ゲッターロボ號
『ゲッターロボ號』(ゲッターロボごう)は、1991年2月11日から1992年1月27日までテレビ東京系で全50話が放送された、東映動画製作のロボットアニメ。また、ストーリーが大きく異なる石川賢による漫画版が存在し、ゲッターロボサーガのプロットを明確に組み入れられたものとなっている。
両者を並列表記とすると説明が繰り返されて煩雑になるため、当記事では先にアニメの情報、次に漫画の情報をアニメとの相違点を中心に記述する。
アニメ版編集
概要編集
テレビせとうち(TSC)製作のアニメ第三弾。当初は『マジンガーZ』のリメイク版として企画され、マジンガーシリーズの世界観と時間軸を共通するものであった。そのため、主役の一文字號の容姿は兜甲児に似ており[注 1]、敵ロボットの「メタルビースト」は1つあるいはそれ以上の頭部を所有する、敵幹部が全員爵位を持っている、渡辺宙明の音楽、などにその名残を残している。当時のロボットアニメがリアル路線か小学生などを主人公にした活劇物かに二分していた中、本作はプロトゲッター発進シークエンスやバトルヘリによる援護など当初はリアルテイストを盛り込んだが、2クール目より、1970年代ロボットアニメさながらの作風や、水木一郎の歌(OPはヒーロー物定番の"雄叫び"ソング、EDはバラード調の曲)に変更されるなどの路線変更が行われた。
ストーリー上では明言されてはいないが、スタッフの証言によれば漫画版同様、中盤に神隼人を指揮官として登場させることで、旧シリーズと世界観を明確に繋げる案があったが、隼人役の声優であるキートン山田のスケジュールの都合で没になった[注 2]。
当初は東映の横山賢二によって『マジンガーZ』のリメイクとして企画されたが、話を持ちかけられたダイナミック企画では権利関係が複雑ではない『ゲッターロボ』のリメイクを提案し、これを受ける形で東映が企画を変更している。また番組スポンサーとして玩具を手がけたバンダイグループのユタカも、過去のゲッターでは成されなかった変形合体の完全再現を目指して商品の企画開発に臨んだ。石川賢は後にインタビューで「ユタカ側が非常に意欲的で、しかも完全な変形合体が出来たことに驚いた」と述懐している。
制作を担当していた東映(東映動画)は、この作品を最後にロボットアニメから撤退。東映によるロボットアニメは『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』まで途絶えることとなる。
ストーリー編集
西暦200X年、ダイヤモンドの二百倍の硬度を持つ特殊な鉱石「G鉱石」[注 3]が発見され、その研究開発のために北極に建造された多国籍開発基地「ポーラー・ステーション」を乗っ取った狂気の科学者「プロフェッサー・ランドウ」は、G鉱石で装甲した巨大ロボット怪獣「メタルビースト」の軍団を率いて世界征服に乗り出した。
日本の防衛庁はそれに対抗するため、北海道のサロマ湖畔にあるNISAR(ネイサー、日本国際航空宇宙技術公団)の所有する、G鉱石にて装甲された宇宙開発用ロボット「ゲッターロボ」に協力を要請。当初はゲッターロボを戦闘用とすることに難色を示していたNISARの橘博士だったが、戦いの中で息子の信一が命を落としたのをきっかけに、ゲッターの戦闘用強化に本腰を入れることになる。
当初は非変形で武装も無く、徒手空拳で戦っていたゲッターロボであるが、激しさを増す戦いの中で徐々に武装が施され、第11話で3機の飛行メカが合体、3種の形態に変形するスーパーロボットへと生まれ変わる。
スタッフ編集
- 企画:大西良昌(ビックウエスト)、横山賢二(東映動画)
- 原作:永井豪、石川賢とダイナミックプロ
- 連載:月刊少年キャプテン、テレビランド[注 4](徳間書店)、てれびくん、幼稚園、別冊コロコロコミック、学年別学習雑誌(小学館)、テレビマガジン[注 5](講談社)
- 企画協力:ダイナミック企画
- 音楽:渡辺宙明
- 製作担当:小塚憲夫、目黒宏
- キャラクターデザイン:大島城次
- 美術デザイン:行信三
- シリーズディレクター:芝田浩樹
- プロデューサー:岡崎千代(テレビせとうち)、吉田竜也(東映動画)
- 編集:西山茂
- 録音:川崎公敬、波多野勲
- 効果:今野康之(スワラプロダクション)
- 選曲:オーディオ田中
- 記録:岡本洋子
- 現像:東映化学
- アニメーション制作:東映動画
- 制作:テレビせとうち、ビックウエスト、東映
主題歌編集
- 1-14話OP『21世紀少年(21st Century Boy)』(作詞:尾上文/作曲:岡井大二/編曲:遠山裕、岡井大二/歌:貴水博之/発売:バンダイ・ミュージック)
- 1-14話ED『GRIEVOUS RAIN』(作詞:久和カノン/作曲:大堀薫/編曲:遠山裕/歌:貴水博之/発売:バンダイ・ミュージック)
- 15-50話OP『ゲッターロボ號』(作詞:康珍化/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎、森の木児童合唱団/発売:コロムビアレコード)
- 15-50話ED『友だちになりたい』(作詞:康珍化/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:水木一郎/発売:コロムビアレコード)
挿入歌・イメージソング編集
- 全曲とも、作曲:渡辺宙明 / 編曲:石田勝範
- 『NISAR』
- 作詞 - 松本一起 / 歌 - 水木一郎
- 『ぶつかってこい』
- 作詞 - 松本一起 / 歌 - 水木一郎
- 『恋人と呼びたい』
- 作詞 - 松本一起 / 歌 - 草尾毅
- 『Dear Friends』
- 作詞 - 松本一起 / 歌 - 沢崎靖英
- 『赤毛の戦士』
- 作詞 - 康珍化 / 歌 - 堀江美都子
- 『悪の華』
- 作詞 - 松本一起 / 歌 - 沢崎靖英
- 『ワンニャンDr.』
- 作詞 - 松本一起 / 歌 - 堀江美都子
登場キャラクター編集
ネイサー編集
- 一文字號
- 声 - 草尾毅(タイトルコールおよび次回予告ナレーションも兼任)
- ネイサーでゲッターロボのパイロットとしての訓練を受けていた候補生の1人。正義感の強い熱血漢だが、その反面いささか短気でお調子者で勉強(特に文系)は苦手。剴の口にした「死中に活を求めた」という言葉で「シチューにカツ」を連想するなど食い気も旺盛で、戦闘時こそシリアスな表情を見せるものの、基本的には三枚目寄りの二枚目半。メタルビーストの強力な攻撃を目の当たりにした時などに「こいつはヘビーだぜ!」というのが口癖。
- 格闘技ファンであり、プロレスラーの"カール・クラウザー"を尊敬し傾倒していて、偶にそのうんちくを披露する他、戦闘でそれを生かしたことがある[注 6]。体は頑強であり、敵メタルビーストの毒ガス攻撃を受け、一時期その後遺症が心配されたが、後の話では発症すること無く完治しているほどである。
- 後年リリースされた作品では身体は頑強ではあるものの、宇宙飛行士としては完成されていないという漫画版の設定に準拠している。
- 橘翔
- 声 - 小林優子
- ネイサーのメカニック。橘博士の娘で信一の妹。髪型は赤毛のショートヘアで、後ろ髪が大きく跳ね上がっている。最初は基地待機要員だったが、戦いの激化に伴いバトルヘリに乗ってゲッターをアシストするようになる。第12話以降はゲッターチームの一員になる。元々女の子らしいお淑やかな性格だったが、次第に自分を「ボク」と呼ぶほどの男勝りなキャラクターへと変貌していった。
- ゲッターが戦闘で損傷することに不満を持つほどのメカマニアで、その不満が解消されて完全修理が終了していたら、武装としてのナックルボンバーは誕生しなかった。
