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ジェンツーペンギンgentoo penguin、学名:Pygoscelis papua)は、ペンギン目ペンギン科アデリーペンギン属に分類される鳥類。中型のペンギンで、両目をつなぐ白い帯模様が特徴である。オンジュンペンギンという別名もある。

ジェンツーペンギン
Pygoscelis papua.jpg
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ペンギン目 Sphenisciformes
: ペンギン科 Spheniscidae
: アデリーペンギン属 Pygoscelis
: ジェンツーペンギン P. papua
学名
Pygoscelis papua (Forster[2]1781)
和名
ジェンツーペンギン
オンジュンペンギン(温順ペンギン)
英名
Gentoo penguin

目次

形態編集

体長は51cm - 90cm[1]、体重は5kg - 8.5kgほど。大きさはペンギン18種類のうち、コウテイペンギンキングペンギンに次いで3番目に大きい。また、オスの方がメスよりわずかに大きい。更に、ペンギンで最も泳ぐのが速いペンギンでもある。最高時速は時速35kmにも達する。

成鳥は頭部と背中側が黒く、腹側が白、足はピンク色または橙色をしている。特徴は頭頂部を通って両目をつなぐ白い帯模様と、くちばしの両側の赤色または橙色である。また、同じアデリーペンギン属アデリーペンギンヒゲペンギンと同様に尾羽が長い。

幼鳥は地味な色をしており、羽毛はフワフワしている。背中側はモフモフとしたグレー又は薄い群青色をしており、腹側は白い。成長と似てる点がいくつかありクチバシは明るい橙色に、先が黒くなっている。しかし成長よりもクチバシの色がハッキリしていない。そして、足は橙色又は、桃色をしており、毛は生えていない。爪やその周辺が黒くなっている。成長の為の換羽の時期には既に足にヒレが付いている。

虹彩は茶色、脚は薄いピンク色から赤色または橙色である。英名の"Gentoo"は、ポルトガル語で「異教徒」を意味する"Gentio"に由来し、頭部の白い帯模様をターバンに見立てたものといわれる。一方、別和名のオンジュンペンギンはこのペンギンの温順な性格にちなんでいる。

分布編集

 
黄色が亜種 P. p. ellsworthi 、黄緑色が亜種 P. p. papua の分布域。赤色部分が繁殖地

生息域は南極周辺の海域だが、アデリーペンギン属3種類の中ではもっとも北に分布している。おもな繁殖地は

他にも

などにもコロニーがある[1]

亜種編集

南極半島からサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島にかけての個体群は亜種 P. p. ellsworthii (キタジェンツーペンギン)とされ、他の地域の亜種 P. p. papua (ミナミジェンツーペンギン)より小型である。

生態編集

非繁殖期は海で生活するが、繁殖地からあまり遠くへ行かない。ただし南極半島など寒さが厳しい地域では、冬には海岸から見られなくなる。

他のペンギン同様肉食性で、おもにオキアミを捕食する。いっぽう、海での天敵はシャチヒョウアザラシなどである。なお、ジェンツーペンギンの泳ぐ速度は36km/hほどで、最も速く泳ぐペンギンとされている。

繁殖編集

アデリーペンギンヒゲペンギンと同様に、円形に石を積み上げて巣を作り、ふつうは130gほどの卵を2個産む。孵化までは35日ほどかかるが、それまでは親鳥が毎日交代で抱卵する。孵化したヒナは綿毛におおわれ、背中側が灰色で腹側が白色をしている。孵化後1ヶ月ほどは巣にとどまって両親から給餌を受けるが、成長するとヒナ同士の集団「クレイシュ」を作る。クレイシュの中で集団生活しながらなおも親鳥から給餌を受け、3ヶ月ほどかけて充分に成長する。成長したヒナは成鳥の羽毛に換羽してから海へ旅立つ。

平均水深度は80mにも達し、ペンギンの中でも潜水能力は高い方である。平均潜水時間は2.5分で、4分間も潜水する事がある。

食料は主にオキアミを捕食し、小魚なども捉え捕食する。海にはミナミゾウアザラシや、シャチ、ヒョウアザラシなどがあり、危険を感じると物凄い速さで逃げる。狩をするときも常に周辺で群れている。コロニーでの天敵は、オオトウゾクカモメオオフルマカモメ、稀にサヤハシチドリに襲われる事がある。大型のカモメなどに襲うのは弱った個体や死骸、ジェンツーペンギンヒナであり、成長の若鳥を襲う事は滅多に無い。子育て中の ヒナを襲おうとすると親鳥はつついたり、鳴いたりして威嚇したり、追い払ったりする。サヤハシチドリに関しては体も小さく、基本的にはおこぼれを貰うなどの事しかしないが、弱ったヒナや、迷子で一人きりの場合は容赦なく襲う事がある。街中などに進出し、そこで繁殖したりする ジェンツーペンギンには、野生化した野良猫に襲われたりもする。

個体数は増加傾向にあり、IUCN(国際自然保護連合)の2017年度版レッドリストによると最近の繁殖するつがいは387,000組ほどと推定されている[1]

人間との関係編集

ジェンツーペンギンは各地の動物園・水族館で飼育されている。ペンギンの中でも好奇心が旺盛とされており、観覧者に近寄ってくることも多い。

脚注編集

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  1. ^ a b c d BirdLife International (2016年). "Pygoscelis papua". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2017.3. International Union for Conservation of Nature. Retrieved 2018年4月7日.
  2. ^ ヨハン・フォースター (1729-1798) naturalist, Arnold Förster (1810-1884) entomologist or Raymond Robert Forster (1922-2000) spider expert

参考文献編集

  • トニー.D.ウィリアムズ他 著、『ペンギン大百科』、平凡社1999年、279–292頁

関連項目編集

外部リンク編集