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シャムシール
シャーナーメ』のアフラースィヤーブの合戦(14世紀初頭、イルハン朝

シャムシールشمشیر shamshīr)は、刀剣の一種。中近東に見られる、わずかに曲がった細身の片刃シャムシェールシャムセールとも呼ばれる。

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名称編集

「シャムシール」とは英語のソードsword)などと同じく、本来ペルシア語で「刀剣」を意味する普通名詞であり、名称そのものに、刀身の曲がりなどの形状についての意味は有しない。アラビア語サイフسيف sayf/saif)、マフムード・カーシュガリーの『テュルク語集成』などに見られるセルジューク朝時代からイルハン朝時代にかけての中央アジアから中東一帯のテュルク語ではキリチقليج qilič)や、チャガタイ語オスマン語ではクルチقليچ qïlïč)(現代トルコ語ではクルチkılıç))も、本来は刀剣一般を、通常は曲刀を意味する。

エジプトアラビアなどではシャムシール、西洋ではシミターscimitar)と呼ばれ、西洋のサーベルなどに影響を与えたといわれる。

これら曲刀を意味する各国語は、新月刀半月刀偃月刀(偃月は半月と同じ)などと和訳されることがある。ただし、偃月刀は本来は中国の曲刀で、シャムシール等とは形状もやや異なり頑丈なつくりをしている。

歴史編集

パルティア語パフラヴィー語(中期ペルシア語)でいう「シャムシェール」(šmšyl / šamšēr)の近世ペルシア語形で、サーサーン朝時代は直であった。アッバース朝以降の刀剣もおおむね直剣であった。

集史』などの絵画資料や考古学の研究からセルジューク朝モンゴル帝国(およびイルハン朝)などテュルクモンゴル系の遊牧戦士の刀剣の影響で、この地域の刀剣は現在のような曲刀になったと考えられている。

形状編集

非常に刃の薄い湾曲した片刃の刀身を持ち、その先端の角度は15から30度程となる。

柄頭は小指側にカーブを描いており、獅子の頭になぞらえられる。

参考文献編集

  • 市川定春『武器辞典』新紀元社
  • 市川定春『武器甲冑図鑑 ARMS&ARMOR』新紀元社
  • 長田龍太『続・中世ヨーロッパの武術』新紀元社、2013年9月14日初版発行。
  • マーティン・J・ドアティ 著、日暮雅通 監訳『中世ヨーロッパ 武器・防具・戦術百科』原書房、2010年7月29日第一刷。

関連項目編集