- 大道剴
- 声 - 神谷明
- ネイサーのパイロット訓練生の1人。短く刈り込んだ髪が特徴的な、生真面目で堅物な性格をした痩身の日本男児。強すぎる責任感ゆえに翔にコンプレックスを抱いたり、に実力を発揮しきれなかったり、深夜の特訓で過労に陥ってしまったりする一面もある(第13話)。一人称は「自分」。
- 初期は操縦には馴染めなかったが主にバトルヘリに乗っていた。ゲッターのパイロットの座を號や由自と競い合い、紆余曲折の末にゲッター剴のパイロットに正式に就任する。剣道を得意としているため、ソードトマホークの扱いに苦慮していた號に対して「ゲッター號の操縦は自分のほうが向いている」[注 7]とからかったこともあった。
- 弟の哲とは初めはうまくいかなかったが、やがて解りあう。
- 橘信一
- 声 - 古川登志夫
- 翔の兄で、橘博士の長男。ネイサーのパイロット候補生たちのまとめ役で、教官でもあった。メタルビーストとの戦闘では剴・由自とともにバトルヘリに搭乗し、號のサポートに回る。メタルビーストの襲撃を受けてなおゲッター武装化を渋る橘博士の姿勢を、面と向かって「父さんは逃げている」と非難した。その後、戦闘の最中に命を落とし、彼の死が橘博士にゲッターの強化・武装化を決断させ、同時に翔がゲッターチームとして戦うきっかけともなった。
- 武藤由自
- 声 - 金丸淳一
- ネイサーのパイロット候補生。序盤はバトルヘリに乗っていたが、紆余曲折の末、第12話以降はオペレーターやGアームライザーの遠隔操作などの担当となり、頭脳面でゲッターチームを補佐する。運動能力はイマイチな面もある。
- リー・フォア・メイ
- 声 - 原えりこ
- ネイサーの医務室に勤める看護婦。ブロンドの美女であり、號達ゲッターチームの男性からも好意を持たれているが、いつも軽くあしらっている。凱の特訓による睡眠不足に気付いて指摘する(第13話)など隊員の健康に気配りする。ただしミーハーでもあり、追加補充クルーとしてシュレンドルフが来日した時は大はしゃぎしている。理想の男性は格好良い大人の男性。
- Dr.タマ、Dr.ポチ
- 声 - 田の中勇(タマ)、佐藤正治(ポチ)
- 橘博士の助手。話す際の語尾にポチは「ワン」、タマは「ニャン」が付く。
- 橘博士
- 声 - 永井一郎
- ゲッターロボ號の開発者でネイサー所長。信一、翔の父親でもある。物語の最初期において自身の研究所にバトルヘリを配備しているが、ゲッターロボについては平和利用のために開発したとして戦闘への投入に反対し続け、ゲッターロボの武装化が遅れる遠因となるが、息子の信一の戦死を機にゲッターロボの強化・武装化を決断する。
ランドウ一味編集
- プロフェッサー・ランドウ
- 声 - 郷里大輔
- 天才科学者だったが、さらなる知能の向上のために自らをコンピューターと接続した結果、精神を病んでしまい狂気に飲まれ、北極のG鉱石採石場をベガゾーンに改造して世界征服を始める。世界のコンピューター・ネットワークに接続して情報操作を行い、北米侵攻を報道させないようにする(第15話)など強大な能力を持つ。ナルキス子爵以外の軍団幹部は自身が作り出したミュータントである。
- 終盤にナルキス子爵に殺されるが、それより以前に記憶と自我をベガゾーンのメインコンピューターに移していたため、復活する。
- ヤシャ男爵
- 声 - 佐藤正治(兄)、池水通洋(弟 / ナレーションも兼任)
- 1つの体に2つの頭部を持つミュータント兄弟。典型的な力任せの作戦を行う幹部。兄弟の仲はあまり良くないが、それでも緊急時・非常時にはお互いを思い遣ることがあり、兄弟としての絆はとてつもなく強い。元々はそれぞれ完全な体を持った2人の人間であったが、ランドウに拠る改造手術により現在の姿となった。
- ラセツ伯爵
- 声 - 阿部道子(女)、永井一郎(男)
- 男女が融合したような姿のミュータント。ヤシャ兄弟とは対照的に普段は沈着冷静だが、怒ると腹部に男性の顔が現れ威圧的な口調を発する、知略を使った卑怯な作戦を担当する。終盤でランドウに裏切られ、心を交わしたレミと共に散る。
- ナルキス
- 声 - 堀川亮
- 第31話でランドウの前に突如として現れ、協力者として戦列に加わった謎の超能力青年。ランドウに功績を認められ爵位を贈られたことで"ナルキス子爵"を名乗るようになる。シルバーブロンド(銀髪)の容姿に優雅な振る舞いと貴公子と呼ぶに相応しい人物。號を「一文字君」と呼び、ライバルとして接している。超能力に関してはメタルビーストをテレポートさせたり、超能力を与えたり、敵の行動を停止させたり、ソードトマホークすら簡単に蒸発させる程の力を持つ。実は首から下げたペンダント「ゴッドストーン」が超能力の源であり、超能力発現時の意思伝達の触媒であるため、これを奪われるか壊されると超能力を発揮できなくなる。終盤でランドウに反旗を翻して彼を抹殺し、メタルビースト軍団を掌握。さらには国連を脅して降伏させ、ゲッターチームを実質的に孤立化させるが、ベガゾーンに突入してきたゲッターチームに対し、メタルビースト・カローンを駆って最後の戦いを展開。ゲッターを圧倒するも號が思いついた長期戦により超能力を消耗して敗北。自らの負けを認めながらも、人間を愛するゲッターチームを認めずに散った。
- ディアナ
- ナルキスに仕える女性巨人。腰前面に着けた玉座にナルキスは腰掛けており、乳房をヘッドレストにしている。寡黙だがナルキスへの忠誠心は高い。ナルキスと運命を共にする。
その他のキャラクター編集
- 大道哲
- 声 - 佐藤智恵
- 剴の弟。腕白だが初めはうまくいかない兄の前では甘えん坊で、いざという時には気弱になる。しかし、幾度かのランドウの攻撃の最中にその精神的な弱さを克服した。兄と同じく剣道をやっている。ネイサーのメンバー&クルーから実の弟のように可愛がられている。
- 吉井レミ
- 声 - 遠藤みやこ
- "G鉱石の単結晶(モノポール)化"研究の第一人者の故・吉井博士の娘で助手でもあった、若き女性科学者。研究に成功しながら周囲の無理解のために行方不明の末憤死した父の研究[注 8]を受け継ぎ、聖剣・ソードトマホークを完成させる。また、Gアームライザーの開発者であり、ゲッターロボの強化に貢献し、終盤、ランドウに裏切られたラセツとベガゾーン内で再会し、お互いをわかり合えたもののその直後に共に散る。
登場メカ編集
ゲッターロボ號、翔、剴の3種類の合体は、過去のゲッターロボの玩具と異なり、(アニメでの合体とは若干異なるが)実現可能な3種類合体としてデザインされた。ゲッターロボ號・翔は分離時の各戦闘機(漫画では"ゲットマシン"、アニメでは"ゲッターマシン"と呼称。なおアニメでは、"ゲッター○○"という呼称は、ゲッターマシン(戦闘機)の呼称として用いられているので、ここでは戦闘機を"ゲッターマシン ○号機"として区別する)を2機合体させることで人型を作り、残り1機をブースター(バックパック)として背中に装備する構造で、ゲッターロボ凱のみ、横にした後部主推進部と前部無限軌道部とした2機を前後で接合し機体下半身とし、さらに縦にした上半身になる機体を下半身に垂直に合体させ、初代ゲッター3と類似したフォルムとしている。
- ゲッターロボは当初は宇宙開発用のプロトタイプのみが現存していたが、武装戦闘対応改造を重ねるに伴い、ポチ・タマ両Dr.曰く「G鉱石の持つ強力な磁力を合体に応用した」「3機のメカを自在に組み合わせることで様々な状況に対応出来る」多目的戦闘用多機能合体変形ロボットへと発展した。逆に言えば陸空海それぞれの専用(戦闘)ロボットを用意するだけの資材が無かったための苦肉の策であるとも橘博士は言及している。
