グレゴリー・シャミトフ
グレゴリー・シャミトフ(Gregory Errol Chamitoff、1962年8月6日-)は、カナダのモントリオール出身の技術者、アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士である。2008年に第17次長期滞在及び第18次長期滞在で国際宇宙ステーションに6か月滞在し、また2011年にはSTS-134で15日間宇宙を訪れた。STS-134は、スペースシャトル・エンデバーの最後のミッションで、アルファ磁気分光器が運ばれ、USOS(US Orbital Segment)が完成した[3]。
グレゴリー・シャミトフ Gregory Errol Chamitoff | |
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NASA宇宙飛行士 | |
国籍 | アメリカ人[1][2] |
現況 | 現役 |
生誕 |
1962年8月6日(62歳) ケベック州モントリオール |
他の職業 | 技術者 |
出身校 |
カリフォルニア・ポリテクニック州立大学 (BS) カリフォルニア工科大学 (MS) マサチューセッツ工科大学 (PhD) ヒューストン大学クリアレイク校(MS) |
宇宙滞在期間 | 198日18時間02分 |
選抜試験 | 1998 NASA Group |
ミッション | STS-124, 第17次長期滞在, 第18次長期滞在, STS-126, STS-134 |
記章 |
教育
編集シャミトフは、モントリオールでロシア系のユダヤ教の家庭に生まれ[4]、6歳の時にアポロ11号の月面着陸を見て、宇宙飛行士になることを志した[5]。
以下の学校を卒業した。
- 1980年:ブラックフォード高校卒業(カリフォルニア州サンホセ)
- 1984年:カリフォルニア・ポリテクニック州立大学 学士(電子工学)
- 1985年:カリフォルニア工科大学 修士(航空工学)
- 1992年:マサチューセッツ工科大学 博士(航空宇宙工学)
- 2002年:ヒューストン大学クリアレイク校 修士(宇宙科学)[3]
初期のキャリア
編集学部生時代に、シャミトフは回路設計を教え、Four-Phase Systems、アタリ、ノーテルネットワークス、IBMで夏のインターンシップを行った。 卒論テーマとして、自律制御ロボットを作った。マサチューセッツ工科大学及びチャールズ・スターク・ドレイパー研究所(1985年-1992年)では、いくつかのNASAのプロジェクトに携わった。ハッブル宇宙望遠鏡の展開の際の安定性の分析、スペースシャトルの自動飛行システムの更新の設計、フリーダム宇宙ステーションの高度制御システムの研究等を行った。彼の博士課程のテーマにより、超音速機のロバストで賢い飛行制御への新しいアプローチが発展した。
1993年から1995年までシドニー大学の客員教授を務め、自動飛行機の開発グループを率い、また飛行力学と制御の授業を担当した。飛行機や宇宙機の制御、軌道の最適化、火星ミッションの設計等、多くの論文を書いている[3]。
NASAでのキャリア
編集1995年、シャミトフは、ジョンソン宇宙センターのMission Operations DirectorateのMotion Control Systems Groupに加わり、宇宙機の高度制御のモニタリング、予測、分析、手動最適化のためのソフトウェアを開発した。
1998年に宇宙飛行士の候補に選ばれ、1998年8月から訓練を開始し、2000年にミッションスペシャリストの資格を得た。国際宇宙ステーションの第9次長期滞在では、CAPCOMを率い、第6次長期滞在では乗組員の支援を行い、機体上での手順の開発等を行った[3]。
2002年7月、NEEMO 3ミッションの一環として、9日間、海中居住施設アクエリアスに滞在した[6]。
第15次長期滞在/第16次長期滞在ではフライトエンジニアとして、STS-117/STS-120ではミッションスペシャリストとして、ともにクレイトン・アンダーソンのバックアップを務めた。
第17次長期滞在/第18次長期滞在
編集シャミトフは、国際宇宙ステーションの長期滞在ミッションに従事した。STS-124のミッションスペシャリストとして打ち上げられ、第17次長期滞在では、フライトエンジニア及びサイエンスオフィサーを務め、6か月の任務を終え、STS-126で地球に帰還した[3]。
個人的割当の一部で、シャミトフは初めてベーグルを宇宙に持ち込んだ。従兄弟がオーナーを務める、モントリオールの有名なベーグル店であるフェアマウント・ベーグルの胡麻ベーグル18個を3つのバッグに入れて持ち込んだ[7][8]。彼はまた、ベルクロのチェスセットを持ち込んで、ミッションコントロールと白熱したゲームを行った[9]。
第18次長期滞在の始めにリチャード・ギャリオットが滞在すると、シャミトフとギャリオットは、宇宙空間での初めての手品ショーを撮影した。また、ユーリ・ロンチャコフ、マイケル・フィンク、ギャリオットとともに、宇宙空間で初めてSF映画Apogee of Fearの撮影を行った[10]。
