつとして上げている[8]。
日本では浅漬けの製法(白菜の塩漬けに調味料を加える方法)でもキムチが作られており、浅漬けキムチ、和風キムチなどと呼ばれ、韓国式のキムチとは区別される。韓国式のキムチと和風キムチの違いは、主に乳酸発酵の有無にある。韓国本来の製法では魚介の塩辛が発酵し、濃厚なうまみとともに、酸味が生まれる。この発酵臭とニンニクや魚介の香りが混ざった強い臭気が伴うので日本では好みが分かれる。
一方、多くの日本のスーパーなどで販売されている国産のキムチは、最近では本場の韓国式の乳酸発酵して製造したものも出回り出しているが、基本的には浅漬けに調味液によるキムチ風辛み味付けをした物で、味覚的にはあっさりした物が多い。2000年代現在では「キムチの素」などの名称の調味料が販売されており、一般家庭でも容易に浅漬けキムチを作ることが可能である。韓国のキムチと比べると酸味が抑えられ甘みが強い。また、日本製のキムチは、本来使うべき魚介類(アミやイワシなど)の塩辛類を全く使わないものが多く、これにより不足するうまみを化学調味料(グルタミン酸ソーダなど)で、とろみを増粘安定剤(糊料)で補うものがほとんどである。キムチの乳酸菌は、魚介塩辛に由来するものがほとんどなので、発酵による酸味ではなく、人工的に酸味料などで酸味を演出するような国産キムチも多いが、乳酸菌の効果はあまり期待できない。その一方で、一部のメーカーではこういった添加物を使わない無添加のキムチを製造し、インターネット通販や生協の共同購入などで販売している例もある。また、全国各地に点在する、在日韓国人による小規模なキムチ店では、店主が作ったキムチを小売りしている。もともとは在日韓国人向けに販売していたが、最近は日本人も購入するようになった。こうした小規模製法の場合は、製法は韓国式だが、多少の添加物(アミノ酸)を入れている例は多い。
このように両国で味に差異の生じる製法が根付いた背景として、双方の食習慣の違いも大きな影響を与えている。酸味が抑え目のキムチが日本人に好まれる理由として、沢庵漬けなど野菜の漬物を直接、白飯のおかずとして食す食習慣が根付き、酸味が強すぎるままではその役目を担い辛く、そうした食べ方をする日本人の口に合わせていくことで今日の日本風キムチがある。一方韓国の場合、ナムルなど白飯の直接のおかずとする(一見、日本の野菜漬物に近い触感・役割の)野菜の和え物も存在はしているが、キムチの役割は(日本でいう醤油やカツオブシといった)調味料のようなもので、風味やダシの強さを求められる結果、より発酵した酸味の強いものが好まれて主な用途がはっきり異なるため、今日まで味の相違が存在し続けている。
地方によっては、唐辛子を多めに使った漬物[9]や、にんにくをやや多めに使った白菜漬[10]、塩漬けした大根を干したもの[11]などを「朝鮮漬」と称する例もある。
種類編集
さまざまな具材を使ったキムチがあり、その数は200種類以上あると言われている。
- ペチュギムチ(배추김치)
- 白菜のキムチ。単に「キムチ」と称した際はこの白菜キムチを指すことが多い。19世紀に中国で新品種の白菜が輸入され一般的になった、比較的新しいキムチ[3]。
- ヤングペチュギムチ (양배추 김치)
- キャベツから作られたキムチ。
- オイギムチ(오이김치)
- 胡瓜のキムチ。オイソバキ、オイキムチとも。
- カクトゥギ(깍두기)
- 大根のキムチ。カクテキとも。大根をさいの目に切って作る。
- チョンガキムチ(총각김치)
- チョンガ大根(小型の大根)のキムチ。チョンガクキムチ、チョンガーキムチとも。
- ポッサムキムチ(보쌈김치)
- 開城地方の名物。生のイカやカキなどを白菜の葉で包んで漬ける。保存がきかないため二、三日で食べきらなくてはいけない。ポッサムキムチとも。
- ヤンベチュキムチ(양배추김치)
- キャベツ(양(洋)배추、洋白菜の意)のキムチ。白菜が手に入りにくいヨーロッパなどへ移住した朝鮮系住民によってよく作られていた。
- カジキムチ(가지김치)
- ナスに葱、ニンニク、糸唐辛子などの薬味を詰めて漬けたキムチ。
- チョッパキムチ(쪽파김치)
- ワケギを使った即席漬けキムチ。
- ムルギムチ(물김치、水キムチ)
- 唐辛子とニンニクを使わない、汁気の多い白いキムチ。汁ごと食べる。ムルギムチの汁は冷麺の汁には欠かせない。