- 各形態へはコクピットのメインスクリーンの下に"変形・合体用のプログラムを起動させるキーであり、携帯用の通信機やビームガンに変形可能なカセットキー(玩具名:ゲッターフラッシャー)をはめ込むことで変形・合体が行われる。合体コールは「チェンジゲッター(+各機体名=パイロット名)」で、分離コードは「チェンジゲッターオフ」である。
- なおアニメ版ではG鉱石による装甲のほうが重要視されており、駆動エネルギーに関しては第39話にて"Gエネルギー"であるというセリフがあるものの、それ以上は特に触れられていない[注 9]。
- 宇宙開発用ゲッターロボ
- 橘博士が宇宙開発用に完成させていたロボット。別名「プロトゲッターロボ」。メタルビーストと同じG鉱石で作られているため、メタルビーストに対抗できた。作業用ロボットなのでバーナーなどの武器に転用できそうな道具はなにも装備されておらず、そのため初戦では徒手空拳で戦わざるを得なかった。第11話までは本機の武装化を繰り返しながら敵に対応していた。
- G鉱石の唯一の採掘場でもある北極をランドウに抑えられているため、修理には倒したメタルビーストの残骸を溶かして再利用している。
- 対クラブ戦で手首の油圧を暴走させて使った即席技を元に「ナックルボンバー」が武装技として追加され、観測用の人工ロケット砲を改造した「ハンディミサイル砲」を武器として投入した。
- 空を飛ぶメイラとの不利な対決を機に飛行ブースターが追加され空中戦も対処できるようにはなったが、ダルゴとの水中戦でまたも不利を強いられ、陸、空、海と地形を選ばず襲い掛かるようになったメタルビースト軍団相手に限られたG鉱石で戦えるように、第11話での大改造により全ての戦場に対応を可能とした完全な戦闘用ロボットに生まれ変わった。
- ゲッター號(ごう)
- 第11話から登場。メインパイロットは一文字號。
- 原型である宇宙開発用ゲッターのスタイルを受け継いだ地上戦タイプ。外見は「ナックルボンバー」追加後のプロトゲッターと差異ないが、ジャイロとブースターが背中に付いてるのが違い。行動範囲こそ地上に限定されるが汎用性が高く、もっとも出番が多い。水中での初合体ではゲッター剴からゲッター號への合体を成功させている(第16話)。また、2号機と3号機のメインバーニアを同時に点火することで、短時間だが飛行も可能(第49話)。
- 武器はプロト時代の技である「ナックルボンバー」、背中のホバージャイロから放射する電磁波攻撃「マグフォースサンダー」、背中のジャイロを取り外して回転鋸として投げる「ブーメランソーサー」、3号機の垂直尾翼部に隠されている刃を蹴り込み時に起こして相手を切り付ける「レッグブレード」など。
- 現行ではゲッターマシン1号機の機首部分がドッキングボルトとして2号機と合体しているが、初稿では合金アイテムでもプラモデルでも再現可能な、コクピット露出合体型だった。またゲッターマシン2号機の合体方向は初稿と現行で全く異なる。
- ゲッター翔(しょう)
- 第12話から登場。メインパイロットは橘翔。
- 空中戦タイプで高速戦闘を得意とし、機動性に長けている。元々宇宙開発のために製造されたゲッターだが、劇中で宇宙戦闘の経験がある形態はゲッター翔だけである(第30話で宇宙に上がる際に大気圏離脱用ブースターを背負い、衛星型メタルビースト迎撃に向かった)。フォルムが女性的である。もし翔の兄・信一が戦死していなければ、パイロットは信一が務めていたはずという描写があった。
- 武器は腕のドリルを使って敵に突入して貫通する「トルネードアタック」、胸から発射するミサイル「ブレストボンバー」、ワイヤーを発射して敵を絡め取る「ストリングアタック」等。なお玩具では二門一基のツインキャノンを左腕に装備し強化可能。
- ゲッター剴(がい)
- 第13話から登場。メインパイロットは大道剴。
- 水中戦および地中戦タイプ。パワー攻撃に長けている。行動範囲が特殊な環境であるためか3形態のなかで一番出番が少ない。初登場時にも剴の不慣れの影響から優柔不断さが災いして、合体した直後はまともな動きを取れなかった。
- 武器は胸から発射する熱線「ブレストビーム」、チェーン付きミサイルアンカーを敵に打ち込む「ハープンキャノン」(そのまま引きずり込むために、ウィンチ機能が付いている)、ミサイルを発射する「インパクトキャノン」、G鉱石製で非常に固い鎖付き鉄球「グレートハンマー」等。玩具では、ゲッターマシン2号機にドリルを外して[注 10]ドーザーブレードを装備すれば、強化形態可能(劇中では復旧工事に使用する)。
- Gアームライザー
- ゲッターが纏う強化装甲(ライザーパーツ)と、それを輸送したりゲッターを援護する支援戦闘機とで構成される遠隔操縦可能な有人型飛行ユニット。急遽開発されたエネルギー増殖炉を備えており、ライザーパーツにエネルギーを貯蓄する役割も持つ。支援攻撃機として使用されるほか、ゲッター翔を乗せて飛行したこともある[注 11]。支援戦闘機には地上走行用のクローラが設けられ、また、玩具では巨大なドーザープレートが付属し、ゲッターマシン2号とGアームライザーのどちらにも装備可能(磁鋼合体はアームライザーは付かず、2号機のみの装備となる)。本編ではこれも基地修理作業時に使用したのみで、武装としての積極活用はしなかった。
- スーパーゲッター號
- Gアームライザーから分離した装甲を装着した形態。ゲッターロボ単独では新兵器「磁鋼剣・ソードトマホーク」がエネルギー不足で使用できないため、各強化パーツにGエネルギーコンデンサを内蔵し合体時に本体のエネルギーと合わせて数倍に増幅、これにより「ソードトマホーク」の形成が可能となった。ソードトマホーク使用を前提に開発されたため、装甲を装着できるのはゲッター號のみ[注 12]。装甲の材質には、G鉱石の製造技術を応用して開発された複合素材[注 13]を使用している。
- なお、ソードトマホークはゲッター単独でエネルギーが不足の時、鍔にあたる斧部分までしか形成することができなかった。しかしそれを逆手に取り、作中ゲッター號とゲッター剴がそれぞれ一回、旧作のゲッター1の必殺技「トマホークブーメラン」を使用している。この形状は玩具でも再現可能[注 14]である。
- 本編では「スーパーゲッター號」[注 15]の名は一切呼称していない。また玩具ではさらにインパクトキャノン弾体をゲッターマシン2号機のブースター部に合体しそれを背中側から回し前に向けることで両肩各一門のキャノン砲とする強化型も取れる。劇中では登場していないが、 Gアームライザーの機首を取り外してシールドとして持たせることも可能。
- バトルヘリ
- 防衛軍やネイサーに配備されている武装ヘリコプター。ゲッターロボが合体変形可能になるまでは、出動時のゲッターの空輸や戦闘では空からの援護を担当。第12話以降ゲッターロボがゲッターマシンで出動し、戦闘でも合体変形によって地形を選ばずに戦えるようになったため、防衛軍機以外は戦闘時の積極活用はなくなった。また、いくつかのエピソードではネイサー職員の移動の足に使われることも。
- キャリアー
- 単体では移動距離が限られているプロトゲッターを運搬するために開発された輸送機。ゲッター改造前の初期エピソードでは司令塔としても機能し、剴が號に指示を出すシーンもあった。改造後は囮として運用したり、中破したゲッターを回収するなど主に支援としての役割が多くなった。最終話では橘博士たちを乗せて北極へ向かう重要な役割を担っている。
- ガードロボ
- 第11話に登場したロボット。名前の通りネイサーの警備用ロボットだが、プロトゲッターロボが改造中だったため、號はこれに乗って出撃した。その際にハンディミサイルキャノンを装備している。モチーフは原作漫画に登場したビィートT23で、脚部も同様の逆関節になっている。設定では複数機存在している。
