シトロエン・C3 WRC は、世界ラリー選手権への参戦を目的としてシトロエンによって設計・開発されたワールドラリーカーシトロエン・C3をベース車両としており、シトロエン・DS3 WRCの後継モデルとして開発された[2]

シトロエン・C3 WRC
C3 WRC in Monte Carlo - fotocredd Citroën Racing.jpg
カテゴリー FIA ワールドラリーカー
コンストラクター シトロエン
先代 シトロエン・DS3 WRC
主要諸元[1]
サスペンション(前) マクファーソンストラット
サスペンション(後) マクファーソンストラット
全長 4,128 mm
全幅 1,875 mm
ホイールベース 2,540 mm
エンジン 1.6 L 直列4気筒 直噴 ターボ
トランスミッション 6速 シーケンシャル
  • 前後: 機械式ディファレンシャル
  • センター: 油圧式セルフ・ロッキング・ディファレンシャル
出力
  • 380 hp (280 kW) / 6,000 rpm
  • 400 Nm / 4,500 rpm
重量
  • 1,190 kg(最低重量)
  • 1,350 kg(クルー込み)
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム フランスの旗 シトロエン・トタル・アブダビWRT英語版
ドライバー
出走時期 2017年 -
初戦 モナコの旗 2017年 モンテカルロ
初勝利 メキシコの旗 2017年 メキシコ
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概要編集

シトロエンは2015年、2015年シーズンの終了をもってWRCへのフル参戦を一旦休止し、次世代WRカーであるC3 WRCの開発に注力することを公式発表した[3]。シトロエン・レーシングは旧来のDS3 WRCを使用して2016年シーズンの数戦にスポット参戦し、開発中のパーツのテストを行った[2]。さらなるテスト・開発作業は世界ツーリングカー選手権におけるシトロエンの競技車両「C-エリーゼWTCC」を利用して行われた[2]。シトロエン・C3 WRCは、技術規定が大幅に改定された2017年シーズンの開幕に合わせて実戦デビューを果たした[4]

大柄なベース車両とピーキーな特性を持ってはいたが、ミーク・ローブ・オジェたちで多数の勝利を挙げており、戦闘力は決して低くなかった。しかしチームは慢性的な資金不足に悩まされており、オジェに離脱の理由として挙げられるほど開発速度の遅さは致命的であった[5]

戦歴編集

2017年編集

前年2勝を挙げたクリス・ミークを筆頭に、クレイグ・ブリーン、ステファン・ルフェーブルの3台体制で参戦。[6][7]。シーズン中にはハリド・アルカシミが4台目のC3 WRCを数戦で走らせた[6]

ラリー・メキシコでは首位を独走していたミークが最終パワーステージでコースアウトし、その先の駐車場を右往左往するというドラマを演じつつも初勝利。ラリー・カタルーニャでもミークが優勝を挙げたが、ミークは安定感を欠いた上他の二人も表彰台には上がれず、ドライバーズ選手権では最高7位、マニュファクチャラーズ選手権では最下位に終わった。

2018年編集

ルフェーブルが解雇され、ミーク以外はブリーン、マッズ・オストベルグセバスチャン・ローブ、アルカシミらがシートを共有する形での参戦となった。

ミークは相変わらず安定感を欠き、ポルトガルの大クラッシュで首脳陣の苛立ちはピークを迎える。「クルー(コドライバー)の安全を守るため」という理由でミークの参戦を停止。籍はシトロエンに置いたまま、事実上の解雇となった。エース不在のシトロエンは低迷し、このシーズン表彰台は3回に終わった。

一方でセバスチャン・ローブは、ブランクをものともしない走りを見せ、復帰3戦目にしてラリー・カタルーニャを制し、WRC史上最多ドライバー優勝記録(79)を更新した。

2019年編集

ドライバーラインナップは一新され、フランス人で6連覇中のセバスチャン・オジェとトヨタから引き抜いたフィンランド人のエサペッカ・ラッピが加入。3台目にローブが収まるかと思われたが、タイトルスポンサーのアブダビが撤退したためシートが用意できず、結果ローブはヒュンダイへと去った。このため2台体制となった。

オジェは初のC3 WRCで得意のラリー・モンテカルロを制し、前人未到となるシトロエンのWRC通算100勝目を挙げた。シトロエンは二台体制でありながら、第三戦終了時点のマニュファクチャラーズランキングでヒュンダイ、第四戦終了時点ではトヨタを上回っていた。その後もオジェが2勝を挙げるが、オット・タナクに最終戦前にタイトルを奪われ、オジェの連覇は6でストップした。ちなみにもし最終戦までタイトル争いがもつれれば、オジェのサポートのためマッズ・オストベルグを3台目に出す計画もあった。

11月にモータースポーツ部門を共にするプジョール・マン復帰計画が発表され、その後シトロエンの撤退も発表された。この時シトロエンは「オジェのようなタイトルを争えるドライバーが離脱したので」と取れる文章を公式Twitterやプレスリリースに書いたため[8]、巷で「撤退をドライバーのせいにするのか」と物議を醸した。

世界ラリー選手権における優勝編集

No. イベント名 路面 ドライバー コドライバー エントラント
2017 1   2017年ラリー・メキシコ グラベル   クリス・ミーク   ポール・ネーグル   シトロエン・ワールドラリーチーム
2   2017年ラリー・カタルーニャ 混合   クリス・ミーク   ポール・ネーグル   シトロエン・ワールドラリーチーム
2018 3   2018年ラリー・カタルーニャ 混合   セバスチャン・ローブ   ダニエル・エレナ   シトロエン・ワールドラリーチーム
2019 4   2019年ラリー・モンテカルロ 混合   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア   シトロエン・ワールドラリーチーム
5   2019年ラリー・メキシコ グラベル   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア   シトロエン・ワールドラリーチーム
6   2019年ラリー・オブ・ターキー グラベル   セバスチャン・オジェ   ジュリアン・イングラシア   シトロエン・ワールドラリーチーム

関連項目編集

脚注編集

外部リンク編集