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コロンビア大学(Columbia University)は米国ニューヨーク市に本部を置く私立総合大学で、アイビー・リーグの一つ。イギリス植民地時代に英国国王の勅許により創立されたキングズ・カレッジが起源。各種大学ランキングで常に最上位に位置する米国屈指の名門校で、全米で5番目に古い大学である。「コロンビア」はアメリカ大陸を指す雅語で、正式名称は Columbia University in the City of New York

Columbia University
Columbia University in the City of New York
Columbia University Coat of Arms.png
校訓 “In Lumine Tuo Videbimis Lumen”
学校種別 私立 セメスター制
設立年 1754年
基金 109億ドル(2017年)
学長 リー・ボリンジャー
大学職員数
4,414人(2017年)
学生数 32,429人(2017年)
学部生数 8,868人(2017年)
大学院生数 23,561人(2017年)
所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク州ニューヨーク市
北緯40度48分27秒 西経73度57分43秒 / 北緯40.80750度 西経73.96194度 / 40.80750; -73.96194座標: 北緯40度48分27秒 西経73度57分43秒 / 北緯40.80750度 西経73.96194度 / 40.80750; -73.96194
キャンパス 都市型, 面積299エーカー (1.21 km2)
スクールカラー コロンビア・ブルー英語版と白          
ウェブサイト www.columbia.edu
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幅広い分野で世界最高水準の研究が行われる拠点として100名を超すノーベル賞受賞者を出したほか、映画・文学など芸術分野も活発で、28名のアカデミー賞受賞者・90人超のピューリッツァー賞受賞者を輩出している[1]。最近の著名な卒業生は米第44代大統領バラク・オバマ

米国の大学でも特に学生の国際色が豊かなことで知られ、外国籍の学生比率は33%に達する。これまで34名の元留学生が世界各国で大統領・首相となった。留学生の出身国は延べ144カ国に上り、生存しているOBは世界189カ国で32万人を数える。

2018年現在の学生数は 32,429名、学部生の男女比は男性 48%・女性 52%[2][3]。学部生の合格率は約5〜6%で、米国ではハーバード大学やプリンストン大学と並んで入学が最難関のグループに属する[4]

目次

歴史・校風編集

イギリスジョージ2世による憲章の勅許により1754年、北米で5番目の大学「キングズ・カレッジ」として創立された[5]。1784年州法によりコロンビア・カレッジと改称され、1896年に大学院の設置とともにコロンビア・ユニバーシティとなる[6]

設立当初は教授一人(ウィリアム・サミュエル・ジョンソン)と学生8人でスタートした。当初のキャンパスはウォール街付近のトリニティ教会敷地内にあった[7]

 
キャンパス中央に位置するロウ記念ホール

コロンビア大学が最初に大きな成果を挙げたのは自然科学・工学分野である。X線写真FM放送MPEG2技術等は工学部の研究成果の一例で、米国初の原子核分裂もコロンビア大学で成功している(1939年)。レーザーメーザーMRIの技術も物理学部で開発されており、これまで10人がノーベル物理学賞を受賞した。

医学教育の歴史も古く、米国初の医学博士号は同校メディカル・スクールで授与されている。また政治学科が世界で最初に設置されているほか、人類学科は米国初の設置である。

世界各地の地域研究は伝統的に同校が力を入れてきた分野で、米国の対外政策にも大きな影響を及ぼしてきた。キャンパスにある7つの地域研究所と12のリサーチセンターで全世界をカバーしており、地域研究所の数としては全米最多。アジア地域専門のウェザーヘッド東アジア研究所、またそれを置く国際公共政策大学院、ロシア研究拠点として米国最大規模のハリマン研究所などには世界各地からトップクラスの研究者が集まっている。またアメリカで唯一日本経済を専門とする日本経済経営研究所がある。

人文学研究でも各分野をリードする代表的な研究が行われており、イディッシュ語をはじめとするユダヤ文化研究、映画理論を中心とする表象文化研究などの分野で世界的に著名な研究者を数多く擁する。また1912年にジョーゼフ・ピューリツァーの寄付により設立されたジャーナリズム大学院は、現在に至るまでアイビー・リーグ唯一のジャーナリズム大学院である。ピューリッツァー賞の選考委員会も同校に設置されており、毎年4月にキャンパスで受賞者が発表される[8]

