文化生活一週間』(ぶんかせいかついっしゅうかん、One Week)は、1920年公開のアメリカ合衆国コメディ映画サイレント、2巻(19分)。監督・脚本はバスター・キートンエドワード・F・クライン英語版。長年ロスコー・アーバックルと共に仕事をしていたキートンが単独で発表した最初の映画。実はその前に『キートンのハイ・サイン』を撮っていたが、出来が悪いと公開が見送られていた(翌年、キートンが怪我したので埋め合わせに公開された)。

文化生活一週間
One Week
ポスター(1920)
監督 バスター・キートン
エドワード・F・クライン英語版
脚本 バスター・キートン
エドワード・F・クライン
製作 ジョセフ・M・シェンク
出演者 バスター・キートン
シビル・シーリー英語版
ジョー・ロバーツ
撮影 エルジン・レスレー
編集 バスター・キートン
配給 アメリカ合衆国の旗 メトロ映画英語版
公開 アメリカ合衆国の旗 1920年9月1日[1]
日本の旗 1925年[2]
上映時間 19分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 サイレント(英語インタータイトル)
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1995年ギタリストビル・フリゼールがリリースした『バスター・キートンを聴け!(その弐) 《ハイ・サイン》《文化生活一週間》』は上記2作のサントラ。

2008年アメリカ議会図書館は「文化的、歴史的、審美的に重要」なものとして『文化生活一週間』をアメリカ国立フィルム登録簿に保存した[3]

1974年フランス映画社による「ハロー!キートン」第5弾として『キートンの恋愛三代記』の同時上映としてリバイバル公開された際には『キートンのマイホーム』と改題された[4]

あらすじ 編集

 
完成した家

新婚の夫婦がマイホームを建てる一週間を描く。

月曜日、結婚する。

火曜日、ポータブル家づくりキットで家を建てる。ライバルのいたずらでキットの番号が書き換えられる。

水曜日、ヘンテコリンな家ができあがる。ピアノを搬入。

木曜日、カーペットを貼る。妻の入浴中に煙突設置。

金曜日、めでたく家が完成し、客を招待。ところがその日は13日の金曜日。突然の嵐で大混乱となる。

土曜日、台風一過でほっとしていたら、建てる土地を間違えたことが発覚。

日曜日、通りを横切って家のお引越し。

キャスト 編集

『文化生活一週間』全編(22分17秒)

制作 編集

  • この映画はフォード・モーター製作がプレハブ住宅の解説のために作った『Home Maid』(1919年)(#外部リンク参照)という短編ドキュメンタリーパロディである。結婚式、フォード・モデルT、日めくりカレンダーは元ネタの映画にあったもの[5]
  • 嵐で家がぐるぐる回転したり、列車が衝突したりするのは、模型でなく実物で撮影した。家はターンテーブルの上に建てて回転させた。
  • 浴室に落ちたり、二階からの転落したりするシーンではキートンは負傷。腕と背中が腫れ上がり、フィジカルトレーナーのアル・ギルモアは、温水/冷水シャワーを浴びせたり、オリーブ油や馬用の湿布薬を塗布した。
  • シビル・シーリーは当時18歳。ジョー・ロバーツは短期間だがピアノ配送の経験あり。ライバル役のHandy Hankを演じている俳優が誰かは不明。

評価 編集

「バスター・キートンの『文化生活一週間』は他のスラップスティック・コメディ映画より可笑しい」(『ニューヨーク・タイムズ』紙、1920年10月25日)[6]

出典 編集

  1. ^ Knopf, Robert (1999). The Theater and Cinema of Buster Keaton. Princeton University Press. p. 181. ISBN 978-0-691-00442-6. https://books.google.com/books?id=fU5qDx7tawIC&pg=PA181 2020年3月25日閲覧。 
  2. ^ 文化生活一週間 - KINENOTE
  3. ^ Complete National Film Registry Listing”. Library of Congress. 2020年3月25日閲覧。
  4. ^ ニュー東宝シネマ2のチラシ
  5. ^ Keaton, Eleanor, and Vance, Jeffrey (2001). Buster Keaton Remembered, H.N. Abrams, p. 69.
  6. ^ “The Screen”, New York Times: 22, (October 25, 1920) 

外部リンク 編集