サークル線

ロンドン地下鉄の路線
サークルラインから転送)

サークル線 (サークルせん、英語: Circle Line) は、ロンドン地下鉄の路線である。ハマースミス駅からエッジウェア・ロード駅を経由し、ロンドン中心部を一周したあとエッジウェア・ロード駅に戻る。かつては日本の山手線のような環状線環状運転を行っていたが、2009年にエッジウェア・ロード駅からハマースミス&シティ線に乗り入れする形で延長されたため、現在は日本の大江戸線のような「6の字型」運転である。世界で最初に開業した地下鉄であるメトロポリタン鉄道の区間を含み、早期にできた路線[2]であるため、全体的に地表から浅い位置を走る。地下鉄路線図の案内上では黄色に着色されている。1949年までインナー・サークルという呼称だった。

サークル線
ラインカラー 黄色
開業年 1884年
地下区間の工事方式 シールド
車両 S7形(7両編成)
駅数 35
路線営業長 27 km (17 mile)
車両基地 ハマースミス
ニーズデン
乗客数 73,000,000人(2017)[1] (年間)
ロンドン交通局鉄道路線
ロンドン地下鉄路線
  ベーカールー線
  セントラル線
  サークル線
  ディストリクト線
  ハマースミス&シティー線
  ジュビリー線
  メトロポリタン線
  ノーザン線
  ピカデリー線
  ヴィクトリア線
  ウォータールー&シティー線
その他の鉄道路線
  ドックランズ・ライト・レイルウェイ
  トラムリンク
  ロンドン・オーバーグラウンド
サークル線 
ハマースミス
uKACCaq uABZq+r uSTRq uHSTq uSTRq uSTR+r
ゴールドホーク・ロード
ハマースミス車両基地
uSTRl uKDSTeq uHST
シェパーズ・ブッシュ・マーケット
uHST
ウッドレーン
ハマースミス&シティー線
uHST
ラティマー・ロード
共用区間
uHST
ラッドブローク・グローヴ
uHST
ウェストボーン・パーク
ディストリクト線
utCONTg uHST
ロイヤル・オーク
ハイ・ストリート・ケンジントン
utABZgl+l utSTReq uBHFq utSTRaq utSTR+r uSTR exCONTg
クロスレール
グロースター・ロード
utINT utINT uSTR extSTRa
ノッティング・ヒル・ゲート
サウス・ケンジントン
utBHFea utHST uSTR extSTR
ベイズウォーター
utSTR
パディントン ナショナル・レール
スローン・スクエア
utHSTea utSTR utSTR+l utSTRr exLSTR
utSTR utXBHFea-L utXBHFea-R
エッジウェア・ロード
ナショナル・レール ヴィクトリア
utINT utENDEe utSTR utSTR+l utCONTfq
メトロポリタン線
utSTR utXBHF-L utXBHFea-R
ベイカー・ストリート
セント・ジェームズ・パーク
utHST utABZg+l utSTRr
utSTR utHST
グレート・ポートランド・ストリート
London River Services ウェストミンスター
utACC utHST
ユーストン・スクエア (ナショナル・レールユーストン)
London River Services エンバンクメント
utINT tSTR+l
tCONTfq
テムズリンク
(ナショナル・レールチャリング・クロス)
utSTR tSTR
キングス・クロス・セント・パンクラス
テンプル
utHST tSTRe utSTRe exLSTR
ナショナル・レール
utSTRl utSTR+r
ファリンドン ナショナル・レール
ナショナル・レール London River Services ブラックフライアーズ
CONTgq
tSTRaq tHSTq
uSTR
シティ・テムズリンク
(2011年まで地下鉄駅は閉鎖)
utSTR+l utSTRr exTUNNEL1 uTUNNEL1
マンション・ハウス
utHST exXBHF-L
バービカン
ナショナル・レール キャノン・ストリート
utINT extSTRa utSTRa extSTR
ドックランズ・ライト・レイルウェイ モニュメント
utINT extSTR utABZgl utSTR+r extSTR
ドックランズ・ライト・レイルウェイ London River Services タワー・ヒル
utHST extKXBHFe-L
ムーアゲート ナショナル・レール
ナショナル・レール (フェンチャーチ・ストリート)
utSTR utSTR
utSTR
リヴァプール・ストリート ナショナル・レール
アルドゲート
utSTRl utABZq+r utSTReq uBHFq utSTRaq utABZq+l utSTRr extSTR
utSTRl utSTRq utABZ+lr utSTRq utSTRr extCONTf
クロスレール
ディストリクト線
utCONTf
ハマースミス&シティー線

