クルド料理(クルドりょうり)はクルド人が調理する様々な種類の料理からなる。クルドとそれに隣接するイラントルコイラクシリアアルメニアとの文化的な類似(例えばビリヤニ)は、インド亜大陸まで通ずるものがある。クルド料理は西アジア料理の典型である。

伝統的なクルド料理
ドルマ
バクラヴァ

慣習 編集

クルドの食材には、様々な果実や野菜がある。子羊と鶏がよく使われる肉である。朝食は典型的にはフラットブレッドチーズ蜂蜜羊乳牛乳ヨーグルト、一杯の紅茶である。昼食は羊肉と野菜をトマトソースでぐつぐつ煮てシチューにして通常は米と一緒に食べ、セイボリー料理は通常は米あるいは平たいパン(ナン)と一緒に食べる。クルディスタンは、 ブドウザクロイチジククルミの生育に適した気候と土壌を持つ。クルドの蜂蜜は澄んだ淡白な味わいで、しばしばハチの巣ごと売られている。またクルディスタンでは毎日、羊乳と牛乳が生産されている。クルド人は肉を詰めた多くの種類のキョフテクッバダンプリングを作っている。

クルド料理は採れたてのハーブをふんだんに使う[1]

 
伝統的なクルドのパン。皮がパリッとした白いパンが熱した丸い鉄板で焼かれている。

砂糖を入れた紅茶は非常によく飲まれており、苦く濃いコーヒーも飲まれている。他に好まれるクルドの飲み物はソラニーで言う「マストウ」あるいは「アヴァマスト」で、ヨーグルトと塩を水で溶いたものである。これを発酵させたものがドウ(ドゥーグ)である[2]。両者ともしばしばイノンドミントメグサハッカの葉や、カイノキの実が添えられる。

クルド料理の主食は、berbesel、ビリヤニ、dokliw、kellane、kullerenaske、kutilk、parêv tobouli、ククミートパイあるいは野菜パイ)、birinç(肉あるいは野菜とハーブを加えた白米)、ほか様々なサラダ、ペーストリー、クルディスタンの各地に特有の飲み物が挙げられる。他の主な料理は、マクルーバキョフテ、shifta、shilah/maraga、卵を使ったスピナッチ、小麦とレンズマメを使ったスープ、ビートと肉を使ったスープ、甘いターニップ、カルダモンのクッキー、ブルグルメネメン、mehîr、ûr û rûvî、サルマアルビールで一般的な chichma、tefti、niskene、nane niskan がある[3]

よくあるクルド料理の一つが、ピーラーンシャフルとマハバードで一般的な Kardupilau である。

Sawarr はクルドの農民の伝統的な料理で、小麦の穀粒を使う。その穀粒は、まず茹でて日干ししたのち、殻を除くためすり鉢(curn)で叩かれる。次いでひき臼(destarr)で砕かれる。最後は茹でて完成である[4]

Tapsi はナス、ピーマン、ズッキーニ、ジャガイモを使った料理で、スパイスのきいたトマトソースが使われる。タシュリーブは、ピーマン、トマト、玉葱、唐辛子のソースを使った何層ものナンでできている[5]

クルドの典型的な朝食は、チーズ、バター、オリーブ、卵、トマト、キュウリ、玉葱、reçel(果物を丸ごと使ったジャム)、蜂蜜(普通はカイマクに乗せる)からなる。クルディスタンの朝食ではソーセージ、焼き料理、さらにはスープも食べられる。硬い皮つきの白いパンである pide などの伝統的なパンも広く食べられている。朝食に関してよくみられるクルドの名物としてメネメンがあり、これはあぶったトマト、唐辛子、オリーブオイル、卵を使っている。朝食では必ず紅茶が出される。

休日と祝典 編集

ネウロズの祭りの間、クルド人は田舎でピクニックを楽しみ、伝統的な料理をしばしばドルマと共に食べ、Halperke と呼ばれる伝統的なクルドの踊りを踊る。

脚注 編集

  1. ^ Kurdistan's cuisine”. Krg.org (2010年6月27日). 2012年5月21日閲覧。
  2. ^ Kurdistan's cuisine”. Krg.org (2010年6月27日). 2012年5月21日閲覧。
  3. ^ Middle East”. Web.archive.org (2008年2月1日). 2008年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年5月21日閲覧。
  4. ^ The food that launched civilization”. Google.com (2012年5月5日). 2012年5月21日閲覧。
  5. ^ “Iraqi Kurdish, Life Style”. London: Guardian.co.uk. (2007年4月7日). https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2007/apr/07/features.weekend17 2012年5月21日閲覧。 

外部リンク 編集