クリストフ・ヴァルツ
クリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz, 1956年10月4日 - )は、オーストリア出身の俳優。現在はイギリス・ロンドン在住[1]。
クリストフ・ヴァルツ Christoph Waltz | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ウィーン国際映画祭にて(2017年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1956年10月4日(64歳) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出生地 |
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国籍 |
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主な作品 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
『イングロリアス・バスターズ』 『ジャンゴ 繋がれざる者』 『ビッグ・アイズ』 『007 スペクター』 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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生い立ち編集
ウィーン出身。父親はドイツ人、母親はオーストリア人。ドイツ語、英語、フランス語が堪能[2]。両親はセット・デザイナー[3]。
キャリア編集
ウィーンのマックス・ラインハルト演劇学校を経て1970年代後半からはニューヨークのリー・ストラスバーグ演劇研究所で演技を学んだ。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、チューリッヒのシャウシュピールハウス・チューリッヒ、ウィーンのブルク劇場、ザルツブルク音楽祭などで舞台に立った。1980年代から2000年代にかけてはテレビ俳優として多くの作品に出演し、2000年にはドイツのテレビ番組『Wenn man sich traut』で監督デビューした。
2009年、『イングロリアス・バスターズ』(クエンティン・タランティーノ監督)で、一見紳士的ながら腹の中では底知れぬ冷徹さを兼ね揃えているナチス親衛隊のハンス・ランダ役で第62回カンヌ国際映画祭男優賞、第82回アカデミー賞助演男優賞を受賞した。
クリストフについて、タランティーノ本人に「ランダ役は今まで生み出した中で最高のキャラクターの一人だったから、クリストフと同等の俳優がいなければ『イングロリアス・バスターズ』は作れなかったよ」と言わしめた[4]。
この作品で世界的に有名になる前は、生まれも育ちもウィーンという生粋のオーストリア俳優として欧米で活動していたが、実際はドイツ国籍しか保持していないことが判明し、多くのオーストリア国民に大きな衝撃を与えた。この件を受け2010年8月に同国政府から、急遽オーストリア国籍を授与することが決定された[5]。
2013年には、同じタランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』で二度目のアカデミー賞助演男優賞を受賞した。2014年には、第64回ベルリン国際映画祭の審査員を務めた[6]。また2014年12月1日にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにその名が刻まれた。
2015年には007シリーズ第24作『007 スペクター』で、犯罪組織スペクターの首領フランツ・オーベルハウザー(エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド)役を演じた。
人物編集
演じる際に必要なのは「どんな役でも、その人物の日常の感覚を考えて、再現することが重要」と話している[7]。
主な出演作品編集
公開年 | 邦題 原題 |
役名 | 備考 | 吹き替え |
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1982 | トルスタンとイゾルデ Feuer und Schwert - Die Legende von Tristan und Isolde |
トリスタン | ||
2000 | エネミー・アクション2 Queen's Messenger |
ベンサム | 日本劇場未公開 | |
私が愛したギャングスター Ordinary Decent Criminal |
ピーター | 菅原淳一 | ||
サバイバル・ゲーム Falling Rocks |
ルイス | 日本劇場未公開 | ||
2001 | アッシャ 洞窟の女王 She |
ヴィンシー | ||
2003 | マーダー・イン・レッド Jagd auf den Flammenmann |
Brisky | テレビ映画 | |
2008 | TEN(テン) Das jüngste Gericht |
ペーターズ | 日本劇場未公開 | |
2009 | イングロリアス・バスターズ Inglourious Basterds |
ハンス・ランダ | 第62回カンヌ国際映画祭男優賞受賞 第82回アカデミー賞助演男優賞受賞 |
山路和弘 |
2011 | グリーン・ホーネット The Green Hornet |
ベンジャミン・チュドノフスキー | 安原義人 | |
恋人たちのパレード Water for Elephants |
オーガスト・ローゼンブルース | 内田直哉 | ||
おとなのけんか Carnage |
アラン・カウアン | 山路和弘 | ||
三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 The Three Musketeers |
