クンダ文化(Kunda culture)は、中石器時代ラトビアからロシアにかけてのバルト地方の森林地帯の狩猟採集民文化である。

クンダ文化
分布範囲 ヨーロッパ
時代 中石器時代
年代 c. 8500– c. 5000 BC
標式遺跡 クンダ (エストニア)
代表遺跡 en:Pulli settlement
先行文化 スウィデリアン文化英語版
後続文化 ナルヴァ文化英語版

放射性炭素年代測定で紀元前8500-5000年を示す。

スウィデリアン文化英語版に起源を発する。

初めて広範に研究された居住地が発見されたエストニアの都市クンダ (エストニア)から名づけられた[1]

ナルヴァ文化英語版が後継文化である。

担い手の遺伝子 編集

Jones et al. (2017) によればクンダ文化とその後のナルヴァ文化の人々は、東ヨーロッパ狩猟採集民よりも西ヨーロッパ狩猟採集民と遺伝的に類似している[2]

Mittnik et al. (2018) はクンダ文化の男性と女性の遺骨を分析した。

男性はハプログループI (Y染色体)U5b2c1 (mtDNA)、女性はU4a2 (mtDNA)に属していた。

古代北ユーラシア人から遺伝的に大きな影響を受けているものの、西ヨーロッパ狩猟採集民と非常に密接な関連性を持っていることがわかった[3]

Matthieson et al. (2018) はen:Zvejnieki burial groundに埋葬された多数の遺骨(ほとんどはクンダ文化とその後のナルヴァ文化のもの)を分析した。

mtDNAはハプログループU5、U4、U2に属し、Y-DNAの大部分はR1b1a1aおよびI2a1に属していた[4]

脚注 編集

  1. ^ Shaw, Ian; Jameson, Robert, eds. (1999). A Dictionary of Archaeology. Blackwell Publishing. p. 346. ISBN 0-631-23583-3.
  2. ^ Jones, Eppie R. (February 20, 2017). "The Neolithic Transition in the Baltic Was Not Driven by Admixture with Early European Farmers". Current Biology. Cell Press. 27 (4): 576–582. doi:10.1016/j.cub.2016.12.060. PMC 5321670. PMID 28162894.
  3. ^ Mittnik, Alisa (January 30, 2018). "The genetic prehistory of the Baltic Sea region". Nature Communications. Nature Research. 16 (1): 442. doi:10.1038/s41467-018-02825-9. PMC 5789860. PMID 29382937.
  4. ^ Mathieson, Iain (February 21, 2018). "The Genomic History of Southeastern Europe". Nature. Nature Research. 555 (7695): 197–203. Bibcode:2018Natur.555..197M. doi:10.1038/nature25778. PMC 6091220. PMID 29466330.