- メタルビースト
- プロフェッサー・ランドウがG鉱石を利用して開発した機械怪獣型主力兵器。ほとんどはラセツ伯爵とヤシャ男爵が作って操る。装甲材質はG鉱石。中にはビーンやボーンのように後継機が存在している。後にナルキスが作るメタルビーストはギリシア神話の怪物をモチーフにしている。
放送リスト編集
話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 美術 | 登場メタルビースト |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1991年 2月11日 |
出動!! 武器なき戦い | 星山博之 | 芝田浩樹 | 大島城次 袴田裕二 |
行信三 | メタルビースト・フロン メタルビースト・ガンマ メタルビースト・ギルガ |
2 | 2月18日 | バトルヘリ攻防戦 | 大橋志吉 | 山田徹 | 加々美高浩 | 小板橋かよ子 | メタルビースト・クラブ |
3 | 2月25日 | 武装せよ! ゲッターロボ | 武上純希 | 新田義方 | 佐藤敬一 | 行信三 | メタルビースト・ダブド |
4 | 3月4日 | ダブルボンバー炸裂!! | 外池省二 | 明比正行 | 菊地城二 | 小板橋かよ子 | メタルビースト・ラア |
5 | 3月11日 | 凱、決死のダイビング | 星山博之 | 吉沢孝男 | 大島城次 | 行信三 | メタルビースト・ザン |
6 | 3月18日 | 橘博士奪回作戦! | 大橋志吉 | 川田武範 | 菊地城二 | 松宮正純 | メタルビースト・ゲイル |
7 | 3月25日 | 叫べ!! 熱き兄弟の絆 | 武上純希 | 山田徹 | 加々美高浩 | 行信三 | メタルビースト・ガイム |
8 | 4月1日 | 驚異! 敵は大空にあり | 外池省二 | 新田義方 | 佐藤敬一 | メタルビースト・メイラ | |
9 | 4月8日 | ネイザー本部危機一髪 | 星山博之 | 明比正行 | 大島城次 | メタルビースト・ナイト | |
10 | 4月15日 | 激突!! 恐怖の海底決戦 | 大橋志吉 | 吉沢孝男 | 菊地城二 | 松宮正純 | メタルビースト・ダルゴ |
11 | 4月22日 | 合体せよ! 鋼鉄の戦士 | 武上純希 | 川田武範 | 加々美高浩 | 行信三 | メタルビースト・ビーン |
12 | 4月29日 | 翔、復讐のバラード | 星山博之 | 山田徹 | さとうけいいち | 松宮正純 | メタルビースト・ギザム |
13 | 5月6日 | 反撃せよ! ゲッター凱 | 大橋志吉 | 新田義方 | 大島城次 | 行信三 | メタルビースト・アングラー |
14 | 5月13日 | クローン人間の恐怖 | 武上純希 | 明比正行 | 菊地城二 | 松宮正純 | メタルビースト・ワーム |
15 | 5月20日 | 子供たちを救出せよ | 外池省二 | 吉沢孝男 | さとうけいいち | 行信三 | メタルビースト・ニンジャ |
16 | 5月27日 | 出来るか? 海中初合体 | 星山博之 | 川田武範 | 菊地城二 | 松宮正純 | メタルビースト・シャーク |
17 | 6月3日 | 立てテツ! 自分に勝て | 大橋志吉 | 芝田浩樹 | 加々美高浩 | 行信三 | メタルビースト・ボーン |
18 | 6月10日 | 無法なる挑戦者(チャレンジャー) | 武上純希 | 山田徹 | 大島城次 | 松宮正純 | メタルビースト・ジャコツ |
19 | 6月17日 | メタルビーストの亡霊 | 大橋志吉 | 新田義方 | さとうけいいち | 行信三 | メタルビースト・ボーンレイザー引用エラー: 無効な <ref> タグです。数が多すぎるなどの理由で名前が無効です
|
20 | 6月24日 | 華麗なスピード対決 | 星山博之 | 明比正行 | 中平晴也 | 松宮正純 | メタルビースト・オクト(二体合体) |
21 | 7月1日 | ネイザー基地壊滅作戦 | 外池省二 | 吉沢孝男 | 菊池城二 | 行信三 | メタルビースト・シャガンリュウ |
22 | 7月8日 | 悲劇! 深海の独裁者 | 武上純希 | 川田武範 | 加々美高浩 | 松宮正純 | メタルビースト・イギラ |
23 | 7月15日 | 共に戦え! 我戦友よ | 大橋志吉 | 山田徹 | 大島城次 | 行信三 | メタルビースト・マクバ |
24 | 7月22日 | 人間蒸発事件を追え! | 星山博之 | 新田義方 | さとうけいいち | 松宮正純 | メタルビースト・ジャガン |
25 | 7月29日 | 戦えガイ! 涙の約束 | 外池省二 | 明比正行 | 中平晴也 | 行信三 | メタルビースト・ダゴス |
26 | 8月5日 | 大暴れ! ヤシャ男爵 | 大橋志吉 | 吉沢孝男 | 菊地城二 | 松宮正純 | メタルビースト・ジャグラー |
27 | 8月12日 | ベイシティ危機一髪 | 武上純希 | 川田武範 | 加々美高浩 | 行信三 | メタルビースト・グランデ |
28 | 8月19日 | 聖剣ソードトマホーク | 大橋志吉 | 山田徹 | 梨澤孝司 | 松宮正純 | メタルビースト・ボルガ メタルビースト・グレイド |
29 | 8月26日 | 翔、明日への誓い | 星山博之 | 芝田浩樹 | 箕輪悟 | 行信三 | メタルビースト・バーザス |
30 | 9月2日 | とどけ! 蒼き宇宙(そら)の敵 | 外池省二 | 新田義方 | 大島城次 | 松宮正純 | メタルビースト・ギガント |
31 | 9月9日 | 謎の貴公子ナルキス | 武上純希 | 明比正行 | 菊地城二 | 行信三 | ハデス |
32 | 9月16日 | Gアームライザー発動!! | 大橋志吉 | 吉沢孝男 | 中平晴也 | 松宮正純 | メタルビースト・ヘラクルス |
33 | 9月23日 | 対決! ゲッターvs(たい)由自 | 外池省二 | 川田武範 | 菊池城二 | 行信三 | メタルビースト・ゴーグ |
34 | 9月30日 | 恐怖!! 禁断の海域 | 星山博之 | 山田徹 | 大島城次 | 松宮正純 | メタルビースト・ヒドラ |
35 | 10月7日 | 台風(タイフーン)メタルビースト | 大橋志吉 | 芝田浩樹 | 梨澤孝司 | 行信三 | メタルビースト・デュボン |
36 | 10月14日 | 奪われた磁鋼剣(ソードトマホーク) | 外池省二 | 明比正行 | 菊池城二 | 松宮正純 | メタルビースト・ガルー |
37 | 10月21日 | モンゴルの青き狼 | 武上純希 | 吉沢孝男 | 箕輪悟 | 行信三 | メタルビースト・ガイゾック |
38 | 10月28日 | ナルキス浮遊要塞(前編) | 星山博之 | 川田武範 | 中平晴也 | 笘村竜 | メタルビースト・ビーンザム[注 16] |
39 | 11月4日 | ナルキス浮遊要塞(後編) | 山田徹 | 大島城次 | 行信三 | メタルビースト・ミノタウラス | |
40 | 11月11日 | ゲッター1を救出せよ | 大橋志吉 | 芝田浩樹 | 梨澤孝司 | 笘村竜 | メタルビースト・トガルマン |
41 | 11月18日 | 重力の罠からの脱出 | 千葉克彦 | 新田義方 | 加々美高浩 | 行信三 | メタルビースト・キマイラ |
42 | 11月25日 | 暴走! メタルビースト | 外池省二 | 明比正行 | 菊池城二 | 笘村竜 | メタルビースト・ダングード |
43 | 12月2日 | ヤシャ、緑の地に死す | 武上純希 | 吉沢孝男 | 箕輪悟 | 行信三 | メタルビースト・ジュラ |
