クロコダイル科(クロコダイルか、Crocodylidae)は、爬虫綱ワニ目に分類される科。模式属はワニ属。

クロコダイル科
NileCrocodile.jpg
Crocodylus niloticus
保全状況評価
(ワシントン条約付属書II)
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: ワニ目 Crocodilia
: クロコダイル科 Crocodylidae
学名
Crocodylidae Cuvier, 1807[1]
和名
クロコダイル科[2]

形態編集

背面は大型の鱗で覆われているが、幅は狭い[3]。口吻は種による変異が大きい[4]。一例としてジョンストンワニやアフリカクチナガワニ類では口吻が細長いが、ヌマワニは幅広い[4]。口を閉じた時に下顎の第4歯が外から見えるが[4]、例外もありアリゲーター科の一部では見える個体もいるため絶対的な区別方法ではない[3]。腹面にある鱗板に、感熱器官(濾胞)がある[3][4]。踵行性傾向がある[3]

分類編集

アリゲーター科Alligatoridae

Gavialidae

インドガビアルGavialis gangeticus

マレーガビアルT. schlegeli

Crocodylidae

M. cataphractus

ニシアフリカコビトワニO. tetraspis

Osteolaeminae

Voay robustus

C. suchus

C. niloticus

キューバワニC. rhombifer

グアテマラワニC. moreletii

アメリカワニC. acutus

オリノコワニ
C. intermedius

イリエワニC. porosus

ヌマワニC. palustris

シャムワニC. siamensis

ジョンストンワニC. johnstoni

ミンドロワニC. mindorensis

C. novaeguineae

Crocodylinae
Hekkala et al.(2021)より、ミトコンドリアDNAを最尤法を用いて解析した半化石種も含めた系統図(分類は出典に従う)[5]

外部形態や分子系統解析から、1種のみでガビアル科を構成するインドガビアルを本科に含める説もあった[6]

2003年にミトコンドリアDNAの12S rRNAの分子系統解析から、旧ナイルワニCrocodylus niloticusが遺伝的差異のある2系統に分かれる(西アフリカの個体群が、東アフリカや南アフリカの個体群よりもジョンストンワニに近縁)という解析結果が得られ分割する説が提唱された[7]。この分子系統解析では旧アフリカクチナガワニCrocodylus cataphractus(出典での学名に従う)が、ワニ属ではなくニシアフリカコビトワニに近縁とする解析結果も得られワニ属からの分割も提唱している[7]。2018年に旧アフリカクチナガワニMecistops cataphractusを、2種に分割する説が提唱された[1]。2019年に旧ニューギニアワニのパプアニューギニア南部個体群が、Crocodylus halliとして新種記載された[8]

以下の現生の分類群・英名は、Reptile Database(2021)に従う[9]。和名は分類に変更のある種や付記のある種を除き、青木(1993)に従う[2]

人間との関係編集

日本では2021年の時点で科単位で特定動物に指定されており、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)[12]

画像編集

出典編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b Matthew H. Shirley et al., "Systematic revision of the living African Slender-snouted Crocodiles (Mecistops Gray, 1844)," Zootaxa, Volume 4504, Number 2, 2018, Pages 151 - 193.
  2. ^ a b 青木良輔編著 「カメ目2、ワニ目、ムカシトカゲ目の分類表」『週刊朝日百科 動物たちの地球 両生類・爬虫類5 リクガメ・ワニほか』第5巻 101号、朝日新聞社、1993年、160頁。
  3. ^ a b c d 長坂拓也 「世界のワニ」『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』千石正一監修 長坂拓也編著、ピーシーズ、2002年、153 - 159頁。
  4. ^ a b c d H. Robert Bustard 「ワニ類」青木良輔訳『動物大百科 12 両生・爬虫類』深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編、平凡社、1986年、150 - 157頁。
  5. ^ E. Hekkala et al, "Paleogenomics illuminates the evolutionary history of the extinct Holocene“horned”crocodile of Madagascar, Voay robustus," Communications Biology, Volume 4, Number 505, 2021.
  6. ^ 青木良輔 「素早く魚を捕らえる インドガビアル」『週刊朝日百科 動物たちの地球 両生類・爬虫類5 リクガメ・ワニほか』第5巻 101号、朝日新聞社、1993年、150 - 152頁。
  7. ^ a b Andreas Schmitz et al., "Molecular evidence for species level divergence in African Nile Crocodiles Crocodylus niloticus (Laurenti, 1786)," Comptes Rendus Palevol, Volume 2, Issue 8, 2003, Pages 703 - 712.
  8. ^ Christopher M. Murray et al., Divergent Morphology among Populations of the New Guinea Crocodile, Crocodylus novaeguineae (Schmidt, 1928): Diagnosis of an Independent Lineage and Description of a New Species," Copeia, Volume 107, Number 3, 2019, Pages 517 - 523.
  9. ^ Crocodylidae. Uetz, P., Freed, P, Aguilar, R. & Hošek, J. (eds.) (2021) The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed 24 July 2021.
  10. ^ 青木良輔 「ミンドロワニ(フィリピンワニ)」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、201-202頁。
  11. ^ 青木良輔 「ニシアフリカコビトワニ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、222 - 223頁。
  12. ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理)環境省・2021年7月24日に利用)

関連項目編集