 
1900年頃のキャンパス風景

卒業生は政治・行政にも幅広いネットワークがあり、元留学生が世界各国で国家元首となった経緯から、毎年9月、国連総会が開催されるタイミングで各国の大統領・首相・外相等をキャンパスに招待したシンポジウムが開催されている。

一方で伝統的にリベラルな校風でも知られており、1968年に全米で学園紛争が拡大するきっかけとなったのは、コロンビア大学キャンパスで起きた大規模な学生運動(en:Columbia University protests of 1968)である。

大学のマスコットはライオン。英国国王の勅許により創立されたことから英国の国章にヒントを得てデザインされ[9]、1910年頃から使われている。大学のロゴである王冠はキングズ・カレッジ時代から引き継がれた。

校訓は「In Thy light shall we see the light 汝の光によって我等は光を見る 」。旧約聖書詩編36編9節の一節から取られている。

教員・主な出身者編集

 
コロンビア大学のロゴ

幅広い分野で第一級の研究が行われている。卒業生・教員を含めたノーベル賞受賞者(en:List of Nobel laureates by university affiliation)は1901年以降の累計で103名に達し、世界第5位。大学の公式発表によると、2000年以降にノーベル賞を受賞した教員・卒業生は以下17人[10]である。

また2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波は客員研究員として滞在中の受賞だった[11]。このほか米国科学アカデミー賞の受賞者が43人、アメリカ芸術科学アカデミー賞の受賞者143人。

人文・芸術分野でも教員・卒業生の活動は高い評価を受けている。ピュリッツアー賞受賞者は90人超にのぼり[12]、また女性として史上初のアカデミー監督賞を受賞したキャスリン・ビグローをはじめ、28人がアカデミー賞を受賞している。

このほか芸術分野の著名出身者では、歌手のアート・ガーファンクル(1965年卒)、SF作家アイザック・アシモフ(1939年卒)、詩人のアレン・ギンズバーグ(1948年卒)、作家のポール・オースター(1970年卒)、映画監督ジム・ジャームッシュ(1975年卒)などがいる[13]

日本との関わり編集

日本人として初のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹がコロンビア大学助教授として在任中の受賞だったほか、フィールズ賞を受賞した広中平祐森重文も数学科に滞在して研究を行っている。また1950年代には鈴木大拙が長期にわたって滞在して禅思想の教育・研究を行い、米国における東洋思想の重要な発信拠点となった。

一方、早くからアジア地域研究が重視されてきたため数多くの日本研究者を輩出した。角田柳作が日本文化研究所を設立したのは1928年で、ここで日本学者のドナルド・キーンが教育を受けている。その後キーンはコロンビア大学で長く教壇に立ち、多くの日本研究者を育てた。また同じく角田の教え子だった日本史家ハーバート・ノーマンが、三笠宮崇仁親王の家庭教師を務めている[14]。このほかサイデンステッカー(日本文学)、ジェラルド・カーティス(日本政治)、キャロル・グラック(日本近代史)、ヒュー・パトリック(日本経済)などが教壇に立っている。1949年の「シャウプ勧告」により日本の税制の基礎を築いたカール・シャウプは経済学部教授だった。

ランキング編集

 
キャンパス中央部で行われる卒業式

コロンビア大学は国内外の各種大学ランキングにおいて常に最上位に位置しており、米国を代表する世界的な研究教育拠点のひとつとみなされている。

総合

  • The Top American Research Universities Ranking (2017):第1位 [15]
  • Wall Street Journal/Times Higher Education College Rankings (2018):第2位 [16]
  • US News Best Colleges Ranking (2018):第3位 [17]
  • 上海交通大学・ARWU 世界大学ランキング (2018): 第8位 [18]

ビジネス・スクール

  • US News: Business School ranking (Executive MBA) (2018): 第4位 [19]
  • Financial Times: Business School rankings (2018): 第7位 [20]

ロー・スクール

  • CNBC: The 10 Best Law School in the US (2018): 第5位 [21]
  • US News: Best Law School ranking(国際法) (2018): 第3位 [22]

組織編集

 
ロウ記念ホールの内部

コロンビア大学は、学部レベルの3つのカレッジと大学院レベルの13のスクールから構成され、全学で114の学科がある[23]

