コデワ
コデワ有限合資会社(Kodewa GmbH & Co. KG)は、ドイツバイエルン州ロート郡グレーディングを本拠とする、2000年に設立されたレーシングチームの運営会社である。バイコレスの名で、FIA 世界耐久選手権(WEC)のLMP1クラスに参戦していた。
概要編集
2000年に、ロムルス・コレス(Romulus Kolles) と、その息子の コリン・コレス(Colin Kolles) によって ドイツF3に参戦する為のレーシングチームとして、コレス・レーシング(Kolles Racing) というチーム名で設立されたことが始まりである。2003年にドイツF3とフランスF3が統合したユーロF3がスタートすると、2003年から2005年までユーロF3に参戦している。
コリン・コレスは、F1チームのジョーダン・グランプリのマネージングディレクターに就任する為に、2005年シーズンの始まりと共にコレス・レーシングのチーム経営をディレクターを辞める2009年まで離れることになった。コリンがチームから去った翌年の2006年、ロムルスはユーロF3からDTMへチームの活躍の舞台を移している。DTMでは、スポンサータイトルを冠したチーム名である フューチャーコムTME(Futurecom TME) の名称で2009年までアウディのレースカーの供給を受けて参戦した。
2009年、コレス・チームはニック・ハイドフェルドのマネジャーを務めていたベルナー・ハインツとの共同経営で コレス・アンド・ハインツ・ユニオン(Kolles & Heinz Union)というチームで、再びユーロF3に参戦している。
2010年、F1チームのHRT F1のチーム代表にコリン・コレスが就任すると、2011年12月15日にコリン・コレスがチーム代表を解任されて2012年にHRT F1のオペレーションがスペインに移されるまで、コデワの本拠地であるグレーディングの作業場でHRT F1のオペレーションがされていた。
コデワは参戦するレースカテゴリーの興味を、フォーミュラレースよりル・マン・シリーズ(後のインターコンチネンタル・ル・マン・カップ)といったスポーツカーレースに移した。2009年のアジアン・ル・マン・シリーズにも参戦。2012年から2014年まで、FIA 世界耐久選手権にロータスのブランド名を付けた ロータス(Lotus)のチーム名登録で参戦した。2012年と2013年はLMP2クラスで、2014年はステップアップしてLMP1クラスで参戦している。2015年ではロータスとの契約が終了したことから、バイコレス(ByKolles)というチーム名で参戦している。なおレースカーは2013年から独自開発の「ロータス・T128」、2014年は「ロータス・CLM P1/01」。その後ロータスの冠名が外され、2015年から「CLM P1/01」で出走することになった[1]。
しかし資金やオペレーションなど様々な問題から、LMP1プライベーターとして唯一のライバルであるレベリオン・レーシングに敗北し続けていた。
2017年はエンジンを、日産・GT-R LM NISMOに採用されていたVRX30A(V6ツインターボ)にスイッチ[2]。レベリオンもLMP2へ戦場を変えたことで、LMP1プライベーターでは事実上ライバル不在のままル・マンに参戦した。しかしオープニングラップのミュルサンヌ・ストレート直前でフロントカウルが外れクラッシュして呆気なく終わり、ファンから「ル・マン24秒」と揶揄された[3]。その後、第4戦ニュルブルクリンク6時間レースまでで活動を休止し、来季に向けた準備をすることを決めた。
2018-2019年シーズンには復帰したが、最高は4位で表彰台を獲得することは叶わなかった。
2019-2020年シーズンは第6・第7戦のみのエントリーに収まっている。
2021年シーズンから、LMHクラスで参戦することが発表されていたが[4]、参戦は無かった。
2022年、LMHクラスへエントリー申請をしたが、WEC選考委員会が基準を満たしていなかったとの理由でエントリーは却下された[5][6]。
2023年シーズンにLMHクラスへの参戦が認められた。チーム名はフロイド・ヴァンウォール・レーシングチーム(Floyd Vanwall Racing Team)、マシンは新開発したヴァンウォール・ヴァンダーヴェル 680で参戦する。
脚注編集
- ^ “ロータスから改称のバイコレス、今季もWEC参戦へ”. オートスポーツ (2015年1月24日). 2016年1月24日閲覧。
- ^ バイコレス、GT-R LM搭載のニッサンVRX30Aエンジンにスイッチ
- ^ “Webb: Le Mans 'hard to watch' after early ByKolles exit” (英語). motorsport.com. (2017年6月21日) 2018年11月16日閲覧。
- ^ “WEC:バイコレス、PMCプロジェクトLMHを発表。2021年ハイパーカーで参戦へ”. autosport web. 2020年9月19日閲覧。
- ^ “バイコレスのハイパーカーデビューに暗雲。WECへの年間エントリー申請が却下か”. autosport web. 2022年1月12日閲覧。
- ^ “バイコレスのエントリー申請却下についてWEC代表が言及「選考基準を満たしていなかった」”. autosport web. 2022年1月20日閲覧。