コガネニカワタケ(黄金膠茸、学名Tremella mesenterica )は、シロキクラゲ科シロキクラゲ属キノコである。

コガネニカワタケ
コガネニカワタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: 異型担子菌綱 Heterobasidiomycetes
: シロキクラゲ目 Tremellales
: シロキクラゲ科 Tremellaceae
: シロキクラゲ属 Tremella
: コガネニカワタケ T. mesenterica
学名
Tremella mesenterica
和名
コガネニカワタケ

概容 編集

コガネニカワタケは、その名の通り(にかわ)のように軟質で、光沢のある黄白色または黄色のキノコである。形はシワのよった花びらに似ており、球形の塊になる[1][2]。世界的に広く分布するごく有り触れたキノコで、シロキクラゲ属の基準種である。このキノコは、カシヤナギなどの広葉樹、または枯枝(かれえだ)に活着(菌類などの胞子が根づいて生育すること)し[3]キウロコタケと結びついて樹皮を破って花びら状に成長する[1]。コガネニカワタケの担子器は類球形で2〜4細胞からなり、シロキクラゲ目に共通する特徴である縦隔壁(縦に並んだ壁)によって分割されている[4]

有性世代のA型とa型が接合する際に接合管を誘導する物質(性接合物質)として、東京大学農学部の(Sakagami, Isogai & Suzuki 1979, 1981[5])によりA型からトレメロゲンA-10、a型からトレメロゲンa-13というペプチドが発見されている。

脚注 編集

参考文献 編集

  • Sakagami, Youji; Isogai, Akira; Suzuki, Akinori; Tamura, Saburo; Kitada, Chieko; Fujino, Masahiko (1979). “Structure of Tremerogen A-10, a Peptidal Hormone Inducing Conjugation Tube Formation in Tremella mesenterica”. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 43 (12): 2643-2645. doi:10.1271/bbb1961.43.2643. 
  • Sakagami, Y.; Yoshida, M.; Isogai, A.; Suzuki, A. (1981). “Peptidal Sex Hormones Inducing Conjugation Tube Formation in Compatible Mating-Type Cells of Tremella mesenterica”. Science 212 (4502): 1525-1527. doi:10.1126/science.212.4502.1525. 
  • 本郷次雄、1997、『キノコの世界』、朝日新聞社〈朝日百科〉 ISBN 4023800112
  • ジョン・ウェブスター英語版椿啓介三浦宏一郎山本昌木(訳)、1985、『ウェブスター菌類概論』、講談社 ISBN 4061396099
  • 今関六也、1988、『日本のきのこ』特装版、山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉 ISBN 4635056058
  • 今関六也、2012、『日本のきのこ』増補改訂新版、山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉 ISBN 9784635090445}
  • 今関, 六也; 本郷, 次雄 (1977). "コガネニカワタケ". 原色日本菌類図鑑. 保育社. ISBN 458630023X
  • 今関, 六也; 本郷, 次雄 (1965). "コガネニカワタケ". 続 原色日本菌類図鑑. 保育社. ISBN 4586300426

関連項目 編集

外部リンク 編集

  • 日化辞番号: J389.549A - トレメロゲンa-13。