メインメニューを開く

ホテル

短期滞在のための有料宿泊施設
シティホテルから転送)
ドイツにある普通のホテル
イタリアにある普通のホテル。コモ湖付近のヴァレンナにあるHotel Olivedo。部屋数も少ない。
日本の普通のビジネスホテル、東横イン品川駅高輪口
日本の「ホテル御三家」のひとつホテルオークラ。老舗ホテル。
南フランスコートダジュールニースの海岸沿いの通りに面した老舗の高級ホテル、ホテル・ネグレスコen:Hotel Negresco。5つ星ホテル。
歴史的建築物を活用したホテルの例。イギリス、ウィルトシャー15世紀の建物を生かした
メーナー・ハウスホテル

ホテル: hotel: hôtel[1])とは、をしている人や観光客に宿泊、食事、その他のサービスを提供する施設[2]

概説編集

もともと旅人に寝る場所や食事などを提供していた施設である。英語のhotelは古フランス語の「hostel」から来ており[2]、このhostelの語源は中世ラテン語の「hospitale ホスピターレ」であり(あるいはhospitaliaであり)、(カトリックの巡礼の旅の途中の人々をもてなし、眠るためのベッドを提供するための)「(無償の)もてなし施設、宿」という意味。日本語では通常カタカナで「ホテル」と表記するが、あえて翻訳して、訳語を探して漢字で表現すると、結局のところ「宿」といった程度の表現に落ち着く。(日本であえて「ホテル」と言うときは、結局(日本風の旅館などではなく)「ヨーロッパやアメリカ風の様式や利用方式の宿」ということである。)

なお、ホテルは宿泊施設の一種で、1日から数日、あるいは1週間程度までの短期間の宿泊を想定して発展してきた宿泊施設である。類似した機能を持つことがある宿泊施設としてはユースホステルペンションベッド・アンド・ブレックファスト(B&B)民宿などがある。数週間~数ヶ月など長期滞在するような施設とは通常は区別される傾向がある。(ただ、近年では、カテゴリーの間を埋めるようなさまざまな施設もあり、境界がはっきりしない場合もある。)朝食を提供する機能を有しているものが多いが、食事無しの「素泊まり」のタイプもある。

分類・種類編集

ホテルの分類に関して明確な区分があるわけではなく、国ごとに異なり、またまた各運営事業者はそれぞれ自社のホテル群を自社流に分類している。

ヨーロッパ編集

 
3つ星ホテルの表示

フランスでは国がホテルを格付けし分類されている。「1つ星」から「5つ星」まである[3]

長年に渡り、ヨーロッパの中のひとつひとつの国ごとに、格付けの基準や星の数のつけかたが異なっていたが、 2009年にHotelstars Unionが設立され、国ごとの選定基準の相違点を調整・統一化することが行われるようになってきている[4]

フランスギド・ミシュランもホテルの格付けを行っている。

シャトー・ホテル / マナーハウス

ヨーロッパなどに多い、中世の古城や貴族の邸宅などを改造したホテル[5]。特に大きい規模のものをシャトー・ホテルという[5]

洞窟ホテル

洞窟ホテルとは、自然の洞窟を利用して作られたホテルであり、部屋が地下に存在するものである。スペイントルコオーストラリアに建設されている。

アイスホテル
 
スウェーデンのアイスホテル

アイスホテルとは湖などから切り出した氷や雪によって作られたホテルである。スウェーデンノルウェーなどの北欧諸国やカナダなどで、冬季の寒さを利用して建設される。春になると溶けてしまうので基本的に冬季限定であり、毎年再建される。どのような施設が作られるかはそのホテルによるが、観光客向けのホテルであり、様々な趣向が凝らされる。

アメリカ編集

アメリカでは、「メトロポリタン・ホテル(大都市立地ホテル)」「ダウンタウン・ホテル(市街地立地ホテル)」、「コンベンション・ホテル(会議用ホテル)」、「コマーシャル・ホテル(商用)」といった分類がされている[6]。他にも「モーテル」「カジノ・ホテル」などといった分類も。 [7]

モーテル
 
米国で普及しているモーテル。大抵は、道路沿いに大きな看板を設置してあって走行中でも自然とその存在に気付くようになっていて、予約不要なので思い付きで駐車場に入って良い。

国土が広くて早くからモータリゼーションが進んだアメリカ合衆国ではモーテルが非常に普及している。 Motelの元々の意味は「自動車で旅をする人のためのホテル」であり、「Motor Lodge モーターロッジ」「Motor Inn モーターイン」などともいう。アメリカのモーテルはほとんどが高速道路(フリーウェイ)の出入り口周辺の町の郊外に立地しており、かなり小さな町にまで存在することも多く、地域の社会インフラの一つとなっている。セルフサービスを基本としたホテルであり、セルフサービスでの荷物の運搬を楽にするため、宿泊棟のすぐ目の前に駐車場があり、自分で車を止めた場所から短い距離で客室にアクセスできる構造になっているのが特徴である。アメリカでは、平均的な料金が一部屋で一泊40ドルから50ドル前後と比較的手ごろで、予約なしで利用できる(ただし一部観光地などのハイシーズンを除く)ので、非常にポピュラーな宿泊施設として定着しており、客層も、たとえば移動中のビジネスマン、旅行中の家族連れ、男女のカップルなどと、さまざまである。食品の持ち込みも自由。大手チェーンのモーテルではWi-Fi完備も増えている。

カジノ・ホテル

カジノ・ホテル英語版とは、カジノを含むホテルのこと。

ブティックホテル

アメリカでは最近、「ブティックホテル」に分類されるホテルもある。デザイン・コンセプトを明らかにして工夫を凝らし設計させた個性的でモダンな設計・内装・外観を有するホテル[5]である。(日本でいう「デザイナーズホテル」に相当する。)

なお参考までに、ホテルというよりも、むしろ「ホテルとアパートメントの中間形態」のものとしてだが、「コンドミニアム / レジデンシャルルーム」というものも普及しており、、ハワイなどに多く、生活用のキッチンなどの諸設備のあるアパートメント形式の宿泊施設である。[5]。広い部屋に大型冷蔵庫やキッチンなどの自炊設備があり、家族やグループの長期滞在に適しているもの。

日本編集

日本では「ビジネスホテル」「シティホテル」「観光ホテル」「リゾートホテル」「カプセルホテル」「ラブホテル」などの用語で分類がされることが多い。

ビジネスホテル

日本でいうビジネスホテルとは、都市の繁華街など交通の要所にある、宿泊機能に重点を置いたホテル。シティホテルよりも客室は狭くサービスが簡素化され、そのかわりに低料金なのが特徴。かつては出張利用が主流だったが、近年では大手チェーンのビジネスホテルは、低料金の上、サービスも結構充実しているので、観光での利用等も増えている[8]。日本におけるビジネスホテルという業態を考案し、最初に始めたのは法華倶楽部(ホテル法華クラブチェーン・1920年大正9年)9月12日に京都にて1名1室形態の個室旅館を創業)である。