44 | 12月9日 | ギリシャの神々の反乱 | 大橋志吉 | 川田武範 | 大島城次 | 笘村竜 | メタルビースト・ゴーゴン |
45 | 12月16日 | 帝王ランドウ消滅す!? | 星山博之 | 山田徹 | 中平晴也 | 行信三 | メタルビースト・バケロース |
46 | 12月23日 | ナルキス、新たなる挑戦 | 千葉克彦 | 芝田浩樹 | 梨澤孝司 | 笘村竜 | メタルビースト・ボルザス |
47 | 1992年 1月6日 |
国連決議・降伏せよ!! | 外池省二 | 新田義方 | 菊池城二 | 行信三 | メタルビースト・マグーラ(複数体) |
48 | 1月13日 | 突撃!! 4人の戦士 | 大橋志吉 | 明比正行 | 加々美高浩 | 笘村竜 | メタルビースト・ドロボス 機動要塞ベガゾーン |
49 | 1月20日 | 驚異!! 邪帝復活 | 武上純希 | 吉沢孝男 | 大倉雅彦 | 行信三 | メタルビースト・カローン 機動要塞ベガゾーン |
50 | 1月27日 | ゲッターよ永遠(とわ)に眠れ | 星山博之 | 芝田浩樹 | 大島城次 | 笘村竜 | メタルビースト・カローン メタルビースト・マグーラ(複数体) |
放送局編集
この節の加筆が望まれています。 |
- テレビせとうち
- 東日本放送:水曜 17:00 - 17:30[2]
- 福島テレビ:木曜 16:00 - 16:30(1991年8月 - 9月)→ 木曜 16:30 - 17:00(1991年10月から)[3]
- テレビ東京
- テレビ大阪
- テレビ愛知
- テレビ北海道
- TVQ九州放送
商品化編集
- 本放送当時、バンダイグループのユタカがメインスポンサーとして玩具をリリースした。主力商品はゲッターの3タイプ変形合体「磁鋼合体 ゲッターロボ號」と、ゲッター號にGアームライザーをセットしたスーパーゲッター號をほぼアニメ通りに再現した合金玩具「スーパー合体 スーパーゲッターロボ號」。他に3タイプ各々の個合体変形(三種分離合体は不可)のみを再現したプラ製玩具『DXゲッターロボ號/翔/剴』およびその廉価版のゴム製ゲッターも発売された。「スーパー合体」版は本放送終了後、復刻版とカラーリングを黒基調に変更したブラックバージョンが発売された。本編で登場予定がなかった(基地修復作業時に一度だけ登場した)ゲッター剴のグレートショベルが武装として付属している(後にこれを武器として戦ったことがある)。この他になりきり玩具として、トランシーバーモードとレーザーガンモードの二形態に変形する「ゲッターフラッシャーセット」と「ゲッターヘルメット」(当時の『ゲッターフラッシャーセット』CMには「ヘルメットは別売りです」のキャプションがあり、両セットが併置されている。当該商品にも、同様の物が記載されている。なおヘルメットの販売形態は、紙製止め部の付いたプラスチックの袋に入った簡易包装)がある。
- バンダイからは一部ギミックが省略されているものの、ノンスケールで3タイプへの変形合体を再現したプラモデルが800円(税別)で本放送当時発売されている。
- また、バンダイから食玩のミニプラモデルがラムネ付各300円(税別)で発売されている。こちらはノンスケールでゲッターマシン1号機が二分割されて四種構成となり、一部ギミックに変更あるいは削除はあるが、変形合体が再現されている。4種類全てを揃えると、ゲッターロボ號が完成する仕様。
- 2017年にエヴォリューショントイからダイナマイトアクションでスーパーゲッター號が発売、ゲッター號以外の合体はオミットされているものの3機のゲッターマシンに分離可能、Gアームライザーのパーツを装着してスーパーゲッター號も再現可能。各武装も再現されている。
- セイカノート(現:サンスター文具)からは、ぬりえやスケッチブックなど、文具関連の商品が発売された。
映像ソフト化編集
東映ビデオがLDとDVDを発売。
- 1998年10月に第1話から第24話までを収録したLD-BOX1が、1999年1月に第25話から第50話(最終話)まで収録したLD-BOX2が発売された。ジャケットイラストは石川賢描き下ろし。
- 2006年4月21日〜同年8月4日にDVDが発売。全5巻で各巻11話収録。ジャケットイラストは、本編の作画にも携わった長谷川眞也が描き下ろしている。第1巻には初回生産分限定で全巻収納ボックスが付属した。
- 2015年3月13日〜同年4月8日にリパッケージDVDコレクションが発売予定。LD-BOXと同じ構成。特典として、本作からキャラが参加しているブラウザゲーム『ロボットガールズZ ONLINE』出演声優によるドラマCDを収録。
アトラクションショー編集
- ロボットは登場せず、飛行訓練を終えて基地に帰ってきたゲッターチームを、兵士2名を伴ったラセツ伯爵が襲撃する内容。
(汗まみれになったからと、パイロットスーツを脱ごうとする翔に興奮して號と剴が身を乗り出し、「んなワケねえだろ!」と頭を張られるギャグシーンあり) 声の出演はアニメと同じ。ラセツ伯爵はややチープな出来であるが、ゲッターチームはアニメにそっくりで頭髪は植毛タイプ。 サイン色紙(有料)は大島城次の作画で、一文字號の自筆サイン入り。ポラロイドカメラによる記念撮影(有料)もあり。
テレビ東京系 月曜18時台前半 | ||
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ゲッターロボ號
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漫画版編集
概要編集
石川賢の漫画版『ゲッターロボ』『ゲッターロボG』の直接の続編。徳間書店刊『月刊少年キャプテン』に連載された。基本設定はアニメ版と共通する部分もあるが、登場人物のデザインをはじめ異なる点も多い。アニメ終了後も継続し、ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』等は漫画版をベースにすることが多い。単行本は当初"少年キャプテンコミックス"シリーズで刊行されたが絶版。後に大都社より愛蔵版、双葉社よりゲッターロボサーガ版とその文庫版が刊行されたが、これらの収録の際、一部に連載時との変更が加えられている。
ストーリー編集
北極基地蛇牙城(ベガゾーン)を築いたプロフェッサー・ランドウは全世界の征服を宣言。メタルビーストを擁するランドウに対して、かつてゲッターチームの一員だった神隼人は、橘博士と共に開発した新たなるゲッターロボの操縦者として、桁外れの身体能力とタフな精神を持つ一文字號を見出した。號と橘博士の娘・翔、そしてゲッターに惜しみない愛情を注ぐメカニックマン・剴を加えた新たなるゲッターチームは、自衛隊から選抜されたパイロットですら乗りこなせずにいたゲットマシンを操ってゲッターロボへの合体にも成功、日本への進撃を開始したメタルビーストの撃破に成功する。しかしランドウはアラスカ、カナダ、ロシアに進軍を開始する一方、日本各地に巨大な爆弾メタルビーストを配置し、政府にゲッターロボの引渡しを要求する[注 17]。日本政府はランドウの恫喝に屈するが、號達3人はそれに反発しゲッターを奪ってアラスカ戦線へ向かうのだった。
