ジェラルド・R・フォード級航空母艦

ジェラルド・R・フォード級航空母艦(ジェラルド・R・フォードきゅうこうくうぼかん、英語: Gerald R. Ford-class aircraft carrier)は、アメリカ海軍原子力空母の艦級[1][2]。先行するニミッツ級と船体規模は同程度だが、新技術を全面的に導入した新設計艦となっている[3]。ネームシップの調達コストは合計130億8,400万ドル[4]

ジェラルド・R・フォード級航空母艦
Bow view of USS Gerald R. Ford (CVN-78) underway on 8 April 2017.JPG
基本情報
艦種 航空母艦原子力空母
運用者 Seal of the United States Department of the Navy.svgアメリカ海軍
建造期間 2009年 - 建造中
就役期間 2017年 - 就役中
計画数 5
建造数 2
前級 ニミッツ級
次級 (最新)
要目
満載排水量 101,600 トン
全長 337 m
最大幅 78 m
水線幅 41 m
吃水 12 m
機関方式 A1B加圧水型原子炉×2基
主機 蒸気タービン×4基
推進器 スクリュープロペラ×4軸
速力 最大30ノット以上(56+km/h)
乗員
  • 操艦要員:2,180名
  • 航空要員:2,480名
兵装
  • ファランクスCIWS×3基
  • ESSM短SAM 8連装発射機×2基
  • RAM近SAM 21連装発射機×2基
  • M2 12.7mm重機関銃×4基
  • 搭載機
  • CTOL機 + ヘリコプター 75機以上
  • F/A-18E/FF-35CE-2C/DEA-18GC-2AH-60
  • レーダー AN/SPY-3 多機能型(3面)×1基
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    来歴編集

    ニミッツ級の建造編集

    アメリカ海軍は、1958年度計画による「エンタープライズ」で、原子力空母の建造に着手した。同艦のコスト高騰を受けて、19613年度での建造艦は通常動力型のキティホーク級となったが、1967年度からは、原子力空母の量産型としてニミッツ級の建造が開始された[5][6]

    ニミッツ級の建造費もかなり高かったことから、1970年代には、STOVL運用を想定した小型空母である制海艦(SCS)や、ミッドウェイ級と同規模の中型空母CVVも計画されたものの[7]、ニミッツ級は「空母という艦種は同級で完成した」と称されるほど高く評価されており[8]ジョン・レーマン海軍長官600隻艦隊構想もあって、結局は、順次に改訂を加えつつ、同級の建造が継続された[9]

    CVXからCVNX、CVN-21へ編集

    1990年代には、これらの小改造や装備機器の追加による排水量の増加と艦内スペースの活用も限界に達していた。このことから、まず1993年に将来海上航空基地作業部会(Future sea-based air platforms working group)が発足して、ニミッツ級後継艦についての研究が着手された[6]。このニミッツ級後継艦は、原子力空母に拘らずにゼロベースで行われていたことからCVX計画と称されており、2006年から建造を開始して、「エンタープライズ」の後継として2013年には就役させる計画とされた。船体規模としては搭載機45機程度の中型空母からニミッツ級と同様に85機を搭載できる大型空母まで検討されたほか、船型としては先進的なウェーブピアサーやステルス船体も俎上に載せられており、アイランド飛行甲板レイアウトの改訂まで含めると70通りもの案が比較検討された[5]

    当初はニミッツ級の建造を10隻で終了して直ちにCVX計画艦に移行することになっていたものの、1998年には、新技術を一気に実現することの困難さや予算的な問題から、この当初計画は実現困難であると考えられるようになっていた。この時点で、CVX計画は核動力化が決定してCVNX計画と改称しており、ニミッツ級の最終10番艦(CVN-77)に新技術をある程度盛り込んだうえで、CVNX計画艦に移行するように修正されることになった。またCVNX計画艦についても、一気に新技術を全面導入するのではなく、CVNX-1(CVN-78)とCVNX-2(CVN-79)の2段階に分けて導入する、ニミッツ級10番艦(CVN-77)まで含めると3段階を経て導入するという漸進的なアプローチが採択された。しかし2002年には再び計画が修正され、CVN-78をCVN-21計画艦として、一挙に新型空母建造に着手することとなった。新技術の実用化を後押しすべく、2004年度には予算が倍近くまで増額された一方、CVN-77はニミッツ級の小改良型にとどまることになった[6]

