シルエット・ロマンス」(Silhouette Romance)は、恋愛小説の新書のレーベル、及びそのレーベルのイメージソングとして製作された歌。

新書レーベル 編集

サンリオハーレクイン・ロマンスの流行に対抗する形で[1]米シルエット(Silhouette)社と契約し、1981年9月より刊行を開始した恋愛小説のレーベル。「サンリオロマンスコミックス」として小説の漫画化も行なわれた。1985年5月より版権がハーレクインに移行し、2006年12月をもって休刊した。レーベルの座付き作家はハーレクイン・イマージュレーベルに移籍した。

楽曲「シルエット・ロマンス」 編集

シルエット・ロマンス
大橋純子シングル
B面 過ぎてきた河
リリース
規格 7インチレコード
ジャンル ポップス
レーベル フィリップス・レコード
作詞 来生えつこ
作曲 来生たかお
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間7位(オリコン
  • 1982年度年間18位(オリコン)
  • 6位(ザ・ベストテン
  • 1982年度年間14位(ザ・ベストテン)
  • 大橋純子 シングル 年表
    ファンタジック・ウーマン
    (1981年)
    シルエット・ロマンス
    (1981年)
    サンバ・ソレイユ
    1982年
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    上記のイメージソングとして、来生えつこ作詞・来生たかお作曲・大橋純子歌唱により、1981年11月25日にレコードが発売された[2]。担当ディレクターの北澤康隆は、当初、編曲を大野雄二に依頼し本人の承諾を得ていたものの、所属事務所から多忙を理由に断られたため、大野から紹介された鈴木宏昌をアレンジャーに起用した[3]

    和歌山毒物カレー事件で逮捕された林眞須美は、2006年に著書「死刑判決は『シルエット・ロマンス』を聴きながら 林眞須美 家族との書簡集」を出版した。林の4人の子供がラジオ番組に「ママの大好きな曲」として「シルエット・ロマンス」をリクエストし、拘置所でその放送を聴いた林が声を出して泣いたエピソードがタイトルの由来となっている[4]。来生たかおは2009年のコンサートでこの本をMCの話題に取り上げた後、「シルエット・ロマンス」を披露している。

    2003年6月4日発売のアルバム『June』には、「シルエット・ロマンス」と同じ作詞・作曲コンビにより、本楽曲の主人公2人の22年後という設定のアンサーソング「二人のアフタヌーン」が収録されている[5]

    受賞経歴 編集

    1982年に開催された第24回日本レコード大賞の最優秀歌唱賞を受賞した。北島三郎当時の所属事務所の実質的オーナー)と田中邦衛(大橋のファン)が特別ゲストとして祝福に訪れ、両者に見守られる中、熱唱した。

    チャート成績 編集

    発売当初の売れ行きは低調であったが[6]、翌1982年に入ってじわじわと売れ始め、5月24日付のオリコンで最高位の7位を記録し、その後もロングヒットを続けた。累計売上は48万枚[7]または55万枚[8]。またTBS系の音楽番組『ザ・ベストテン』でも、1978年の「たそがれマイ・ラブ」以来4年ぶりにランクインを果たした。

    収録曲 編集

    1. シルエット・ロマンス
      作詞:来生えつこ、作曲:来生たかお、編曲:鈴木宏昌
    2. 過ぎてきた河
      作詞:伊藤アキラ、作曲・編曲:樋口康雄

    カバー 編集

    詳細は来生たかお関連作品#被カヴァー曲を参照。

    関連項目 編集

    脚注 編集

    1. ^ 「「手軽さ」がうけたヒット商品集」『オール大衆』第34巻第16号、経済通信社、1981年9月、40 - 41頁、NDLJP:2247118/21 
    2. ^ 読売新聞』1981年11月22日付朝刊、4面に掲載されたサンリオの広告より
    3. ^ 『A面に恋をして』谷口由記、リットーミュージック、2018年、90頁。
    4. ^ 死刑判決は『シルエット・ロマンス』を聴きながら 林眞須美 家族との書簡集
    5. ^ 大橋純子が歌う「シルエット・ロマンス」の22年後、SANSPO.COM、2003年6月4日。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
    6. ^ 読売新聞社文化部『この歌この歌手―運命のドラマ120〈下〉』現代教養文庫、1997年、172頁。ISBN 4390116029
    7. ^ 『この歌この歌手―運命のドラマ120〈下〉』173頁。
    8. ^ 大橋純子 初期の食道がん公表「まだに信じられません」、スポニチ Sponichi Annex、2018年3月15日 15:29。