この節では、添字は 1 から n の間の値をとるものとする。
2階(1, 1)型テンソルとしてのクロネッカーのデルタは
-
である。
これを高階に拡張したものとして、n 次元、2p 階の一般化されたクロネッカーのデルタがある。これは (p, p) 型テンソルで、上下それぞれの添字に対して反対称である。
定義
一般化されたクロネッカーのデルタの定義は
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である[1][2]。
なお、" " は が全て異なり、かつ、 の偶置換の場合を指し、" " は が全て異なり、かつ、 の奇置換の場合を指し、" " は上記以外のすべての場合を指す。
を p 次の対称群とすれば
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と表現でき、反対称化の記号を用いると:
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となる。また、p × p 行列式で表現すると[3]:
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となる。
行列式の余因子展開を用いると再帰的な定義:
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が得られる。ただし、チェック( )が付いた項は式から外されるとする。
n=p の場合、(高階に拡張された)エディントンのイプシロンを使えば:
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となる。
逆にエディントンのイプシロンの定義と考えることもできる。
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演算規則
反対称化を一般化されたクロネッカーのデルタを使って定義すると
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となる。
これより、以下の演算規則が導かれる。
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これらは#性質の節の内容の一般化であり、3番目の式はコーシー・ビネの公式に対応する。
添字の縮約については 0≤m<k≤n として[4]、
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あるいは
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が成立する。
特に k=n のとき、
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あるいは
-
-
が成立する。