サンスター

日本の日用品・トイレタリー用品メーカー
サンスター歯磨から転送)

サンスター株式会社(Sunstar Inc.)は、大手日用品トイレタリー用品メーカーである。

サンスター株式会社
Sunstar Inc.
サンスター本社(高槻市)
サンスター本社(高槻市)
種類 株式会社
市場情報 非上場(以下は過去のデータ)
大証1部(廃止) 4913
2007年7月26日上場廃止
本社所在地 日本の旗 日本
569-1195
大阪府高槻市朝日町3番1号
設立 1950年(昭和25年)11月10日
(創業:1932年
業種 化学
法人番号 8120901011027
事業内容 歯磨、歯ブラシ、デンタルリンス、ヘアケア・スキンケア製品、食品、石けん・洗剤、化学品等の製造販売
代表者 代表取締役 𠮷岡 貴司
資本金 100億円
売上高 473億7500万円
(2022年12月31日時点)[1]
営業利益 9億1400万円
(2022年12月31日時点)[1]
経常利益 10億0500万円
(2022年12月31日時点)[1]
純利益 5億7900万円
(2022年12月31日時点)[1]
総資産 450億3400万円
(2022年12月31日時点)[1]
従業員数 996名(2020年3月)
決算期 3月
関係する人物 金田邦夫(創業者)
外部リンク www.sunstar.com ウィキデータを編集
特記事項:日本法人について記述。設立日は4社合併時のもの。
テンプレートを表示

本社は大阪府高槻市に所在する。みどり会の会員企業であり三和グループに属している[2]

かつては、大阪証券取引所に上場していた。

概要 編集

創業者の金田邦夫が、1932年に大阪で金田兄弟商会を設立して自転車部品の販売を始め、のちに自転車用ゴム糊を製造したのが始まりである。

その後、金田が戦後に設立した金田軽金属チューブ工業所でゴム糊を充填した金属チューブを開発し、その中身に歯磨剤を充填したことがきっかけで、自転車部品の販売から歯磨剤歯ブラシ等の製造を開始する会社へと転身し、現在ではオーラルケア用品を中心として、シャンプーヘアースプレー洗剤等の製造・販売を行っている。オーラルケア用品市場はライオン花王とシェアを争っている。自転車関連事業からは撤退したが、グループ会社のサンスター技研オートバイ用のスプロケットディスクブレーキの製造を行っている。

社名の「サンスター」は、合併前の「星光社」が自社の自転車に使用する予定だった商標からきている。また、同社のかつてのシンボルであった『ペンギン』は塩野義製薬が薬用歯磨き発売の提携時に発案したもので、カラーの使用ができない当時の媒体でモノクロでも印象を与えられることや、南極の清涼感をイメージさせることから採用され、塩野義製薬の社章である分銅マークも入れて販売していた。

1969年に塩野義製薬との提携が解消された際にペンギンの使用は一旦取りやめとなったが、市場においてイメージの浸透度が大きかったことから、1972年に塩野義製薬よりペンギンの商標を取得し再び使用している。グループ会社であるサンスター技研のユーザー企業・販売店の親睦団体である「ペンギン会」の名称も、このペンギンにちなんだものである。

なお、童謡の『ペンギンさん』(作詞:重園よし雄・作曲:平岡照章・歌:星野廣子)は、元々は1951年にサンスターシオノギのCMソングとして作られたもので、1951年にビクターレコードからSP盤が発売されている。規格品番:B-183[3]

2007年2月14日、経営陣と従業員によるマネジメント・エンプロイー・バイアウト(MEBO/経営陣・従業員買収)を実施した上で株式非上場企業となることを発表し、同年7月26日大阪証券取引所(現物株市場は現在の東京証券取引所プライム市場及びスタンダード市場)で株式を上場廃止した。また2009年には本社機能を高槻市からスイスのSunstar SAへと移転したため、現在のサンスター株式会社はSunstar SAの日本法人扱いとなっている。

組織 編集

サンスター株式会社 編集

生産拠点:高槻、徳島
国内営業拠点:札幌、仙台、大宮、新潟、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡
事業所:東京、大阪

サンスターグループ 編集

スイスにグローバル本社を置くSunstar SAが、日本のサンスター株式会社を含む全世界の事業を統括している。 コンシューマービジネスグループ(オーラルケア事業、ヘルス&ビューティ事業)、インダストリアルビジネスグループ(モーターサイクル事業、ケミカル事業)があり、これを統括する経営本部がマネジメントを行っている。