    そしてCVN-21計画艦として建造されたのが本級である。当初は2006年から建造に入る予定だったが、後に2007年に変更され、2004年には、予算上の理由から更に1年先送りして2008年建造開始とされた[6]

    設計編集

    船体編集

    上記のように、CVX計画の段階では従来とは全く異なる設計も検討されていたものの、結局、主要諸元や船舶としての基本的な性能はニミッツ級と同様なものとなった[10]

    船体の基本構造もニミッツ級のものが踏襲されている。主船体は機関区画を含めて11層の甲板で構成されており、格納庫甲板が主甲板(第1甲板)とされている。格納庫は2レベル分の高さが確保されており、その上方の03レベルはギャラリーデッキ、そして04レベルが飛行甲板となっている。なお船首には、ニミッツ級9番艦「レーガン」で導入された大型のバルバス・バウが付されている[10]

    本級では、飛行甲板に新開発の高強度強靭鋼(High Strength Toughness Steel)であるHSLA-115を採用することで、所定の強度を保ちつつ軽量化し、また耐弾性の向上を実現している。また船体は前後に10以上の横隔壁により区分されているが、この隔壁にも、やはり新開発の高強度強靭鋼HSLA-65が採用されている。これらの新素材の導入によって、上部重量の低減や排水量の増加防止、また将来発展余地の確保が実現された[10]

     
    右舷後方の艦橋とエレベーター

    また艦橋構造物(アイランド)は大きく変化した。ニミッツ級よりもかなり艦尾寄りに移動するとともに、レーダー反射断面積(RCS)低減のため外板には傾斜が付され、フェーズドアレイレーダーアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナが固定装備されている。8層の構成であり、頂部には機器室などに続いて太い塔状のマストが設けられている[10]

    なお本級では、運用コストの低減のため、全面的な省力化が図られているが、これによって捻出されたスペースの余裕を活かして、居住性の向上も図られている[10]

    機関編集

    原子力空母である本級は核動力を採用しているが、その原子炉としては、新開発のA1Bが採用された。ニミッツ級では、連綿とA4W(熱出力550 MWth)2基が搭載されてきたが、40年の技術進歩を反映して、A1Bでは出力にして25パーセントの増加が達成された[11]

    出力向上とともにコンパクト化も進められ、炉心のエネルギー密度が向上することで、冷却水のポンプはより低出力のもので賄えるようになった。配管やバルブ、ポンプ、また二次冷却水の蒸気を水に戻すコンデンサーなども、A4Wより50パーセント減少しており、保守・整備の手間やマンパワーの削減が実現し、原子炉担当の当直の人数も23に削減できるようになった[11]

    また本級では、カタパルトアレスティング・ギアの両方を電磁式とすることが予定されたほか、レーダーなども新型化され、更に将来発展余地も求められたことから、発電能力も増強された。ニミッツ級では100メガワットとされていたのに対し、3倍に強化されている[11]

    更に炉心の寿命も大幅に延長されており、約50年間に渡って炉心交換の必要がないように設計されている。ニミッツ級では、25年に1回のペースで炉心交換を含む包括的修理(RCOH)が行われてきたが、このために3~4年間に渡って艦隊を離れることになるうえに、建造費の半分(約30億ドル)にも及ぶ膨大な経費が必要となり、艦隊の運用面でも予算面でも大きな負担となってきた。これに対し、A1B原子炉の長い炉心寿命により、本級は現役寿命中のRCOHが不要となることが期待されている[11]

    なお、推進器はニミッツ級9番艦「レーガン」以降と同様、直径6.4メートルでスキュー付きの5翼式スクリュープロペラとされている[10]

    能力編集

    航空運用機能編集

    発着艦設備編集

    船体の項に上記したとおり、本級では04甲板(レベル03の天井)が全通した飛行甲板とされており、長さ332.9メートル×最大幅78.0メートルで[1]、面積にして約20,000平方メートルと、ニミッツ級より約11パーセント増加した。飛行甲板上にはアングルド・デッキが設定されている[10]

    本級では、カタパルトアレスティング・ギアの両方を電磁式とすることが予定された。アレスティング・ギアとして開発された先進着艦制動装置AAGは、油圧装置にかえて、ウォーター・タービンの抵抗によるパッシブな減速とモーターによるアクティブな制動を組み合わせる方式を採用しており、性能的には従来のMk.7制動装置と同様だが、より細かく機体の速度・重量や強度にあわせた制動を実施できるように設計されている[12]

