ジギー・スターダスト

デヴィッド・ボウイのアルバム

ジギー・スターダスト』(原題:The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)は、イギリスミュージシャンデヴィッド・ボウイの5作目のアルバム。

ジギー・スターダスト
デヴィッド・ボウイスタジオ・アルバム
リリース
録音 1971年9月9日 - 1972年2月
Trident Studios, Soho, London
ジャンル ロック
時間
レーベル RCAレコード
プロデュース デヴィッド・ボウイ
ケン・スコット
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 5位(全英アルバムチャート
  • 75位(Billboard 200
  • 64位(オリコンチャート、1990年盤)
  • ゴールドディスク
  • プラチナ(イギリス
  • ゴールド(アメリカ
  • デヴィッド・ボウイ アルバム 年表
    ハンキー・ドリー
    1971年
    ジギー・スターダスト
    1972年
    アラジン・セイン
    1973年
    『ジギー・スターダスト』収録のシングル
    1. 「月世界の白昼夢」
      リリース: 1971年4月
    2. スターマン
      リリース: 1972年4月14日
    3. 「ロックン・ロールの自殺者」
      リリース: 1974年4月11日
    4. サフラジェット・シティ
      リリース: 1976年7月9日
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    1972年6月16日に、RCAレコードよりリリースされた。

    その後、1990年EMI(米国ではRYKO)よりCD化され再発売されており、その際ボーナストラックとして未発表テイクが5曲追加収録されている。また、2002年にもEMIより再発売されており、その際は2枚組で12曲がボーナストラックとして追加収録されている。このアルバムタイトルは、後述の解説にあるとおり「ジギー・スターダスト&ザ・スパイダーズ・フロム・マーズの栄枯盛衰」とでも訳すべきものであるが、日本盤では当時の担当ディレクター・高橋明子が発案した話題性確保の一環として、『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』と、固有名詞を直訳する珍妙な邦題を付して発売された(現行版は簡潔に『ジギー・スターダスト』となっている)。

    このアルバムは、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年版)に於いて、40位にランクイン[1]。アルバム収録曲「ジギー・スターダスト」(屈折する星くず)は、ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500や、ロックの殿堂の「The Songs That Shaped Rock and Roll」(ロックン・ロールを形成した500曲)に選出された。

    解説 編集

    デヴィッド・ボウイの代表作の一つ。5年後に迫る資源枯渇を原因とする人類滅亡の危機に、救世主として異星より来たバイセクシャルのロックスター「ジギー・スターダスト」の物語からなる。その名“ジギー”はイギー・ポップから、“スターダスト”は、テキサスのミュージシャン、レジェンダリー・スターダスト・カウボーイが由来となっている。自らが異星からやってきた架空のスーパースター「ジギー」となり、ロック・スターとしての成功からその没落までを描く物語を、アルバムに収録された曲で構成している作品である。それまでにボウイ自身が体験してきた音楽俳優絵画パントマイム、また日本歌舞伎といった大衆芸能を網羅し、自らの作品へと結実している。聴衆は「デヴィッド・ボウイ」ではなく、「ジギー」として彼を讃え、「ジギー」は虚像のスターとしてロック界の頂点に立った。妖艶さと狂気を兼ね備えた「ジギー」のキャラクターは、ボウイ自身の「バイセクシャル」であるという公言や、ステージでの宇宙人を思わせる奇抜な衣装やメイク、パフォーマンスによって神格化されていく。その頂点に達した時、突如ボウイは「ジギー」を否定し引退宣言をしてステージから姿を消すことになる。「ジギー」としてのパフォーマンスは、1973年7月3日のハマースミス・オデオンが名目上最後とされているが、その後にもう一度だけ行われている。

    ボウイがモット・ザ・フープルに提供した楽曲「すべての若き野郎ども」は、『ジギー・スターダスト』の物語とつながりがある[2]

