ゲームボーイアドバンスSP
ゲームボーイアドバンスSP(ゲームボーイアドバンスエスピー、GAME BOY ADVANCE SP)は、任天堂が2003年2月14日に発売した携帯型ゲーム機。ゲームボーイアドバンスの上位機種として位置付けられている[2]。略称は「GBASP」。
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メーカー | 任天堂 |
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種別 | 携帯型ゲーム機 |
世代 | 第5世代 |
発売日 |
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CPU | 32bit RISC-CPU (16,78MHz) + 8bit CISC-CPU |
対応メディア | ロムカセット |
対応ストレージ | バッテリーバックアップ |
コントローラ入力 | 内蔵 |
外部接続 |
拡張コネクタ ワイヤレスアダプタ |
売上台数 |
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互換ハードウェア |
ゲームボーイアドバンス ゲームボーイプレーヤー 「Q」専用ゲームボーイプレーヤー ゲームボーイミクロ |
後方互換 |
ゲームボーイ ゲームボーイカラー |
前世代ハードウェア | ゲームボーイカラー |
次世代ハードウェア | ニンテンドーDS |
同社の携帯型ゲーム機として、ゲームボーイ・ゲームボーイカラーソフトに対応した最後の機種である。
ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイミクロと同様に、すでに生産終了となっており、本体の公式修理サポートも終了している。
ハードウェア編集
従来機であるゲームボーイアドバンスから変更・継承された点は以下の通り[2]。
- フロントライト
- 液晶がフロントライト付き反射型TFTカラー液晶となり、周囲が暗い所でも画面が見やすくなった。
- バックライト(北米発売版)
- 液晶が透過型TFTカラー液晶となり、周囲が暗い所でも画面が見やすくなった。
- 折りたたみ式
- 本体を折りたたみ型として携帯性と液晶保護性能を高めた[注釈 1]。
- 充電池内蔵
- ゲームボーイシリーズとして乾電池ではなく、初めて充電式のリチウムイオン二次電池が採用された[注釈 2]。
- 取扱説明書に交換方法が記載されており、リチウムイオン電池は任天堂公式サイトおよび任天堂から直接、交換部品として購入することができる。
- 約3時間の充電で、通常は10時間[3]、フロントライトを切ると18時間の稼動が可能である。フロントライトは初期型ゲームボーイアドバンスでは消費電力の問題を解決できず見送られたが、この頃より爆発的な普及を見せ始めた携帯電話の影響で二次電池の性能が飛躍的に向上、カラー画面でフロントライト使用時の消費電力に耐えうるものが登場したため搭載が実現した。このため、シリーズ機の中で重量はもっとも重い。
- 互換性
- ゲームボーイ/ゲームボーイカラー/ゲームボーイアドバンスのゲームがプレイ可能である。
- ただし、カートリッジスロットが下方向から挿す形に変更されているため、『コロコロカービィ』等のゲームボーイカラーの傾きセンサー内蔵カートリッジを使用したゲームについては正常なプレイが期待できない。
- 一方、ゲームボーイアドバンス用ソフトで傾きセンサーを使用している『コロコロパズル ハッピィパネッチュ!』では、オプション画面で特定のコマンドを入れる事により対応可。なおこれが販売された後に発売された『ヨッシーの万有引力』はゲーム起動時に本体がどちらであるかを指定、『まわるメイド イン ワリオ』は本体の回転を検知するタイプのセンサーのため完全対応である。
- また、カードeリーダー+の使用時は、通信ケーブルはリーダーの通信ポートではなく本体の通信ポートにケーブルを接続する必要がある。
- ヘッドホン端子の削除
- 拡張コネクタは2つに増えており、新設のコネクタに別売りの変換プラグを使用することでヘッドホンを使用することが可能。なお、この端子は付属のACアダプタと兼用である。ゲームボーイアドバンスからある端子も引き続き存在する。ちなみに、ゲームキューブとの通信や無線通信使用時にはGBAケーブルおよびワイヤレスアダプタによりコネクタが隠されてしまうため、ヘッドホンやACアダプタは使用できない。
仕様編集
公式サイト[4]も参照。
- CPU:32ビットCPU (ARM7TDMI16.78MHz) と8ビットCPU(カスタムZ80、4.2/8.4MHz)のデュアル構成[3]。動作モードによる排他使用。
- RAM:32kバイト(CPU内部メモリ) [3]
- WRAM:256kバイト(CPU外部メモリ)
- VRAM:96kバイト(CPU内部メモリ)
- 表示画素数:240×160ドット
- ゲームボーイカラー以前のソフト(160ドット×144ライン)では周囲に空白が出来るが、LRボタンを押すことで横長に拡大表示することも可能。
- 表示色数:32768色
- 2.9インチ反射型TFTカラー液晶を搭載。
- サウンド:アナログ(パルス波2ch+波形メモリ1ch+ノイズ1chの音源、従来機と同様)+デジタル(PCM( PWM・ソフトウェアPCM多チャンネル合成 ) )2ch
- サウンド出力:スピーカー(モノラル)、ヘッドホン端子(ステレオ)
- 寸法:84.6mm×82mm×24.3mm(折りたたみ時)
- 電源:内蔵リチウムイオンバッテリー、付属ACアダプタ、パワーマネジメント機能搭載
本体編集
2003年2月14日発売時のオリジナルカラーはプラチナシルバー、アズライトブルー、オニキスブラックの3種類[5]。型番はAGS-001。価格は発売当時は12,500円(税別)で2004年9月16日に価格改定され9,800円となった。
カラーバリエーション編集
- オリジナルカラー
- パールブルー(2003年9月5日 - )
- パールピンク(2003年9月5日 - )
- ファミコンカラー(2004年2月14日 - 2004年夏頃)
- トイザらスオリジナルカラー
- スターライトゴールド(2003年10月9日 - )
- パールグリーン(2004年11月18日 - )
- ポケモンセンターオリジナルモデル