    一方、カタパルトとして開発されたのがEMALS(Electro-magnetic Aircraft Launch Systemで、こちらも出力的には従来のC-13型蒸気式カタパルトと同程度ながら、エネルギー効率に優れているほか、機体の特性にあわせて加速度を調整できることから機体への荷重を軽減でき、小型軽量の無人航空機(UAV)の射出にも対応した。更に小型軽量化および整備性の向上も実現された[13]。またその後方に設置されるジェット・ブラスト・ディフレクターも、内部に特殊な冷却パイプを内蔵したパッシブ・ジェット・ブラスト・ディフレクターが採用された[10]

    ただしEMALSもAAGも信頼性の問題を抱えており、それぞれ4,166MCBCF(Mean Cycles Between Critical Failures)と16,500MCBCFの信頼性を要求されているにも関わらず、EMALSは747回の射出試験で10回、またAAGもは763回の拘束着艦で10回の重大故障を起こした。EMALSについては、トランプ大統領により、後期建造艦での非採用が主張されている[4]

    格納・補給編集

    アメリカ海軍では、超大型空母Supercarrierの端緒にあたるフォレスタル級以降、デッキサイド式エレベーター4基の構成を連綿と踏襲してきたが、本級では右舷側のエレベーターを1基減らして、計3基となった[10]

    搭載される空母航空団はニミッツ級と同様で、下記のような構成が予定されている[2]

    • 戦闘攻撃飛行隊(VFA)- F/A-18E/F×24機+F-35Cライトニング II×20機(各2個飛行隊)
    • 電子戦飛行隊(VAQ) - EA-18G×5機(1個飛行隊)
    • 早期警戒飛行隊(VAW)- E-2D×4機(1個飛行隊)
    • H-60ヘリコプター×6機
    • C-2A輸送機×2機

    ただし本級では、上記のような航空艤装の改良によって、ニミッツ級では1日120ソーティとされていたものを3割増の160ソーティ、戦時には更に240ソーティにまで増加させることで、実質的な戦闘能力を向上させている[14]

    ソーティ数の増加に対応して、搭載弾薬量はニミッツ級からほぼ倍増した[14]。なお本級では、弾薬移送用エレベーターも電磁式とされており、新開発の先進兵器エレベーター(AWE)が採用された。右舷の2基の機体移送用エレベーターのそれぞれ艦首側と、飛行甲板の右舷張り出しの最前部の計3ヶ所に設置される。ただし誤動作の問題があり、設置は遅延して、艦自体の就役遅延につながった[4]

    個艦防御機能編集

    「フォード」では、レーダーとして、捜索用のAN/SPY-4、また多機能型のAN/SPY-3を搭載しており、3面のアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESAアンテナ)は、いずれもアイランドに固定装備される。これらのレーダーは統合されており、デュアル・バンド・レーダーとして運用される。SPY-4はSバンドを使用して遠達性に優れており、VSR(Volume Search Radar)として、遠距離での捜索・捕捉を担当する。SPY-3はXバンドを使用して精密走査能力に優れており、MFR(Multi-Function Radar)として、SPY-4の情報に基づいて目標を捕捉・追尾し、艦対空ミサイルの誘導までを担当する[15]

    ただしこれらは高コストであり、2番艦では、より低コストの機種に変更されることになった。候補としては、イージス艦向けのAMDRを元にしたEASR(Enterprise Air Surveillance Radar)が検討されている[4]

    兵装面ではニミッツ級とほぼ同様で、ESSMの8連装発射機2基、RAMの21連装発射機2基、20mm CIWSが3基とされている[10]。ただし本級では、レーザー兵器システムなどの指向性エネルギー兵器の後日装備も想定されており、そのための電力供給も設計に含まれている[16]