シティホテル

日本で言うシティホテルとは都市中心部や駅周辺に立地するホテル[6]。フィットネスジムやスパ、エステなどが充実しているのが特徴で、宿泊料金も比較的高額[9]。(「city hotel」の語は、一応1794年ニューヨークに出来たシティ・ホテル(74室)で最初に使われ、以降、各地に普及したものの、近年の米国ではあまり使われていない)。日本では都市の中心部などに立地するホテルが「シティホテル」と分類されるようになった。土地代が高い場所なので高層化する傾向がある。多機能なものが多く、宴会場や料飲施設(レストラン、ラウンジ、バー)などを併設する規模の大きいホテルの呼称となっている[6]。全国規模の業界団体として、1903年創立の一般社団法人日本ホテル協会と1971年設立の一般社団法人全日本シティホテル連盟があり、前者は(構造上の)シティホテルおよび同等の設備を持った都市型リゾートホテルのみが正会員であるため、ビジネスホテルとの判別の目安となる。

観光ホテル・リゾートホテル

観光ホテルは、景勝地温泉地史跡ビーチ高原山岳地帯などの観光地・リゾート地に立地する遊覧や保養を目的とする観光客のためのホテル[10][11]。観光客向けにプールやプライベートビーチ、テニスコート、カジノなど多くの付帯施設を持つものもある[6]。一方では、ゆっくりとくつろぐことに主眼を置いた、ハウスホテルやヴィラ様式の施設も多い。

  • 日本では旅館業法のホテル営業ではなく旅館営業であることも多く、政府登録国際観光旅館に登録されていたり、あるいは国際観光旅館連盟(通称「国観連」)、日本観光旅館連盟(通称「日観連」)に加盟していたりすることも多い。
    リゾート会員権」の売り出しで資金調達し、その保有者の宿泊(滞在)用途に特化した会員制の施設も多く、便宜的に「会員制リゾートホテル」「会員制ホテル」などと言われている。これらは区分占有型のリゾートマンションとは区別されている。
 
カプセルホテルの配置
カプセルホテル

カプセルホテルはカプセル状の簡易ベッドが提供される宿泊施設。日本独自の形態のホテルである[12]。旅館業法ではホテル営業ではなく簡易宿所営業になる。ほとんどは、ビジネスホテル同様、都市の繁華街に立地する。施設としては単独のものの他、サウナ店に併設されるケースも多く、大部屋の中にカプセルが積み重ねられた形態が多い。ビジネスホテルと比べて比較的安価で宿泊できるのも特徴である。

ラブホテル

基本的にはカップルでの利用を想定しているホテルで、性交目的に利用されると想定しており、宿泊だけでなく2時間(~3時間)程度の短時間の利用(「休憩」)も想定しているものである。他の客や従業員にできるだけ会わずに入室できる工夫がしてあり、客室内の調度品なども一般的なホテルとは異なる。略称「ラブホ」。「カップルズホテル」「ファッションホテル」などと呼ばれ、和風の呼び方では「連れ込み宿」「同伴旅館」などとも。昭和期には「モーテル」とも呼んだ。もともと日本で登場した形態のホテルである[13]。自動車で向かうラブホテルは高速道路のインターチェンジ周辺や幹線道路沿いに立地しており、そうでない場合は駅近隣の特定地に立地している。法的には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(略称・風営法)の適用を受ける。

デザイナーズホテル

アメリカでのの「ブティックホテル」の日本での呼び方。デザイン・コンセプトを明らかにして工夫を凝らし設計させた個性的でモダンな設計・内装・外観を有するホテル[5]。なお日本ではじめは「デザイナーズホテル」とばかり呼んでいたが、最近では米国流に「ブティックホテル」と呼ぶことも徐々に増えてきており、呼び方にはゆらぎがある。

ホテルの客室編集

基本的に宿泊施設であるので、客室も、まずはその核であるベッドの数や大きさに焦点を当てて分類され把握されている。

また客室入り口のドアの施錠方式でも大別されている。

客室の形態編集

  • シングル(シングルルーム) / デラックス・シングル(セミダブルルーム)
    シングルサイズベッドを設けた1名用客室。北米ではセミ・ダブルベッドを設けた客室の場合もあり、アジアやヨーロッパではこれをデラックス・シングルと称する[14]
  • ダブル(ダブルルーム)
    ダブルサイズベッド1台を設けた2名用客室[14]
    ベッドはダブルサイズ(幅160cm程度)の他、高級ホテルではクイーン(幅180cm程度)やキング(幅200cm程度)が設置されている場合が多い。特に高級ホテルではシングルルームを設けず、1人客にはダブルルームの1名使用(シングルユース)で対応する所も多いが、1人客が中心のビジネスホテルでは設定していない所が多い。
    欧米のホテルでは概して最も多く設定されている客室形式であり、海外旅行の際にツインルームを希望しても、ホテルによってはツインの設定数が少ないために手配に苦労することもある。欧米では夫婦やカップルは一つのベッドで寝るのが一般的であるため、日本人でも夫婦・カップルの宿泊客にはダブルルームの部屋が割り当てられることがよくある。
  • ツイン(ツインルーム)
    シングルサイズベッド2台を設けた2名用客室[14]。ダブルサイズベッド2台を設けた2名用客室は厳密にはダブルダブルというが、北米ではこれをツインとしていることがある[14]
  • トリプル(ツイン・ダブル)
    エキストラベッドという可搬式ベッドをツインルームに設置したり、予めツインルームに備え付けられているソファベッドを用いてベッドを3つ揃えたもの。予約時に特に指定した場合を除き、チェックインの際には用意されておらず、夕刻になると係がエキストラベッドを運んできたり、ソファベッドのベッドメイキングにきて初めてトリプルになることも多い。
  • トリプルルーム
    3名用個室で、予め3台のベッドが備え付けられている客室であるが、決して一般的ではない。旅行会社などのパンフレットにトリプルルームと書いてあっても上記のツインルームのトリプルユースである場合がほとんどなので、十分確認する必要がある。
  • フォース・ファミリールーム
    トリプルルームにエキストラベッドまたはソファベッドを追加設置したり、予めベッドが4台以上設置されているもので4名以上が滞在できる客室。リゾートホテルやテーマパーク周辺のホテルに多い。和洋室の場合もあり、2人がベッドで、2人が布団を使用することになることもある。
  • エグゼクティブ / デラックス / コンフォート / スーペリア ルーム
    一般客室(スタンダードルーム)よりも部屋面積が広く、大きめのベッドやソファなどが設置されていたり、バスルームとトイレ・洗面所が仕切られているホテルもある。日本や海外の高級ホテルではスーペリアルームとスイートルームのみ設置しているホテルが多い。
    一般的にはシングル・ツイン・ダブルルームに設定されており、サービスはスタンダードルーム宿泊に準じるのが通常ながら、エグゼクティブフロア(→#付加サービス)を設置しているホテルでは優遇される。
  • SOHOタイプ / ビジネスルーム
    部屋内で書類仕事や受験勉強などを行う客のために、明るい直接照明や広い机、パソコンやファクシミリなどのOA設備の設置、OAチェアの採用など、快適な仕事環境を重視したもの。その具体的なサービスの内容はホテルによって様々であり、たとえ仕事に適した配慮をしていても、それを一般の客室と区別していない場合もある。主にビジネス客を主要な顧客とするホテルに見られ、2004年ごろから増加した。
    なお、客室内にはそれらの施設を設けず、上記のような設備を備えたスペースをビジネスコートなどとして有償または無償で提供するホテルもある。
  • スイート
    広く高級な客室で、クイーンサイズのベッドが1つか2つまたはキングサイズのベッドが1つ以上設置され、大型テレビや広々とした浴槽などが配置されていることが多い。
    ジュニアスイート以外のハイグレードなスイート(ロイヤルスイート等名称はさまざま)は、ベッドルームとリビング・ダイニングルーム、バスルームが分離しており、40平方メートル以上の部屋面積があり、添い寝やエキストラベッドを配置すれば4人以上が宿泊出来る。特にハイグレードなホテルでは、高級マンションの室内と見分けが付かないようなものもある。
    ホテルによってはデイユースで、ルームサービスのランチをスイートで食事したり、昼寝するなどのプランを設けている所もある。
  • コネクティングルーム
    ドアで隣室と接続しており、2つ以上の客室を一つの客室として使えるようにした部屋[14]。ドアを閉めれば個々の客室として利用できる[14]。通常は扉は施錠されていて(若しくはドアノブが内側だけに付いた2重扉になっていて)隣からは開けられない。スイートと違って、それぞれの部屋は通常のツインやダブルの部屋である。
  • アジョイニングルーム
    コネクティングルームの対義語で、小グループ向けに利用される、ドアで直接接続されていない隣り合った客室または廊下を隔てた客室[14]
  • なお、コテージ(ヴィラ)は、近年、リゾートなどでみられる客室ごとに一戸建てにした施設[14]。フロントやレストランなども別棟となっていることが多い[14]

