クロッカス

アヤメ科クロッカス属の総称

クロッカス (Crocus) は、アヤメ科クロッカス属の総称、または、クロッカス属の内で花を楽しむ園芸植物の流通名。

クロッカス
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: アヤメ科 Iridaceae
: クロッカス属 Crocus
学名
Crocus
L. (1753) [1]
タイプ種
Crocus sativus L.[1]サフラン

特徴 編集

耐寒性秋植え球根植物。原産地はヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジアである。晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、クロッカスは早春に咲き、観賞用のみに栽培されるため、春サフラン、花サフランなどと呼ばれる。球根は直径4cmくらいの球茎で、根生葉は革質のさやに覆われているが、細長く、花の終わった後によく伸びる。花はほとんど地上すれすれの所に咲き、黄色・白・薄紫・紅紫色・白に藤色の絞りなどがある。植物学上は、クリサントゥスCrocus chrysanthus原種とする黄色種と、ヴェルヌスC. vernusを原種とする白・紫系の品種とは別種だが、園芸では同一種として扱われ、花壇・鉢植え・水栽培に利用されている。

栽培 編集

球根の植え時は10月から11月で、花壇に植えるときは15cm間隔に植え付け、8 - 10cmくらい覆土する。鉢植えは、6寸鉢に6 - 7球が適当で、球根が2cmくらい土をかぶるように植える。寒さに強く、日当たりと水はけの良い所なら、植えっぱなしでもよく生育するほど丈夫である。花後葉が伸びて醜くなるが、そのままにしておき、葉が半分くらい黄ばんできたら掘り上げて分球し、乾いた風通しの良い所で貯蔵する。開花した花に水がかかると溶けるように縮んで萎れてしまうため、水やりの際はくれぐれも注意が必要である。

ヨーロッパとアジアにおける16種のクロッカス属の分布図

野生種 編集

 
野生のクロッカス
背後の山はアイガー

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ a b "'Crocus L.". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 40016737. 2012年8月4日閲覧

関連項目 編集