クール・ジャズ (cool jazz) とは、ビバップの反動として1940年代後半に生まれた、白人寄りの傾向をもつジャズのジャンル。リラックスした軽いサウンドが特徴だ。

クール・ジャズ
Cool jazz
様式的起源 ビバップスウィング・ジャズクラシック音楽
文化的起源 1940年代後半 -
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
使用楽器 ドラムピアノトランペットトロンボーンサックスダブルベース
派生ジャンル モダン・ジャズ
ローカルシーン
ロサンゼルスサンフランシスコニューヨーク
関連項目
ウエストコースト・ジャズ
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歴史 編集

スウィング・ジャズの衰退を受け、戦後まもなくに登場したビバップは、複雑なアドリブ演奏と奔放さを特徴として持っていた。クール・ジャズはビバップの反動として奏法・展開などに抑制の効いたスタイルを持ち味とした[1]。南部のニューオーリンズ・ジャズやディキシーランド・ジャズ[注 1]の後に、都市のスウィング・ジャズが生まれた経緯と、ビバップ後にクール・ジャズが出てきた音楽的な反作用が似ていることを指摘する評論家もいる。クール・ジャズはビバップに比べ、控えめなテクニック表現とリズムで、クールに聞こえた一方アンサンブルサウンドやその楽器編成、音楽構成も重要視されていた。

ビバップが黒人のためのジャズであるのに対し、クール・ジャズは白人による白人のためのジャズと、後に言われることになった。だが、クール・ジャズの創始者はマイルス・デイヴィスと言われ、彼のアルバム『クールの誕生 (Birth of the Cool)』がその起源ともされている。常に音楽的進化を望んだ彼が打ち出したこのスタイルは、彼の人種的多様性を受け入れる姿勢を示していた。

クール・ジャズの代表的なアーティスト 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ルイ・アームストロングらが代表的な音楽家である。

出典 編集

参考文献 編集

  • 細川周平、後藤雅洋、村井康司、寺島靖国、小川隆夫、加藤総夫、柳沢てつや、北里義之、大村幸則、瀧口秀之、西島多恵子、山下泰司、黒田京子、桜井圭介、上野俊哉、米田栄、田辺秀樹、高橋順一、川竹英克、田村和紀夫、大宅緒、高見一樹、島原裕司、柴俊一『新版 ジャズを放つ』洋泉社、1997年、22頁。ISBN 4896912500 
  • フランク・ティロー『ジャズの歴史 その誕生からフリー・ジャズまで』音楽之友社、1993年、313-318頁。ISBN 4276232511 

関連項目 編集

外部リンク 編集