ヨツバシオガマ(四葉塩釜、学名:Pedicularis japonica)はシオガマギク属に属する多年草高山植物である。エゾヨツバシオガマ P. chamissonis の変種とされていたが、詳細な比較から別種であることが分かり分離された[1]

ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ (中央アルプス空木平、2009年8月)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: シソ目 Lamiales
: ハマウツボ科 Orobanchaceae
: シオガマギク属 Pedicularis
: ヨツバシオガマ P. japonica
学名
Pedicularis japonica Miq.

特徴 編集

北海道から中部地方以北の高山帯に生育している。シオガマギクの仲間では最もよく見られる種である。同属のミヤマシオガマなどが岩場などに生えるのに対し、ヨツバシオガマは湿地帯に生える。高さは20-50cm。名前の由来のとおり、シダのような葉が茎の節ごとに4つずつ輪生する。花期は6-8月で、薄紫色の太くて短い花弁が数段に重なり輪生する。ヨツバシオガマの大型種をハッコウダシオガマ(またはキタヨツバシオガマ)と呼ぶこともあるが、厳密に区別することはできない。

他の変種 編集

次の分類群もエゾヨツバシオガマの変種とされているが、その位置付けに関してはさらなる研究が必要である[1]

クチバシシオガマ(嘴塩釜、学名:Pedicularis chamissonis var. longirostrata
ヨツバシオガマより南側の、中部地方の南部から関東地方北部の高山帯に分布する。花の上部が名前の通りくちばし状に細長く伸びている。
レブンシオガマ(礼文塩釜、学名:Pedicularis chamissonis var. rebunensis
礼文島に分布する。ふつうヨツバシオガマは葉が4枚ずつ輪生するが、レブンシオガマは葉が5-6枚輪生する。また、個体全体が大きく壮大になる。 花期は6-7月で、薄紫色の花が数段から時には十数段に重なり輪生する。

脚注 編集

  1. ^ a b FUJII, NORIYUKI and UEDA, KUNIHIKO and WATANO, YASUYUKI and SHIMIZU, TATEMI (2013). “Taxonomic Revival of Pedicularis japonica from P. chamissonis (Orobanchaceae)”. APG: Acta phytotaxonomica et geobotanica (日本植物分類学会) 63 (2): 87-97. 

外部リンク 編集