アラスカ到着後、孤立無援で激闘を繰り返していたゲッターは、メタルビースト部隊との戦いの中ついに損傷、動作不能へと追い込まれてしまう。しかし間一髪のところを米軍のロボット「ステルバー」に救われ、アメリカを中心とした米軍の前線基地に合流。基地ではステルバーのパイロットで日本人を嫌悪する米軍パイロットのシュワルツと號が激しくいがみ合うも、翔や各国ロボット選抜メンバーの介在もあり戦いの中で徐々に協調していく。そして損傷、動作不能に陥ったゲッターも、隼人によって派遣されたゲッターロボ號の格納・修理が可能な専用航空機(通称「クジラ」)と科学者たちの手で修復強化されて戦線復帰を果たす。連合軍はアメリカ軍の地上戦艦テキサスを中心に各国のロボットによる共闘の末辛くも勝利を収めるが連合軍も壊滅的なダメージを受け、壮絶な戦いを戦い抜いたゲッターもその姿は留めながら遂に戦闘不能となってしまった。
アメリカに残ることとなった翔と別れ、號と剴は大破したゲッターロボ號と共に専用航空機で日本への帰路に着く。その頃、日本は未だ巨大爆弾の脅威に晒されていた。ランドウは巨大爆弾メタルビーストのひとつを壊滅した早乙女研究所へと向かわせるが、隼人によって派遣された號逹と新人女性自衛官の南風渓の協力もあり、爆弾の無力化に成功した。浅間山山麓にある、今は廃墟と化した早乙女研究所、そこには早乙女博士の遺産、本当のゲッターロボがあった。しかし、そのスペックは人智を遥かに超え、隼人は、パイロットとして、嘗てのチームリーダーで、生涯のライバルでもある流竜馬を招聘することを決意する。だが、15年前の"事故"以来、竜馬はゲッターから遠ざかっていた。
登場キャラクター編集
主要キャラクター編集
- 一文字號
- 超人的身体能力を持つ高校生。実家は酒屋。陸上部に所属していたが、その身体能力と内に滾る闘争心から、不良グループやヤクザとケンカに明け暮れており、多少の修羅場でも動揺しない腹の据わったところがある。インターハイではわざと手を抜いていたが、それを見抜いた神隼人によって(「1万メートル走ったあと5千メートル走って、顔色ひとつ変えない男。おもしろい」と評した。また砲丸投では右手で競技したが本当は左利きである)、ゲッターチームにスカウトされる。アニメと異なり、髪形は極普通の短髪の逆立。
- 橘翔
- 初登場時からゲッターチームの一員であり(ゲッターのパイロットを探す隼人と共に行動している)、ランドウと因縁がある。仕込み刀を携行する居合いの達人。アラスカ編で米軍のシュワルツコフと恋仲になり、ゲッターチームを離脱。最終決戦ではシュワルツと共にステルボンバーのパイロットに成る。アラスカ戦線編の初期のみアニメに準じた髪型で描かれたことがあるが、それ以外はボリュームのあるロングヘアー。
- 大道剴
- 同僚たちから「ゲッター(ゲットマシン)が恋人」といわれるほどゲッターに深い愛情を注ぐ[注 18]ネイサーのメカニックだったが、號に見込まれパイロットに。体躯は大きく、號ほどではないもののかなりのタフネスぶりを誇る。一方、精神面は極めて一般的で、むしろ繊細とも思える面を垣間見せる。性格は温和で、すぐカッとなる號の抑え役に回ることもたびたび。そのため、アニメ版に比べると砕けた三枚目役となっている。非常に仲間思いであり、アラスカで支援に駆け付けていたメカニックの猫田らがアメリカ軍前線基地でシュワルツの仲間の米兵にリンチを受けた時は普段の温厚さが嘘のように完全にキレてしまい、対峙した元プロレスラーの米兵を怒りに任せたパワーで完全に圧倒した。ゲッター3(アニメでのゲッター剴)の出番がわずか一回のため、直接戦闘ではアニメ版ほどの活躍はない。ただし元メカニックだけに、機体の状態が音や振動等で判別でき、號や翔のサポート面ではアニメ版以上の活躍を見せる。一人称は「ワシ」(もっとも初登場回をはじめに「俺」というシーンも多く、一定していない)で自称・バカ。過去に祖母を亡くしている。
- アニメ版の後にリリースされる各種OVAでは、漫画版をベースとした巨体の好漢として描かれる。特にOVA『真ゲッターロボ 世界最後の日』のガイは、外見・性格共に漫画版が直接的なモチーフとなっている。
- 橘信一
- ランドウの支配する北極基地を、日本科学者チームの一員として橘博士や幼い頃の翔、そしてオブザーバーとして参加していた隼人と共に訪れる。ランドウの陰謀に気付いた隼人の手引きで基地を脱出する途中、追っ手を引き付けるためその身を犠牲にした。以後死んだと思われていたが、サイボーグ手術と洗脳を施されてランドウ軍の一員となっており、アラスカ戦線編では最強のメタルビースト「ガローンZ54」の操縦者としてゲッターの前に立ちはだかる。翔とは兄妹ゆえに一種のテレパシーで結ばれており、これが戦いの中で互いに大きく影響を及ぼすことになる。その死が翔の戦う理由になっている点はアニメ版と同じだが、容姿や年齢はアニメとは大きく異なる。また操っていたガローンZ54は、アニメ版ではゲッターチームのライバルとなるナルキスの搭乗機として登場する(名前は「カローン」に変更)。
- 橘博士
- 容姿、性格、役割はほぼアニメ版に準じているが、隼人がネイサーに常駐しているため戦闘指揮官として立ち回ることはなく、ゲッターの開発者という立場が強調された(作中でも「自分は科学者だから戦闘に関することは隼人に一任している」という旨を発言している)。
- Dr.タマ、Dr.ポチ
- 漫画版では余り活躍の場がない。
- ヤシャ男爵
- 前線基地でもある移動要塞ドラゴンタートルで、ランドウ軍のアラスカ戦線侵攻を指揮。ゲッターをはじめとする連合軍ロボット軍団の活躍とラセツの介入によって劣勢に立たされた挙句、ラセツに抹殺される。この内紛が、結果的にアラスカ戦線での勝敗を左右する一因となった。
- 体は普通の人間型で、アニメ版の弟と同じ顔であるが、ラセツとの争いで顔がライオンのように変貌、噛み付き攻撃を行っている。ラセツとは異なり、恐竜帝国側の人間ではなかったことが彼の死を決定付けたとも言える。
- ラセツ伯爵
- ランドウの傍につき従うベガゾーンの幹部。アニメ版のように腹に男性の顔は無い。不死身とされておりヤシャ男爵に剣で刺されても死ななかった。原理は不明だが、漫画版『ゲッターロボ』では爬虫類に驚異的な生命力が描写されていた。
- その正体は女帝ジャテーゴから派遣された恐竜帝国の将校であり、ベガゾーンの要所は彼の計らいで実質的に恐竜帝国側の工作員に固められ、実質的には恐竜帝国の出先機関となっていた。終盤にランドウを殺しベガゾーンを乗っ取り、恐竜帝国復活を宣言する。その際に顔に被せていた人工皮膚を剥がし、本来のハチュウ人類としての顔になる[注 19]。
- プロフェッサー・ランドウ
- 本名アルヒ・ズゥ・ランドウ。ドイツ人。生体脳と機械を融合させた半改造人間である。世界征服を企む理由は特に説明されていない[注 20]。15年前に北極観測基地としてベガゾーン建設を提唱し世界から多くの優秀な科学者と軍人を集め、彼等をサイボーグに改造・洗脳し世界征服を目論むが、洗脳した者達の自発的意思に欠けた異様な気配から、計画に参加していた神隼人にその真意を怪しまれてしまい、立ち入り禁止エリアに潜入した彼に、非人道的な数々の計画を悟られ、徹底的な破壊活動を仕掛けられてベガゾーンを一時壊滅させられ、計画を大きく遅らせられた上に、自分に対する備えの猶予を新ゲッターチーム側へ与える羽目となる。
- だが、彼の驚異的な活動の数々は早期復活を目論んだ恐竜帝国の支援があってこそであり、終盤に恐竜帝国が地上征服活動を再開した際、用済みとしてラセツ伯爵に殺される。
漫画版のみ登場のキャラクター編集
- 神隼人
- 號たち新ゲッターチームの教官兼指揮官。自衛官であり、一佐の階級を持つ。13年前(日本チームは他国より2年遅れ)に北極観測基地ベガゾーン建設計画に軍人勢として参加したが、計画の提唱者だったランドウの企みを察知し、ベガゾーンを一時壊滅させる。だが、その戦いで全身に負傷したことでパイロット生命を失い、ゲッターチェンジの衝撃に体が耐えられなくなっている。その時に出来た全身の古傷は、普段は見えないが感情が昂ると浮き出てくる。
