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ゴッタン

ゴッタンは角形と丸形とある。写真は宮崎県伝統工芸士 黒木俊美の規格で作られた上牧正輝の作品

ゴッタンとは、南九州地方に伝わる伝統工芸品の民族楽器。主に杉を材料とした板張りで3本の弦の弦楽器である。別名「箱三線」、「板三線」とも呼ばれる。宮崎県では伝統的工芸品に指定されている。

ゴッタン ごったん
別称:箱三線,板三線
各言語での名称
Gottan
分類

ゴッタンは胴箱に穴が無く音はこもった音で小さく低く素朴。3つの弦を同時に弾く濁音に魅力があり、唄声を殺さず弾けるため、語りもの、民謡唄やはやし唄の伴奏楽器としてテレビやラジオのない時代から長く娯楽に用いられてきた。「なにはなくともゴッタン」と言われ、庶民の楽器として薩摩地方を中心に姶良、国分、福山、財部、都城など南九州に拡がった。現在では作り手も歌い手も減りつつあり、時代に埋もれ行く幻の存在になっている。ゴッタンは三味線のような甲高い音は出ないため、唄を織り交ぜながら楽器のリズムと張り上げる唄声、歌詞の面白さの三つがあってこそその魅力を存分に引き出せる楽器と言える。 ゴッタンの大家に故:荒武タミがいる。伝説の奏者と呼ばれ、妙なる演奏にて人々を魅了した。演奏にては通常は人差し指だけで弾く「爪弾き(つまびき)」で演奏する。荒武タミが演奏した際には、時には五本指全部使って3つの弦をはじいて演奏したり、また別の奏者においては弾きながら箱の下部を叩いて太鼓のかわりにリズムをとるという奏法も存在した。現在では荒武タミの最後の弟子として橋口晃一が後継として演奏を引き継いでいる。

現在代表されるゴッタン奏者 ・甑島ゴッタンクラブ・成音会・永山成子・サカキマンゴー・寺原仁太・南部式

ゴッタンの歴史編集

ゴッタンは当時の薩摩中国との貿易をしていた沈没船の中から発見された。元は貴州省ミャオ族に伝わる三弦琵琶の楽器でその名を古弾(グータン)。雲南省や貴州省などの照葉樹林帯の生活、習俗、儀礼など日本文化の共通性が多く指摘、報告があるが、その照葉樹林文化にのって日本にやってきたようだ。ゴッタンが伝えられる際、水神信仰につながる呪具(じゅぐ)、雨乞いの道具としての性格も併せ持っていたため、いつの時代でも民衆が手放さなかったのではないかとの民俗学者、故鳥集忠男は「花和尚訪中記」の中で指摘している。

中国から薩摩へ伝来してから、南九州で独自の進化を遂げ念仏信仰の伴奏楽器として根付き、南九州の伝統楽器として現代へ伝わっている。

島津藩の時代、過酷な念仏弾圧に人々は隠れ念仏洞と呼ばれる洞窟などに隠れて念仏を唱えていたが、ゴッタンの出現によって明るい場所で唄に織りまぜて念仏唄として弾くようになった。荷方節などの曲が有名、ゴッタンの伴奏に合わせて喜びや悲しみを込めて唄った。

鹿児島県での名前の由来は大工が新築のお宅の棟上げ前に余った材料で宴用に一晩で作った楽器として、ゴツくて不細工なという意味で「ゴッタマしい」語尾に鹿児島地方独特の言い回しで「~ドン」の派生語で「~タン」とつける言葉が重なって"ゴッタン"と言うようになったとの伝説もある。

関連項目編集

外部リンク編集