歴史 編集

路線図 編集

2009年12月12日まで 編集

日本の山手線のように、以下の路線図の通りに一周20.75kmの環状線の27駅を内回り外回り両方向に運転していた。2006年のダイヤでは内回り外回り合わせて14本の列車が同時に運行し、8分から8分半の間隔で運行していた。

 

2009年12月13日から 編集

ハマースミス&シティー線に乗り入れする形でエッジウェア・ロード駅からハマースミス駅まで延長された。これにより、環状運転ではなく、ハマースミス駅方面から来た列車がエッジウェア・ロード駅を通り、ロンドン中心部を一周して再びエッジウェアー・ロード駅に到達するというルートに変更され、ハマースミス支線の列車本数の増加につながった。

 

駅一覧 編集

 

以下の区間で他路線と線路を共有している。線路が独立している山手線と京浜東北線や埼京線の関係とは異なり、高崎線と宇都宮線の上野 - 大宮間の関係のように同じ線路やプラットホームを共有している。

画像 開業[3] 接続路線 ゾーン
ハマースミス
Hammersmith  
  1864年6月13日  ロンドン地下鉄(改札外乗り換え):約60m離れたハマースミス駅 (ピカデリー線、ディストリクト線)にてピカデリー線ディストリクト線
 バス:ハマースミス駅 (ピカデリー線、ディストリクト線)ハマースミス・バス・ステーション英語版が隣接する。
ゾーン2
ゴールドホーク・ロード
Goldhawk Road
  1914年4月1日
シェパーズ・ブッシュ・マーケット
Shepherd's Bush Market
  1864年6月13日
ウッド・レーン
Wood Lane  
  1908年5月1日  ロンドン地下鉄:約200m北に離れたホワイト・シティー駅セントラル線に乗り換え可能。
 バス:約100m南にホワイト・シティ・バス・ステーション英語版がある。
ラティマー・ロード
Latimer Road
  1868年12月16日
ラッドブローク・グローヴ
Ladbroke Grove
  1864年6月13日
ウェストボーン・パーク
Westbourne Park
  1866年2月1日
ロイヤル・オーク
Royal Oak
  1871年10月30日
パディントン(北側)
Paddington
  1863年1月10日  ロンドン地下鉄(改札外乗り換え):ベーカールー線ディストリクト線エッジウェア・ロード支線、サークル線(内回り)
 ナショナル・レールグレート・ウェスタン・レールウェイヒースロー・エクスプレスチルターン・レイルウェイズTfLレール英語版
ゾーン1
エッジウェア・ロード
Edgware Road
  1863年1月10日  ロンドン地下鉄(改札内乗り換え):ディストリクト線エッジウェア・ロード支線、サークル線(内回り)
 ロンドン地下鉄(改札外乗り換え):エッジウェア・ロード駅 (ベーカールー線)からベーカールー線
ベイカー・ストリート
Baker Street
  1863年1月10日  ロンドン地下鉄ベーカールー線ジュビリー線メトロポリタン線
グレート・ポートランド・ストリート
Great Portland Street
  1863年1月10日
ユーストン・スクエア
Euston Square
  1863年1月10日  ナショナル・レールユーストン駅):アヴァンティ・ウェスト・コースト、ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ(ウェスト・ミッドランズ・トレインズ)、カレドニアン・スリーパー
 ロンドン・オーバーグラウンドユーストン駅):ワットフォードDC線(ユーストン駅)
 バス:ユーストン・バス・ステーション英語版
キングズ・クロス・セント・パンクラス
King's Cross St Pancras  
  1863年1月10日  ロンドン地下鉄ノーザン線ピカデリー線ヴィクトリア線
 ナショナル・レールセント・パンクラス駅):ユーロスターイースト・ミッドランズ・レールウェイ英語版、テムズリンク(ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ)、サウスイースタン
 ナショナル・レールキングス・クロス駅):ハル・トレインズロンドン・ノース・イースタン・レールウェイグランド・セントラル英語版、グレート・ノーザン(ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ
ファリンドン
Farringdon  
  1863年1月10日  ナショナル・レール:テムズリンク(ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ
バービカン
Barbican
  1865年12月23日
ムーアゲート
Moorgate
  1865年12月23日  ロンドン地下鉄ノーザン線
 ナショナル・レール:グレート・ノーザン(ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ
リバプール・ストリート
Liverpool Street
  1875年7月11日  ロンドン地下鉄セントラル線ハマースミス&シティー線
 ナショナル・レールグレーター・アングリア英語版グレート・イースタン本線スタンステッド・エクスプレス英語版)、c2c
 バス:リバプール・ストリート・バス・ステーション英語版
アルドゲイト
Aldgate
  1876年11月18日  バス:アルドゲイト・バス・ステーション英語版
タワーヒル
Tower Hill
  1882年9月25日  ロンドン地下鉄ディストリクト線
 ロンドン交通局ドックランズ・ライト・レイルウェイタワー・ゲートウェイ駅
 ナショナル・レールフェンチャーチ・ストリート駅):c2c
 ロンドン・リバー・サービス英語版タワー・ミレニアム・ピア英語版[4]
モニュメント
Monument
  1884年10月6日 バンク駅とエスカレーターで繋がれ以下の路線と接続。
 ロンドン地下鉄セントラル線ノーザン線ウォータールー&シティー線

