ジェシカ・ラング

アメリカ合衆国の俳優・写真家

ジェシカ・フィリーズ・ラングJessica Phyllis Lange, 1949年4月20日 - )は、アメリカ合衆国女優写真家[1][2]。1983年にアカデミー賞、2009年にエミー賞、2016年にトニー賞を受賞し演技の三冠を達成している。

ジェシカ・ラング
Jessica Lange
Jessica Lange
本名 Jessica Phyllis Lange
生年月日 (1949-04-20) 1949年4月20日(74歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ミネソタ州クロケット
職業
主な作品
映画
キングコング
オール・ザット・ジャズ
郵便配達は二度ベルを鳴らす
トッツィー
女優フランシス
ミュージックボックス
ケープ・フィアー
ブルースカイ
ロブ・ロイ/ロマンに生きた男
シークレット/嵐の夜に
タイタス
ビッグ・フィッシュ
ブロークン・フラワーズ
グレイ・ガーデンズ 追憶の館
テレビドラマ
アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズ
フュード/確執 ベティ vs ジョーン
 
受賞
アカデミー賞
主演女優賞
1994年ブルースカイ
助演女優賞
1982年トッツィー
全米映画批評家協会賞
助演女優賞
1982年『トッツィー』
ニューヨーク映画批評家協会賞
助演女優賞
1982年『トッツィー』
ロサンゼルス映画批評家協会賞
主演女優賞
1994年『ブルースカイ』
放送映画批評家協会賞
女優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)
2014年アメリカン・ホラー・ストーリー: 魔女団
エミー賞
女優賞(ミニシリーズ/テレビ映画部門)
2009年グレイ・ガーデンズ 追憶の館
2014年アメリカン・ホラー・ストーリー: 魔女団
助演女優賞(ミニシリーズ/テレビ映画部門)
2012年『アメリカン・ホラー・ストーリー: 呪いの館』
ゴールデングローブ賞
主演女優賞(ドラマ部門)
1994年『ブルースカイ』
助演女優賞
1982年『トッツィー』
女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)
1995年『欲望という名の電車』
助演女優賞(シリーズ・ミニシリーズ・テレビ映画部門)
2011年『アメリカン・ホラー・ストーリー: 呪いの館』
新人賞
1976年『キングコング
全米映画俳優組合賞
女優賞(ドラマシリーズ)
2011年『アメリカン・ホラー・ストーリー: 呪いの館』
トニー賞
演劇主演女優賞
2016年『夜への長い旅路
その他の賞
備考
演技の三冠達成
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生い立ち 編集

ミネソタ州クロケット出身にて、4人兄弟の3番目として生まれる。フィンランド人ドイツ人オランダ人の血を引く[3][4]ミネソタ大学で短期間学んだ後、パントマイムの勉強をしにパリに渡る。1973年にニューヨークに戻り、ウェイトレスやモデルをしながら演技を学ぶ。

俳優として 編集

1976年公開のアメリカ映画『キングコング』で、主役のヒロインに抜擢されるも、映画が酷評された上に、ジェシカ自身には「キングコングの恋人」というイメージがついてしまった。後年になって、彼女自身も「サルとの共演を喜ぶ女優なんていないでしょう」と述懐している。しかし、1981年の『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で注目され、1982年に『トッツィー』でアカデミー助演女優賞1994年には『ブルースカイ』でアカデミー主演女優賞を受賞して演技派女優としての地位を築く。

1992年には『欲望という名の電車』でブロードウェイ・デビューも果たしている。

2009年放送のテレビ映画『グレイ・ガーデンズ 追憶の館』でエミー賞主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞。

2012年『アメリカン・ホラー・ストーリー: 呪いの館』によりゴールデングローブ賞助演女優賞(シリーズ・ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞。

2013年、「Los Angeles Times」紙に女優業から引退する事を発表[5]

2016年、『夜への長い旅路』で第70回トニー賞 演劇主演女優賞を受賞[6]

写真家として 編集

2009年にはモノクロの写真集50 Photographsを出版している[7]

私生活 編集

プライベートでは1970年に写真家と結婚するが、1981年に離婚[8]。1976年から1982年までミハイル・バリシニコフと交際し娘が一人いる。その後、俳優・脚本家のサム・シェパードと暮らし、2人の子供をもうけるが、2009年に別れている[9]


