ココロノアイ

日本の競走馬

ココロノアイKokorono Ai[1])は、日本競走馬繁殖牝馬。主な勝ち鞍は2015年チューリップ賞(GIII)、2014年アルテミスステークス(GIII)。

ココロノアイ
2015年チューリップ賞
欧字表記 Kokorono Ai[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2012年4月28日(12歳)
抹消日 2016年10月5日[2]
ステイゴールド
ビューティソング
母の父 デインヒル
生国 日本の旗 日本北海道浦河町
生産者 酒井牧場
馬主 (有)酒井牧場
調教師 尾関知人美浦
競走成績
生涯成績 11戦3勝
獲得賞金 1億1145万3000円
勝ち鞍
GIII チューリップ賞 2015年
GIII アルテミスステークス 2014年
テンプレートを表示

現役時代

編集

2013年4月28日に北海道浦河町酒井牧場で誕生。3代母マックスビューティ1987年桜花賞優駿牝馬を制した名牝で、繁殖牝馬として唯一残した後継牝馬が2代母のマックスジョリーである。マックスジョリーは本馬の母ビューティソングのみを残して夭折しており、貴重なファミリーラインとなっている[3]

本馬は生まれつき脚が曲がっていたため、売却されずに牧場所有の競走馬となる。「ココロノアイ」という馬名を付けたのは調教師の尾関知人で、父ステイゴールドと同じくスティーヴィー・ワンダーの曲名(「心の愛」)に由来する[4]

2014年7月の新馬戦でデビューし、翌年の毎日杯勝ち馬ミュゼエイリアンの2着となる。2戦目に初勝利を挙げると、3戦目のアルテミスステークスでは暴走気味に進出しながらも1番人気レッツゴードンキの追撃をハナ差抑えて重賞初勝利を挙げた[5]。鞍上の横山典弘は「ホクトベガの酒井牧場の馬で勝てたことは嬉しいです」[注 1]とコメントした[7]阪神ジュベナイルフィリーズでも3着に入ったが、ゴール後に制御が効かなくなり逸走してしまった[8]

3歳時は始動戦のチューリップ賞を制して重賞2勝目を挙げる[3]。しかし、桜花賞では2番人気に推されながら10着に敗れ、優駿牝馬7着(レース後に剥離骨折が判明)[9]秋華賞14着と大舞台では結果を残せなかった。4歳時は3戦していずれも善戦したが勝利には恵まれず[5]、同年秋の府中牝馬ステークスに向けての調整中に右前脚屈腱炎を発症し、現役引退が決まった[2]

繁殖牝馬時代

編集

引退後は生まれ故郷の酒井牧場で繁殖牝馬となった[2]2018年4月6日に初仔となる父ロードカナロアの牝馬が誕生した[10]

2020年11月14日、初仔・ルージュアドラブルが初出走・初勝利を果たした[11]

生年 馬名 毛色 馬主 厩舎 戦績 出典
初仔 2018年 ルージュアドラブル 鹿毛 ロードカナロア (株)東京ホースレーシング 美浦・国枝栄 9戦1勝(抹消・繁殖) [12]
2番仔 2019年 コイニオチテ 野村茂雄 栗東・森秀行
北海道・田中淳司
→栗東・森秀行
→北海道・田中淳司
川崎・佐々木仁
23戦8勝(現役) [13]
3番仔 2020年 スナイチゴールド デクラレーションオブウォー (株)ゴールドレーシング 美浦・加藤和宏 13戦1勝(現役) [14]
4番仔 2021年 スズノレイライン レイデオロ 小紫嘉之 栗東・平田修 8戦0勝(現役) [15]
5番仔 2022年 マキシマムドライブ ロードカナロア 酒井牧場 北海道・田中淳司 (デビュー前) [16]
6番仔 2023年 黒鹿毛 サートゥルナーリア (有)ターフ・スポート 栗東・安田翔伍 (デビュー前) [17]
6番仔 2024年 鹿毛 (デビュー前) [18]
  • 2024年9月28日現在