- アチャモオレンジ(2003年4月25日 - )
- リザードンエディション(2004年2月27日 - )
- フシギバナエディション(2004年2月27日 - )
- レックウザエディション(2004年9月16日 - )
- ピカチュウエディション(2005年3月5日 - )
- ポケモンセンターNYオリジナルモデル
- カイオーガエディション(2003年12月11日 - )
- グラードンエディション(2003年12月11日 - )
限定品編集
- ゲームソフト同梱限定モデル
- パールホワイトエディション(ファイナルファンタジータクティクスアドバンス)(2003年2月14日 - )
- ジャンゴレッド&ブラック(ボクらの太陽)(2003年7月17日 - )
- マナブルーエディション(新約 聖剣伝説)(2003年8月29日 - )
- シャア専用カラー(SDガンダムGジェネレーションアドバンス)(2003年11月27日 - )
- ロックマンブルー(ロックマンエグゼ4)(2003年12月12日-)
- ナルトオレンジ(NARUTO -ナルト- ナルトRPG〜受けつがれし火の意志〜)(2004年7月22日 - )
- キングダムディープシルバーエディション(キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ)(2004年11月11日 - )
- キャンペーン限定モデル
- ファミコン生誕20周年モデル(TSUTAYA・任天堂2003年夏のキャンペーン)
- ドンキーコング・バナナカラー(ドンキーサマーキャンペーン)
海外版編集
日本でゲームボーイミクロが発売(2005年9月13日)された頃、米国では画面がバックライト液晶に改良されたものが出荷されている(定価は据え置き)。
明るさはニンテンドーDS以上で、ゲームボーイミクロと同等となったうえ、前述の色味の変化も解消されたため、旧型に比べ非常に見やすいとされている[3]。しかし、ディスプレイのリフレッシュレートが低く、ややちらつきが気になることと液晶の発色が濃い目で派手目のセッティングになっていると言われている。バックライトの明るさは2段階で、暗めの設定にした場合約13時間使用可能。
2009年6月時点で生産は終了した。
カラーはグラファイトとパールブルーの2つのカラーで販売されており、それらには箱に「Now with a BRIGHTER backlit screen!」と書かれているために容易に判別が可能となっている。
- 日本国外限定モデル
- フレイムレッド
- コバルトブルー
- ゲームボーイ14周年プラチナ/オニキス(アメリカ、カナダ)
- オールブラックススペシャルエディション(ニュージーランド、オーストラリア)
- リップカールスペシャルエディション(オーストラリア)
- クラシックNESエディション(アメリカ)
- トライバルエディション(ヨーロッパ)
- 中国龍(スーパーマリオアドバンス及び、ワリオランドアドバンス)(中国)
- パール(カナダ)
- マリオエディション(マリオvs.ドンキーコング)(ヨーロッパ)
- ゼルダエディション(ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし)(ヨーロッパ)
- ライム/オレンジ(アメリカ)
- サーフブルー(アメリカ、カナダ)
- Who are you? エディション(アメリカ)
- ガールズエディション(スペイン)
- TARGET,ZELLERS限定ライム(スーパードンキーコング)(アメリカ、カナダ)
- 任天堂明星07 マリオバージョン・ドンキーコングバージョン(中国)
周辺機器編集
以下のリストはゲームボーイアドバンスSP用として発売されている物。その他、カードeリーダーや通信ケーブルなど電源系統以外のゲームボーイアドバンス用周辺機器も使用可能。
型番 | 名称 | 備考 | 価格 |
---|---|---|---|
AGS-002 | ACアダプタ | 本体同梱。 | 1,500円 |
AGS-003 | バッテリーパック | 本体内蔵。 SP専用 | 2,100円 |
AGS-004 | ヘッドホン変換プラグ | SP・DS兼用 | 500円 |
AGS-006 | プレイやん PLAY-YAN micro |
SP・ミクロ・DS兼用 | 5,000円 |
AGS-101 | バックライト仕様 ゲームボーイアドバンスSP |
海外のみ発売 | 79.95ドル |
RVL-020 | SDメモリーカード 512MB | 市販されているSDメモリーカードと機能は同じである。プレイやんで使用できる。本来はWiiの周辺機器。 |
CM編集
ナレーターが「画面が明るくなり暗いところでもプレイOK」「充電式になり電池いらず」「全てのゲームボーイアドバンスが遊べる」とアピールするものだった。
反響編集
本機のデザインは大人も対象にした澄ました点や、ポータブル機としての機能のシンプルさが評価され、2003年度のグッドデザイン賞を受賞している[6]。
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ^ a b c “任天堂株式会社 連結販売実績数量の推移”. 任天堂 (2014年6月). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b “折畳み式でフロントライトと充電池採用 ゲームボーイアドバンスSP 2月14日発売” (プレスリリース), 任天堂, (2003年1月17日) 2021年7月26日閲覧。
- ^ a b c d M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、6ページから7ページ
- ^ “スペック”. 任天堂. 2021年7月26日閲覧。
- ^ “ゲームボーイアドバンスSP”. 任天堂. 2021年7月26日閲覧。
- ^ “携帯型ゲーム機 [ゲームボーイアドバンスSP AGS-001]”. 日本デザイン振興会 (2003年). 2021年7月26日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- ゲームボーイアドバンス公式サイト
- ゲームボーイアドバンスSP
- オトナも遊べるゲームボーイ。 - 樹の上の秘密基地(ほぼ日刊イトイ新聞)