学部レベルの3つは人文社会学・理学系学部が所属する「コロンビア・カレッジ」、工学系カレッジの「コロンビア・エンジニアリング」、社会人教育に力を入れるカレッジ「スクール・オブ・ジェネラル・スタディーズ」である。

学部課程編集

  • コロンビア・カレッジ (CC: Columbia College, 1754)  学部課程のカレッジで、西洋哲学・歴史学など人文系と物理学など理学系のあわせて57学部が属する[24]。学生数 4,644人 (2017年)。
  • コロンビア・エンジニアリング(SEAS: The Fu Foundation School of Engineering and Applied Science, 1864)  4年制の工学系カレッジで、入学審査はコロンビア・カレッジと共通。応用数学、化学工学、コンピューター・サイエンスなど9学部が属する[25]。学生数 1,619人 (2017年)。
  • スクール・オブ・ジェネラル・スタディーズ (GS: School of General Studies, 1947) 学部課程のカレッジ。元は第二次大戦の帰還兵に教育機会を提供するために設立されたカレッジで[4]、他の二つのカレッジとは入学審査が異なるが、単位履修・卒業審査等は共通。高校卒業後に就職・兵役などさまざまな進路をたどったのちに再入学する学生が多く[6]、入学者の平均年齢は26歳 (2017-18年)。決まった学部を持たず、学生は外国語・世界史・音楽・自然科学など80科目・1500のコースを組み合わせて履修する[26]。フルタイムの学生は78%で、仕事や育児との両立などをしながらパートタイムで通学する学生は22%いる[27]。留学生の割合は21%[27]。学生数2,446人(2016年)。

大学院編集

 
ハミルトン・ホール(ジャーナリズム大学院)の前に立つハミルトン像

提携教育機関編集

 
ティーチャーズ・カレッジ
  • ティーチャーズ・カレッジ Teachers College(1886)全米最古かつ最大の教育学大学院。入試事務などは独立して行っているが、多くの授業や図書館の利用などが共有されコロンビア大学の教育学部の役割を果たしている[6]。国外からコロンビア大学へ着任した外国人研究員などの英語研修もここで行われる。
  • バーナード・カレッジ Barnard College(1889)4年制の女子大学で、セブン・シスターズ (大学)のひとつ。ティーチャーズ・カレッジと同じく独立した組織として学務を行う一方、コロンビア大学の正式な学部・大学院の一部としても運用されている[6]
  • ユニオン神学校 Jewish Theological Seminary(1836)
  • ユダヤ教神学院 Union Theological Seminary(1886)

研究施設編集

研究所 (research institute)ないしリサーチ・センターの名称をもつ研究組織が気候変動に関する研究を行う「アース・インスティチュート」など198箇所ある。[28] このほか大学に属する主な研究施設に以下の研究所がある。

関連研究施設

関連機関編集

 
ワシントン・ハイツ地区にあるメディカルセンター

財政編集

 
キャンパス中心部

2017年の大学基金 (endowment) は109億ドル(約 1.2 兆円)[31]、総資産は約200億ドル(約2.2兆円)で[32]、全米有数の財政規模をもつ(大学基金額で全米3位)[33]

2017年度の運営予算は約50億ドル(約5600億円)[32]。収入の内訳は、学費:約16億ドル(約1800億円)、政府給付:約9.3億ドル(約1000億円)、投資益:約6.3億ドル(約700億円)一般寄付:約6億ドル(約670億円)、など。同年度の主な支出は、教育関連:約18億ドル(約2000億円)、研究費:約6億ドル(約670億円)など。

米国において大学が所有するパテントの数では世界10位以内に位置する。[34]

キャンパス編集

 
ロウ記念ホール前のアルマ・マーテル像

キャンパスは大きく三つに分けられる。まずマンハッタンの北西部・ハドソン川沿いのモーニングサイド・ハイツにあるメインキャンパス(14万平方m)、そして同じくハドソン川沿いのワシントンハイツにあるメディカル・センター(8万平方m)、さらにメインキャンパスの北部マンハッタンヴィルにあるキャンパス(6万8000平方m)である。マンハッタンヴィルではアートセンターや体育館などを新設する大規模な拡張工事が行われている。

メインキャンパスの正門はブロードウェイ116丁目に位置する。そこから東西にキャンパスを横切るカレッジ・ウォークと呼ばれる並木道があり、この道を挟んで左右にロウ記念ホールとバトラー図書館(総合図書館)がある。