競走成績

編集

以下の内容は、netkeiba.comの情報[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2014.07.19 福島 2歳新馬 芝1800m(稍) 16 3 6 002.80(1人) 02着 R1:51.9(35.3) -0.6 戸崎圭太 54 ミュゼエイリアン 448
0000.09.06 新潟 2歳未勝利 芝1600m(良) 18 4 7 001.70(1人) 01着 R1:35.0(33.3) -0.4 戸崎圭太 54 (ギンザヴィクトリア) 452
0000.11.01 東京 アルテミスS GIII 芝1600m(稍) 17 8 16 015.80(9人) 01着 R1:34.4(34.3) -0.0 横山典弘 54 レッツゴードンキ 452
0000.12.14 阪神 阪神JF GI 芝1600m(良) 18 2 4 006.30(4人) 03着 R1:34.6(34.5) -0.2 横山典弘 54 ショウナンアデラ 450
2015.03.07 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(重) 17 7 14 008.20(5人) 01着 R1:37.7(35.9) -0.2 横山典弘 54 アンドリエッテ 460
0000.04.12 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 7 15 007.60(2人) 10着 R1:37.0(33.7) -1.0 横山典弘 55 レッツゴードンキ 452
0000.5.24 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 17 2 4 008.80(4人) 07着 R2:25.7(34.6) -0.7 横山典弘 55 ミッキークイーン 452
0000.10.18 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 1 1 027.80(6人) 14着 R1:58.0(35.6) -1.1 横山典弘 55 ミッキークイーン 458
2016.04.09 阪神 阪神牝馬S GII 芝1600m(良) 13 2 2 018.00(6人) 05着 R1:33.6(34.0) -0.5 武豊 54 スマートレイアー 458
0000.06.12 阪神 マーメイドS GIII 芝2000m(良) 14 1 1 007.60(5人) 03着 R1:59.4(35.5) -0.1 横山典弘 55 リラヴァティ 470
0000.07.24 福島 福島テレビOP OP 芝1800m(良) 9 5 5 002.10(1人) 02着 R1:47.5(35.7) -0.2 横山典弘 54 ウインフルブルーム 472

血統表

編集
ココロノアイ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ステイゴールド
1994 黒鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Fiower
父の母
ゴールデンサッシュ
1988 栗毛
*ディクタス Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ

ビューティソング
1997 鹿毛
*デインヒル
Danehill
1986 鹿毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Razyana His Majesty
Spring Adieu
母の母
マックスジョリー
1990 鹿毛
*リアルシャダイ Roberto
Desert Vixen
マックスビューティ *ブレイヴェストローマン
フジタカレディ
母系(F-No.) タイランツクヰーン系(FN:14-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Hail to Reason 4×5=9.38%、Northern Dancer 5×4=9.38%、Natalma 5・5(母内)=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [19]
  2. ^ [20]
  3. ^ [19]
  4. ^ [19]


主な近親

編集

曽祖母のマックスビューティ[21]桜花賞優駿牝馬(オークス)の2冠馬。

近親のマイネルアラバンサ[22]名古屋記念など地方重賞4勝。

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 横山は「ホクトベガを(ドバイへ)連れて行きたいと言って、死なせてしまったのは俺。生きて牧場に返してあげていれば、血をつなげられていた。つらい出来事だったけど、自分の中で乗り越えられたのも酒井さんのおかげ。ココロノアイの乗り代わりを探している時に、酒井さんが俺の名前を出してくれたのは、本当にありがたいこと」とも語っている。翌年のチューリップ賞制覇時にも、インタビューの際に「酒井牧場の馬で、いいところを獲れたら」と牧場の名を挙げていた[6]

出典

編集
  1. ^ a b ココロノアイ|JBISサーチ(JBIS-Search)
  2. ^ a b c ココロノアイ引退に前田助手「子供を是非担当したい」/美浦トレセンニュース”. netkeiba.com (2016年10月5日). 2018年8月10日閲覧。
  3. ^ a b チューリップ賞 G3 | 重賞ウイナーレポート. 競走馬のふるさと案内所. 2018年8月10日閲覧
  4. ^ アルテミスS G3 | 重賞ウイナーレポート. 競走馬のふるさと案内所. 2018年8月10日閲覧
  5. ^ a b c ココロノアイ”. netkeiba.com. Net Dreamers co.LTD. 2018年8月10日閲覧。
  6. ^ 【桜花賞】ココロノアイ 横山典、8大競走制覇で酒井牧場へ恩返し. スポーツニッポン(2015年4月7日付). 2018年8月10日閲覧
  7. ^ 【アルテミスS(GIII)】(東京)~ココロノアイが重賞初制覇. ラジオNIKKEI(2014年11月1日付). 2018年8月10日閲覧
  8. ^ ステイゴールド産駒の系譜を受け継ぐココロノアイ. 競馬ラボ(2015年4月8日付). 2018年8月10日閲覧
  9. ^ ココロノアイ骨折も秋華賞間に合いそう”. デイリースポーツ online. 2021年1月6日閲覧。
  10. ^ (有)酒井牧場さんのツイート. 2018年8月10日閲覧
  11. ^ “【東京6R新馬戦結果】ルージュアドラブルが抜け出し快勝”. netkeiba.com. https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=179492 2020年11月14日閲覧。 
  12. ^ ルージュアドラブル”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2022年11月16日閲覧。
  13. ^ コイニオチテ”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2022年11月16日閲覧。
  14. ^ スナイチゴールド”. JBISサーチ(JBIS-Search). 2022年11月16日閲覧。
  15. ^ スズノレイライン|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年2月19日閲覧。
  16. ^ マキシマムドライブ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年9月29日閲覧。
  17. ^ _________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年7月29日閲覧。
  18. ^ _________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年9月29日閲覧。
  19. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ココロノアイ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年9月2日閲覧。
  20. ^ ココロノアイの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年9月2日閲覧。
  21. ^ マツクスビユーテイ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年5月18日閲覧。
  22. ^ マイネルアラバンサ (Meiner Alabanza) | 競走馬データ”. netkeiba. 2024年5月18日閲覧。

外部リンク

編集