 ロンドン交通局:ドックランズ・ライト・レイルウェイ

キャノン・ストリート
Cannon Street
  1884年10月6日  ナショナル・レールサウスイースタン
マンション・ハウス
Mansion House
  1871年7月3日
ブラックフライアーズ
Blackfriars  
  1870年5月30日  ナショナル・レール:テムズリンク(ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ)、サウスイースタン
 ロンドン・リバー・サービス英語版ブラックフライアーズ・ミレニアム・ピア英語版[5]
テンプル
Temple
  1870年5月30日
エンバンクメント
Embankment
  1870年5月30日  ロンドン地下鉄ベーカールー線ノーザン線
 ナショナル・レールチャリング・クロス駅):サウスイースタン
 ロンドン・リバー・サービス英語版エンバンクメント・ピア英語版[6]
ウェストミンスター
Westminster  
  1868年12月24日  ロンドン地下鉄ジュビリー線
 ロンドン・リバー・サービス英語版ウェストミンスター・ミレニアム・ピア英語版[7]
セント・ジェームズ・パーク
St James's Park
  1868年12月24日
ヴィクトリア
Victoria
  1868年12月24日  ロンドン地下鉄ビクトリア線
 ナショナル・レールサウスイースタン、サザン/ガトウィック・エクスプレス(ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ)、ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス
 バス:ヴィクトリア・バス・ステーション英語版ヴィクトリア・コーチ・ステーション英語版グリーンライン・コーチ・ステーション英語版
スローン・スクエア
Sloane Square
  1868年12月24日
サウス・ケンジントン
South Kensington
  1868年12月24日  ロンドン地下鉄ピカデリー線
グロスター・ロード
Gloucester Road
  1868年10月1日  ロンドン地下鉄ピカデリー線ディストリクト線
ハイ・ストリート・ケンジントン
High Street Kensington
  1868年10月1日  ロンドン地下鉄ディストリクト線エッジウェア・ロード支線
ノッティング・ヒル・ゲート
Notting Hill Gate
  1868年10月1日  ロンドン地下鉄セントラル線 ゾーン1
ゾーン2
ベイズウォーター
Bayswater
  1868年10月1日 ゾーン1
パディントン(南側)
Paddington
  1868年10月1日  ロンドン地下鉄(改札内乗り換え):ベーカールー線
 ロンドン地下鉄(改札外乗り換え):ハマースミス&シティー線、サークル線(ハマースミス支線、外回り)
 ナショナル・レールグレート・ウェスタン・レールウェイヒースロー・エクスプレスチルターン・レイルウェイズTfLレール英語版
エッジウェア・ロード
Edgware Road
  1863年1月10日  ロンドン地下鉄(改札内乗り換え):ディストリクト線エッジウェア・ロード支線、サークル線(内回り)
 ロンドン地下鉄(改札外乗り換え):エッジウェア・ロード駅 (ベーカールー線)からベーカールー線

メトロポリタン・ディストリクト鉄道 編集

 
1871年にインナー・サークル線の運行が始まり、マンション・ハウス駅からムーアゲート・ストリート駅まで、サウス・ケンジントン駅とパディントン駅を通って運行された。ケンジントン(ハイ・ストリート)駅とサウス・ケンジントン駅の間では、両社がそれぞれの線路を保有していた。

メトロポリタン・ディストリクト鉄道は1868年から1933年までロンドンで運行されていた旅客鉄道である。1864年にインナーサークルを完成させるために設立された。開通当初は蒸気機関車とガス灯照明の木製客車で運行されていた。1871年に自社の列車を持つまではメトロポリタン鉄道が運行を行っていた。1905年に電化が始められ同年の終わりには全列車が電車となった。1933年にメトロポリタン鉄道その他の交通機関と合併してロンドン旅客運輸公社となった。メトロポリタン・ディストリクト鉄道の路線は現在サークル線、ピカデリー線ディストリクト線として運行されている。

脚注 編集

関連項目 編集