サラセミア
サラセミア(thalassemia)は、ヘモグロビンを構成するグロビン遺伝子の異常による貧血である。(溶血性貧血をきたす遺伝性疾患である)地中海沿岸に多いので地中海貧血、地中海性貧血とも言う。
病態 編集
グロビン蛋白の異常によって正常な赤血球が作られず貧血になる。異常なヘモグロビンを持つ赤血球は脾臓で次々と破壊される。赤血球が脾臓で破壊されることを血管外溶血と言う。標的赤血球と呼ばれる特徴的な赤血球が見られる。
分類 編集
ヘモグロビンは、ポリペプチド鎖であるα鎖グロビン2分子とβ鎖グロビン2分子が結合した四量体(tetramer)にヘム(鉄錯体)が加わったものである。サラセミアは、主に次の2種類に分類される[1]。
原因 編集
統計 編集
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症状 編集
サラセミアの種類によってもことなるが、以下のようなものが代表的なものである[1]。
合併症 編集
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検査 編集
治療 編集
予後 編集
重症型は予後不良で30歳までに心不全などにより死亡する。
診療科 編集
歴史 編集
1925年、クーリー(Cooley)とリー(Lee)によって病態の診断が確定される。当初はクーリー貧血と呼ばれたが、地中海沿岸地域に多発しているため、ギリシア語の海を表すΘαλασσα(Thalassa)から、サラセミア(Thalassemia)と名づけられた。ただし、地中海特有というわけではなく、世界中、特にマラリア多発地域において散見される。
各国において 編集
地中海沿岸 編集
発症頻度が高い。遺伝子異常の種類によって軽症から重症まで様々あり、地域性も異なる。
日本 編集
スクリーニングを含めた研究プロジェクトで、サラセミアは日本人にも決して少なくないことが明らかとなった。日本人のβサラセミア(日本人の700~1000人に1人の頻度)の8割は8種類の変異のどれかであり、しかも変異によってかなり地域的に偏ることがわかった。[要出典] [3]
脚注 編集
関連項目 編集
- 突然変異
- 鎌状赤血球症 - 同じく異常ヘモグロビンによる遺伝性の貧血症
- グルコース6リン酸脱水素酵素欠損症 - 同じくマラリアに抵抗性をもつ疾患