    比較表編集

    超大型航空母艦(スーパー・キャリアー)の比較
    CVN フォード級 CVN ニミッツ級 CVN エンタープライズ
    (最終状態)
    CV キティホーク級
    (最終状態)
    CV フォレスタル級
    (最終状態)
    船体 満載排水量 101,605 t[3] 91,400 - 102,000 t[8] 83,350 t[17] 75,200 t - 83,000 t[18] 75,900 t - 76,000 t[19]
    全長 332.8 m[3] 332.0 m[8] 341.3 m[17] 319.3 m - 326.9 m[18] 316.7 m - 319.0 m[19]
    水線幅 / 最大幅 41.8 m / 78 m[3] 40.8 m / 76.8 m[8] 38.5 m / 78.3 m[17] 39.6 m / 76.8 m[18] 38.5 m / 76.8 m[19]
    機関 方式 原子力タービン[3][8][17] 蒸気タービン
    出力 不明 280,000 hp[8][17][18][19][注 1]
    速力 30 kt以上[3][8] 36 kt[17] 35 kt[18] 34 kt[注 1][19]
    兵装 砲熕 ファランクスCIWS×2 - 3基[3][8][17][18][19]
    ミサイル ESSM 8連装発射機×2基[3] シースパロー8連装発射機×2 - 3基[8][17][18][19]
    RAM 21連装発射機×2基[3]
    航空運用機能 搭載機数 不明 (常時70機前後搭載) 90機 (常時70機前後搭載)
    航空用ガソリン 363 kL[20] 192 kL[20] 353 kL[20]
    ジェット燃料 不明 10,220 kL[20] 9,382 kL[20] 4,439 kL[20] 6,955 kL[20]
    航空機用兵器 不明 2,970 t[20] 1,800 t[20]
    カタパルト 電磁式×4基 蒸気式×4基
    制動索 3索 4索[注 2]
    エレベーター 3基 4基
    同型艦数 1隻 (12隻予定) 10隻 1隻 4隻 4隻
    原子力空母の比較
      フォード級   シャルル・ド・ゴール   ニミッツ級   エンタープライズ
    (最終状態)
    船体規模 基準排水量 不明 37,680 t 72,916 t以上 75,700 t
    満載排水量 101,600 t 43,182 t 100,000 t以上 93,284 t
    全長 337 m 261.5 m 330 m - 333 m 336 m
    水線幅 / 最大幅 41 m / 78 m 31.5 m / 64.36 m 41 m / 76.8 m 40 m / 76 m
    主機 機関 原子炉+蒸気タービン
    方式 ギアード・タービン
    出力 不明 83,000 ps 260,000 ps 280,000 ps
    速力 30 kt以上 27 kt 30 kt以上 33.6 kt
    兵装 砲熕 ファランクスCIWS×2基 20mm単装機関砲×8基 ファランクスCIWS×2 - 3基
    ミサイル ESSM8連装発射機×2基 アスター15VLS×32セル シースパロー8連装発射機×2基
    RAM21連装発射機×2基 SADRAL6連装発射機×2基 RAM21連装発射機×2基
    航空運用機能 搭載機数 常時70機前後 最大40機 最大90機(常時70機前後)
    形式 CATOBAR
    飛行甲板 アングルド・デッキ
    カタパルト 電磁式×4基 蒸気式×2基 蒸気式×4基
    JBD 4基 2基 4基
    制動索 3索 4索
    エレベーター 3基 2基 4基
    同型艦数 1隻(12隻予定) 1隻 10隻 1隻
    大型空母の比較
      フォード級   002型(山東)   アドミラル・クズネツォフ   クイーン・エリザベス級
    船体規模 基準排水量 不明 55,000 t (推定) 53,000 t 45,000 t
    満載排水量 101,600 t 70,000 t (推定) 59,100 t 67,699 t
    全長 337 m 315 m (推定) 305 m 284 m
    水線幅 / 最大幅 41 m / 78 m 38 m / 75.5 m 38 m / 72 m 39 m / 73 m
    主機 機関 原子炉+蒸気タービン 不明 蒸気タービン ガスタービン発電機+電動機
    方式 ギアード・タービン ギアード・タービン IFEP
    出力 不明 200,000 ps 96,000 ps(MT30)
    不明(ディーゼル)
    108,000 ps(電動機)
    速力 30 kt以上 31 kt以上 (推定) 29 kt 26 kt
    兵装 砲熕 ファランクスCIWS×3基 1130型CIWS×3基 AK-630CIWS×6 ファランクスCIWS×3基
    コールチクCIWS×8基 30mm単装機銃×4基
    RBU-12000対潜迫撃砲×2基 7.62mm多銃身機銃×多数
    ミサイル ESSM8連装発射機×2基 HHQ-1018連装発射機×4基 キンジャールVLS×192セル
    RAM21連装発射機×2基 P-700VLS×12セル
    航空運用機能 搭載機数 70機前後 40 - 70機 (推定) 50機前後 48機
    形式 CATOBAR STOBAR STOVL
    飛行甲板 アングルド・デッキ スキージャンプ式+アングルド・デッキ スキージャンプ式
    カタパルト 電磁式×4基
    JBD 4基 3基 1基
    制動索 3索 4索
    エレベーター 3基 2基
    同型艦数 1隻 (12隻予定) 1隻 1隻 (準同型1隻) 2隻