客室ドアのロック方式、キー形状編集

オートロックは客室ドアの施錠システムの一種で、部屋(内側)からは自由に開けられるが、外側は解錠しなければドアノブが固定されて開けられないという仕組みが大半であり、外出時に施錠する必要がない。これは逆に言えば外出・退出時には鍵を必ず持って出る必要があるということで、客室に置き忘れたまま施錠されてしまった場合はフロント等に依頼してマスターキーを用いて解錠してもらうことになる。なお、(オートロックの有無にかかわらず)鍵を紛失した場合は鍵再製料などを請求される場合がある。

メタルキーの場合とカードキーの場合がある。もともとは金属製の鍵ばかりだったが、プラスチック製のカードの形状の「カードキー」を使用するホテルが増えている[15]。形はキャッシュカードなどと同じで、磁気ストライプ、もしくはICチップに開錠コマンドが書き込まれており、ドアのカードスロットに差し込む(磁気式)か、カード読み取り部にタッチする(IC式)ことで錠が開く。外出時でもフロントに鍵を預ける必要はなく、常に携帯することが出来る。チェックアウト後は錠前側のコードが書き換えられるので、記念に持ち帰れる場合もある。

客室内の設備編集

(ベッドは当然であり、上で説明したが)、他にも多くのホテルで「デスク、電話、テレビ」を基本として、ホテルによって冷蔵庫 等々、様々な設備が加えられている場合がある。最近ではインターネット回線を提供しているホテルが増えている。