地域によりキムチの種類も異なり、北に行くほど薄味に、辛さも控えめになる傾向にある。朝鮮半島北部のキムチは汁気が多く、野菜の素材の味を生かしたものであるのに対し、南部のキムチは唐辛子が多くなり汁気は少ない。この理由として気温が高い南部では亜熱帯性の作物である唐辛子の生産に適していたこと、また同時に豊富に獲れた魚介類を積極的に用いたため臭み消しや保存性を高める目的から唐辛子や塩を多く用いる必要があったことが挙げられる[12]。
また離乳食用に薄味のペースト状になった「赤ちゃんキムチ」や辛さを抑えた「子どもキムチ」も韓国では販売されている[13]。
健康編集
本来の製法で作られたキムチは発酵食品であり、乳酸菌やビタミンが豊富である。2006年3月27日、アメリカ合衆国の健康専門月刊誌『ヘルス (World's Healthiest Foods: Kimchi (Korea))』による世界の5大健康食品が発表され、スペインのオリーブ・オイルをはじめ、日本のダイズ、ギリシャのグリークヨーグルト、インドのレンズマメ、大韓民国のキムチの5品目が選出された。
塩分編集
一方で塩分やカプサイシンも多く含むことによる害も指摘されている。韓国保健産業振興院の調査により、キムチを平均の300%程度食べる50~60代の女性は肥満になる危険が27.8%、高血圧症が20.5%、高脂血症が30.4%高いことが判明した[14]。
韓国政府(保健福祉部)が2005年に行なった調査によると、韓国成人の塩分摂取量が世界保健機関 (WHO) 推奨値の2.7倍と極端に多いことが判明した。[15]WHOの塩分摂取推奨値(成人)は一日あたり5グラムだが、韓国成人は13.5g(男性14.9g・女性12.2g)摂取している。又松大学校のチョン・ヘジョン教授が2009年6月30日に発表した説によると、韓国人は1日の塩分摂取量の31.2%をキムチ類から取っているという[16]。
発癌性編集
唐辛子を多く摂る韓国のような国では胃癌の発癌率が高く、唐辛子の中に含まれる「カプサイシン」が発がんを促進させる物質となっていることが韓国内の大学で解明された[17]ほか、それらに対する報告も指摘されている[18][19][20][21][22]。
キムジャン編集
朝鮮半島では毎年晩秋に越冬用として大量のキムチを漬ける。これを「キムジャン(김장)」といい、2013年ユネスコの無形文化遺産に登録された。大企業などではそのためのボーナスや休暇が与えられる場合もある。韓国では儒教の影響で女性が飲酒や娯楽に興じることは以前は許されていなかったが、キムジャンの際は公然とそれらを行うことができ、女性たちの祭りに相当するものであった[23]。家族や親戚の女性、また地域社会の女性が集まり越冬のための十分なキムチを漬ける。キムチ漬けが終われば、漬けたてのキムチとポッサムと呼ばれる豚肉を茹でた料理に巻いて食べる慣わしがある。
韓国では日本でいう味噌汁のように家庭の味を象徴する料理であり「良いキムチを作れる女性は良い妻となれる」という言葉まであるが、2000年代現在ではスーパーなどで既製品のキムチを買う主婦も多い。特に若い世代では、65%がキムチの作り方を知らないと回答しているとコリア・タイムズが伝えた[24]。こうした事情もあり、キムジャンを行う家庭は減少傾向にある。
韓国とキムチとの関係編集
2008年9月には、キムチ体験テーマパーク、キムチ博物館、多目的体験場、低温貯蔵庫などの施設を備えた「キムチ村」が大韓民国京畿道漣川郡にオープンした[8]。
韓国ではポピュラーな家電製品として、発酵や保存に適切な温度を維持できるキムチ専用の冷蔵庫、キムチ冷蔵庫も販売されており、LGエレクトロニクスでは日本でも「食品貯蔵庫」として発売している。
また韓国には日本でいう「ショーグン債」に該当する債券で外国企業が外貨建てで韓国において募集する外貨建外債「キムチ債」を発行したり、写真を撮る際、「チーズ」と言うより「キムチ」と言う場合が多いなど、朝鮮の文化とキムチの関係は深い。
韓国は自国産のキムチを日本などに輸出する一方、安価な中国産キムチを輸入しており、輸入量が輸出量を上回るほどである。安価な中国産キムチの用途は主として飲食店で出される「突き出し」である。韓国の飲食店の購入するキムチの89.9%は中国産とされる[25]。日本の喫茶店で出される水や寿司屋のガリが基本的に無料であるのと同様に、韓国の飲食店ではキムチを含む副菜は無料で、なくなるたびに補充される(韓国料理の特徴を参照)。中国文化圏においても「ソルト・ピーナッツ」や「白菜漬け」などの「突き出し」は供されるが、あくまで前菜の一部である。
