クロトン酸(クロトンさん、crotonic acid)は、炭素数4のモノ不飽和脂肪酸のひとつ。C-2位にトランス型の二重結合を持つ。ハズ油の主成分で、名称もハズ属 Croton に因む。工業的にはクロトンアルデヒド酸化によって合成する。

クロトン酸
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識別情報
CAS登録番号 107-93-7
PubChem 637090
ChemSpider 552744 チェック
特性
化学式 C4H6O2
モル質量 86.09 g/mol
密度 1.02 g/cm3
融点

70–73 °C

沸点

185–189 °C

テトラヒドロフランエタノールメタノールへの溶解度 テトラヒドロフラン8.09 M、エタノール6.15 M、メタノール7.62 M [1]
酸解離定数 pKa 4.69 [2]
危険性
安全データシート(外部リンク) SIRI.org
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

単体は白色の針状結晶で、酪酸様の臭気を有し、刺激性が強い。及び多くの有機溶媒に溶ける。

同じ化学式で、シス型の二重結合をもつ幾何異性体イソクロトン酸 (isocrotonic acid) と呼ばれる。イソクロトン酸は沸点171.9 ℃の油状液体で、蒸留によって単離できる安定な物質であるが、熱や光、酸などによってクロトン酸へと異性化する[3]

出典 編集

  1. ^ Solubility of crotonic acid in non-aqueous solvents
  2. ^ Dawson, R. M. C., et al., Data for Biochemical Research, Oxford, Clarendon Press, 1959.
  3. ^ Rappe, C. (1973). "cis-α,β-Unsaturated acids: isocrotonic acid". Organic Syntheses (英語). 53: 123.; Collective Volume, vol. 6, p. 711

関連項目 編集