サンスターグループは米州、欧州、アジアの約20か国にオフィスを持ち、約4,000人の従業員が在籍し、100を越える国・地域に製品やサービスを提供している。

MEBOの実施と訴訟 編集

2007年に実施されたMEBOの当初提示価格(650円)に対して、元株主より買い取り価格が低いという訴訟を起こされた。2009年9月、大阪高裁は原告側の主張に近い840円と決定した。判決に対しサンスター側が同年10月の最高裁に特別抗告をした。最高裁は2010年2月に会社側の抗告を棄却し判決が確定した。[4]

沿革 編集

  • 1932年:創業者の金田邦夫が大阪市住吉区(現在の平野区)で「金田兄弟商会」を設立し、後に自転車用ゴム糊の製造を開始。
  • 1941年9月:企業統合により「帝国合同護謨工業有限会社」が設立される。
  • 1942年:金田邦夫が帝国合同護謨工業の社長となる。
  • 1946年
    • 2月:「金田軽金属チューブ工業所」を設立し金属チューブの製造を開始。
    • 4月:株式会社星光社の依頼により『サンスター歯磨』を開発し製造を開始。
    • 9月:金田軽金属チューブ工業所を「金田金属工業株式会社」に改組。
    • 11月:「巴産業株式会社」を設立し自転車部品の生産にあたる。
  • 1948年
    • 3月:「有限会社太陽チューブ工業所」を設立。金属チューブの製造にあたる。
    • 5月:「極東化工株式会社」を設立しレザーの製造を開始。
    • 7月:星光社と塩野義製薬株式会社(コンシューマー事業は現在のシオノギヘルスケア)が薬用歯磨販売で提携。
  • 1950年11月:帝国合同護謨工業・金田金属工業・極東化工と星光社の4社が合併、「サンスター株式会社」設立。
  • 1951年:旧星光社にあたる部門(化粧品・自転車製造)が再分離。
  • 1952年
    • 4月:サンスター株式会社が「サンスター歯磨株式会社」に商号変更。
    • 7月:「サンスター歯刷子株式会社」を設立し歯ブラシの製造を開始。
  • 1953年
    • 9月:太陽チューブ工業と巴産業を、サンスター歯磨に吸収合併。
    • 11月:事業収支明確化のためサンスター歯磨より、太陽チューブ工業・巴産業・極東化工が再分離。
これら3社は後にサンスター技研となる。
  • 1955年6月:日本全国の販売店を組織化して「サンスター会」を結成。
  • 1956年9月:サンスター歯磨が全国10万軒の販売店を結集し、ペンギン会を結成。
  • 1958年8月:大阪府高槻市に現在の本社工場・研究所完成。
  • 1959年
    • 本社・研究・生産一元体制を確立。
    • 10月:極東化成株式会社がサンスター化学工業株式会社に商号変更。
  • 1961年10月:大阪証券取引所2部上場。(上場当時の証券コードは4913)
  • 1965年
    • 1月:巴産業株式会社がサンスター金属株式会社に商号変更。
    • 4月:サンスター歯磨が大阪証券取引所第1部上場。
    • 12月:太陽チューブ工業株式会社がサンスターパッケージ株式会社に商号変更。
  • 1966年
    • 2月:サンスター歯磨がアメリカのアルバート・カルバー社と合弁提携、アルバートサンスター株式会社設立。VO5ヘアスプレイでヘアケア分野に進出。
    • 4月:大阪証券取引所1部指定替え。
  • 1967年1月:サンスター化学工業がアメリカのエセックス・スペシャリティーズ社との合弁会社としてサンスターエセックス化学株式会社を設立。
  • 1969年
    • 9月:サンスター歯磨が塩野義製薬との販売提携を解消し、生産販売を一元化。
    • 11月:サンスター金属工業・サンスターパッケージ・サンスター商事・サンスター機工の4社合併により、株式会社サンスター金属を設立。
  • 1970年2月:サンスター化学工業が自動車ウインド用接着剤を国産化、アメリカの安全基準に従った施工技術も完成。
  • 1971年10月:株式会社サレーヌを設立し、訪問販売化粧品分野に進出。
  • 1972年12月:サンスター化学工業がアメリカのユニロイヤル社と技術提携。
  • 1973年8月:サンスター歯刷子がサンスター歯磨に合併。
  • 1977年
  • 1978年4月:サンスター化学工業がフランスのカウレップ社と提携し、塩化ビニールアンダーコート技術を導入。
  • 1979年4月:株式会社サンスター金属がサンスター金属工業株式会社に商号変更。
  • 1980年
    • 9月:英国ビーチャム社と技術提携。
    • 12月:サンスター歯磨を「サンスター株式会社」に商号を再変更。
  • 1982年5月:グループ内販売企業の統合により「サンスターグループ開発株式会社」を設立。
  • 1983年12月:サンスター社がアメリカのハウメディカ社と提携し、歯科技工分野に進出。
  • 1984年8月:サンスターグループ開発を「サンスター開発株式会社」に商号変更。
  • 1985年5月:「心身健康道場」を開設。
  • 1986年
    • 1月:日星流通株式会社を設立し、物流事業に進出。
    • 7月:米国にサネックス・インクを設立。
    • 11月:神戸で歯周病の国際シンポジウム「サンスターポートサイドシンポジウム」を開催。
  • 1987年2月:サンスターの徳島工場が完成。歯ブラシ生産機能を移転。
  • 1988年8月:米国歯科用歯ブラシメーカーJ.O.Butler社を買収。
  • 1990年1月:世界初の歯周病抗生物質治療薬ペリオクリンの製造承認を取得し発売
  • 1998年4月:サンスター開発を「エス・エム・アイ株式会社」に商号変更。
  • 2000年11月:エス・エム・アイを「サンスターマーケティング株式会社」に商号変更。
  • 2003年:創業家・金田家以外が初めて社長に就任(牧山義仁専務)。
  • 2007年
    • 2月:MEBOによる株式の非公開化と本社機能の一部のスイス移転を発表。
    • 7月:大阪証券取引所上場廃止。
  • 2009年9月:スイスエトワに Sunstar Suisse S.A. の本社ビルを完成させ、統括本部を設置。
  • 2011年4月:サンスター歯科保険振興財団を「一般財団法人サンスター財団」に移行。
  • 2012年2月:サンスター・エンジニアリング・インドネシアの第二工場稼働開始。
  • 2013年5月:サンスター・エンジニアリング Pte.Ltd.が、サンスター シンガポール Pte.Ltd.に社名変更。
  • 2014年:サンスター・アメリカズ・インクがブラジルオフィスを開所。
  • 2016年5月:サンスター・アメリカズ・インクがシカゴ郊外のシャンバーグに新オフィス・工場・開発センター開所。
  • 2017年
    • 5月:サンスター・ヨーロッパSAがオランダのOral Company Internationalを子会社化、ベネルクス3国でのオーラルケア製品販売を強化
    • 9月:サンスター技研がユーヴィックスを買収し、空気質改善事業を強化。サンスターが神戸大学と共同でバイオ医薬品ウィルス安全性評価試験を行うViSpot(バイスポット)株式会社を設立。
  • 2019 Launch of liquid applied UV Cure Masking Tape, Penguin Coat 4100[5]

