ゲームポケコン

日本のコンピュータゲーム

ゲームポケコン(正式名称はゲームポケットコンピュータ)は、エポック社1985年に発売した携帯型ゲーム機。カセットビジョンのハンディ版をコンセプトに開発された。定価12,000円[2]

ゲームポケコン
メーカー エポック社
種別 携帯型ゲーム機
世代 第2世代
発売日 日本の旗 1985年[1]
対応メディア ロムカセット
コントローラ入力 内蔵
テンプレートを表示

概要 編集

日本の国産機としては[注 1]初のロムカセットを採用した携帯ゲーム機[3]であり、それまでの電子ゲームとは一線を画していた。液晶画面はモノクロ2階調で、コンピューターとしての性能はカセットビジョンを若干超える程度[2]。名称に「ポケコン」とつくが、ポケットコンピュータとしての機能は有しておらずゲーム専用。カートリッジを挿さずに電源を入れると、パズルゲームやグラフィックツール機能が使用できた。

先見の明はあったが、当時の技術的な限界のために横幅が大きくならざるを得ず、ゲームボーイの約2.5倍の幅長は手軽に持ち運ぶには不便だった。また、ソフトも自社のみからの供給だったため種類は思うように増えず、結果短期間で市場から姿を消している。カートリッジ交換式の携帯ゲーム機が本格的に普及するのは任天堂が1989年に発売したゲームボーイからであり、世に出るのが早すぎた機種といえる[3][2]

ハードウェア 編集

左には十字キーに相当する丸型8方向キー、中央に画面、右に操作用ボタンという横型携帯ゲーム機としては一般的な配置を採用しているが、ボタンは4つ(STARTとSELECTを含めれば6つ)もあり、2ボタンが標準だった時代としては異例な多さだった。

従来の日本の携帯型ゲーム機はソフト内蔵式だったため、持っていた液晶画面はそのゲームだけに適したものということがほとんどだった。しかし、ゲームポケコンは多数のゲームで遊べるカセット交換式であることから、特定のゲームにだけ適した液晶を搭載することはできず、1台で様々なゲームに対応できるように、後のゲームボーイと同様なドットマトリクス液晶を採用した。ただしゲームボーイがモノクロ4階調なのに対し、本機は前述通りのモノクロ2階調である。画素数の少なさが示す通り画面は小さいが、正面からの視認性は当時としてはよかった(ゲームボーイより優秀だったという声もある)が斜めからは見え難かった。ヴォリュームコントロールは存在せず、サウンドON-OFFスイッチのみである。通信対戦機能や拡張端子も無く、1人プレイ専用で周辺機器等は専用ACアダプタ以外一切存在しない。

ロムカセットを差し込むスロットは本体右側にある。この正面(画面の右隣)には透明な窓があり、ここにカセットのラベルが来る構造になっていたため、どのゲームを使用しているのか正面から確認できる仕様であった。しかしこの構造は後の携帯ゲーム機には一切採用されることは無く、ゲームポケコンだけが持つ特徴であった。なお、ロムカセットの厚みはかなりのもので、先端部(端子とは反対側)はゲームポケコン本体と同じ厚みがあった。

仕様 編集

  • 使用電源 : 単3乾電池(4本)、もしくは専用ACアダプタ
    • 乾電池での公称駆動時間は30時間でゲームボーイと同一
  • 画面解像度 : 横75 縦64
  • CPU : μPD78C06AG(6MHz)
    • サウンド処理を兼任
  • RAM : 128B(+2kB)
  • 内蔵ROM : 4KB
  • 本体重量 : 470 g(電池含む)[4]
  • 消費電力 : 150 mA[4]

周辺機器 編集

ソフトウェア 編集

ゲームソフトは5本しか発売されなかった[3]

本体内蔵 編集

  • パズルゲーム - 15パズルの3×4バージョン[2]
  • グラフィック機能[4] - セーブ手段は無い[2]

脚注 編集

注釈
  1. ^ 日本国外では本機以前にもMicrovisionアドベンチャービジョンが存在した。
出典
  1. ^ 1984年に特許を取得。
  2. ^ a b c d e コアムックシリーズNO.682『電子ゲーム なつかしブック』p.47.
  3. ^ a b c オトナファミ2011年1月号特別付録「家庭用ゲーム機完全図鑑-昭和編-」、エンターブレイン、p32。
  4. ^ a b c コミックボンボン1984年11月号、p23。

関連項目 編集