- ダイナミックプロ出身の団龍彦がアニメ版旧作の設定に基づいて書いた小説『スーパーロボット大戦』(講談社ノベルス刊・全3巻)[注 21]では、かつてのゲッターチーム時代から新型ゲッターについて私的に思案を重ねていたという描写が行われた。その新型ゲッターとは本作において號たちが搭乗するゲッターロボであり、時空を越えた戦場で新型ゲッターと遭遇した隼人は何故自分の考えていたゲッターが存在するのかと少なからず驚愕する。この小説での描写以降ゲーム作品などを中心に、隼人は科学者=ゲッター(號)の開発者という一面も強調されるようになった
- 流竜馬
- かつてのゲッターチームのリーダー。かつてはゲッター1やゲッタードラゴンを駆って活躍していた。15年前の真ゲッターロボによる早乙女研究所崩壊後、山奥の空手道場「烏龍館」で隠居していた。真ゲッター最後の出撃時に真ゲッター3に乗る
- 本人は認知していないが内縁の妻がおり、彼女は竜馬の子となる新たな生命を身ごもっていたことがさらなる続編の『ゲッターロボ アーク』にて明かされた。
- 南風渓
- 隼人の部下であり、その補佐官を務めていた、三尉の階級を持つ自衛官。アラスカから日本に帰国した號達と行動を共にし、早乙女研究所に向かっていた爆弾メタルビーストの無力化に成功する。號とは衝突しつつもいい仲になる。採用試験は主席合格だったが経験不足で決断力不足だった。真ゲッター搭乗時に脳死状態に成る。
- ドラマCD『スーパーロボットミュージアム ゲッターロボ対ゲッターロボG』では、科学技術省の新エネルギー開発部門から派遣されてきた、研究員として登場(声優:山本百合子)。
- OVA『真ゲッターロボ 世界最後の日』のケイや、ゲーム『ゲッターロボ大決戦!』の女性主人公のモチーフでもある。
- シュワルツコフ
- 米軍のスーパーロボット「ステルバーα04」のパイロット。初登場時からしばらくは不遜かつ尊大で好戦的な性格として描かれ、特に初登場時は苦戦していた號たちや半壊状態のゲッターを通信機ごしに罵倒し倒し、その直後に連合軍前線基地で初めて顔を合わせた時も激しく罵るなど、かなり口が悪かった。直ぐカッとなるところはある意味で號と非常に似通っていて、また殴り合いでも號と互角にやり合える程。白人至上主義者だったが、それは弱さや無能さを許せない厳しさと、人類文明の牽引役だった白人種の一員という自負心がそうさせただけであり、號との衝突や翔との出会いを通してその優れた力量と人間的な器の大きさを感じると考えを改める。アラスカ戦線での戦いの中で翔と恋仲となった。
- アラスカでの戦闘終盤では激闘の末、ドラゴンタートル内部突入時にステルバーを迎撃されて負傷するが、ゲッターの奮戦もあって生還。以後の戦いでは翔と共にステルボンバーのパイロットとなる。アラスカで號に命を救われたことを「借り」と称し、「今度(=復活した恐竜帝国との戦いで)は借りを返さなくては」と號への友情を感じさせる言葉も口にした。
- アニメ版に登場するシュレンドルフの元となった人物。
- ジョン・ランバート
- シュワルツコフのパートナーで、ステルバーα04のガンナー。大柄で頭の禿げ上がった中年男性。強面な上に顔面に大きな傷があるため見た目は非常にいかついが、性格は極めて紳士的。短気で直情的なシュワルツの抑え役でもある。ランドウ軍団の米軍前線基地襲撃で傷を負い、対ドラゴンタートル戦では虫の息になりながらドラゴンタートル内部に突入時に復活、最後にミサイルをばら蒔きステルバー迎撃時に死亡する。
- タイール
- 新興宗教グリーンアース教の教祖で"救世主(メシア)"と呼ばれていた幼い少年。竜馬を真ゲッターロボに乗せようと道場にやってきた、號達の前に現れる。超能力を持ち、攻撃して来た恐竜を宥めたり、ゲッターの意思やゲッター線に取り込まれた早乙女博士の声を號や竜馬に伝えることもある。真ゲッター出撃時に號、龍馬と供に真ゲッター2に乗る。続編『ゲッターロボ アーク』に弟の山岸獏が登場する。
- ヘルレザー
- ランドウ軍団・ヤシャ男爵配下の兵士で隊長クラスの男。スキンヘッドに長い後ろ髪を持つ。避難民をかばってボロボロになったゲッターを専用機バトルギガーに乗って追い詰めたが、ステルバーの介入で取り逃がしたため、罰としてヤシャに両目を潰された上に、バトルギガーに体を組み込まれてしまった。元の体に戻る条件はゲッター撃破であるため追撃に躍起になったが、連合軍の反撃に遭い部隊は壊滅、自身もステルバーが放つ翼のブーメランで機体ごと切り裂かれて死亡した。
- 女帝ジャテーゴ
- ランドウを影で支援していた、恐竜帝国の女帝。先帝ゴールの果たせなかった、地上奪還を企む。長期にわたる潜伏を余儀なくされると思われた恐竜帝国の早期復活を実現した点でかなり優秀な人物だが、先帝ゴールの最大の敵だったゲッターロボに対し、トラウマじみた敵意と恐怖心を抱いてもいる。
- ドラマCD『スーパーロボットミュージアム ゲッターロボ対ゲッターロボG』では、地竜一族によるゲッターロボG奪取の黒幕として暗躍していた(声優:鈴木渢)。
登場メカ編集
- ゲッター號
- 基本的に「ゲッター1」と呼ばれているが、途中から「ゲッター號」とも呼ばれるようになった。合体形態には背中のジャイロが無く[注 22]、アニメ版でのブースター装備後の武装プロトゲッターに近い姿をしている。また、飛行も可能とされている。武装面では序盤は名称不明のエネルギー剣(形状はアニメ版のソードトマホークに似ている)を使っていた[注 23]が、アラスカ戦線編からはショットガン等の手持ちの銃火器や手首のアームガンを使用するようになる(名乗らなかったがナックルボンバーはアラスカ編で、中破前に一度だけ不意打ち技として使っている)。アラスカで一度中破し、修理された際顔のマスク部分に牙のようなディテールが施され、手首パーツ(ゲッター翔で足となる部分)に内蔵式の銃も装備された。またこの改修以降、目(アイカメラ)に瞳が描かれるようになる。アラスカ編で大破し、號は真ゲッターロボに乗り換えることになる。
- ゲッター線の暴走による早乙女研究所崩壊事件後のため、ゲッター線ではなく、『プラズマボムス』[注 24]と呼ばれる、プラズマエネルギーで動いている。後にプロトタイプは漫画「真ゲッターロボ」にて、早乙女研究所で神隼人が作っていたとされており、隼人がプラズマボムスで動いていると公言したのは、漫画「真ゲッターロボ」のプロトタイプである。なお、漫画版のオープニングでは、二号機が他の二機に挟まれて押しつぶされる合体失敗シーンで幕を開けており、三機直列合体になっていた。
- ゲッター翔
- 作中では「ゲッター2」と呼ばれていた。ゲッター號も飛行できるが、「長距離(飛行)ならゲッター2だ」というセリフがあり、こちらの方が高速で飛行可能とされている[注 25]。ドリルとドリル基部に内蔵されているマシンガンで戦闘を行い、アニメ版で見せたような(事実上トルネードアタックを除く)技は一つも登場しなかった。
- ゲッター剴
- 出番は一度きりであり、アニメと3号機の合体パターンや頭部、胸部放熱板のデザインがやや異なる。他の形態同様に「ゲッター3」と呼ばれ「ゲッター剴」とは呼ばれていない。武器はミサイル(インパクトキャノンの名前を呼称しない)等の実弾のみとなっており、ハープンキャノンやブレストビームは使用していない。
漫画のみのメカ編集
- 4tウイングトラック
- ゲッターは最初から合体できるため、キャリアーが登場しない代わりに、ゲットマシン各機を格納する秘密運搬車両として登場、カタパルトを搭載する。
- 真ゲッターロボ
- アラスカ戦線編でゲッターロボ號を失った號達が乗り込む。ゲッター線で動く『正真正銘のゲッターロボ』。後に漫画版を元にしたアニメが作られた際、アニメ版の存在とその活躍を得た。詳細は真ゲッターロボを参照。