新古典主義様式のロウ記念ホール (Low Memorial Library) はキャンパスのほぼ中央に位置する巨大なドームで、卒業式や入学生の歓迎イベントもこの前の広場で行われる。このホールの正面に、大学のシンボルの一つアルマ・マーテル像がある。

大学の周辺には、付属校であるティーチャーズ・カレッジ(教育学部)とバーナード・カレッジが隣接する。大学所有の建物は70を超え、教職員、大学院生及びその家族用に所有するアパートの数は7,800戸に上る[6]

近隣にはグラント将軍の墓や、ゴシック様式カテドラルとしては世界最大規模である聖ヨハネ大聖堂、さらには、世界最大のカリヨン(組み鐘)で知られるリバーサイド教会などがあり、ニューヨーク市の観光スポットの一つとなっている。

歴史的建築物・モニュメント編集

 
1900〜1910年頃、図書館として使われていたときのロウ記念ホール内部
1895年完成。元学長セス・ロウ (Seth Low) を記念し、図書館として建てられた。現在はビジターセンターや要人訪問のさいの式典会場としてのみ使われており図書館としての機能はないが、いまでもキャンパスでは「ロウ・ライブラリー (Low Library)」と呼ばれている。総大理石造りのドームとして米国最大規模で、合衆国史跡に指定されている[35]
1903年完成。台座をのぞく像の高さは2.5メートル。リンカーン記念館リンカーン像やハーバード大学のジョン・ハーバード像も手がけたダニエル・チェスター・フレンチの制作で、ローマ神話の知恵と工芸をつかさどるミネルヴァ神を模している[36]。フレンチは多くの作品に「フクロウ」を隠したことでも知られており、この像でも衣の裏にフクロウのレリーフが隠されている。入学式で最初にこのフクロウを見つけた者がその学年の卒業生総代(Valedictorian)になるとのジンクスがある[6]
ロウ記念ホールの西側に位置するチャペル。1907年に完成、1966年にニューヨーク市歴史建造物に指定されている[37]。結婚式やミニコンサートにも使用されている。
1924年完成。700人収容のコンサート・ホールで、学生主催の各種イベント、学外音楽家のコンサートなどに使用される。米国内外で活躍する最先端の作曲家・演奏家を紹介する演奏会シリーズ「コンポーザー・ポートレイト」が大きな注目を集める。
1910年完成。当初はロー・スクールの建物として使われていた。のち東アジア地域研究の拠点となり、現在は米国有数の東アジア専門図書館である「C・V・スター東アジア図書館」が入っている。日本文学研究のドナルド・キーンエドワード・サイデンステッカーもここで研究に従事し、図書館閲覧室には二人のパネルが飾られている[38]
 
シェマーホーン・ホール
現代遺伝子科学の基礎となる研究でノーベル医学賞(1933年)を受賞したトーマス・ハント・モーガンの研究室(「蝿の部屋 Fly Room」として有名)がある。彼の弟子および孫弟子のうち5人が後にノーベル医学賞を受賞している。また、ここは、フランツ・ボアズにより米国初の人類学科が1899年に設けられた場所でもある[39]
化学学科の建物で、ここで行われた研究により、これまで7人の教授がノーベル化学賞を受賞している。この中の309番教室は「大講義室 (Grand Lecture Hall)」と呼ばれる木造の階段教室(330席)で、多くの映画のシーンに登場している[40]
第二次大戦前にムッソリーニ政権による対外発信拠点として設けられた建物。ファシズムとの関係が議論となり長く閉鎖されていたが、建築物としての美しさから1991年にイタリア政府が再購入契約を結び、大幅リフォームのうえ1996年にイタリアン・アカデミーの拠点として再オープンした[41]。これもニューヨーク市歴史的建造物に指定されている。
1897年完成。当初はスクール・オブ・ジェネラル・スタディーズやコロンビア大学出版会のオフィスとして使われていた。1977年以降はフランス政府の文化交流機関であるメゾン・フランセーズの主オフィスで、大学キャンパス内のフランス文化施設としては米国最古である[39]
 
