クロキサゾラム

抗不安薬の一つ

クロキサゾラム (Cloxazolam) は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の一種である。神経症心身症、手術前の不安に適応がある[1]。商品名セパゾン

クロキサゾラム
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
法的規制
投与経路 経口投与
薬物動態データ
半減期65時間
識別
CAS番号
27223-35-4
ATCコード N05BA22 (WHO)
PubChem CID: 2816
DrugBank none
KEGG D01268
化学的データ
化学式C17H14Cl2N2O2
分子量349.21
物理的データ
融点203 °C (397 °F)
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セパゾン錠1 1mg(第一三共株式会社)
セパゾン錠2 2mg(第一三共株式会社).

連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがある[2]向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬である。

薬理 編集

脳にあるGABAA受容体に結合することにより、抑制性の内因性リガンドであるGABAの作用を増強し、神経の興奮性を低下させる。

適応 編集

  • 神経症の不安・緊張・抑うつ・強迫・恐怖・睡眠障害、ならびに心身症(消化器疾患、循環器疾患、更年期障害、自律神経失調症)の身体症状と不安・緊張・抑うつ[1]
  • 手術前の不安除去

禁忌 編集

次の者には使用できない

副作用 編集

  • 眠気、集中力の低下、口渇、倦怠感など

依存性 編集

日本では2017年3月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する旨が追加され、厚生労働省よりこのことの周知徹底のため関係機関に通達がなされた[2]奇異反応に関して[3]、錯乱や興奮が生じる旨が記載されている[2]医薬品医療機器総合機構からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避ける、用量順守と類似薬の重複の確認、また慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されている[4]。調査結果には、日本の診療ガイドライン5つ、日本の学術雑誌8誌による要旨が記載されている[3]

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b セパゾン錠1/セパゾン錠2/セパゾン散1% 添付文書” (2010年9月). 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月4日閲覧。
  2. ^ a b c 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長『催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬の「使用上の注意」改訂の周知について (薬生安発0321第2号)』(pdf)(プレスリリース)https://www.pmda.go.jp/files/000217230.pdf2017年3月25日閲覧 、および、使用上の注意改訂情報(平成29年3月21日指示分)”. 医薬品医療機器総合機構 (2017年3月21日). 2017年3月25日閲覧。
  3. ^ a b 医薬品医療機器総合機構『調査結果報告書』(pdf)(プレスリリース)医薬品医療機器総合機構、2017年2月28日http://www.pmda.go.jp/files/000217061.pdf2017年3月25日閲覧 
  4. ^ 医薬品医療機器総合機構 (2017-03). “ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について” (pdf). 医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い (11). https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf 2017年3月25日閲覧。. 

関連項目 編集