    同型艦編集

    ニミッツ級と同じくアメリカ合衆国において原子力空母の建造および燃料棒交換を唯一行うことのできるニューポート・ニューズ造船所が建造を担当している。

    アメリカ海軍は現有のニミッツ級航空母艦11隻に代えて、2030年代末までに本型艦を12隻体制とする方針であり、3番艦エンタープライズと4番艦ドリス・ミラーについて、単艦ごとの発注でなく2艦を一括発注することで建造期間と費用を圧縮させることを検討している[21]

    一方で、アメリカ議会予算局は2013年の連邦支出削減報告書で、本級の建造を2番艦で中止することで、178億ドルが節約できると指摘している。[22]

    一覧表編集

    艦番号 艦名 起工 進水 就役 更新対象 現況 母港
    CVN-78 ジェラルド・R・フォード
    USS Gerald R. Ford
    2009年
    11月13日
    2013年
    10月11日
    2017年
    7月22日
    CVN-65 就役
    (能力検証中)
    バージニア州
    ノーフォーク海軍基地
    CVN-79 ジョン・F・ケネディ
    USS John F. Kennedy
    2015年
    8月22日
    2019年
    10月29日
    2024年予定 CVN-68 建造中
    CVN-80 エンタープライズ
    USS Enterprise
    2020年予定 2025年予定 2027年予定 CVN-69 計画中
    CVN-81 ドリス・ミラー
    USS Doris Miller
    2023年予定 2028年予定 2030年予定 CVN-70 計画中
    CVN-82 艦名未命名 2027年予定 2032年予定 2034年予定 CVN-71 計画中

    命名編集

    キティホーク級航空母艦アメリカ退役軍人協会(乗務経験者で組織される)は、本級の1番艦であるCVN-78をアメリカと命名するよう運動を行ってきたが、最終的にはジェラルド・フォード第38代大統領の名が命名されることとなった。なおアメリカの名は、アメリカ級強襲揚陸艦の1番艦であるLHA-6につけられた。

    同様に2番艦であるCVN-79についても、命名について様々な憶測や提案がなされた。2007年12月7日には、ハリー・ミッチェル英語版下院議員真珠湾攻撃66周年記念式典において、CVN-79をアリゾナと命名することを提案した。また一部では、CVN-65 エンタープライズが本級の一番艦であるCVN-78 ジェラルド・R・フォードに置き換えられる形で退役する予定であることなどから、CVN-79をエンタープライズと命名するよう求める請願署名をネット上で募る動きもあった[23]。しかし2011年5月29日、レイ・メイバス英語版海軍長官は、CVN-79がジョン・F・ケネディと命名される予定であることを発表した[24]。ジョン・F・ケネディの名は2007年に退役したキティホーク級の4番艦CV-67以来2代目となる。

    2012年12月1日、CVN-65 エンタープライズの退役式典において、レイ・メイバス英語版海軍長官は、CVN-80がエンタープライズと命名されることを発表した[25]。エンタープライズの名は同艦で9代目となる。

    2020年1月20日、アメリカ海軍はフォード級4番艦CVN-81にアフリカ系アメリカ人、ドリス・ミラー三等炊事兵の名前を付与する意向と発表した。ミラー氏は真珠湾攻撃時戦艦ウェストバージニアの一等給仕兵であるにもかかわらず、死亡した水兵の代わりに機銃座に座り日本海軍機相手に勇敢に闘い、その功績によりアフリカ系アメリカ人として初の海軍十字章を受章している。同氏の名前が使用されるのは1991年に退役したノックス級フリゲートミラー(FF-1091)以来2回目。空母に水兵の名前が使用されるのは今回が初である。