主な製品 編集

オーラルケア 編集

  • トータルケア(歯磨き・歯ブラシ・洗口液など)
    • G・U・M(ガム):J.O.Butler社の買収により1989年から発売。
    • BUTLER(バトラー)
    • settima(セッチマ):1966年からドイツより輸入、1985年から自社生産。
    • Ora2(オーラツー):1998年発売。
    • LARK(ラーク)
    • Doクリア
    • エフコート:2015年9月18日発売。
    • イオニック
    • スコール

ヘアケア 編集

スキンケア 編集

  • SAREINE(サレーヌ)
  • EQUITANCE(エクイタンス)
  • Atopilogy(アトピロジー)

機能性食品 編集

  • 健康道場:青汁含む野菜ジュース等

工場 編集

関連企業 編集

CMに起用された有名人 編集

現在
過去

提供番組 編集

テレビ 編集

2024年3月現在

(一社提供)

(60秒以上)

(30秒)

過去(一社提供
過去(複数社提供)

その他にはフジテレビ深夜枠をはじめ、スポット枠などでCMを流している。

ラジオ 編集

2023年現在(単独提供)
過去(単独提供)

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e サンスター株式会社 第97期決算公告
  2. ^ メンバー会社一覧 - みどり会
  3. ^ ペンギンさん国立国会図書館デジタルコレクション - 2020年3月18日閲覧。
  4. ^ サンスターの敗訴確定=MBOめぐる株主訴訟 - WSJ日本版 - 2010年2月25日記事
  5. ^ Liquid Applied UV Cure Masking Tape”. 2023年5月28日閲覧。

参考文献 編集

  • 『サンスター40年の軌跡』サンスター株式会社 1985年

関連項目 編集

外部リンク 編集