リシュリュー枢機卿 | 小川真司(劇場公開版) 千葉繁(テレビ朝日版) | ||
2012 | ジャンゴ 繋がれざる者 Django Unchained |
ドクター・キング・シュルツ | 第85回アカデミー賞助演男優賞受賞 | 山路和弘 |
2013 | メアリーと秘密の王国 Epic |
マンドレイク | 声の出演 | 郷田ほづみ |
ゼロの未来 The Zero Theorem |
コーエン・レス | 山路和弘 | ||
2014 | ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー Muppets Most Wanted |
本人役 | ||
モンスター上司2 Horrible Bosses 2 |
バート・ハンソン | 日本劇場未公開 | 安原義人 | |
ビッグ・アイズ Big Eyes |
ウォルター・キーン | 内田直哉 | ||
2015 | 007 スペクター Spectre |
フランツ・オーベルハウザー | 山路和弘 | |
2016 | ターザン:REBORN The Legend of Tarzan |
レオン・ロム | ||
2017 | チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 Tulip Fever |
コルネリス | 玉野井直樹 | |
ダウンサイズ Downsizing |
ドゥシャン・ミルコヴィッチ | 山路和弘 | ||
2018 | アリータ: バトル・エンジェル Alita: Battle Angel |
ダイソン・イド博士 | 森川智之 | |
2019 | Georgetown |
Ulrich Mott | 兼監督 | |
2021 | 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ No Time to Die |
フランツ・オーベルハウザー | ||
The French Dispatch |
ボリス・ショマーズ | |||
ピノキオ Pinocchio |
Netflixオリジナル作品 声の出演 |
主な受賞編集
『イングロリアス・バスターズ』 Inglourious Basterds (2009年)
- 第82回アカデミー賞 助演男優賞
- 第62回カンヌ国際映画祭 男優賞
- 第67回ゴールデングローブ賞 助演男優賞
- 第63回英国アカデミー賞 助演男優賞
- 第14回サテライト賞 助演男優賞
- 第16回全米映画俳優組合賞 助演男優賞
- 第5回オースティン映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第15回放送映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第35回ロサンゼルス映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第75回ニューヨーク映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第14回サンディエゴ映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第44回全米映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第8回ワシントンD.C.映画批評家協会賞 助演男優賞
- ハリウッド映画祭 助演男優賞
- ボストン映画批評家協会賞 助演男優賞
- サウスイースタン映画批評家協会賞 助演男優賞
『ジャンゴ 繋がれざる者』 Django Unchained (2012年)
- 第85回アカデミー賞 助演男優賞
- 第66回英国アカデミー賞 助演男優賞
- 第70回ゴールデングローブ賞 助演男優賞
- 第17回サンディエゴ映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第8回オースティン映画批評家協会賞 助演男優賞
- 第9回セントルイス映画批評家協会賞 助演男優賞
- セントラルオハイオ映画批評家協会賞 助演男優賞
- ブラック映画批評家協会賞 助演男優賞
脚注編集
- ^ Breznican, Anthony (2009年8月24日). “Christoph Waltz: His brilliant portrayal commands attention”. USA Today 2009年8月24日閲覧。
- ^ Billington, Alex (2009年8月20日). “Interview: Col. Hans 'The Jew Hunter' Landa - Christoph Waltz”. First Showing 2009年8月28日閲覧。
- ^ http://www.mainpost.de/nachrichten/kulturwelt/kultur/Christoph-Waltz-spielt-Brad-Pitt-an-die-Wand-Die-Cannes-Bilanz;art3809,5135954
- ^ “''Inglorious Basterds feature”. Network.nationalpost.com (2009年8月27日). 2011年1月26日閲覧。
- ^ http://www.wienerzeitung.at/nachrichten/english_news/38618_Waltz-to-become-Austrian-citizen.html
- ^ “Press Releases 64th Berlinale”. 2014年2月10日閲覧。
- ^ オスカー2個のクリストフ・ヴァルツ「3つ目より欲しいもの」語る。監督準備作では、意外やSF作品も(斉藤博昭) - 個人 - Yahoo!ニュース