- ステルバーα04
- 米軍製スーパーロボット。名前の通りステルス戦闘機に変形する。また、戦闘機形態にロボット形態の顔だけ出した、中間形態にも変形できる。パイロットとガンナーの2人乗り。全身にミサイルを大量に内蔵しており、全周にミサイルを打ち出せる。人型形態では、手持ち式の銃器(エネルギーケーブルのようなものが本体とつながっており実体弾ではないと思われる)、戦闘機形態の翼を使ったブーメラン等も使う。恐竜帝国編では、多数登場し、量産されているようである。
- ビィートT23
- 米軍の偵察用ロボット。アラスカ戦線編でゲッターロボ號のオーバーホール中に號が乗って出撃した。偵察用なので武装は貧弱だが、手足を引っ込めると独楽(画鋲に近い)のような形態になる。この形態で高速回転は、メタルビーストを貫通する威力を持つ。これで数体撃破している。しかしコクピットが耐回転・耐G構造になっていない。
- ロボスーンT520
- カナダのスーパーロボット。二人乗り。両足が巨大ローラーになっている(股関節にローラーが接続されている)。上半身をローラー部分に収納し、完全な円柱形態にもなれる。初登場の時は、この形態で多数の敵をひき潰した。初期には、胸部に三連のビーム砲があったが、胸部の砲は廃止され、両肩に大砲を装備する改修がされた。恐竜帝国編では、1コマだけ、モノアイと手がクローになったタイプが描かれている。これが、量産機なのか試作機なのかは不明。なお、頭部は真ゲッター3に似ているが、本作では真ゲッター3は未登場のためデザインを転用したと思われる。
ゲーム『ゲッターロボ大決戦!』における変更点編集
『ゲッターロボ大決戦!』では漫画版のデザインながら、アニメ版の技を使用している。
- ゲッター號は「ナックルボンバー」「レッグブレード」、発射場所を変更して「マグフォースサンダー」を装備している。またアームガンには、アニメ版のプロトゲッターロボの武器であった「ハンディミサイルキャノン」の名前が付けられている。デザインが漫画版の都合上「ブーメランソーサー」はない。さらにはGアームライザーと合体して、スーパーゲッター號にまでパワーアップする。また『スーパーロボット大戦』では戦闘用ゲッターロボの源流となったゲッターロボGと対決している。その際には通常エネルギー動力でありながら、ゲッター線駆動のゲッターロボGと対等に渡り合った。
- ステルバーα04のマシンガンは「STブラスター」、ブーメランは「ブーメランウイング」と名づけられている。
商品化編集
- スタジオハーフアイがネジ流可動シリーズから立体化した。剣(ソードトマホーク)、アームガン、ショットガンが付属する。後期タイプのフェイスパーツは通販限定。ディティールは原作に近く、剣はゴールド一色成型で細かなアレンジは付加されていない。合体変形はしないものの、気分だけは楽しめるように分割できる。ステルバーもアナウンスされていたが発売されなかった。
- 2010年5月には、海洋堂のリボルテックにゲッター號がラインナップされた。背部ブースターにはローターのない原作準拠のディテールで、全身のスタイリング(フォルム)は造形を担当する山口勝久が独自にアレンジしたもの。頭部および手首のパーツは漫画の初期版「ゲッター1」に準じたものの他、アラスカ戦線編のクライマックスで活躍した「ゲッター號」を再現したものも付属する。武器類は大きさ・ディテール共にアレンジされたソードトマホークのほか、中折れ式の対メタルビーストハンドカノン、ハンドカノン用弾丸(実際にライフルに装填が可能)とそのホルダー、プラズマソードといったオリジナルのものが付属する。
タイアップ作品編集
本作は『ロボットガールズZ』に登場している。こちらではGアームライザーは量産され、量産機の改造版がゲッター翔(翔ちゃん)およびゲッター剴(剴の嬢)の強化パーツとして存在し、それにより当初アームライザー導入時の予定計画だったゲッターロボ強化計画は世にその完全な姿を現すこととなった。なお、『スーパーロボット大戦』シリーズにも原作版のゲッターロボや後続作品のネオゲッター等は登場しているが、アニメ版がモチーフとなったユニットは本作が初となる。また、スーパーゲッターロボ號(スーパー號ちゃん)はさらに強化した場合、合金アイテムモチーフの強化型のDXスーパーゲッターロボ號ちゃん(DX號ちゃん)となる。
注釈編集
- ^ アニメ版の企画に際して、キャラクターのラフデザインを起こしたのは永井豪である。
- ^ 本作と『ちびまる子ちゃん』のアフレコ収録日が被っていたとのこと[1]。
- ^ 玩具では磁鉱石もしくは磁(G)鉄鉱とも表記。現実の磁鉄鉱とは異なる。
- ^ 一部のみで未クレジット。
- ^ 2月号および3月号のみで未クレジット。
- ^ ゲッターボムという名前でパワーボムを敵メタルビーストに掛けて倒したことがある。
- ^ この台詞はゲッターが当初、宇宙開発用の非武装だった頃からの剴の口癖である。
- ^ この研究にはランドウが極秘に資金と研究施設を提供しており、元の秘密研究所はベガゾーン内に存在していたため、レミはベガゾーンの内部に精通している。
- ^ 漫画版では「プラズマボムス」という動力炉から発するプラズマエネルギーで駆動しているが、アニメ版も同等のエネルギー源で動いていると考えられる。
- ^ 磁鋼合体では直接合体する。
- ^ 第35話で分離できないまま水中に引きずりこまれたゲッター翔が脱出する際に搭乗している。
- ^ ただし当初はゲッター三種類全てに対応する強化案だった。時間と素材のない中でソードトマホーク対応に仕様変更されたためゲッター號のみがアームライズしているが、接続機構を変更すればゲッター翔やゲッター剴もアームライズ可能になる予定だった(ゲッター剴のトマホーク利用もそれを示唆している)。これらのアームライズ完全形強化は『ロボットガールズZ』にて実現している。
- ^ 名称は明らかにされていないが、ソードトマホークの開発によって実現したG鉱石結晶化技術を基にして開発された、いわゆる疑似G鉱石素材といえるものである。
- ^ スーパー合体の場合は刀身を取り外して行うが、磁鋼合体では専用トマホークパーツが存在する。
- ^ この名前は元来はデラックス版合金アイテム"スーパー合体"で初出したもの。
- ^ メタルビースト・ビーンの強化版。
- ^ このシチュエーションはアニメ版第47話で、爆弾が詳細不明の強力爆弾(街一つを消滅させる威力を持つが、核反応は無し)→中性子爆弾、配置先が日本各主要都市→世界各国の主要都市、脅迫相手が日本国→国連という形に各々変更されながら取り入れられた。アニメ版ではこの他にもメタルビーストを中心に漫画版で描かれた様々な要素を断片的に取り入れている。
- ^ この性格はアニメでは翔と由自とに分割して採用されている。
- ^ 右半分はハチュウ人類、左側に人造皮膚を残した姿として終盤まで登場。
- ^ 本編中では戦争が絡んでいる旨を示唆されている描写がある。また、自分の機械部分について「人間の脳とコンピュータを有機的にリンクして、脳の未使用部分を活性化し機能を飛躍的に高める実験」と言及している。
- ^ 同名のゲームシリーズとは異なる。
- ^ ゲッターロボサーガ版単行本のカバーイラストなど、後年描かれたイラストでは付いている場合もある。
- ^ この時の操縦は隼人がゲットマシン1号機に搭乗し操縦、2&3号機は自動操縦だった。
- ^ この名前は『少年キャプテン』本誌連載時およびコミックス収録時には登場しなかった。
- ^ ただし爆発するドラゴンタートルからの脱出時は、ゲッター號に変形しなおしている。この時はゲッター自体に損傷があったため安定して飛行できるゲッター號を選んだと考えられる。