シリコンゲルマニウム
半導体
概要編集
シリコンにゲルマニウムを添加することにより歪みシリコンが形成し、電子移動度の優れた半導体になる。従来であればヒ化ガリウム等の化合物半導体でなければ対応が困難だった高周波でも対応できる。また、従来のシリコン半導体の製造で培われた微細加工技術を適用できるので集積度を高めることが比較的容易で次世代の集積回路で期待される[1]。
用途編集
電子移動度が優れているのでマイクロ波以上の周波数帯での高周波デバイスとしての用途がある。また次世代の集積回路でも期待される[1]。2014年にはドイツのIHPとジョージア工科大学の研究チームが、最大発振周波数798GHzという世界最速で動作するシリコン-ゲルマニウム・トランジスタを作製した[2][3]。またバンドギャップが狭いため、光の吸収がシリコン単体よりも多いので高効率の太陽電池にも使用される[4]。
出典編集
- ^ a b SiGeが切り開く半導体の未来
- ^ シリコン-ゲルマニウム・トランジスタで世界最速動作798GHzを記録 ― IHPとジョージア工科大
- ^ Silicon-Germanium Chip Sets New Speed Record
- ^ 稲員ふみ、「技術開発レポート: フィルム基板アモルファスシリコン太陽電池の開発」 『電気学会論文誌D(産業応用部門誌)』 2010年 130巻 4号 p.NL4_05, doi:10.1541/ieejias.130.NL4_05, 電気学会
参考文献編集
- 白木靖寛、「開花期を迎えたシリコンゲルマニウム技術」 『日本結晶成長学会誌』 2004年 31巻 1号 p.1-, doi:10.19009/jjacg.31.1_1, 日本結晶成長学会
- 小野島紀夫, 笠松章史, 広瀬信光 ほか、「ミリ波帯動作に向けた SiGe/Si HEMT の研究 (ミリ波・テラヘルツ波デバイス・システム)」 『電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス』 107.355 (2007): 1-5, NAID 110006532874.
- 宮下桂, 中山武雄, 松岡史倫. "微細化限界を打破する最先端 CMOS デバイス技術." 東芝レビュー 63.7 (2008).
- 齋藤秀和、「シリコン・ゲルマニウムにおけるスピントロニクス」 『応用物理』 2015年 84巻 4号 p.331-333, doi:10.11470/oubutsu.84.4_331, 応用物理学会