  • ライティング・デスク(書きもの、つまり手紙や仕事上の書類の作成や、学習にも使えるようなデスク)
    チェストや鏡などと一体化して書き物用の机[15]。OAチェアやオフィスを意識した設計の机を採用するホテルが増加しており、このような設備を設けた客室をSOHOタイプやビジネスルームとして用意するホテルもある。標準の客室でもそのようなサービスを提供しているホテルも存在する。
  • デスクの引き出しには、一般的に、宗教書が2冊入っている。(人生に悩んでいる人が宿泊した場合などに、とりあえず手にとって読めるように、との配慮である。)
    聖書[16]
    仏典[17]
  • 電話
    大抵のホテルで、客室に電話機が設置されている。客が、客室にいながらにして、フロントの担当者に何か質問をしたり、客室に届けるサービスを依頼したり、あるいは逆にフロントの担当者が、必要時には各客室のお客様に確認の電話をしたりするために必要なので、設置されているのであり、電話まわりにフロントを呼び出すための(内線)番号や押し方などが分かりやすく表示されていることが多い。なおこの電話機は、一般家庭の固定電話と同様の使い方はできない場合が多い。
    多くのホテルの場合、客室の電話機は内線電話であり、フロントとの連絡を主とした使い方がなされることを想定している。また、この電話機から一般の電話に対して発信をすることは可能であるが、逆に一般の電話から直接着信することは不可能である。ただし、ホテルの客室で外からの電話を受けたいときは、一旦ホテルの代表番号(フロント)に掛けてもらい、それから客室に転送してもらうことは可能である。こういう手続きが必要なのは、多くの場合その電話機ごとに電話番号が割り振られておらず、構内交換機を利用して電話端末を接続しているためである。
    なお、一部のホテルでは、客室内の電話機に外部から直接掛けてもらうことが可能である。こういったフロントを通さない電話を直通電話と呼ぶ。一般的にはNTTのダイヤルイン契約によって1台ずつ電話番号を割り当てている場合が多いようだ。このサービスは、海外のホテルで割と多くみられるが、日本では高級ホテルでもあまり存在しない。
    また、0120番といったフリーダイヤルの利用について、本来請求されるはずのない電話料金をフロントにて請求されることがある。これはホテル内に設置されている構内交換機が、フリーダイヤルを無料電話として認識していないのがその理由である。したがってフリーダイヤルが利用可能であるかどうかを、あらかじめホテルに確認しておく必要がある。
    通話料は別途請求(多くは一般の通話料にホテル側のマージンが上乗せされている)される場合が多い。電話回線を二つ以上設置している場合もある。一部では、通話料の安いIP電話を引き、国内の固定電話への通話料を無料としている施設もある。
    ホテル客室の電話機では、電話機の操作によって、特定の時刻に着信ベルを鳴らすモーニングコール機能が付いているものが普通である。
    一部のホテルでは、滞在中室外にも自由に持ち出せるスマートフォンを設置している。
  • テレビ
    シティホテル・リゾートホテルは20 - 40インチ、ビジネスホテルは19 - 26インチ型程度の液晶テレビが設置されており、地上波衛星放送のほか、CNNBBCなどの海外の放送や、ケーブルテレビ、一般映画アダルトビデオが視聴できるテレビを持つ施設が多い。
    通常のテレビ放送は無料であるが、映画の視聴は有料である(一般的に「PAY TV」と呼ばれる)。有料放送の古くは100円硬貨を投入し、専用のVHSレーザーディスクで放映される一般映画・アダルト作品を視聴する形式であったが、現在はプリペイドカードを購入して視聴するか、リモコンのPAY(課金)ボタンを押してチェックアウト時に精算する方式が主流である。
    カプセルホテルや一部のビジネスホテルでは、100円硬貨を投入して視聴するテレビを設置している店舗が多い(この場合、一般放送は無料だが、まれに有料としているホテルもある)。
  • テレビパソコン
    ホテルチェーンを中心に、テレビの代わりに、略して「テレパソ」と呼ばれる様なテレビ一体型のパソコンを設置する所も増えている。基本的にはLANブロードバンド)と接続され、無料の通常テレビ放送の視聴の他にウェブサイト閲覧が一般的に出来る(使用料・オプション料が必要なホテルもある)。
    このほか自分のメールアカウントに接続してメールの送受信、インストールされているオフィスソフトを用いての文書作成などが出来るホテルもある。ペイテレビはパソコン画面上で積算確認の上、VODによるストリーミング配信か、パソコンに内蔵または外部接続されているチューナーを通して視聴される。
    20V型程度の液晶テレビを設置する費用の数割増程度のコストである事が多い。
  • VOD
    ビジネスホテルを中心にPAY TVに打って変わって、近年ではVODが市場を獲得し始めている。VODはPAY TVの垂れ流し放送から、時間を気にせず好きな作品を好きなだけ見ることができる通信型への視聴方法へ大きく変化をもたらせた。通常、VODサーバと呼ばれるサーバ群をホテル館内に設置し、客室へLAN配線を行い、テレビに接続されたSTBが映画を再生する。しかし、サーバ費用が導入コストとして非常に高価なことから現在ではインターネット網を利用したNW配信モデルが登場。サーバを設置することなく、高画質な映像を客室にて楽しめるようになった。
    また、「アクトビラ」機能をホテル向けに独自カスタマイズを行いVODのブラウザとして利用するシステムも開発された。
    最近では、客室で利用できるノートパソコンを利用したエンポタ[18]というサービスが開発され、レンタルパソコンを借りることで、ホテル専用ポータルサイトを利用することができ、映画やドラマ、成人向けコンテンツなどを客室で楽しめるサービスも普及している。
  • インターネット回線
    インターネット普及前までは、客室にモジュラージャックがあるホテルは数少なかったが、普及に伴いダイヤルアップ接続用モジュラージャックを設置しているホテルが増加した。こういったホテルでは、モジュラージャックにパソコンモデムを接続して、ダイヤルアップ接続が可能である。
    近年では、ブロードバンド対応ホテルとして、有線無線LANを利用したインターネットへのアクセスが可能なホテルも増加しており、有線の場合はノートパソコンを持ち込んで客室のイーサネット端子に接続すれば、インターネットへのアクセスが可能となる。このような施設では、LANケーブルや無線LANカードの貸し出しもある。LANによるインターネットアクセスは無料で使用できる施設が多い。
    ロビーなどに共用インターネット用パソコンや、サイバープチ[19]アットステーション[20]などのコイン式インターネット端末(通常はワープロなどは不可能)を設置しているホテルも存在する。
    客室で利用できるノートパソコンを提供しているホテルもあり、エンポタというホテル専用ポータルサイトを通じて映画やドラマ、成人向けコンテンツなどを配信しているホテルもある。
  • 冷蔵庫
    ミニバーの場合、小型の冷蔵庫の中に複数の飲料(ミネラルウォーターソフトドリンクアルコール)やおつまみが配備されているもので、商品を消費した場合は備え付けの伝票に記帳するなどしてチェックアウトまでに精算する。冷蔵庫から飲料瓶を取った時点で「購入」として機械的に課金される旧式の冷蔵庫が設置されてあるホテルも存在する。この場合、ミニバーから飲料を抜き取った直後に販売がカウントされる(そのまま戻してもカウント前に戻らない)タイプもあるが、誤った場合はフロントに申し出れば通常は課金されない。ミニバー商品の価格はホテルのサービス料を含んだ金額とされ、市価の倍以上の価格である場合が多い。冷蔵庫の外にあるもの(紙コップ一体型のドリップ式コーヒーなど)もミニバー商品としているホテルもある。冷蔵庫に空きスペースがあれば、下記空の冷蔵庫同様、自分で買い出した飲食物などを入れられることが多い(この場合追加料金は発生しない)。また、ミニバーと空の冷蔵庫の両方が用意されていることもある。しかし、ミニバー専用しか用意されておらず、自分で物品の保存はできない冷蔵庫もある。
    高級志向のホテル客室では、ミニバー利用者向けに複数のグラスが用意されたり、独立した食器棚(グラスが配備)の中に冷蔵庫(ミニバー)が設置されていたり、棚の中や下部にミニバーがある場合、その上部の引き出し部分が洒落たテーブルになるものなどがある。引き出しの中に、ウィスキーブランデーのポケット瓶が多く入っていることもある(こちらも価格は割高)。さらにスイートルームやコンドミニアムでは製氷器や冷水器機能を搭載した大型冷蔵庫をミニバーとしている所もある。
    ビジネスホテルを中心に、何も入っていない小型冷蔵庫を設置している所もあり、ホテル内や近隣のコンビニスーパーマーケットで買い出した飲食物などを滞在中自由に入れられる。ホテル用の冷蔵庫は、就寝中の騒音を減らすために電源を止める機能が付いている場合がある。また、コンプレッサーを使わない、ペルティエ効果を使った冷蔵庫を使っている場合もある。
  • キチネット
    長期滞在用のホテルやスイートルームなどに設置される簡易な調理設備[15]
  • レンタルパソコン
    多くのホテルでは、客室で利用可能なノートパソコンの貸し出しをフロントにて行っている。有料の場合が多く、利用料は一般的に1泊1000円である。多くの場合、文章作成ソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトがインストールされており、個人情報を守るため、電源を入り切りすることでパソコンを初期状態に戻すリカバリ機能を搭載している。
    近年では、ノートパソコンやスマートフォンの普及にともない従来のレンタルパソコンの需要は減少している。また、普段無料で利用しているパソコンに対して1000円という価格は高いと感じている人も多い。このような問題を解決すべく、最近では上記の機能に加えてVODなどの機能を兼ね備えたエンポタというサービスを導入しているホテルが増加している。
  • ファクシミリ
    ほとんどのホテルでは、客室にファクシミリ (FAX) は設置されていない。ただし、大多数のホテルではフロントでFAXの送受信サービスを行っており、フロントに依頼すれば送受信が可能である。なお、送信が可能でも受信が不可能なホテルもある。一部のホテルでは、客室にFAXが備え付けられていたり、客室にFAXを貸し出すサービスがあり、この場合は客室での送受信が可能である。
    パソコン通信やインターネットダイヤルアップ接続用にモジュラージャックを設置しているホテルの場合、そこに客が持参したFAXを接続すれば送信のみ可能な場合も多い。
    聴覚障害者に対するバリアフリーの観点からも、客室でのFAXの利用が可能であることは利点となる。
  • ドライヤー
  • ズボンプレッサー
  • 電気スタンド
  • 電気ポット
  • (複数の枕を選べるホテルもある)
  • 加湿器
 
