ザ・シンズThe Shins)は、アメリカ合衆国ニューメキシコ州アルバカーキ出身のロック・バンド。透明で、郷愁を想い起こさせるボーカルと、複雑に変遷する流麗な旋律、深い楽典素養から引き出される音の無常さを有し、インディーズレーベル所属のロック・バンドでありながら、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなど各国で異例の評価を得ている。代表曲に映画『ガーデン・ステート』でも取り上げられた「New Slang」や「So Says I」、「Phantom Limb」などがある。

ザ・シンズ
The Shins
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューメキシコ州アルバカーキ
ジャンル インディー・ロックロックポップ・ミュージック
活動期間 1997年 -
レーベル アメリカ合衆国の旗 サブ・ポップ
イギリスの旗 トランスグレッシヴ (distributing label)
ドイツの旗 カーゴ・レコーズ (distributing label)
公式サイト www.theshins.com
メンバー ジェイムズ・マーサー
ユウキ・マシューズ
マーク・ワトラウス
ケイシー・フーバート
ジョン・ソートランド
パティ・キング
旧メンバー ジェシー・サンドヴァル
マーティン・クランドール
デイヴ・ハーナンデス
ニール・ラングフォード
エリック・ジョンソン
ロン・ルイス
ジョー・プラマー
ジェシカ・ドブソン
リチャード・スウィフト

来歴 編集

 
ライブで演奏するバンド(2012年)

ローファイ・バンドのフレイク・ミュージック (Flake music)を母体とし、同バンド解散後、ザ・シンズ名義で7インチ・シングルを2作品発表。その後、モデスト・マウスとツアーを行い、そのさ中に、ニルヴァーナマッドハニーらグランジ・バンドを輩出したことで有名なサブ・ポップ・レーベルと契約する[1]

2001年、最初のアルバム『オー、インヴァーテッド・ワールド』を発表。

オレゴン州ポートランドに活動拠点を移した後、2003年、2作目『シューツ・トゥ・ナロー』を発表。本国アメリカで非常に高い評価を受ける。

2007年、3作目のアルバム『ウィンシング・ザ・ナイト・アウェイ』を発表。アメリカでの発売週の売り上げは11万8000枚。これによりビルボードチャート第2位を獲得する。さらに世界各国でもヒットとなり、本国アメリカはもちろん、世界各国における評価を確立する。7月にはフジロックフェスティバルに出演し、ホワイト・ステージを沸かせた。さらに11月には、単独での来日公演も果たす。

2008年6月20日に、デビューから所属していたレーベル、サブ・ポップを離れ、自主レーベルのもとで活動していくことを発表する[2]

2009年、ボーカルのジェイムズ・マーサーは、ナールズ・バークレイデンジャー・マウスことブライアン・バートンとともにブロークン・ベルズを結成した。

2012年、5枚目のアルバム『ポート・オヴ・モロウ』を発表。

2017年、アルバム『Heartworms』を発表。

2018年、アルバム『The Worm's Heart』を発表。

評価 編集

2001年にザック・ブラフの映画『ガーデン・ステート』に楽曲を提供する[1]。彼らの楽曲が収録された同映画のサウンドトラック・アルバムは、2004年のグラミー賞において「最優秀サウンドトラック・アルバム (Best Compilation Soundtrack Album for a Motion Picture, Television or Other Visual Media)」を受賞[3]。また、アルバム『ウィンシング・ザ・ナイト・アウェイ』は、2008年のグラミー賞で、「最優秀オルタナティブ・アルバム (Best Alternative Music Album)」にノミネートされた[4]

メンバー 編集

 
ボーカルのジェイムズ・マーサー(2014年)

現在のメンバー 編集

  • ジェイムズ・マーサー (James Mercer) - ボーカル、ギター (1996年–)
  • ユウキ・マシューズ (Yuuki Matthews) – ベース、キーボード (2011年–)
  • マーク・ワトラウス (Mark Watrous) – ギター、キーボード (2014年–)
  • ケイシー・フーバート (Casey Foubert) – ギター (2016年–)
  • ジョン・ソートランド (Jon Sortland) – ドラムス (2016年–)
  • パティ・キング (Patti King) – キーボード (2016年–)

旧メンバー 編集

  • ジェシー・サンドヴァル (Jesse Sandoval) – ドラムス (1996年–2009年)
  • マーティン・クランドール (Martin Crandall) – キーボード (1998年–2009年) ベース (1998年–2000年、2003年–2009年)
  • デイヴ・ハーナンデス (Dave Hernandez) – ベース、ギター (1998年–2000年、2003年–2009年)
  • ニール・ラングフォード (Neal Langford) – ベース (2000年–2003年)
  • エリック・ジョンソン (Eric Johnson) – ギター、キーボード (2007年–2011年)
  • ロン・ルイス (Ron Lewis) – ベース (2009年–2011年)
  • ジョー・プラマー (Joe Plummer) – ドラムス (2009年–2016年)
  • ジェシカ・ドブソン (Jessica Dobson) – ギター、ベース、キーボード (2011年–2013年)
  • リチャード・スウィフト (Richard Swift) – キーボードなど (2011年–2016年) ※2018年死去

受賞歴 編集

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • 『オー、インヴァーテッド・ワールド』 - Oh, Inverted World (2001年)
  • 『シューツ・トゥ・ナロー』 - Chutes Too Narrow (2003年) ※全米86位、全英82位
  • 『ウィンシング・ザ・ナイト・アウェイ』 - Wincing the Night Away (2007年) ※全米2位、全英16位、カナダ2位、全豪5位、アイルランド8位
  • 『ポート・オヴ・モロウ』 - Port of Morrow (2012年)
  • Heartworms (2017年)
  • The Worm's Heart (2018年)

ライブ・アルバム 編集

  • Live at Third Man Records (2013年)[5]

EP 編集

  • Spork (1995年)
  • Nature Bears a Vacuum (1998年)
  • When I Goose-Step (1999年)
  • Know Your Onion! (2002年)
  • So Says I (2003年)
  • Fighting in a Sack (2004年)
  • Live Session EP (2007年) ※iTunes限定リリース

来日公演 編集

  • 2005年
    • 1月30日 大阪 Shinsaibashi Club Quattro
    • 1月31日 東京 ASTRO HALL
  • 2007年
    • 7月29日 新潟 苗場スキー場 - Fuji Rock Festival
    • 11月12日 東京 渋谷CLUB QUATTRO
    • 11月13日 東京 渋谷CLUB QUATTRO
    • 11月14日 名古屋 CLUB QUATTRO
    • 11月15日 大阪 心斎橋CLUB QUATTRO
  • 2012年
    • 7月29日 新潟 苗場スキー場 - Fuji Rock Festival
  • 2017年
    • 11月28日 東京 渋谷CLUB QUATTRO

脚注 編集

  1. ^ a b The Shins Bio”. Rolling Stone. 2016年11月13日閲覧。
  2. ^ Cortney Harding (2008年6月20日). “The Shins Releasing Next Album On Frontman's Label”. Billboard. 2016年11月13日閲覧。
  3. ^ Past Winners Search”. Grammy. 2016年11月13日閲覧。
  4. ^ GRAMMY 2008 WINNERS LIST”. MTV (2008年2月10日). 2016年11月13日閲覧。
  5. ^ Jenn Pelly (2013年6月13日). “Jack White's Third Man Records to Release the Shins, the Kills Live Albums”. Pitchfork. 2016年11月13日閲覧。

外部リンク 編集