    英音楽誌NMEは、本作から「月世界の白昼夢」(11位)、「5年間」(12位)、「ロックンロールの自殺者」(13位)「サフラジェット・シティ」(14位)、「スターマン」(15位)、「屈折する星くず」(20位)の6曲を「NMEが選ぶデヴィッド・ボウイの究極の名曲1〜40位」に選んでおり、シングルとしてリリースされ本作には収録されなかった「ジョン、アイム・オンリー・ダンシング」も30位にランクインしている。[3]

    収録曲 編集

    A面
    #タイトル作詞・作曲時間
    1.「5年間」(Five Years) 
    2.「魂の愛」(Soul Love) 
    3.「月世界の白昼夢」(Moonage Daydream) 
    4.スターマン(Starman) 
    5.「イット・エイント・イージー」(It Ain't Easy)ロン・デイヴィス
    B面
    #タイトル作詞・作曲時間
    6.「レディ・スターダスト」(Lady Stardust) 
    7.「スター」(Star) 
    8.「君の意志のままに」(Hang Onto Yourself) 
    9.屈折する星くず(Ziggy Stardust) 
    10.サフラジェット・シティ(Suffragette City) 
    11.「ロックン・ロールの自殺者」(Rock'N'Roll Suicide) 

    ボーナストラック 編集

    ボーナストラック(1990年盤)
    #タイトル作詞・作曲時間
    12.「ジョン、アイム・オンリー・ダンシング」(John,I'm Only Dancing (Single B-side)) 
    13.「ヴェルヴェット・ゴールドマイン」(Velvet Goldmine (Single B-side)) 
    14.「スイート・ヘッド」(Sweet Head (Previously unreleased track)) 
    15.「屈折する星くず(デモ・ヴァージョン)」(Ziggy Stardust (Previously unreleased original demo)) 
    16.「レディ・スターダスト(デモ・ヴァージョン)」(Lady Stardust (Previously unreleased original demo)) 
    ボーナストラック(2002年盤)
    #タイトル作詞・作曲時間
    1.「月世界の白昼夢(アーノルド・コーンズ・ヴァージョン)」(Moonage Daydream (Arnold Corns Version)) 
    2.「君の意志のままに(アーノルド・コーンズ・ヴァージョン)」(Hang On To Yourself (Arnold Corns Version)) 
    3.「レディ・スターダスト(デモ)」(Lady Stardust (Original Demo)) 
    4.「屈折する星くず(デモ)」(Ziggy Stardust (Original Demo)) 
    5.「ジョン・アイム・オンリー・ダンシング」(John, I'm Only Dancing (Original Single)) 
    6.「ヴェルヴェット・ゴールドマイン」(Velvet Goldmine (Single B Side)) 
    7.「ホリー・ホリー」(Holy Holy (Studio Version, 1971)) 
    8.「アムステルダム」(Amsterdam (1973 B Side Of Sorrow))ジャック・ブレル、モート・シューマン
    9.「スーパーメン」(The Supermen (Alternative Version)) 
    10.「ラウンド・アンド・ラウンド」(Round And Round (Single B Side, 1973))チャック・ベリー
    11.「スウィート・ヘッド(テイク4)」(Sweet Head (Studio Version, 1971)) 
    12.「月世界の白昼夢(ニュー・ミックス)」(Moonage Daydream) 

    参加ミュージシャン 編集

    リイシュー 編集

    5.1ch版 編集

    2003年 5.1chサラウンドミックスが制作され、SACD(2003年発売)・DVD(2012年発売:40周年記念盤[LP&DVDセット])に収録されている[4]

    脚注 編集

    1. ^ 500 Greatest Albums of All Time: David Bowie, 'The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders From Mars' | Rolling Stone
    2. ^ Copetas, Craig (1974年2月28日). “Beat Godfather Meets Glitter Mainman”. ローリング・ストーン誌. http://www.rollingstone.com/music/news/beat-godfather-meets-glitter-mainman-19740228 
    3. ^ https://nme-jp.com/feature/12521/
    4. ^ https://www.discogs.com/ja/master/1561-David-Bowie-The-Rise-And-Fall-Of-Ziggy-Stardust-And-The-Spiders-From-Mars

    外部リンク 編集