哲学科前に置かれた「考える人」像
数学科の建物で、応用数学に関する世界的な専門図書館が入っている。アンドレイ・オクーロフなど5人がここでフィールズ賞を受賞した(このうち日本人は広中平祐森重文の二人)。建物が立っているのは1776年のハーレム・ハイツの戦いでジョージ・ワシントン率いる連帯がイギリス軍に勝利した場所でもあり、その記念碑がブロード・ウェイに面した建物の側面に埋め込まれている[6]
1910年完成。当初は電子工学研究所があり、ここでエドウィン・アームストロングFM放送の技術を開発したため合衆国史跡に指定されている[6]。その後は哲学科・文学科の拠点となり、ジョン・デューイエドワード・サイードガヤトリ・C・スピヴァクといった世界的な思想家・文学研究者がここで教壇に立っている。建物の前の中庭にオーギュスト・ロダンの銅像「考える人」が設置されている。

関連施設編集

  • ベーカー・アスレチックス・コンプレックス (Baker Athletics Complex) :マンハッタン最北部にある複合スポーツ施設[42]。ウィーン競技場(1万7000席)・サッカースタジアム(3,500席)のほかテニスコート、ボート・ハウスをもつ
  • リード・ホール (Reid Hall):フランス・パリのモンパルナス地区に置かれた分校。人文科学を中心とする研究拠点・渡欧する学生の滞在拠点として使われている。
  • アーデン・ハウス (Arden House):ニューヨーク州ハリマンにある国際会議場。主にビジネススクールの研修施設として使用されている。1966年に合衆国史跡に指定された。

図書館編集

図書館群全体の規模は米国有数で、22の図書館に1,344万冊、640万枚のマイクロフィルム、2,600万冊の原稿、10万本以上のビデオDVD、20万件近い公文書等を有している。そのうち50万冊は館内閲覧のみの稀少本として所蔵されている。利用者数は年間300万人。[43]

 
バトラー図書館

総合図書館であるバトラー図書館には200万冊超の蔵書をおさめ、館内に設置された書棚の幅は合計280kmを超す。バトラー図書館は近年急速に電子化が進められ、キャンパス内外からアクセスできる「クリオ (Clio) 」というきわめて強力な統合データベースを通じて約700万タイトルの電子書籍と、主要な学術誌の大半をダウンロードできるほか、電子化されていない書籍等はスタッフが電子化・送付するサービス(Scan&Deliver)を行っている[44]

2006年にノーベル文学賞を受賞したオルハン・パムクは、代表作の一つ『黒い本』をバトラー図書館の閲覧室で執筆している[45]

またエイヴリー建築芸術図書館は、同分野で米国最大の規模(所蔵数:40万冊)。所蔵数100万冊のロースクール図書館は、蔵書数で国内2位、特に外国の法律国際法関連のコレクションが充実している。C・V・スター東アジア図書館は、米国最大規模の東アジア関係専門の図書館で、日本中国韓国合せて65万冊の蔵書、4,000種類の新聞雑誌等の定期刊行物をおさめる[39]

他には生物学図書館、化学図書館、地質学図書館、物理学天文学図書館、数学科学図書館、リーマン社会科学図書館、ワトソン経済経営学図書館などがある。

学生生活編集

 
バトラー図書館のメイン閲覧室

入学は米国の大学でも最難関のグループで、2018年は4万203人の志願者に対して合格者2,214人、合格率は5.5%だった[46]

2018年現在の学費は、医学部をのぞく全学部平均で年間約5万7000ドル(約640万円)。これに加えて家賃・書籍購入など諸経費を合わせた年間の支出総額は約7万4000ドル(約830万円)前後とされている[47]

こうした学費高騰を背景に、優秀・多様な学生を確保するため学費補助・奨学金などの支援制度が充実している。入学希望者は経済的条件を確認する書類の提出が不要とされるほか[48]、入学者の56%が学費補助を受けており、その多くは学費のほぼ全額が奨学金等でカバーされている[47]。入学者の出身地は全米50州に散らばっており、16%は外国籍、また17%は家族の中で初めて大学に入学する生徒だった[46]

フルタイムの教職員数は4,414名で、教職員一人当たりの学生数は約7人。全講座の80%で学生数20人以下を維持している。1919年から「コア・カリキュラム」と呼ばれる教養課程を全学生必修としていることが特徴で、文学史・美術史・世界史・自然科学の徹底した講義が行われるほか一部に楽器実習も取り入れられている[49]

