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クローズドドアシステム

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  • クローズドドアーシステム

クローズドドアシステムは、バスで途中停留所の利用条件を乗車もしくは降車のみに制限する制度。乗車降車専用方式ともいう[1]

概要編集

クローズドドアシステムは、日本で戦後にバス路線の共同運行が普及する際に定着した制度である[1]

特に都市部と空港や港(フェリー発着所)を結ぶ空港連絡(リムジン)バス・フェリー連絡バスでは大半の路線・系統でこの方式を採用している。

日本では以前より存在していたが、1982年(昭和57年)以降に新設された高速バス路線でクローズドドアシステムが確立され、高速バス路線が拡大する源泉となった。このシステムは祭りやイベントが開催された場合に運行される、会場と駅や駐車場を結ぶシャトルバスなどでも採用されている。

システムの形態編集

クローズドドアシステム採用路線では路線形態によって以下のような扱いとなっている

1. 路線バス

自事業者エリアから他事業者エリアに乗り入れる際は、他社エリアでは降車、他事業者エリアから自事業者エリアに乗り入れる際は、他事業者エリアでは乗車のみ取扱する方法と、他事業者の路線が自事業者エリア内では乗降とも取り扱う代わりに自事業者エリア内で他事業者の停留所設置数を制限させる方法とがあり、また地域や事業者によってはその両方を組み合わせる場合もある。なお、自事業者エリア内に複数の他事業者が乗り入れる場合は、その一部事業者および一部路線のみをクローズドドアシステムにしていることもある。また、同一の区間であっても、事業者および系統により、クローズドドアシステムの内容が異なる場合もある。

2. 高速バス・都市間バス

起点地周辺エリアで乗車のみ、終着地周辺エリアで降車のみの制限が取られる方法が一般的である。

3. 空港連絡バス・フェリー連絡バス

行先が空港・港の場合は途中停留所は乗車のみ、始発が空港・港の場合は途中停留所は降車のみ取扱する。

4. 商業施設病院学校・競技場等へのバス

駅・ターミナル・住宅街などを発車する場合は乗車のみ、施設発は降車のみ扱う。

以下に述べるように、バス事業者にはメリットの方が大きいが、利用者側にとってはデメリットの方が大きく、一部バス路線では、クローズドドアシステムによる弊害も生じている。

長所編集

  • 短距離利用客によって満席になってしまい、本来の目的である長距離利用客が乗れなくなるという事態が避けられる。
  • 事業者間でのテリトリー侵害を一定の割合で回避することができ、事業者間での軋轢が少なくなる。
  • 高速バスで、近距離利用を制限できるため、静粛が保たれやすく、一般路線バスへの影響も最小限にできる。また運賃の精算作業も容易にしやすい。
  • 高速バスでは、拠点間の運賃設定で済むため、共同運行におけるプール精算制といった方法で、運行事業者間の収入分配が公平、簡便になる。
  • 降車のみの扱いとなる停留所では時間調整が行われないため、これらの停留所や終点には到着時刻より早着することがある。乗車のみの扱いとなる停留所及び乗降車共に可能な停留所は、旅客自動車運送事業運輸規則第12条で「所定の発車時刻より前に発車させること」が禁止されているため、停留所に早着した場合は時間調整が行われる。

短所編集

  • 短距離路線のクローズドドア区間では、前述のように乗車もしくは降車に制限されるか、あるいは乗降ともに扱う代わりに停留所の設置数が制限されるため、バスが低乗車率のまま運行するケースが生じやすい。
  • 高速バスでは利用が拠点間に限定されるため、中間地での利用ができない。特に途中地点に立ち寄らない拠点間直行の高速バスでは、目的地が運行区間の中間でかつ路線設定がない場合、乗り換えが必然となる。途中区間からの需要に応えるには不利となる。
    • クローズドドアシステムの欠点を補うため、拠点間直行路線をマルチに設定することがあり、これにより供給過多(採算性低下)に陥ることがある。
  • クローズドドアシステムを採用している路線で、当該路線がそのシステムになっている事を知らない乗客が、誤って乗ってしまいトラブルとなる事がしばしある。

日本での事例編集

主な実施事例編集

  • 京阪バスでは、洛南営業所が管轄している308号経路「西本願寺清水寺ライン」(京都駅八条口 - 西本願寺間の運行。半循環の形態で運行)が、2019年4月1日の新設時より、このクローズドドアシステムによって、五条高倉 - 西本願寺間には京都駅八条口行きの烏丸七条以外設けることができず、京都市内最大のターミナルでしかも国際観光都市の玄関口でもある京都駅前(京都駅烏丸口)停留所が設置されなかった。そのため京都駅烏丸口前を全便が停車せずに通過している。京都駅前を一般路線バスの全便が停車せずに通過するのは、八条口前を含めても京都駅開業以来史上初の出来事であり、また京都駅前乗り入れている全乗合バス事業者に於いても史上初となった。ただしこの308号経路は起点が京都駅八条口としているため、西本願寺や京都市内地区からは大きく迂回するものの、京都駅自体に向かうことはできる。

短所を補う工夫編集

  • 山陽自動車道では、高坂パーキングエリアを乗り換え専用の停車地とし、直行路線のないしまなみ海道沿線や広島県東部各地から広島空港へのアクセスの確保を行っている。
  • 国土交通省関東運輸局の要請で上信越自動車道藤岡パーキングエリアを乗り換え専用停車地とし、直行路線のない区間でも相互乗り換えでアクセスを確保する社会実験を行うべく、アンケートを実施している。
  • 九州自動車道では、2007年7月1日より基山パーキングエリアに多くの高速バスを停車させ(九州号ひのくに号のスーパーノンストップ便を除く)、直行路線の無い方面(北九州 - 鹿児島間など)や直行便が少ない都市間(大分・宮崎・鹿児島 - 長崎など)へのアクセスの確保を行っている。
  • 山交バス宮城交通の高速仙台 - 山形線では、山形市内の一般道区間においてクローズドドアシステムの一部を緩和し、山形県庁前と南高校前の2つのバス停で山形駅前行の片方向のみを乗降可能とした。山交バスの山形市内線は赤字が原因で路線廃止と減便が続き年々利便性が低下していたが、高速バスの山形市内区間を活用することによって、わずかな経費で山形市内利用者の利便性を高めることができた。山形県庁→南高校前→山形駅前の市内路線バスは平日1日23本しかないが、同じ区間を走る仙台からの高速バスは平日1日80本ある。なお、同じバス停の仙台方面行と、同路線の仙台市内区間[2]は緩和されていない。

脚注編集

  1. ^ a b 和佐田貞一『高速バス進化の軌跡』、2015年。
  2. ^ 但し、1980年代頃、仙台駅前 - 県庁市役所前間での乗降が可能であった(出典:日本交通公社発行の大型時刻表1986年12月号と1987年11月号の該当路線のページ。該当ページの項に、『県庁市役所前 - 仙台駅前』160円の記載がある)。

関連項目編集