シロヤシオ(白八汐[2]学名: Rhododendron quinquefolium)はツツジ科ツツジ属落葉低木または小高木である。別名、ゴヨウツツジ。日本の本州岩手県以南の太平洋側から四国にかけて分布する[2]。深山に生える[2]ブナ帯に生育し、時に直径数十cmの大木となる。葉は倒卵形で、縁が薄く赤く色づくことがある。

シロヤシオ
シロヤシオ (丹沢山地、2007年5月27日撮影)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
: ツツジ属 Rhododendron
: シロヤシオ R. quinquefolium
学名
Rhododendron quinquefolium Bisset et S.Moore (1877)[1]
和名
シロヤシオ(白八汐)

名称

編集

和名「シロヤシオ」の由来は、初夏に咲く花が白いことによる[2]。枝先に5枚の葉が輪生状に付くことから、別名としてゴヨウツツジ五葉躑躅)ともよばれる[2][1]。赤みを帯びる若木の樹皮は、アカマツの幹を連想させることから、マツハダの別名もある[2]。その他、シロヤシオツツジとも。栃木県花ヤシオツツジの一つ。

形態・生態

編集

落葉広葉樹の低木または小高木で、大木になると高さ6メートル (m) ほどにもなる[2]。樹皮は灰黒褐色から茶褐色で、老木になると亀甲状にはがれる[2]。若い枝は赤褐色から茶褐色で無毛である[2]。葉は枝の先に5個輪生する[2]。 花期は5 - 6月。花は白く大柄で、花弁が浅い三角に出るので、花全体としてはやや五角形に見える。大木に一面に咲くのは美しいが、花は葉の影に咲く上に、白いので遠くからは目立たない。花の咲く期間は短い。

花芽は長卵形で長さ1 - 1.3センチメートル (cm)、赤褐色の芽鱗に包まれていて、細毛がある[2]葉芽は花芽よりもやや小さい紡錘形になる[2]。短枝の先に冬芽がつくこともある[2]。葉痕は三角形から半円形で、維管束痕が1個つく[2]

アケボノツツジとは近縁である。

文化

編集

敬宮愛子内親王お印としてシロヤシオの花が用いられている(公式表記は「ゴヨウツツジ」)[3]

種の保全状況評価

編集

日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[4]

脚注

編集
  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron quinquefolium Bisset et S.Moore シロヤシオ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 75
  3. ^ 皇太子同妃両殿下”. 宮内庁. 2012年5月15日閲覧。
  4. ^ 日本のレッドデータ検索システム(シロヤシオ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年5月15日閲覧。

参考文献

編集
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、75頁。ISBN 978-4-416-61438-9 

関連項目

編集