マンハッタンの中心部に位置するため文化・スポーツ施設等へのアクセスが容易なことは、コロンビア大学の大きな特徴である。コロンビア大学の学生・教職員はメトロポリタン美術館ニューヨーク近代美術館(MOMA)など市内主要ミュージアムへ無料で入館できるほか、国連本部や各種報道機関・様々な企業と提携したインターンシップも約1000件を超す[39]

ジュリアード音楽院など学位交換の提携関係にある機関が多数あるほか、カレッジの3年生を対象としたオクスフォード大学・ケンブリッジ大学への交換留学制度、語学研修を中心とした世界54カ国200機関との海外留学プログラムなどが設けられている[50]

地方・外国から入学した学部生の多くは大学側が周辺に提供する住居 (Columbia Housingで暮らす。大学側が運営する食堂 (Columbia Dining) があるほか、多くの図書館・ホールにカフェBlue Java Coffeeなど)が入る。学用品や教科書の購入は、キャンパス内でバーンズ&ノーブルが運営する公式ブックストア (Columbia Official Bookstoreや、提携する近隣書店 (Book Cultureが利用されている。

課外活動・スポーツ・伝統行事編集

学生運営の新聞・雑誌等編集

  • コロンビア・デイリー・スペクテイター (Columbia Daily Spectator):米国で2番目に古い学生新聞。学期期間中はキャンパス各所で無料配布される。教授陣のセクハラ実態を調査するといった記事で主要メディアの注目を集めることも多い。近年は学生の人種・性別ダイバーシティ推進を訴える記事に力を入れている。
  • コロンビア・レビュー (Columbia Review):米国で最も古い学部生運営の文学評論誌。
  • コロンビア・ロー・レビュー (Columbia Law Review):購読数(全米3位)、引用数(全米2位)
  • WKCR(学生FMラジオ局):世界最古のFMラジオ局。
  • CTV:米国で2番目に古い学生TVステーション。

主なクラブ活動編集

  • コロンビア大学オーケストラ (The Columbia University Orchestra):1896年創設の学生オーケストラで、継続して活動している大学オーケストラとしては全米最古。
  • コロンビア模擬国連 (Columbia Model United Nations in New York):架空の国際危機を想定して、国連会議をシミュレーションするイベント。毎年、キャンパスで開催される。

スポーツ活動編集

 
ウィーン競技場(Lawrence A.Wien Stadium)

正規チーム数(31)・同好会チーム数(30)。正規チームはすべて「コロンビア・ライオンズ (Columbia Lions)」の名称を冠する。2006年度に年間のアイビー・リーグ優勝数としては最多記録の5種目を達成した。(フェンシング男女、テニス男子、サッカー女子、ゴルフ女子)

  • ボート部:1878年に英国以外の大学として最初にヘンリー・ロイヤル・レガッタで優勝した。
  • レスリング部:米国初の大学レスリング部。
  • アメリカン・フットボール部:米国で3番目に大学間試合に参加、最初の対戦相手は、ラトガース大学。1934年のローズ・ボウルではスタンフォード大学に勝って優勝している。アメリカ・フットボール殿堂メンバーを何人も輩出したが近年は低迷している。伝統的にコーネル大学とライバル関係にあり、同校との対戦は「エンパイア・ステート・ボウル」と呼ばれて両校関係者の注目を集める。ホームグラウンドはマンハッタン最北部にあるウィーン競技場
  • フェンシング部:全米クラスのチームを有する。NCAA優勝(26回、44種目)、Ivy League優勝(リーグ最多の男子32回、女子7回)
  • サッカー部:アイビー・リーグ戦で優勝(男子はリーグ3位の9回)
 
ルー・ゲーリッグ

著名なスポーツ選手編集

アメリカ野球殿堂編集

 
創立250周年を記念して卒業生から寄贈されたライオン像

伝統行事編集

  • ファーストイヤー・マーチ (First Year March)
新入生のオリエンテーション期間中の行事の一つで、学生会館 (Lerner Hall) の裏口から一旦キャンパスの外に出てブロードウェイ116丁目の正門から再びキャンパスに入ることにより、「正式」にコロンビア生となる儀式。
  • ネイキッド・ラン (Naked Run)
毎年10月、運動部のイニシエーション儀式に一般学生が参加して「獅子よ吠えろ (Roar Lion Roar)」という運動部の応援歌を歌いながら裸でキャンパスを一周する行事[51]
 