出演作 編集

映画 編集

日本語題
原題
役名 備考 吹き替え
1976 キングコング
King Kong
ドワン 不明(劇場公開版)
宗形智子(テレビ朝日旧版)
上田みゆき(フジテレビ版)
水谷優子(日本テレビ版)
田中敦子(テレビ朝日新版)
1979 オール・ザット・ジャズ
All That Jazz
アンジェリーク 武藤礼子(テレビ朝日版)
宗形智子(LD版)
1980 ひと妻窃盗団
How to Beat the High Co$t of Living
ルイーズ
1981 郵便配達は二度ベルを鳴らす
The Postman Always Rings Twice
コーラ・パパダキス 大谷直子(フジテレビ版)
1982 トッツィー
Tootsie
ジュリー アカデミー助演女優賞 受賞
ゴールデングローブ賞 助演女優賞 受賞
高島雅羅(フジテレビ版)
弓場沙織(ソフト版)
女優フランシス
Frances
フランシス・ファーマー
1984 熱いトタン屋根の猫
Cat on a Hot Tin Roof
マギー テレビ映画
カントリー
Country
ジュエル・アイヴィー 兼製作
1985 ジェシカ・ラングの スウィート・ドリーム
Sweet Dreams
パッツィー
1986 ロンリー・ハート
Crimes of the Heart
メグ
1988 ファーノース
Far North
ケイト
熱き愛に時は流れて
Everybody's All-American
バブス・ロジャース・グレイ 池田昌子
1989 ミュージックボックス
Music Box
アン・タルボット
メン・ドント・リーブ
Men Don't Leave
ベス
1991 ケープ・フィアー[10]
Cape Fear
リー・ボウデン 一城みゆ希(ソフト版)
高島雅羅(テレビ朝日版)
1992 開拓/オー!パイオニア
O Pioneers!
アレクサンドラ テレビ映画
ナイト・アンド・ザ・シティ
Night and the City
ヘレン 武藤礼子
1994 ブルースカイ
Blue Sky
カーリー・マーシャル アカデミー主演女優賞 受賞
ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門) 受賞
弥永和子
1995 代理人
Losing Isaiah
マーガレット 榊原良子
ロブ・ロイ/ロマンに生きた男
Rob Roy
メアリー 戸田恵子
欲望という名の電車
A Streetcar Named Desire
ブランチ テレビ映画
ゴールデングローブ賞女優賞 (ミニシリーズ・テレビ映画部門) 受賞
1997 シークレット/嵐の夜に
A Thousand Acres
ジニー・クック・スミス 宮寺智子
1998 沈黙のジェラシー
Hush
マーサ 弥永和子
従妹ベット
Cousin Bette
ベット 竹口安芸子
1999 タイタス
Titus
タモラ 弥永和子
2001 私は「うつ依存症」の女
Prozac Nation
サラ・ワーツェル 宮寺智子
2003 新しい私
Normal
イルマ・アップルウッド テレビ映画
ボブ・ディランの頭のなか
Masked and Anonymous
ニナ・ヴェロニカ
ビッグ・フィッシュ
Big Fish
サンドラ・ブルーム 唐沢潤(ソフト版)
2005 ブロークン・フラワーズ
Broken Flowers
カルメン
アメリカ、家族のいる風景
Don't Come Knocking
ドリーン
2007 多重人格・シビルの記憶
Sybil
コーネリア・ウィルバー博士 テレビ映画
2009 グレイ・ガーデンズ 追憶の館
Grey Gardens
ビッグ・イディ テレビ映画
エミー賞主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)受賞
2012 君への誓い
The Vow
リタ 久保田民絵
2013 テレーズ 情欲に溺れて
In Secret
マダム・ラカン
2014 ザ・ギャンブラー/熱い賭け
The Gambler
ロベルタ 北條文栄
2022 探偵マーロウ
Marlowe
一柳みる

テレビシリーズ 編集

日本語題
原題
役名 備考 吹き替え
2011-継続中 アメリカン・ホラー・ストーリー
American Horror Story
コンスタンス・ラングドン
シスター・ジュディ
計26話出演
2017 フュード/確執 ベティ vs ジョーン
FEUD: BETTE AND JOAN
ジョーン・クロフォード

脚注 編集

  1. ^ ジェシカ・ラング”. allcinema. スティングレイ. 2021年9月7日閲覧。
  2. ^ Olsen, W. Scott. “Book review: Highway 61”. LensCulture英語版. LensCulture. 2021年9月7日閲覧。
  3. ^ Jessica Lange genealogy. Rootsweb.com.
  4. ^ Brennan, Patricia. Jessica Lange as Willa Cather's Prairie Heroine, Washington Post, 2 February 1992. "I'm half Finnish and half Dutch and German."
  5. ^ “ジェシカ・ラング、女優業からの引退を発表”. (2013.10.25 Fri 13:45). https://www.cinemacafe.net/article/2013/10/25/19916.html 
  6. ^ “『ハミルトン』が11部門を席巻!第70回トニー賞受賞結果発表”. エンタステージ!. (2016年6月13日). http://enterstage.jp/news/2016/06/005077.html 2016年6月14日閲覧。 
  7. ^ Jessica Lange and Patti Smith Team Up”. 50 Photographs. The Observer (2009年7月15日). 2011年5月11日閲覧。
  8. ^ ''Parade: In Step With...Jessica Lange''. Parade.com (1949-04-20). Retrieved on 2011-12-22.
  9. ^ Rep: Jessica Lange and Sam Shepard Have Separated. UsMagazine.com. Retrieved on 2011-12-22.
  10. ^ デ・ニーロ × スコセッシ監督 戦慄のサイコスリラー!! ケープ・フィアー【坂本朋彦のシネフィル・コラム】 |NHK_PR|NHKオンライン

外部リンク 編集