シベリアカラマツ西伯利亜落葉松学名Larix sibirica)は、マツ科カラマツ属針葉樹。西ロシアフィンランド国境付近から中央シベリアイェニセイ川までを原産とする。東シベリアグイマツ L. gmelinii と交雑して Larix × czekanowskii となる。

シベリアカラマツ
モントリオール植物園のシベリアカラマツ
保全状況評価[1]
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Pinophyta
亜門 : マツ亜門 Pinophytina
: マツ綱 Pinopsida
亜綱 : マツ亜綱 Pinidae
: マツ目 Pinales
: マツ科 Pinaceae
: カラマツ属 Larix
: シベリアカラマツ L. sibirica
学名
Larix sibirica (Münchh.) Ledeb.[1][2]
和名
シベリアカラマツ
英名
Siberian Larch, Russian Larch

特徴 編集

樹高20〜40m、幹径1mに及ぶ中〜大型の耐霜性落葉性針葉樹。樹幹は若木の時は錐形で、生長と共に幅広くなり、主枝は水平から上向、側枝は大抵下向き。芽は、10〜50cm程の複数の芽を出す長芽と1〜2mm程で単独の短芽の二形性。芽に綿毛があるので近縁のヨーロッパカラマツとは簡単に見分けがつく。葉は針状で明緑色、長さ2〜4cm、秋には明黄色に紅葉して落葉、次の春までに淡黄褐色の芽が生える。

雄花雌花は同じ木の別々に生じ、受粉は早春。雄花は単独性、黄色、球形から長球形、直径4〜8mmで、無翼の花粉を産生。成熟した雌花は垂直で、卵円錐形、長さ2〜4cm、30〜70の種鱗は直立または多少内側へ湾曲したものと下向きのものがある。これらは未成熟な状態だと緑または赤みを帯びているが、成熟すると開花し褐色となり、受粉の4〜6ヵ月後には有翼の種を飛ばす。古い球果は通常何年も木に残り鈍い灰黒色に変わる。結実年数は10〜15年。

保全状況評価 編集

LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List Ver. 2.3 (1994))[1]

IUCNレッドリストでは、1998年版で軽度懸念に評価されたが、更新が必要とされている[1]

用途 編集

その腐食耐久性からカラマツの木材はポスト、ポール、枕木、鉱山の支柱などに重用される。また、マンチェスター自転車競技場[3]やモスクワのクルィラツコエ自転車競技場[4]など、世界中の自転車競技場で使用される。日本には無垢フローリングとして輸入されている。

本種は1806年北米に移入された。

他の寒冷地の樹木と較べても生長が早いが、充分な日光が要る。植林した場合広い空間を取って、こまめに枝打ちを行うのが望ましい。

脚注 編集

参考文献 編集

外部リンク 編集