サンキュー ミスター・チャーチル

ピーター・フランプトンのアルバム

サンキュー ミスター・チャーチル [注釈 1]』(Thank You Mr. Churchill)は、イングランドロック・ミュージシャン、ピーター・フランプトン2010年に発表した、ソロ名義では14作目のスタジオ・アルバム

サンキュー ミスター・チャーチル
ピーター・フランプトンスタジオ・アルバム
リリース
録音 オハイオ州シンシナティ マッチモア・スタジオ[2]
テネシー州ナッシュビル ブラックバード・スタジオ(#10)[2]
オーバー・ダビング(ハモンドオルガン):ウッドクリフ・スタジオ(#1)[2]
ジャンル ロック
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗ニュー・ドア・レコード
欧州連合の旗イーグル・レコード
プロデュース クリス・キムゼイ、ピーター・フランプトン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 154位(アメリカ[3]
  • ピーター・フランプトン アルバム 年表
    Fingerprints
    (2006年)
    サンキュー ミスター・チャーチル
    (2010年)
    Hummingbird in a Box
    (2014年)
    テンプレートを表示

    背景 編集

    タイトル曲は第二次世界大戦に出征した父親が生還し、その結果、自分が誕生できたことに感謝した反戦歌である[4]。「ロード・トゥ・ザ・サン」では、当時21歳であったフランプトンの息子ジュリアン・フランプトンがボーカルを担当した[1]。「ヴォードヴィル・ナナ・アンド・ザ・バンジョーレレ」は自身の祖母を題材としており[5]、「バンジョーレレ」とはバンジョーウクレレを融合した楽器で、フランプトンは7歳の頃に祖母からこの楽器を贈られて、音楽に興味を持つようになった[6]

    収録曲のうち「アスリープ・アット・ザ・ホイール」と「リベルテ組曲」の一部「Megumi」は、北朝鮮拉致被害者の横田めぐみに捧げられた曲で、フランプトンはドキュメンタリー映画『めぐみ 引き裂かれた家族の30年』に触発されて、これらの曲を書いたという[5]。「インヴィジブル・マン」はモータウンに捧げられており、ファンク・ブラザーズ英語版のメンバーがゲスト参加した[4]

    日本盤は2010年5月17日に発売される予定だったが、いったん中止となり[7]、最終的にはボーナス・トラック3曲を含む仕様で6月23日に発売された[1]

    反響・評価 編集

    アメリカでは2010年5月15日付のBillboard 200で154位を記録したが、翌週にはチャート圏外に落ちた[3]。Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「野心的なコンセプト・アルバムという体裁にふさわしく、濃密なリフ、組曲、うねりのあるブルース・ジャムといった要素を持つヘヴィなプログレッシブ・ロック・レコードとして結実した」と評している[8]

    収録曲 編集

    特記なき楽曲はピーター・フランプトン作。7.はインストゥルメンタル[9]

    1. サンキュー ミスター・チャーチル - "Thank You Mr. Churchill" (Peter Frampton, John Regan) - 4:52
    2. ソリューション - "Solution" (P. Frampton, Gordon Kennedy) - 3:49
    3. ロード・トゥ・ザ・サン - "Road to the Sun" (P. Frampton, Julian Frampton) - 5:10
    4. アイム・デュー・ア・ユー - "I'm Due a You" (P. Frampton, G. Kennedy) - 5:00
    5. ヴォードヴィル・ナナ・アンド・ザ・バンジョーレレ - "Vaudeville Nanna and the Banjolele" (P. Frampton, G. Kennedy) - 4:35
    6. アスリープ・アット・ザ・ホイール - "Asleep at the Wheel" - 6:50
    7. リベルテ組曲 - "Suite: Liberte" - 7:28
      • A: Megumi
      • B: Huria Watu
    8. リストレイント - "Restraint" (P. Frampton, G. Kennedy) - 3:42
    9. アイ・ウォント・イット・バック - "I Want It Back" - 4:40
    10. インヴィジブル・マン - "Invisible Man" (P. Frampton, G. Kennedy) - 4:49
    11. ブラック・アイス - "Black Ice" - 4:48

    日本盤ボーナス・トラック 編集

    12.と13.は、ヨーロッパで発売されたスペシャル・エディション盤にも収録された[10]

    1. アイ・アンダースタンド - "I Understand" - 3:29
    2. ア・サウザンド・ドリームス - "A Thousand Dreams" - 5:17
    3. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス - "While My Guitar Gently Weeps (Live at the Ryman)" (George Harrison) - 6:47

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    注釈 編集

    1. ^ 日本盤CD (VQCD-10189)の帯およびライナーノーツの表記に準拠。

    出典 編集

    1. ^ a b c Peter Frampton最新作が国内盤で登場!”. CDJournal. 音楽出版社. 2020年1月28日閲覧。
    2. ^ a b c CD英文ブックレット内クレジット
    3. ^ a b Peter Frampton Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2022年10月16日閲覧。
    4. ^ a b Peter Frampton, "Thank You Mr. Churchill"”. Billboard (2010年5月14日). 2020年1月28日閲覧。
    5. ^ a b ピーター・フランプトン、横田めぐみさんに捧げる2曲の思い”. BARKS. JAPAN MUSIC NETWORK (2010年8月18日). 2020年1月28日閲覧。
    6. ^ James, Steve (2010年5月12日). “Peter Frampton at 60: Do you feel like I feel?”. Reuters. 2020年1月28日閲覧。
    7. ^ ピーター・フランプトンの4年ぶり新作、SHM-CD仕様で日本発売決定”. CDJournal. 音楽出版社. 2020年1月28日閲覧。
    8. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Thank You Mr. Churchill - Peter Frampton”. AllMusic. 2020年1月28日閲覧。
    9. ^ 日本盤CD (VQCD-10189)歌詞カード
    10. ^ Peter Frampton - Thank You Mr Churchill (2010, Special Edition, CD) | Discogs

    外部リンク 編集