非表現突然変異(ひひょうげんとつぜんへんい)は、DNA突然変異で、タンパク質アミノ酸配列には影響を及ぼさないものである。DNAの非コード部位遺伝子の外側部分または、イントロンの部位)の変異、もしくはエキソンにおける最終的なアミノ酸配列には関与しない範囲での変異である。サイレント突然変異 (silent mutation) ともいう。

タンパク質の機能に影響しないので、進化中立であるかのようにしばしば扱われる。しかしながら、多くの生命体でコドン使用の種による多様性が知られているので、コドンの使用は翻訳の安定性を目的とする自然選択であることを示唆している。よって、非表現突然変異はスプライシング翻訳のコントロールに影響を及ぼすかもしれない。

分子クローニング実験において、目的の遺伝子に非表現突然変異を導入することは、制限酵素のために認識部位を作成、または取り除くために役に立つ。外部リンクで認識部位を作成する変異可能な目的の配列を分析することができるオンラインツールを紹介する。

最近の研究結果では、非表現突然変異は、タンパク質の構造や挙行に影響を及ぼしうる可能性を示唆している。[1],[2].

参考文献 編集

  1. ^ http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/315/5811/466
  2. ^ http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2006/1222/2
  • Chao HK, Hsiao KJ, Su TS (2001). “A silent mutation induces exon skipping in the phenylalanine hydroxylase gene in phenylketonuria”. Hum Genet 108 (1): 14-9. PMID 11214902. 
  • Montera M, Piaggio F, Marchese C, Gismondi V, Stella A, Resta N, Varesco L, Guanti G, Mareni C (2001). “A silent mutation in exon 14 of the APC gene is associated with exon skipping in a FAP family”. J Med Genet 38 (12): 863-7. PMID 11768390.  Full text
  • Chava Kimchi-Sarfaty, Jung Mi Oh, In-Wha Kim, Zuben E. Sauna, Anna Maria Calcagno, Suresh V. Ambudkar, Michael M. Gottesman (2007). “A "Silent" Polymorphism in the MDR1 Gene Changes Substrate Specificity”. Science 315: 525-528.  Abstract Summary Full Text

外部リンク 編集

関連項目 編集