ションブルグジカRucervus schomburgki) は、鯨偶蹄目シカ科に属するシカの一種。絶滅種タイ南西部の湿原地帯に生息していた。バラシンガジカ(インドヌマジカ)の亜種とする説もある。

ションブルクジカ
ションブルクジカ
ションブルクジカ
保全状況評価
EXTINCT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : 反芻亜目 Ruminantia
: シカ科 Cervidae
亜科 : シカ亜科 Cervinae
: バラシンガ属 Rucervus
: ションブルクジカ R. schomburgki
学名
Rucervus schomburgki
Blyth,1863
和名
ションブルクジカ
英名
Schomburgk's Deer

形態 編集

体長は1.8m、体高1.2m程度。体重は170kg-280kg。体色は褐色。は現生のどのシカよりも大きく枝が多かった。並の個体でも20本、最大33本の枝角があったという。体色と角以外はインドヌマジカによく似ている。

絶滅 編集

ションブルグジカが絶滅した要因は二つある。一つはを目的とした狩猟、もう一つは開発による湿原の消失である。ションブルグジカの見事な角は、トロフィーとして申し分なかったし、漢方薬の材料にもなった。湿原の消失が減少に拍車をかけた。人口が増え技術が進歩するにつれて、それまで利用されなかった湿原でも水田として開発出来るようになれば、環境保護などという発想のなかった当時のことだからションブルグジカの生息地はたちまち減っていった。森林で生きていこうとしても狩猟者はそこまで追いかけてきたし、角がじゃまになって住める森林も限られていた。1938年ベルリン動物園で死んだのを最後に絶滅したとされるが、1931年1935年という説もある。

参考文献 編集

  • 今泉忠明『絶滅野生動物事典』、角川ソフィア文庫、2020年、223~226頁。なお、今泉は絶滅年について1931年に殺されたものが最後のションブルグジカであったとしている。