アメニティグッズの一例
  • アメニティグッズ
    ホテルには客室内の洗面台(ユニットバス内など)付近に、個別包装されたコットンや耳綿棒化粧水・T字剃刀歯ブラシなどのアメニティグッズが、また客室の宿泊約款ファイル内にはホテルの封筒便箋絵葉書が備わっていることが多く、これらは特に注記がない限り持ち帰りが可能である。
    また、高級ホテルの中には(特に女性客用の)アメニティグッズに一流ブランドのものを使用しているところもある。
    しかしながら、上記以外の調度品、つまり浴衣バスローブタオルグラス灰皿などは基本的に持ち出し禁止であり、万一持ち帰ると、後日実費を請求される事が多い(言うまでもなくこれらの持ち出し行為は窃盗であることを認識すべきである)。ただし、ホテルの中には、浴衣やバスローブのプレゼント(宿泊時に使用したものを持ち帰り可)付宿泊プラン等を設定している場合もあり、このようなプラン利用の場合は当然持ち帰ることができる。
    客室で使われるタオルやアメニティグッズを、別途販売しているホテルも存在する。

バスルーム(バスタブとトイレ)編集

ヨーロッパや米国の中程度以上のランクのホテルでは、客室にはほぼ絶対に、バスルーム(バスルームおよびその中のバスタブ浴槽)およびトイレおよび洗面台)が設置されている。高級ホテルでは、バスルームが非常に広い設計になっているものがあり、素材が非常に高級なものなっていることが多い。シャワーブースが別にしつらえていたり、ビデが用意されている場合もある。反対に格安ホテルでは、バスタブが無くシャワーとトイレのみというものも多い。

日本のビジネスホテルなどでは、バスルームは、部屋とバスタブと洋式トイレとがすべて一体になった形式で、合成樹脂が多用されたもので、かなり狭いもの(日本ではTOTOINAXが開発したユニットバス)が多い。なお日本では、最近は、高級ホテルのみならず、ビジネスホテルにおいても温水洗浄便座が導入されているところが増えてきた。

なお、日本の「温泉場のリゾートホテル」は「ホテル」と言っていながら、日本の風習との折衷になっていて、客室の外にある「共同の大浴場」を使用することが主として想定されていて非常に貧弱だったり、ひどいところでは、客室にまともなバスルームが無いところもある。

客室からの眺望編集

客室にいる間は、客室からの眺望(景色)によっても気分が変わるので、眺望を重視して選ぶ人もいる。経営者側は眺望も付加価値のひとつとして考慮することになる。海に面している部屋は「オーシャンビュー」、山に面している部屋は「マウンテンビュー」、庭に面している部屋は「ガーデンビュー」、市街地(夜景など)を一望できる部屋は「シティビュー」という[14]。一方で、ビューを気にしない人や、眺望が良くない部屋に当たってしまった場合は、あきらめて夜は意図的にカーテンを閉めてしまえば、景観はまったく関係なくなる。

客室へのサービス提供編集

ホテルごとに、どこまでのサービスを客室まで届けてくれるか(あるいはほとんど無いか)異なっているが、ルームサービスがあるホテルでは、「食事のルームサービス」「衣類のクリーニング、アイロンがけ」「客室の清掃」などが基本で、ホテルによってはマッサージなどの手配をしてくれるところもある。これによって疲れた旅人やビジネスパーソンが、一旦チェックインし客室に入ったら、部屋の中に籠ったまま様々な客室サービスを利用して食欲も満たし疲れもとる、などということも可能な場合がある。ただし、サービスごとに料金が発生する。

食事関連
  • ルームサービス
    客室までの食事を届けてくれるサービス。ルームサービス専用のメニューしかないホテルもあるが、ホテルによっては、ホテルレストランと同じメニューを客室まで提供してくれるところもある。朝食のルームサービスも行うホテルもある。
  • ケータリングデリバリーピザなど)
    主にルームサービスが無い都市圏のビジネスホテルで、客室電話から直接業者へ注文を出すと客室のドアまで配達に上がるもの。支払はその場で行い、チェックアウト時の合算支払は基本的に出来ない。
衣類のクリーニング
  • 衣服のクリーニング
    背広ワイシャツなどでクリーニングしてほしいものは、部屋に置いてある専用の(指定の)袋などに入れて指定時刻までにドアの外側(廊下側)のノブにかけるなどしておくと、深夜にクリーニング作業をして、朝にはクリーニング済みでピシっとアイロンがけしたものをぶらさげておいてくれる。(下着などは、バスルームで自力で洗濯してぶらさげて乾かしてしまう人が多い。コインランドリーが施設内にある場合や近隣にある場合は、下着もワイシャツもまとめてそこで洗濯することもできる。)
客室内の清掃
  • (基本的に日本の旅館と異なって、連泊中にはホテルスタッフは客室に入ってこないが)客が希望を明確に伝えれば、客室に入り清掃をしてくれる。
    連泊する場合チェックインの際にフロントで「お部屋のお掃除はいかがなさいますか?」と聞かれる場合がまれにあるが、それはそのホテルが基本的にはチェックアウト後にしか清掃を実施しないシステムになっているためで、客が望むなら無料もしくは有料で実施してくれる場合が多い。
    基本的には客のいない時間に清掃を実施するので、日中にホテルから外出する用事が無い場合は清掃が実施できない(この場合、新しいタオル等のアメニティーをセットにしてドアノブにかけておく場合が多い)。大規模もしくは高級なホテルであればどの時間帯でも客の望む時間に清掃を行うことがある。その場合ホテルによっては客室のドアノブに「掃除をお願いします」といった旨のプラカードを客自身の手によってかけるシステムがある。意味はそのものズバリであり、外出している間に館内巡回担当が見つけて掃除を手配してくれる。イタズラによって他の客によって外されたり付けられたりするといった事例から、ランプ点灯式(客室内からの操作)に変更したり、あるいはこのシステムを廃止しているホテルもある。
    清掃内容は部屋や浴室の清掃はもちろん、タオルや浴衣(ガウン)・ベッドシーツ等の交換、アメニティやミニバーの補充などである。
    近年では、「エコプラン」と称して連泊する場合のベッドメイク、清掃、備品の補充、交換を省略する代わりに、客室料金を割引するサービスを提供しているホテルがある。この場合でも、ごみ箱の回収、灰皿の交換等は行われる。
    なお「ルームクリーニング・R / C(アールシー)」は、ホテルスタッフ側の用語、業界用語で「客がチェックアウトした後の部屋の清掃」を意味し、単に「客室内の清掃」ではなく、やや意味が異なる。
マッサージ
  • デイユース・デイタイムスティ
    日中昼間の空き客室を利用して休憩が出来るサービスプラン。

