コーラ(学名:Cola)は、約125からなるアフリカ熱帯雨林に植生するアオイ科クロンキスト体系新エングラー体系ではアオギリ科コラノキ属植物の総称である。常緑樹で、約8-15メートルほどに育つ[2]

コーラ
コーラ・ナッツ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ上群 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : アオイ群 Malvidae / rosid II
: アオイ目 Malvales
: アオイ科 Malvaceae
亜科 : Sterculioideae
: コラノキ属 Cola
学名
Cola
Schott & Edwards[1]
  • コラノキ Cola nitida
  • ヒメコラノキ Cola acuminata
など
コーラの実
コーラの実

種子の利用 編集

コーラのうちCola nitidaの種子コラ・ナッツと呼ばれる[2]。2-2.5%のコラチンカフェインの一種)、0.02%のテオブロミンを含み、興奮剤として古くからアフリカで用いられた[2]。乾燥させた種子を粉にして水に溶かし、砂糖、はちみつ、ミルクを加えて飲用する[2]ガーナブラジルが主産地である[2]

なお、近縁のヒメ・コーラ(C.acuminata Schott et Endlicher)からもコラナッツが得られ、これが真正のコーラであるとする説もある[2]

少しずつ噛み砕いて楽しむ嗜好品として用いられる。都市部の市場などで流通するコーラ・ナッツは、クリの実ほどの大きさで、白色から赤色をしている。アフリカでは族長や客人向けに出されることがよくある。噛むと強い渋味を感じるものの、一時的に空腹感を紛らわせることが出来る。なお、コーラ・ナッツを常用すると、歯の表面にステインが付き、歯が茶色くなることもある。ただ、近年は、アフリカ西部では若年層がコーラ・ナッツを噛むことは少なくなってきている。

イスラム教の影響 編集

嗜好品の多くが禁じられているイスラム文化においては、コーラ・ナッツは唯一許された興奮剤であった。そのため、産地である熱帯雨林地帯ではほとんど消費されず、古くからサヘル地域やサハラ交易においてもっぱら注目されて取引されていた、言わば商品作物であった。

コーラの原料 編集

炭酸飲料として著名なコーラは、コーラ・ナッツのエキスを用いていたことからその名が付けられた。ただし、コーラ・ナッツは高価なため、コカ・コーラペプシコーラと言った大手飲料メーカーが現在大量生産するコーラは、コーラ・ナッツを使用せず香料で代用している。一方で、クラフトコーラの中には、当時のレシピを再現してコーラ・ナッツを含むものもある。

脚注 編集

出典 編集