ミッション中にSPHERESで実験を行った後、彼は高校生がロボットをプログラムするZero Robotics競技会を設立した[11]。
STS-134
編集最後から2番目のスペースシャトルのミッションであるSTS-134では、シャミトフはミッションスペシャリストを務めた。2度の宇宙遊泳を行い、国際宇宙ステーションを完成させた[12]。
ギャラリー
編集-
2008年11月、ISS上のシャミトフ
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第17/18次長期滞在の乗組員
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STS-134で最後の宇宙遊泳を行うシャミトフ
NASA後
編集現在は、シドニー大学で航空宇宙工学の教授、テキサスA&M大学で応用工学の教授を務めており、宇宙船の設計、操作、ダイナミクス、制御等を教えている[3]。
私生活
編集シャミトフは、医学博士、公衆衛生学修士のAlison Chantal Cavinessと結婚し、2人の子供、NatashaとDimitriがいる[3]。
趣味は、スキューバダイビング、トレッキング、航空、スキー、ラケットボール、合気道、ジャグリング、手品、ギター等である。チェスも趣味で、国際宇宙ステーション滞在中に地上の人と指したこともある[13]。
出典
編集- ^ The Canadian Jewish News - Former Montrealer heading into space
- ^ “Shuttle lifts off with Montreal-born astronaut aboard”. CBC News. (31 May 2008)
- ^ a b c d e f g “Gregory Errol Chamitoff (Ph.D.) NASA Astronaut (Former)”. NASA. 17 May 2018閲覧。
- ^ “Preflight Interview: Gregory Chamitoff”. National Aeronautics and Space Administration. 2019年11月9日閲覧。 “my whole family’s from Montreal, although a generation before that they’re from Russia”
- ^ Alkira Reinfrank (23 July 2016). “Former NASA astronaut Greg Chamitoff talks deep space with Canberra students”. ABC News. 18 May 2018閲覧。
- ^ NASA (April 21, 2011). “Life Sciences Data Archive : Experiment”. NASA. October 24, 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。September 22, 2011閲覧。
- ^ CTV.ca Montreal-born astronaut brings bagels into space Archived 2008-06-02 at the Wayback Machine. Sun. Jun. 1 2008 7:29 PM ET ; CTV National News - 1 June 2008 - 11pm TV newscast
- ^ The Gazette (Montreal), Here's proof: Montreal bagels are out of this world Archived 2008-06-04 at the Wayback Machine., IRWIN BLOCK, Tuesday June 3, 2008, Section A, Page A2
- ^ DYLAN LOEB McCLAIN. “Space Station to Mission Control: It’s Your Move”. New York Times. 18 May 2018閲覧。
- ^ Matt Blum. “NASA Relents: Apogee of Fear, First Sci-Fi Film Shot in Space, Will Be Released”. wired. 17 May 2018閲覧。
- ^ “Zero Robotics History”. 2018年5月18日閲覧。
- ^ NASA (May 2011). “STS-134 Mission Summary”. NASA. January 14, 2012閲覧。
- ^ “Chess in Space: Houston, we have a checkmate”. ChessBase (August 29, 2008). October 10, 2013閲覧。