シーソー

長い板の中心を支点にして遊具の両端にそれぞれ人が乗り上下運動を繰りかえして遊ぶ遊具

シーソーSeesaw)とは、長い板の中心を支点にして遊具の両端にそれぞれ人が乗り(腰かけまたは両手でぶら下がり)上下運動を繰りかえして遊ぶ遊具[1]

公園のシーソー
シーソーで遊ぶ子供たち(1912年)

概要 編集

主に公園に設置されており、子供の遊びとして親しまれている。ヨーロッパでは、17世紀ごろ土を積んだ上に木を置いて行われた。18世紀には4人乗りの十字型のものができたとされる[2]。日本では少なくとも昭和初期には、児童遊園における体育施設の設置すべき遊具としてあげられている[3]。通称として「ぎったんばっこん」あるいは「ぎっこんばったん」[4]「ばったんこ」[2]などと呼ばれる。(この通称については、地域によって「ぎったんばったん」「ぎっこんばっこん」等さまざまなバリエーションがある。ちなみにこの「ぎっこんばったん」は踏鞴製鉄で炉に空気を送り込む大きな足踏み式鞴で左右交互に板を踏む様子からきているとされる[注釈 1]。)

シーソーでは握り棒などへの衝突といった事故も報告されており、重い症状の割合が他の公園遊具に比べ高いことも報告されている。よって設置・管理においては衝撃緩和などについて安全対策が必要とされる[5] [6] [7]

なお、スポーツの試合で両側が点を取り合う、抜きつ抜かれつの試合をシーソーゲームという。

種類 編集

 
ブラ下がりシーソー
 
支点にばねを用いたシーソー

支点シーソー、ぶら下がりシーソー、ばねシーソーなどの種類がある[8]

支点シーソー 編集

一枚の板の両端にそれぞれ人が座り、それぞれの人が交互に地面を蹴って上下運動を繰りかえして遊ぶもの。

通常、シーソーには、板の両端から支点よりに数十cmの位置にハンドルがついており、このハンドルを掴むことによって安全に遊ぶことができる。ハンドルが複数ついているものでは、片側に複数人乗ることができるほか、体重の異なる子供同士が異なる位置のハンドルに掴まることで、てこの原理で同じ体重であるかのように遊ぶこともできる。 また、板の両端直下の地面に、板が接地する時の衝撃を緩和するために古タイヤなどをクッションとして埋設する場合もある。

ブラ下がりシーソー 編集

握る部分が高い位置にあり、その両端にそれぞれ人がぶら下がって上下運動を繰りかえして遊ぶもの。回転するものは特に回転シーソーという[9]

ばねシーソー 編集

ばねの力で上下運動を行うもの。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 島根県立古代出雲歴史博物館に人が乗れる実物大ふいごの模型がある

出典 編集

  1. ^ 高田典衛『子どものための体育施設・用具』大修館書店、1969年、p.124
  2. ^ a b 日本庭園協会 編『造園叢書. 第13巻』雄山閣. 昭和3. p.160.[1]
  3. ^ 増山他計男,「理想的兒童遊園の設計と其の施設」『造園学雑誌』 3巻 6号 1927年 p.320-331, doi:10.5632/jila1925.3.6_320
  4. ^ 宮下正美『小さな科学者』妙義出版社. 昭和24.[2]
  5. ^ 松野 & 山本 2006, pp. 134–137.
  6. ^ 「危害情報からみた屋外遊具の事故」国民生活センター[3]
  7. ^ 「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」について」国土交通省[4]
  8. ^ 松野 & 山本 2006, p. 134.
  9. ^ 松野 & 山本 2006, p. 135.

参考文献 編集

  • 松野, 敬子、山本, 恵梨『楽しく遊ぶ 安全に遊ぶ 遊具事故防止マニュアル』かもがわ出版、2006年。 

関連項目 編集