冬季に点灯されたカレッジ・ウォークの並木
  • プライマル・スクリーム (Primal Scream)
各学期の期末試験中の日曜日の夜中12時にストレス発散で学生が寮の窓からキャンパスに向かって大声で叫び声を上げる伝統行事。同様の伝統は、ハーバード大学コーネル大学スタンフォード大学等にもある。
独立戦争前から始まったとされる伝統儀式で、クリスマスシーズンに軍服を着た学生の一群がキャンパス中央の日時計からジョン・ジェイ・ホールのラウンジ内の暖炉まで薪を運び、クリスマスキャロルの歌声の中で、薪に火をつける。その際、カレッジ卒業生であるクレメント・クラーク・ムーアの詩が朗読される[50]
  • オルゴ・ナイト (Orgo Night)
有機化学(Organic Chemistry)の試験の前日の夜、総合図書館 (Butler Library) で真面目に試験勉強をしている学生の邪魔をする目的で、30分間、大学マーチング・バンドが騒音を立てたり、大声で大学関連のジョークを披露する。その後バンドは学部生寮に向かい、最後にバーナード・カレッジの寮の下で、紙くずや水の入った風船の雨を浴びる[50]
  • ジョイス・キルマー記念「最悪の詩人」コンテスト (Joyce Kilmer Memorial Annual Bad Poetry Contest)
1908年卒の詩人ジョイス・キルマーに因んで、詩歌文芸クラブ(The Philolexian Society) が主催する詩の朗読コンテスト。最もウィットに溢れかつ最悪の詩の作者に対して桂冠詩人の称号が与えられる[51]
  • カレッジ・ウォーク点灯式 (Tree-Lighting Ceremony)
1998年から始まった新しい行事で、12月初旬、期末試験が始まる直前の週に、キャンパス中央の並木道(カレッジ・ウォーク)に飾られたデコレーションライトを点灯する儀式。キャンパス中央の日時計に学生が集まり、複数のアカペラ・コーラス・グループのパフォーマンスと学長や来賓のスピーチを聞く。ココアが無料で振る舞われる。ライトは2月28日まで点灯される[51]
  • ホーム・カミング (Home Coming)
学部主催の卒業生の同窓会で卒業後5年ごとに開かれる。その際アメフトの試合を観るのが慣例となっており、通常、対戦相手はプリンストン・タイガースである。コロンビア大学マーチング・バンドは、ライオンズがタッチダウンする度に運動部の応援歌「獅子よ吠えろ (Roar, Lion, Roar)」を演奏する。ハーフタイムでは卒業生が全員起立して校歌「憂いはなし (Sans Souci)」を斉唱する[50]

フィクションで描かれたコロンビア大学編集

そのほか、キャンパスで撮影された映画の例:

その他編集

 
アメリカ合衆国10ドル紙幣(SERIES 2004A)。アレクサンダー・ハミルトンの肖像画は、1805年に画家ジョン・トランブルが描いたものを基にしている。

脚注編集

[ヘルプ]
  1. ^ Columbia by Numbers”. 2018年11月20日閲覧。
  2. ^ Facts and Statistics | Office of the Provost” (英語). provost.columbia.edu. 2018年11月13日閲覧。
  3. ^ Columbia University Facts 2017”. 2018年11月21日閲覧。
  4. ^ a b Statistics & Facts | Columbia University in the City of New York” (英語). www.columbia.edu. 2018年11月13日閲覧。
  5. ^ 憲章はその勅許が合衆国憲法の制定より早いため、憲法に優先するという解釈もある。
  6. ^ a b c d e f g h Batterson, Paulina A. (2001). Columbia College: 150 Years of Courage, Commitment, and Change, U. of Missouri Press.
  7. ^ その後現在ロックフェラー・センターがある場所に移り、さらに同地を売却して現在のキャンパスに移転した。
  8. ^ columbia jourbnalis - Google 検索” (日本語). www.google.com. 2018年11月18日閲覧。
  9. ^ Columbia Lion - WikiCU, the Columbia University wiki encyclopedia” (英語). www.wikicu.com. 2018年11月18日閲覧。
  10. ^ Columbia's Nobel Laureates”. 2018年11月21日閲覧。
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参考文献編集

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  • McCaughey, Robert A. (2003). Stand, Columbia: A History of Columbia University in the City of New York, 1754-2004, Columbia UP.

関連項目編集

外部リンク編集