ホテルの(客室外の)設備編集

 
ヴィラフォンテーヌ東京汐留のロビー
 
リゾートホテルのロビーの例
  • ロビー
    玄関またはフロントに連続する廊下を兼ねた広間で、宿泊客や施設利用客が応接間や休憩所として利用できる開放的な場所である。
  • ビジネスコート
    漫画喫茶やネットカフェのパーティションのような施設をビジネスコートと称して客室とは別に用意しているホテルもある。ビジネスコートにはパソコンや広い机、プリンタ、LAN、場合によってはドリンクバーや自販機、毛布の貸し出し等がある。また最近では、ごくまれに漫画の貸し出しや、軽食の提供なども行っている場合がある。
  • 空調
    ホテルの空調は、大半がセントラルヒーティング方式であり、主としてHigh、Medium、Lowと切り替えが出来るが電気のエアコンのように温度、湿度の微調整は難しい。セントラルヒーティング方式では熱源機で発生した空調用のエネルギーを冷温水または蒸気で各室に搬送するため、ホテルによっては冷温水や蒸気が配管内を流れる音が継続的に聞こえることもあり、神経過敏な人にとってはこれが睡眠や作業を妨げる原因になることがある。さらに館内全体で空気を循環させる方式においては、各客室の空気を一括して循環させるために場合によってはインフルエンザ等の集団感染の恐れがある。
    部屋ごとに独立したエアコンを用意している場合でも、室外機が独立していない場合には、季節の変わり目に「寒いが暖房が入れられない」あるいは「暑いが冷房が入れられない」というトラブルがしばしば発生する。
    このような空調に関連する不便、不快さは、新しいホテルでは改善される傾向にあるが、値段や新旧に関係せず発生するトラブルであり、また、事前に調べることが極めて難しい(フロントが正確に把握していないことがある)項目の一つである。
    まれに、一部民宿のように客室のエアコンが有料サービスのホテル(エアアジア系列のチューン・ホテルズ等)がある。
  • 大浴場
    日本の温泉地などの観光地では必ずある。現在のシティホテルやビジネスホテルの大部分は各部屋で入浴できるが、部屋での入浴はしにくいとして広い入浴施設を好む人もおり、また、みんなで一緒に入浴したいなど大浴場を好む宿泊客もいるため、一部ホテルでは設置されている。また、温泉地では当然だが、大都市でもボーリングして温泉が引かれている例もある。カプセルホテルはサウナと大浴場がセットになっている場合がほとんどである。
  • 駐車場
    別料金で、1泊あたりの計算の場合が多い。大都市・繁華街に立地するホテルでは提携しているタワーパーキング等周辺駐車場の利用も多い。地方やその観光地周辺の宿泊施設では廉価または無料であるのが普通である。
  • 自動販売機
    市場価格(ホテル外のコンビニ・自動販売機での価格)より割高な場合が多いが、ビジネスホテルでは市価と同水準、もしくは市価より安価の所(東横イン等)も多い。アイスディスペンサー(自動製氷器)が併設される場合もある。
  • ビジネスセンター
    パソコンやコピー機・電話などが設置されている。会議室が併設される場合が多く、宿泊者は廉価で借用できる。
  • クラブフロア・専用ラウンジ
    高級ホテルの会員組織の会員または提携などで利用が認められた者のみ利用可能な施設。飲料サービスや軽食、チェックイン・チェックアウトがその場で行えるものもある。基本的に正規料金での宿泊者に利用が限定され、会員であっても旅行代理店(予約サイト)からの予約や、宿泊プランを用いての宿泊時は利用不可とする施設も多い。
  • エグゼクティブラウンジ
    通常客室とは別の特定階(エグゼクティブフロア等)や、スイートルームの宿泊者のみ利用可能なラウンジで、クラブラウンジと同様のサービスが提供されるものが多い。近年はシングルルームから設定されているものの多い。高級ビジネスマンの利用が多いホテルでは会議室が併設されているケースが多い。
  • プールフィットネスクラブスポーツジム
    特段リゾートホテルでなくともこのような施設を付帯していることがある。スポーツクラブ運営企業が施設を賃借して運営するケースが多い。
  • コンビニエンスストア売店
    正確には付加サービスと呼ぶべきではないが、施設内、もしくは近隣にコンビニエンスストアが立地するか否かを重要視する客も多い。深夜・早朝に買い物をしたい場合や、ホテル内レストランや冷蔵庫の商品の価格に抵抗ある客がいるためである。売店は手っ取り早く特産品を買う場所として重要視する例があり、また地場産業にしても宣伝になる。
  • 病院(または診療所
    利用しない部屋室に併設する。患者には利用客に対応。各施設一部地域により設置しないこともある。

料金支払いと関連サービス編集

  • ルームチャージ
    室料。一人当たりの料金ではなく一部屋当たり料金。
  • ポイントサービス
    各ホテル独自のもので、宿泊料・レストランの飲食料に対し5%程度、または1泊毎にポイントを付加し、ポイントを宿泊・飲食料に充当したり、一定のポイント数に達すると現金のキャッシュバックや景品(主に無料宿泊券・食事券・ホテル専用の商品券など)がプレゼントされる。クイックチェックインサービスが利用できるホテルもある。
  • 会員組織
    ホテル利用者を対象に募集されるもので、上記のポイントサービスの他に会報誌等の送付や、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトが無料サービスされたり、下記クラブラウンジの利用が可能である場合もある。提携カード型が多い。

宿泊方法編集

予約編集

当日満室で宿泊できない事態を回避するため、宿泊予定が決まっていれば、事前に予約するのが望ましく、また一般的である。

客室準備の都合などもあり、業界内の慣例として、予約なしでホテルに赴く客 いわゆる「飛び込み客」は歓迎されない傾向があるため、事前予約はホテルに対するエチケットでもある。自身が当日に宿泊を希望するホテルがすぐ目前にあっても、極端な話フロントにある公衆電話を利用してでも、事前予約をしてから赴くのが望ましく、またスムーズなチェックインが可能となる(ただし、廉価なビジネスホテル等では「当日空室宿泊プラン」等と称して、飛び込み客を積極的に受け入れる施設もある)。

なお都市部で国際会議、学会見本市等が開催される期間中は、かなり早期からその都市内のほぼ全ての宿泊施設が軒並み予約済みの「満室」となってしまっていることも多く、気付いた時には手遅れで予約がとれず宿泊できない場合もある。

ホテルの客室を予約前に実際に確認したい場合には、フロントにて「ルームチェック」を申し出れば、ホテルの客室や設備が確認でき、1泊当たりの値段が提示される。ルームチェックは、無料で出来る。

以前は、ホテルの予約係へ直接電話したり、旅行会社の窓口など[21]で予約し宿泊クーポン券を購入する方法が殆どであったが、近年はインターネットでの予約も一般化しており、各ホテルの公式ウェブサイトの他、「エクスペディア」「ホテルズドットコム」「トリバゴ」「アゴダ」「じゃらんnet」「楽天トラベル」などのような宿泊予約サイトが取り扱うシェアも大きい。 これらのサイト経由の予約の場合、ホテルへ直接予約の場合と比べて割安となる場合も多く、割引率はウェブサイトごとに異なり、また空室状況・季節等によって異なるが、最大級では通常料金の半額程度にまでなる場合もある。独自の宿泊プランを用意しているサイトもある。