しかし、韓国ではキムチ離れが顕著となっている。韓国農林水産食品省「農村経済研究院」による2011年の分析によると、10年間で一人当たりのキムチ消費量は23%減少しており、その理由としてキムチ以外のおかずを食べるようになったことが挙げられている。それを裏付けるように、2001年と2010年の比較では、家庭でキムチを漬ける習慣は68.5%が54.5%と減少している[26]。そして、中国産のキムチ輸入が増大し、過去最大になっている[27]。特に中国産キムチは、価格が韓国産の半額以下となっており、飲食店や学校給食、社員食堂など向けに大量に輸入、消費されている。2010年1月から2015年4月までの「キムチ貿易赤字」は8409万ドル(約914億ウォン)に上った[28]。2018年に韓国の農林畜産食品部は国産キムチの競争力を支援する「キムチ産業振興計画」を発表した[25]。
事件編集
寄生虫事件編集
2005年10月、韓国の保健福祉部は中国産の輸入キムチから寄生虫の卵を検出したと発表した。寄生虫卵は未熟性のものであり、これらは、人糞を利用した有機質肥料が感染源[29]と見られ、製造過程に於ける白菜の洗浄が適切でなかったためと見られている。なお食べても健康上問題はないとされたが、韓国政府は該当する中国の製造メーカーに対し洗浄の徹底と寄生虫卵の残留可否を検査するように義務付けた。
2005年11月3日、韓国の食品医薬品安全処は韓国産のキムチと白菜から寄生虫の卵が検出されたと発表した[30]。14日、日本の厚生労働省は「日本国内で市販されていた韓国産キムチから回虫の卵が見つかった」と発表した[31]。31日、中国の国家質量監督検験検疫総局は韓国産キムチとコチュジャンなどから寄生虫の卵が検出されたと発表した[32]。これは、韓国が中国産キムチを問題としたことに対する報復措置とされる。
その他編集
脚注編集
- ^ 「6 野菜類」『日本食品標準成分表』編:文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会、2015年12月25日、2015年版(七訂)。ISBN 978-4-86458-118-9。2016年10月15日閲覧。
- ^ kotobank キムチとは
- ^ a b キムチの起源と変遷1コネスト
- ^ a b キッコーマン
- ^ Weblio 研究社・EDRDG・特許庁・科学技術振興機構・CROSS LANGUAGE
- ^ http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=home&NWID=2005033101000060
- ^ http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/04/26/20060426000040.html
- ^ 食品の寄生虫 肉を介するもの 有鉤条虫
- ^ [1][2][3][4]
- ^ [5][6]
- ^ Q&Q日記 2013年1月31日 朝鮮漬け
- ^ 朝倉、蔡『キムチへの旅』 55ページ
- ^ 朝倉、蔡『キムチへの旅』 89ページ
- ^ “キムチの食べ過ぎで生活習慣病の危険”. 中央日報. 2007年4月1日閲覧。
- ^ [7]
- ^ 韓国人の塩分摂取過多、主犯は「キムチ類」聯合ニュース 2009年6月30日
- ^ 聯合ニュース カプサイシンががんの発生促進、建国大教授らが解明-2010年9月6日
- ^ 新宿健康塾ニュース10月号「味覚障害」【Health Index】FINE-club~健康で元気な暮らし情報
- ^ Mathew A, Gangadharan P, Varghese C, Nair MK (2000). “Diet and stomach cancer: a case-control study in South India”. Eur. J. Cancer Prev. 9 (2): 89–97. doi:10.1097/00008469-200004000-00004. PMID 10830575.