    脚注編集

    [脚注の使い方]

    注釈編集

    1. ^ a b 「フォレスタル」のみ出力260,000 hp、速力33ノット[19]
    2. ^ ニミッツ級9、10番艦は3索式。

    出典編集

    1. ^ a b Saunders 2015, p. 935.
    2. ^ a b Wertheim 2013, pp. 830-833.
    3. ^ a b c d e f g h i 大塚 2014, pp. 170-174.
    4. ^ a b c d 野木 2019.
    5. ^ a b 岡部 2017.
    6. ^ a b c d 多田 2016.
    7. ^ Polmar 2008, ch.18 Carrier Controversies.
    8. ^ a b c d e f g h i 大塚 2014, pp. 156-169.
    9. ^ 大塚 2014, pp. 193-203.
    10. ^ a b c d e f g h i j 海人社 2016.
    11. ^ a b c d 岡部 2016, pp. 96-99.
    12. ^ 岡部 2016, pp. 88-91.
    13. ^ 岡部 2016, pp. 92-95.
    14. ^ a b 青木 2016.
    15. ^ 岡部 2016, pp. 84-87.
    16. ^ 多田 2017.
    17. ^ a b c d e f g h 大塚 2014, pp. 146-155.
    18. ^ a b c d e f g 大塚 2014, pp. 132-145.
    19. ^ a b c d e f g h 大塚 2014, pp. 118-131.
    20. ^ a b c d e f g h i Friedman 1983, appx.E Carrier Characteristics.
    21. ^ “米海軍「2050年代までに355隻」体制、30年代に前倒しも可能”. 産経新聞. (2018年4月13日). https://www.sankei.com/world/news/180413/wor1804130049-n2.html 2018年4月15日閲覧。 
    22. ^ 「海外艦艇ニュース 米議会予算局による国防費削減案」『世界の艦船』第793集(2014年3月号) 海人社
    23. ^ Signatures for A Petition to name the next United States Navy nuclear powered aircraft carrier the USS ENTERPRISE”. 2009年11月8日閲覧。
    24. ^ Navy Names Next Aircraft Carrier USS John F. Kennedy”. 2011年5月30日閲覧。
    25. ^ Navy’s Next Ford-Class Aircraft Carrier to be Named Enterprise”. 2015年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月2日閲覧。

    参考文献編集

    • Saunders, Stephen (2015). Jane's Fighting Ships 2015-2016. Janes Information Group. ISBN 978-0710631435 
    • Wertheim, Eric (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. ISBN 978-1591149545 
    • 青木, 謙知「「フォード」の航空打撃力 : ニミッツ級と比較して (特集 米新型CVN「フォード」のすべて)」『世界の艦船』第850号、海人社、2016年12月、 100-105頁、 NAID 40020996924
    • 大塚, 好古「アメリカ航空母艦史」『世界の艦船』第807号、海人社、2014年11月、 1-207頁、 NAID 40020238934
    • 岡部, いさく「「フォード」に導入された注目の新技術 (特集・米新型CVN「フォード」のすべて)」『世界の艦船』第850号、海人社、2016年12月、 83-99頁、 NAID 40020996922
    • 岡部, いさく「米英新空母 : 完成までの長いプロセスを振り返る (特集 「フォード」vs「エリザベス」 : 米英の新空母を比較する)」『世界の艦船』第870号、海人社、2017年12月、 69-73頁、 NAID 40021370494
    • 海人社, 編纂.「「フォード」の船体構造と固有兵装 (特集 米新型CVN「フォード」のすべて)」『世界の艦船』第850号、海人社、2016年12月、 76-82頁、 NAID 40020996919
    • 多田, 智彦「「フォード」級の開発・建造のプロセス (特集 米新型CVN「フォード」のすべて)」『世界の艦船』第850号、海人社、2016年12月、 69-75頁、 NAID 40020996918
    • 多田, 智彦「センサーと固有兵装 (特集 「フォード」vs「エリザベス」 : 米英の新空母を比較する)」『世界の艦船』第870号、海人社、2017年12月、 96-101頁、 NAID 40021370528
    • 野木, 恵一「戦力化はいつ? 米新造空母「フォード」の新技術と課題 (特集 世界の空母 2019)」『世界の艦船』第907号、海人社、2019年9月、 100-103頁、 NAID 40021975673

    外部リンク編集