クムホタイヤ株式会社: Kumho Tire: 금호타이어)は、大韓民国のタイヤメーカーである。クムホタイヤマーシャルタイヤ: Marshal Tire)、ゼッタムタイヤ: Zetum Tire)のブランドを展開する。

クムホタイヤ株式会社
Kumho Tire Co., Ltd
種類 株式会社
市場情報 韓国取引所 073240
ロンドン証券取引所 KHTC
本社所在地 大韓民国の旗 韓国
光州広域市光山区魚登大路658
광주광역시 광산구 어등대로 658
設立 1960年
業種 化学
事業内容 タイヤ製造、販売
代表者 キム・ジョンホ
主要株主 シンウェイコリア45% 
外部リンク http://www.kumhotire.co.kr
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クムホタイヤ株式会社
各種表記
ハングル 금호타이어주식회사
漢字 錦湖타이어株式會社
発音 クモタイオチュシックェサ
(クホタイオチュシフェサ)
日本語読み: きんこたいやかぶしきがいしゃ
RR式 Geumho Taieo Jusikhoesa
MR式 Kŭmho T'aiŏ Chusikhoesa
英語表記: Kumho Tire Co., Ltd
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1960年に大韓民国で設立され(クムホは「錦湖」の朝鮮語読み)、韓国内ではハンコックタイヤネクセンタイヤとシェア争いを繰り広げるタイヤメーカーであったが、錦湖アシアナグループの業績悪化の影響を受け2009年にワークアウト(事業再生法)を申請。その後2018年より、中国青島のタイヤメーカーである青島双星中国語版の傘下に入る事となった。

沿革 編集

  • 1960年 - 1946年に創業した光州タクシーを基盤[1]に、サムヤン・タイヤ工業として韓国光州市で創業。
  • 1963年 - 小型乗用車用タイヤを生産開始。米国ユニロイヤル社と技術提携。
  • 1970年 - 関連会社として、韓国合成ゴム株式会社(後のクムホ石油化学株式会社)を設立。
  • 1984年 - クムホ産業と合併し、株式会社クムホと社名変更。
  • 1988年 - クムホグループが新規事業とし、アシアナ航空株式会社を設立。
  • 1996年 - 社名をクムホタイヤ株式会社に社名変更。
  • 1999年 - クムホ建設を傘下に組み入れ、社名をクムホ産業株式会社に社名変更。
  • 2003年 - タイヤ部門がクムホ産業からスピンオフし、新たにクムホタイヤ株式会社を設立。
  • 2009年 - 錦湖アシアナグループの経営破綻を受け、クムホタイヤも事業再生法申請。
  • 2013年 - 日本大手のタイヤメーカー、横浜ゴム(YOKOHAMAブランド)と技術提携の協議に入ることで基本合意したと発表。
  • 2014年 - 廉価ブランドとなるマーシャルタイヤを創設[3]
  • 2018年 - 中華人民共和国のタイヤメーカー、青島双星中国語版の韓国子会社が、株式の45%を6463億ウォンで債権者の韓国産業銀行から買収することで合意[4]。激しい労使交渉の中で度重なるストライキに見舞われたが韓国政府の圧力で経営陣と労働組合も同意[5]
    • 8月 - 横浜ゴムは、クムホタイヤとの間で締結していた技術提携を同年7月6日に解消したと発表した[6]

日本国内での展開 編集

クムホタイヤは「JIS」マークの刻印はないが、規格自体は取得済みで、他にも国際標準化機構(ISO)などの認定を取得している。世界的な自動車用品の工業規格であるアメリカDOT規格やヨーロッパETRTO規格をクリアしており、純正タイヤとして採用している自動車メーカーも近年では増えている。日本国内でも大手カー用品店・オートバックスが、プライベートブランド扱いでKUMHOブランドの専売タイヤを展開し販売を手がけている。また、地方のカー用品店でも販売を行っている。2011年、韓国メーカーとしては初となるラベリング制度を取得したエコタイヤを発表した。

モータースポーツ 編集

 
ユーロF3(2009年)

近年はモータースポーツへ熱心に取り組んでおり、ヨーロッパではマスターズF3(2002年~2016年)、ユーロF3シリーズ(2011年まで)、AUTO GP(~2015年)などに[7]、日本では全日本GT選手権SUPER GT2009年まで)やスーパー耐久などのカテゴリにタイヤを供給していた。2014年より韓国のSUPERRACE CHAMPIONSHIPにタイヤ供給を開始した。また富士チャンピオンレースなどのアマチュアレースへの支援を行った。

2024年より全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権ワンメイクタイヤを供給する[8]

SUPER GT初優勝 編集

TEAM TAKEUCHI2006年鈴鹿1000kmのGT300クラスにおいて、クムホタイヤを履いた車として、また韓国のタイヤメーカーとして初優勝を果たした。

オーストラリアラリー選手権へのタイヤ供給 編集

2010年、タスマニアで行われたオーストラリアラリー選手権のタイヤサプライヤー(150本程度)を務めたが、タイヤサイズによってコンパウンドが違っており、コントロールタイヤにもかかわらずイコールコンディションが保たれていないという前代未聞の事態となった。選手からの不満はもちろん、主催者からクムホに対して多くの疑問が投げかけられたが、わずかな回答しか得られていない[9]

脚注 編集

  1. ^ [1]
  2. ^ 금호석유.아시아나, 자율협약 추진 / 錦湖石油・アシアナ航空は事業分割を推進 朝鮮日報 2009年12月30日
  3. ^ "MARSHAL TYRE BRINGS LOWER PRICES WHILE DELIVERING KUMHO QUALITY" (Press release). KUMHO TYRE. 20 August 2014. 2021年3月23日閲覧
  4. ^ “双星集団、子会社が韓国クムホタイヤに45%出資=中国”. 時事通信. (2018年3月5日). https://web.archive.org/web/20180316151738/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018030501035 2018年3月16日閲覧。 
  5. ^ “韓国タイヤ2位、中国同業の買収案受け入れ 労使が同意”. 日本経済新聞. (2018年3月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28797300Q8A330C1FFE000/ 2018年3月31日閲覧。 
  6. ^ 横浜ゴムが中国の青島双星傘下になったクムホタイヤとの提携を解消”. ITmedia. 2018年8月10日閲覧。
  7. ^ Kumho Tyres | Motorsport”. 2011年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月25日閲覧。
  8. ^ 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権のコントロールタイヤが2024年からクムホに決定”. autosport web. 2024年2月29日閲覧。
  9. ^ 'コントロールタイヤなのに不平等!? オーストラリアラリー選手権'

外部リンク 編集