- ^ López-Carrillo L, López-Cervantes M, Robles-Díaz G, et al (2003). “Capsaicin consumption, Helicobacter pylori positivity and gastric cancer in Mexico”. Int. J. Cancer 106 (2): 277–82. doi:10.1002/ijc.11195. PMID 12800206.
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- ^ 朝倉、蔡『キムチへの旅』 83ページ
- ^ “【こぼれ話】韓国女性の65%がキムチの作り方「知らない」”. 時事通信社. 2007年10月25日閲覧。
- ^ a b “韓国、「キムチ産業振興計画」発表=中国産キムチが市場占領に危機感―中国メディア”. Record China. (2018年4月16日) 2018年4月17日閲覧。
- ^ 時事ドットコム 『韓国、キムチ離れ?=10年間で消費2割減』 2011年11月26日6時44分
- ^ Chosun Online 『10月時点で昨年の輸入額上回る』 2011年11月
- ^ 中央日報 『韓国のキムチ貿易赤字拡大…中国産キムチ増加で』 2015年05月18日11時58分
- ^ 東亞日報 「中国産キムチで寄生虫検出、人糞肥料が原因か」
- ^ 人民網日本語版 「韓国産キムチと白菜から寄生虫卵」
- ^ 国内で市販の韓国産キムチから回虫の卵…厚労省発表 読売新聞(2005年11月14日)同省輸入食品安全対策室によると、10月中旬ごろ輸入された400グラム入りパック1個を研究チームが購入して調査した結果
- ^ “中国「韓国産キムチから寄生虫卵」、食薬庁「輸出したことない」”. 中央日報 (2005年11月1日). 2018年4月17日閲覧。
- ^ 読売新聞 2006年11月28日付、YOMIURI ONLINE キムチ没収、抗議の職員拘束…規制厳しい選手村 、2009年12月29日閲覧
参考文献編集
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- 李連順『キムチ物語』 光村推古書院、2002年12月、ISBN 4838199163
- 李御寧、李圭泰、金晩助(共著、金淳鎬訳)『キムチの国』千早書房、2000年12月、ISBN 488492259X
- 李信徳『韓国料理 伝統の味・四季の味』 柴田書店、2001年12月、ISBN 4388058955
- 講談社編『極辛版キムチ大探検』(講談社文庫) 講談社、1988年8月、ISBN 4061842285
- ジョン・キョンファ『キムチの味』 晶文社、1993年12月、ISBN 4794961510
- 田村研平『在日キムチにおける誤解 食と難民をつなぐ関係』 情報センター出版局、1988年4月、ISBN 4795807426
- 谷川彰英(監修)『国際理解にやくだつNHK地球たべもの大百科 9 韓国』 ポプラ社、2001年4月、ISBN 4591067149
- 崔弘植(盧宇炯訳)『キムチ力』 YB出版、2001年6月、ISBN 4901337130
- 鄭大聲『焼肉・キムチと日本人』(PHP新書) PHP研究所、2004年2月、ISBN 4569634001
- 豊田有恒、豊田久子(共著)『豊田さんちのキムチ大作戦 キムチの漬け方、食べ方、健康法』 有楽出版社、1999年3月、ISBN 4408591246
- 韓福麗(守屋亜記子訳)『キムチ百科 韓国伝統のキムチ100』 平凡社、2005年9月、ISBN 4582127215
- Visson, Lynn. The Art of Uzbek Cooking. Hippocrene, New York, 1999. ISBN 0781806690
- 朝倉敏夫、蔡淑美(共著)『NHK趣味悠々キムチへの旅 -作って・食べて・知る-』 日本放送出版協会、2003年11月、ISBN 978-4141883739