予約サイトによって空室数が異なる場合もあり、また満室表示となっていても、実際には当日キャンセルでホテル側が空室を抱えている場合もあるので、このような場合は、ホテルに直接電話で問い合わせてみると良い[22]

直接ホテルへ問い合わせれば、正確な空室状況が分かるが、直接予約の場合は宿泊サイトや旅行会社提供の料金(プラン)は適用されず、ホテル側提示の料金となることが殆どである。ただし必ずしも高価となるわけではなく、むしろホテルによっては、どの宿泊予約ウェブサイト・旅行代理店よりも安価を提示するところもある(ベストレート・ギャランティー方式)。

時間に余裕がある場合には、各種サイトや旅行会社、それに直接予約の場合の料金を入念に比較検討してみると良い。

チェックイン編集

13時から16時あたりに受付が開始される。アーリーチェックインは宿泊施設規定のチェックイン開始時間よりも早くチェックインを行うもので、原則追加料金の支払いが必要。

宿泊当日は、フロントで氏名・住所・電話番号などを記入し、必要に応じてパスポートなど身分証明書を提出する。 ホテルは「前払い」方式のものと「後払い」方式のものがあり、前払い方式のホテルの場合はこの段階でまず宿泊料を支払う。後払い式のホテルではチェックアウト時に全額精算する。一部の高級ホテルでは、一定額の現金(デポジット)またはクレジットカードのプリント(金額空欄の売上票を作成する)を要求されることがある。[23][24][25] フロントで氏名を記入する際、本名でなく偽名を用いることは違法行為であり、逮捕される可能性がある。[26]

次に部屋のを受け取り、その部屋に行くことになる。[27]

クイックチェックイン
リピーター客やホテルの会員を対象に、フロントで会員カードの提示や口頭で氏名・電話番号などを告げる事で、顧客システムに登録されている情報を用いることによって、宿泊カードの記入が省略できるもの。
「自動チェックイン機」が設置されているホテルでは、係員と応対することなくチェックインと前金の支払が完了するものもある。

チェックアウト編集

時刻

チェックアウトの時刻(それ以前にチェックアウトすべき刻限)はホテルにより異なる。(世界的に見て)11時前後にチェックアウト時刻を設定しているホテルが多い[28]。 日本のビジネスホテルは10時から11時、シティホテルは11時から13時あたりまでにチェックアウトしないと「レイト・チェックアウト」(遅いチェックアウト)となり、超過時間によって追加料金の支払が必要。なお、会員組織や提携カードに入会すると、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトの料金が無料となるホテルも多い。

最終日には、電話代やミニバー代、後払い式の場合は宿泊料を精算し、キーを返却する。ミニバー代などの未収金が発覚した場合は、クレジットカード決済の場合はその額も追加決済され[29]、そうでない場合は後日請求書が届いたりする。

クイックチェックアウト
いくつか方式がある。
  • (前金式のビジネスホテルで追加料金が無い場合に)フロントに出向かずに、ロビー(フロント周辺)に置かれている受け箱にルームキーを投函する事でチェックアウトが完了するもの。カードキー方式のホテルでは「自動チェックアウト機」(精算機能なし)も設置されている。
  • (シティホテル・ビジネスホテルチェーンなど)「自動チェックイン / アウト機」にカードキーを投入すると、自動で料金が計算されるもので、現金・クレジットカードデビットカード自動精算機で支払うとチェックアウトも完了する。
  • (一部のシティホテル)チェックイン時にクレジットカードのインプリント(金額空欄の売上票)が作成されている場合、必要書類に署名をしてキーと共にフロントに提出するだけで、チェックアウト。料金は後日クレジットカードに請求される。利用明細書は、出発日の朝までに用意される場合と、後日郵送される場合がある。

[30]

各国の法制度編集

イギリス編集

ロンドンでは建物用途に応じた防火、耐火、給排水、省エネ等に関する建築基準があり、宿泊施設の新築・増改築、宿泊施設への建物の使用目的の変更には自治体の事前許可が必要である[31]

フランス編集

パリでは都市計画の観点から建築や事業用途変更等には許認可が必要であるほか、ホテルは公衆受入施設にあたるため構造・避難設備・消火設備など建物内の安全性に係る基準を満たす必要がある[31]

日本編集

 
ホテルのレストランの例

日本では、外観・内装や接客が和風の旅館だけでなく、洋式ホテルも旅館業法の規制を受ける[32]

一方で、大型のものでは、会議場やパーティー宴会場、結婚式場プールなどを備え、政府レベルの国際会議が開かれることもある大型ホテルがあり、他方でトレーラーハウスキャンピングカー駐車場に並べたような仮設ホテルまで様々ある[33]

ホテル営業編集

日本の法令上は旅館業法(昭和23年7月12日法律第138号)に規定する「旅館業」に規定される営業の一種であり(旅館業法2条1項)、「洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」を行う施設を指す(旅館業法2条2項)。旅館業法のホテル営業は客室の形式は、洋式の宿泊施設でありベッドを備えた洋室の個室が基本となる。

ホテル営業を含め旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)の許可を受ける必要がある(旅館業法3条1項)。許可を受ける際には申請書に営業の種別(旅館業法上のホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業の種別)を記載しなければならないが、これとは別に営業施設の名称も記載することとなっている(旅館業法施行規則1条)。この営業施設の名称については原則として経営者が申請の際に自由に設定できるため、旅館業法上の営業の種別と営業施設の名称とは一致しない場合もある(営業の種別についてホテル営業として申請しているが営業施設の名称に「旅館」を名乗っている場合、それとは反対に営業の種別につき旅館営業や簡易宿所営業として申請しているが営業施設の名称としては「ホテル」を名乗っている場合など)。なお、都道府県知事の許可の際の構造設備の基準など法令の適用については、営業施設の名称にかかわらず経営者の申請した営業の種別にしたがってなされることになる。

ホテルの営業時間や料金の支払い、暴力団関係者の宿泊拒否に関する事項等、ホテルと宿泊者との間の取り決めについては、宿泊施設側が宿泊約款を策定[34]し、対応している場合がほとんどである。

