コーヒーカップ: coffee cup)は、コーヒーを飲む時に用いられる茶碗のこと[1]。「コーヒー」あるいは「コーヒー茶碗」ともいう[2]

泡だてたコーヒーの入ったコーヒーカップと皿

概説 編集

上辺の開きが(比較的)少なくて、取っ手がついている洋風茶碗である[1]

一般的に米国ではティーカップよりも大きく[3]、英国ではティーカップよりも小さい[3]

手付き[2](取っ手付き・持ち手付き)、脚付き[2]、これらの両方が付いた手脚付き[2]がある。また、容器体と脚部(ホルダー)が分離しているものもある[2](インサートカップ)。

ティーカップと同様に取手付きのカップとソーサー(受け皿)をセットにしたものもある[2]。また、コーヒーポットミルクピッチャー、砂糖入れなどとともにコーヒーセットを構成する[2]

一般なスタイルのコーヒーカップは、紅茶用のティーカップと比較して口が小さく、カップの上下での幅の違いが少ない。これは一説には、コーヒーの香りが飛んでしまうのを抑え、コーヒーが冷めるのを防ぐためだと言われる。

なお、北ヨーロッパでは、コーヒーカップの中でも特に背が高い、トールカップと呼ばれるコーヒーカップが好んで使用される。特に寒い時期は、このトールカップにホットコーヒーを注ぎ、それを両手で包むように持つことによって、手も温めている者がしばしば見られる[4]

喫茶店の学校などでしっかりしたトレーニングを受けた店主や店員がコーヒーを提供する場合は、(多くの場合)お客から見て左側に「取っ手」が来るようにコーヒーカップを置く。これは「フレンチスタイル」などと呼ばれており、元をたどればフランス流である。なぜ左側に取っ手なのかというと、客はまずは砂糖やミルクなどを入れて、自然と(利き手のことが多い)右手でスプーンを持ってかき混ぜようとする。その時カップがひっくり返らないように支えようとするが、それは自然と左手になるので、カップの取っ手は左側にあったほうが都合がよい(左側に取っ手がないと、熱い部分を持ってしまうことになり、火傷をしかねない)。客はスプーンで混ぜた後にスプーンを置き、カップを半回転させ右側に来た取っ手を持って飲む、というのがフレンチスタイルである。

特殊なコーヒーカップ 編集

マグカップ
大型で取っ手の付いたもので、通常は受け皿がない。マグカップとは日本独自の名称で、本来は「マグ」自体がカップの意味になる。ビアマグ、コーヒーマグなど。
タンブラー
本来はコップと呼ばれる筒型の底の平らな飲料用容器全般(タンブラーグラス)を指す[5]が、日本においてはタンブラーグラスの一種で保温機能を持ったふた付きの「サーモマグ」や「トラベルマグ」に限定して「タンブラー」と称するケースが多い。
デミタス
通常の半分程度の大きさで、エスプレッソを飲む場合に用いられる。demiは半分、tasseはカップの意。
カフェオレ・ボウル
カフェ・オ・レを飲むときに用いる専用の食器。大きめで全体的に丸い形状であり、取っ手がない。

一覧 編集

出典 編集

  1. ^ a b 広辞苑第六版「コーヒーカップ」
  2. ^ a b c d e f g 特許庁「意匠分類定義カード(C5)」
  3. ^ a b 大修館書店 『ジーニアス英和辞典(第4版)』 377頁
  4. ^ 柄沢 和雄 『コーヒードリンク246』 p.154 柴田書店 1995年8月10日発行 ISBN 4-388-05755-X
  5. ^ 大辞林』第三版、2006年、三省堂

関連項目 編集