アミAmi )は、フランス自動車メーカーシトロエン1961年から1978年まで生産した小型大衆車

シトロエン・アミ
アミ6
アミ6 リア
アミ8
概要
製造国 フランスの旗 フランスレンヌ
スペインの旗 スペインビーゴ
アルゼンチンの旗 アルゼンチンブエノスアイレス
販売期間 1961年 - 1978年
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 4ドア セダン
5ドア ハッチバック
5ドア ワゴン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 空冷水平対向2気筒602cc
空冷水平対向4気筒1,015cc
変速機 4速MT
前:独立 リーディングアーム コイル 前後輪関連懸架
後:独立 トレーリングアーム コイル 前後輪関連懸架
前:独立 リーディングアーム コイル 前後輪関連懸架
後:独立 トレーリングアーム コイル 前後輪関連懸架
車両寸法
ホイールベース 2,390mm
全長 3,865mm(1963年アミ6)
全幅 1,520mm
全高 1,485mm
車両重量 640kg
その他
最高速度 105km/h
系譜
後継 シトロエン・ヴィザ
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概要 編集

アミはフランス語で「友達」の意味。2CVの上級版として、ID/DSとのギャップを埋めるために開発され、17年間で1,840,396台が生産された。

歴史 編集

第二次世界大戦後のフランス社会の混乱が収束し、社会に余裕が出てくると、戦後復興期のフランス大衆の足となった2CVやルノー・4CVより1クラス上級の大衆車が必要となってきた。こうして登場したのがともに1961年デビューのルノー・4アミ6である。 アミは機構的には2CVの発展型であるが、当時のチーフデザイナー・フラミニオ・ベルトーニによる大型化されたボディ(4ドアセダン(ベルリーヌ)と5ドアワゴン(ブレーク)があった)に対応して、空冷水平対向2気筒OHVエンジンは602ccまで拡大され、2CVよりはやや余裕のある動力性能を得ている。

アミ6 編集

アミ6のスタイル上の特徴は、当時まだ珍しかった矩形ヘッドライト、米欧のフォード系各社が採用していたクリフカットデザインのキャビン、ボディサイドのプレスラインなどである。アミのスタイリングを手がけたベルトーニは1964年に死去したため、アミ6がベルトーニのデザインした最後のシトロエン市販車となった。

アミ8 編集

1969年にはフランスのコーチビルダー・ユーリエが、ベルリーヌのルーフラインを翌年にデビューするシトロエン・GS風のファストバックに手直しし、フロントエンドもやや一般的なものに改めたアミ8を発表した。2CV同様にサスペンション前後関連懸架であるが、トーションバー・スプリングが追加された。

アミ・スーパー 編集

1973年には、GS用の空冷水平対向4気筒SOHC1,015ccエンジンを搭載したアミ・スーパーが追加された。 アミ8との外観上の違いは少なく、僅かにグリル下にエアインテークが追加され、左側前フェンダーに「アミ・スーパー」のバッジがあるのみである。

ステアリングハンドル、内装特にシートはGSと全く同等になった。アミ6、アミ8の602ccエンジンの出力は35HPでしかなかったが、1,015ccエンジンの出力は61HPと飛躍的に向上し、あわせてシャシーも強化された。

前輪ブレーキは大型化しGS1220タイプとなり、サスペンションも2CV系のままでは限界に達したため、強化型コイルスプリング・前後の油圧ダンパー・アンチロールバーが追加され、前後懸架の関連(サスペンションシリンダーの可動性)は最小限になった。 性能面が大きく強化されたアミ・スーパーであったが、価格面でGSと重複したため売れ行きはあまり芳しくなく、1973 - 1976年までに3年間に約44,820台が生産されたに留まった。

1978年に生産中止され、シトロエン・ヴィザに後を譲った。日本へも代理店の日仏自動車西欧自動車によって少数ながら輸入されたが、保安基準に適合できなくなり1970年頃を最後に輸入は途絶した。

外部リンク 編集