構造設備の基準編集

ホテル営業の施設の構造設備の基準については、旅館業法施行令で次のように定められている(旅館業法施行令1条1項)。

  1. 客室の数は、10室以上であること。
  2. 洋式の構造設備による客室は、次の要件を満たすものであること。
    1. 一客室の床面積は、9平方メートル以上であること。
    2. 寝具は、洋式のものであること。
    3. 出入口及び窓は、かぎをかけることができるものであること。
    4. 出入口及び窓を除き、客室と他の客室、廊下等との境は、壁造りであること。
  3. 和式の構造設備による客室は、旅館業法施行令第1条第2項第2号に該当するものであること(和式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ7平方メートル以上であること)。
  4. 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
  5. 適当な換気採光照明防湿及び排水の設備を有すること。
  6. 宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室又はシャワー室を有すること。
  7. 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  8. 当該施設の規模に応じた適当な暖房の設備があること。
  9. 便所は、水洗式であり、かつ、座便式のものがあり、共同用のものにあっては、男子用及び女子用の区分があること。
  10. 当該施設の設置場所が学校等の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む)の周囲おおむね100メートルの区域内にある場合には、当該学校等から客室又は客にダンス若しくは射幸心をそそるおそれがある遊技をさせるホールその他の設備の内部を見とおすことをさえぎることができる設備を有すること。
  11. その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

用途規制編集

建築基準法による用途規制により、ホテルは第一種住居地域(用途に供する部分が3000平方メートル以下に限る)、第二種住居地域準住居地域近隣商業地域商業地域準工業地域でのみ設置できる。


主要ホテルグループ編集

ホテルの客好感度調査編集

2014年10月26日付の中国旅游新聞網によると、旅行会社エクスペディアヨーロッパ12か国に対する調査で、最も歓迎する観光客は日本人で2位はアメリカ人スイス人と続き、逆に歓迎されないのはフランス人インド人中国人中華人民共和国)だった。特に日本人はチェックアウト時の部屋の状態の良さや礼儀正しさ、好奇心、現地の習慣を理解しているなどの点で観光客の模範であるとされた。調査によると、かつては無遠慮、がさつ、やかましいなどの点で評価の低かった米国人マナーが改善され、優秀な観光客と評価され、フランス人、中国人、ドイツ人はケチな観光客と評された。またファッションセンスの良さで評価されたのは、フランス人、イタリア人スペイン人で、身だしなみに気を使わない印象を与えたのは、旅での動きやすさや快適さを重視するドイツ人、イギリス人、アメリカ人だった[35][36]

ホテルを扱った作品編集

編集

小説編集

漫画編集

TV編集

映画編集

舞台作品編集

脚注編集

[ヘルプ]

注釈編集

出典編集

  1. ^ フランス語は「h」を決して発音しないのでhôtelは「オテル」と発音する
  2. ^ a b An establishment providing accommodation, meals, and other services for travellers and tourists.
  3. ^ 星で分かるフランス・ホテルの選び方
  4. ^ [1]
  5. ^ a b c d e ホテルのタイプ 地球の歩き方 2017年4月3日閲覧
  6. ^ a b c d シティホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  7. ^ (米国の)ビジネスホテルは、エグゼクティブの使用を前提としたホテルを指すケースが一般的で(ビジネスクラスと同義)、広々とした部屋に会議室等のビジネス設備や、フィットネスクラブなどが併設されているケースが多く、日本におけるシティホテルに相当。[要出典]
  8. ^ ビジネスホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  9. ^ 東京YMCA国際ホテル専門学校「ビジネスホテルとシティホテルの違いとは?」
  10. ^ 観光ホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  11. ^ リゾ-トホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  12. ^ カプセルホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  13. ^ 香港台湾韓国など他の一部のアジア諸国にも日本のラブホテルを模倣したものが現れた。
  14. ^ a b c d e f g h i j 部屋のタイプ 地球の歩き方 2017年4月3日閲覧
  15. ^ a b c 客室の設備 地球の歩き方 2017年4月3日閲覧
  16. ^ 日本国内では日本国際ギデオン協会の協力による、聖書普及を目的とした無料配布
  17. ^ 日本国内では仏教伝道協会が配布する『仏教聖典』。上記聖書とセットで置かれている事が多い
  18. ^ http://enpota.com
  19. ^ http://www.sofnetjapan.com/
  20. ^ アーカイブされたコピー”. 2006年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年2月3日閲覧。
  21. ^ Wikipediaは自国中心になってはいけないので脚注で説明し、日本ローカルの話でしかないが、JRみどりの窓口もある。
  22. ^ これは各旅行会社が契約により客室を一定数仕入れているためで、興業チケットの販売に関わるプレイガイドと興行主間との契約と同様である
  23. ^ 後者の方式を採用しているホテルは、一部の不届きな客によって「無銭飲食」「無銭宿泊」の被害をこうむる(法的には詐欺罪などに当たる犯罪)。それを防止するために、デポジットなどの方策がとられている。
  24. ^ 日本では、ビジネスホテル等の廉価なホテルは前払い方式、それ以外の高級ホテルや観光地の旅館タイプのホテルでは、チェックアウト時に支払う後払い式が比較的多い。
  25. ^ 世界のホテルや日本の高級ホテルに宿泊し慣れていない者の中には、このようなシステムに不快感を抱く者がいる(各種旅行サイトの感想投稿欄に、不快感を示すコメントがしばしば見受けられる)が、各ホテルの宿泊約款に到着時に行う事として定められており、世界のホテルや高級ホテルでは極めて一般的なことである。
  26. ^ 日本では旅館業法違反や私文書偽造罪に該当し、逮捕されるケースもある(公安警察別件逮捕微罪逮捕の手段として用いる)。
  27. ^ なお、部屋から外に出るときは、通常はフロントに鍵を預けるが、磁気カード式のホテルにおいては持ち出し自由の場合もある。またカード式の場合、宿泊の記念としてチェックアウトの際に、カードを持ち帰ることが出来るホテルも存在する(コードはチェックアウト後に変更され新しいカードも準備される)。
  28. ^ 7things not to do
  29. ^ 宿泊約款によって宿泊客は追加請求・決済を承諾したと見なされるため。
  30. ^ これとは別に、ラブホテルや一部のシティホテルの客室内に、クレジットカード専用の自動精算機が設置され、出発時に客室内でチェックアウトが完了するものもある。
  31. ^ a b 諸外国における規制等の事例について 国土交通省 2017年4月3日閲覧
  32. ^ 旅館業法概要厚生労働省(2018年7月11日閲覧)
  33. ^ 「広がる仮設ホテル/安価なトレーラー▼キャンピングカー/訪日客急増、柔軟に対応」『日経MJ』2018年7月2日(観光・インバウンド面)
  34. ^ モデル宿泊約款”. 国土交通省 (2011年9月1日). 2018年3月17日閲覧。
  35. ^ Yahoo!ニュース 「欧州のホテルが最も歓迎する観光客は?ワースト3はフランス、インド、中国本土―中国メディア」XINHUA.JP 10月27日(月)12時5分配信 Archived 2014年12月30日, at the Wayback Machine.[リンク切れ]
  36. ^ Focus-Asia 「欧州のホテルが最も歓迎する観光客は?ワースト3はフランス、インド、中国本土―中国メディア」

参考文献編集

  • 仲谷秀一・杉原淳子・森重喜三雄『ホテル・ビジネス・ブック』中央経済社 2006年 ISBN 4-502-38700-2
  • 下田淳『居酒屋の世界史』講談社現代新書 2011年

関連項目編集